まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。今回のこれは全員さんのをコンプリート後。
みれるオマケさんのイベントを追加です(こらこらこらっ!
例のラシーヌの村の天使の像の奇跡の話ですよ~(だからまて
あと、ついでに依頼を二つほどくっつけましたv
そういえばノラとアーサーの依頼はどうするかな?(離れてるから電話依頼にするかな?
ともあれ、ようやく聖都へ、ですv
といってもいまだにオーロラでてないので卵、としてではないですが(笑
何はともあれゆくのですv

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銀花の園   ~聖都への旅路~


「ニクスさん。それ、何ですか?」
何やら古い新聞の切り抜きらしきものを手にしているニクスにと問いかける。
とりあえず屋敷の周辺にレインが来客者がすぐにわかるようにと装置を開発し取り付けている。
何でもそれぞれの部屋にそれぞれの人に対応して音を全て変えて教える仕組みらしい。
外に取り付けた監視カメラにて映像をとりこみ、それらを電波として屋敷の中にと送り込む。
そんな高度な技術ともいえる装置をあっさりと開発できたのは、一重にこの屋敷の中にとある書物から。
様々な知らない技術がびっしりと書き込まれている文書や設計図。
それらをみて好奇心旺盛なレインが研究しないわけがない。
それゆえに、今では誰が尋ねてきてもすぐにわかるようにとなっている今現在。
「ああ。これですか。古い新聞の切り抜きですよ」
「なるほど。確かに古いな…」
いつものように朝、それぞれの依頼の確認をかねてそろって朝食を食べる。
それはもう毎日の日課の光景と化している。
夜などはそれぞれ依頼の関係でそろうことはあまりないものの、やはり全員がそろってゴハンを食べる。
それだけでとても何か楽しい気分になるのは幼いころに家族の団らんが失われたアンジリェークだからこそ。
「百年前のものですからね。百年前にあった奇跡の話がのってるものらしいのですが」
「百年?ずいぶんと昔なんですね。それってどこの話ですか?」
ニクスにとって百年は長いようでいてそれでいてつい昨日のようなもの。
だがそれはまだ彼等にいうべきことではない。
いまだにアンジェリークがその力に目覚めてない以上、心配をかけるわけにはいかないのだから。
「巡礼の村ラシーヌであった切り抜きですよ」
あのときは奇跡の銅像、といってかなりにぎわっていたものである。
今はかつてのような賑わいはかの地にはない。
「ラシーヌといえば、聖都セレスティザムの近くか。でも何でそんな昔の切り抜きをもってるんだ?ニクス?」
この屋敷には古いものがかなりあるがゆえにさほど驚かない。
つい先日もといつものようにある部屋の捜索をしていて珍しい新聞をみつけたばかり。
少しばかり興味をそそられ今はそちらの解読にいそしんでいる。
例の古文書の解読はすでに終わってはいる。
だがしかし、その内容はとてもアンジェークにとってはおそらく過酷なもの。
ゆえに公言する気にはならない。
解読からは外れる旨はちょうどやってきていたベルナールに先日話をつけた。
教団側とてその古文書の意味を解読したとしても、おそらく女王の卵の命が危険にさらされる。
そのようなことが書かれているそれを公にするとは思えない。
危険なのは財団の出方次第ではあるが、そのための屋敷の周囲に張り巡らせた来客用の装置。
「ええ。実は面白いことに、聖都がらみの依頼が二つも届きましてね。
  それでこの記事のことをおもいだしたのですよ」
いいつつも、ぴらりと依頼書を二通ほど取り出すニクス。
「聖都がらみ?」
ニクスがもっていた記事を受け取り眺めながらも問い返すヒュウガ。
「そういえば、聖都セレスティザムは一年中雪がつもっているらしいね」
あまりあちらの方面にはいったことがない。
それゆえにそんな感想をもらすジェイド。
「一面の雪景色、か。きっと綺麗なんでしょうね。あ、でも住んでいる人たちはきっと寒いでしょうね」
確かに冬になれば雪もふるが、それほど雪が積もるようなことはまず起こらない。
積もってもほんの少し程度。
「では、せっかくですから皆でいきますか?二つとも巡礼の村ランシーヌがらみですし。
  聖都を一度みてみるのもいいかもしれませんしね」
おそらくアンジェリークは後々、かの地に呼ばれることになるであろう。
そのためにも下見をかねていっておいてもいいかもしれない。
「どのような依頼なのだ?」
淡々と問いかけるヒュウガの台詞に、
「ええ。一つは聖都までの巡礼のたびの護衛、ですね。こちらはクゥリールからの依頼です。
  もう一つは首都ヴォードンから、聖都にいるという女性に大切な書類を届けてほしい、というものなんですが」
普通ならばそういう依頼はスルーするが、だがしかし行き先が同じならば別に問題はない。
「聖都…か。しかし珍しいな。巡礼者が護衛を依頼してくるなんて」
普通、彼等はそんな危険を冒してでも聖都に巡礼にと向かう。
別に聖都にいったからといってどう、というわけではないのだが。
やはり信仰深い人は一度は本拠地である聖都に一度はいってみたい、と誰でもおもっている。
「聖都…。そういえば、ヒュウガさん。聖都にもしかして銀色に輝く大樹ってありますか?」
ときどき夢でみる銀色の大樹。
あれはセレスティザムにある、と夢の中ではいわれている。
「ああ。銀の大樹だろ?」
「な!?なぜあなたがそれを!?それにレインも!?」
そんなアンジリェークの台詞にさらっと肯定する彼の台詞に驚きながらも思わず叫ぶヒュウガ。
銀の大樹のことは教団の中でもかなり機密事項に近いことだ、というのに。
「私は夢でよくみるので」
「俺は話で」
…教団の管理能力、大丈夫なのか?
思わずそんなことを内心思うが。
「どうやらアンジリェークも興味があるみたいですね。ではこの依頼、私たち全員でうけるとしましょうか。
  ヒュウガ。あなたは元教団に所属していたこともありますから道案内を頼みましたよ?」
聖都までの道筋はかなりの距離があり、一日やそこらでたどり着けるものではない。
それゆえに全員で出かけたほうが不足の事態においても対処しやすい、というもの。
「ならきまり。だな。じゃぁ、用意しないとな」
「うん。長旅になりそうだしね」
別にそれ以外にこれといって急ぎの依頼はない。
そもそも人数は限られているのだから全ての依頼をこなす、というわけにはいかない。
もっとも、今はけっこう使えるであろう人物が浄化能力に目覚めているのでニクスはこっそりとついまくっていたりするが。
まあ、彼とてもらえるものさえもらえれば、そのあたりはあまり文句はいわないタイプ。
仲間になっていなくてもあるいみ仲間の一人ような扱いをうけている情報屋のロシュ。
そんな会話をしつつも、ひとまず聖都へゆくことがきまり、
今日の朝の会議はひとまず終了してゆく。

カラーン、カラーン。
鐘の音が鳴り響く。
旅人が村の中にはいってきたのをみれば鐘突き塔の上から常に周囲を監視している人々が鐘を鳴らす。
それがここ、街道の村、クゥリール。
南沿いの街道をゆけば陽光の村コズにとたどり着き、東に向かう街道をゆけば商都ファリアン。
西にゆけば首都ヴォードン。
名前のとおり、街道沿いにある小さな村。
「ああ。本当にきてくださったんですね。こんな私なんかのために」
思わず祈ってしまうのは仕方ないのかもしれない。
「あの?しかしこんな大人数が私なんかのために?」
だがしかしすぐに人数の多さにかなり戸惑ってしまう。
「はじめまして。あなたが依頼人のかたですね?ついでなので私もまだ一度も聖都にいったことがないので。
  それでいってみよう。という話になったんですよ?なので気にしないでください」
にっこりと巡礼の格好をしている男性にと話しかける。
依頼者の名前はマルコ。
「しかし。依頼書によれば巡礼の村ラシーヌまででいい、とのことですが。
  セレスティザムまででなくていいのですか?」
依頼内容を確認しつつそんな彼に問いかけるニクス。
「ええ。最後くらいは一人できちんと聖地の土を踏んでゆきたいのです」
巡礼の村ラシーヌから聖都セレスティザムまでは多少なりとも距離がある。
山をのぼってゆくのも一苦労。
「なるほど。とりあえずこちらの用意はすでにいいが。そちらの都合のいいときに出発できるが?」
クゥリールでの依頼者との待ち合わせ。
何やら恐縮しきりの依頼者に対して淡々と話しかけているヒュウガ。
「うん。俺達のことはきにしないで。君の依頼のついでに俺達も雪景色をみにゆくだけだから」
一人に対して五人も護衛。
そのことで萎縮しているのがわかるがゆえににっこりと微笑みかけつつ問いかける。
「さあさあ。とりあえず長話は馬車の中でもできますしね。
  操縦はとりあえず交代制ですよ。さ、それではいきますか」
とりあえず話しもそこそこに依頼者を自分たちの馬車の中に乗せてひとまず出発。
目的はアルカディアの北にあるという聖都セレスティザム。
その近くにある巡礼の村ラシーヌ。
「時間的に今日のところは首都ヴォードンで一泊して。それから明日また出発になりますね。
  すでに宿のほうには話はつけてありますので、のんびりといきましょう。
  あ、カードゲームなどいかがですか?」
「ニクス。お前はいつもカード、だな」
「でも親交を深めるのにはいいよ?あ、でも今回もジジヌキにしたほうがいいね。
  アンジリェークってばすぐに顔にでるんだもん」
「そんなにすぐに顔にでるかしら?」
わきあいあいとした馬車の中。
篤志家として名高いニクス氏の人柄のおおらかさにほっと旨をなでおろす。
ある程度の地位にある人々は多少威張っている人々が多い。
それゆえに依頼をしたものの多少、気後れしていたのもまた事実。
だがしかし、そんな心配は杞憂であったと人々をみていれば思い知らされる。
彼等はとても暖かい。
とくに一緒にいる少女が傍にいればその微笑で自分の心までもが何だかとても温かくなってくる。
新聞記事にて彼女が医者を目指す少女であり、人々を助けるためにニクス氏の援助のもと活動をしている。
というのは知っている。
だがしかし、記事を書いたのはベルナール。
ゆえにアンジリェークが女性なのに浄化能力をもっている、とは一言もかいてはいない。
その力を生かして彼等とともに活動をしている、と言葉を濁している。
ある意味、彼女が医者の卵、というのが恰好のカモフラージュの役割をしており、
姿身をあらわしているといわれている絵姿をみたものでなければ伝説と結びつけて考えるものはあまりいない。
「お~い。ヒュウガ。疲れたらいつでも交代するからいってくれな」
そんな会話をしている最中、小窓から御車台にいるヒュウガにと話しかけているレイン。
「心得た」
というものの、やはり道になれている自分が最適だ、とは彼自身も思っている。
「でも、聖都まで巡礼の旅にでよう。なんて素敵な思いつきだね」
何かを信じるために行動を起こす。
それは自分たちとは違うにしろ行動を起こす時点ですばらしいこと。
何もできない、とおもうよりは行動を起こして後悔をしたほうがいい。
何もしなかった、と後悔するよりも遥かにいい、とおもうから。
「お恥ずかしい。私なんか臆病で…護衛を依頼しないと行動すら起こせませんし。
  あなた方のようなすばらしい心と勇気が私に少しでもあれば」
皆自分よりどうみても若い人ばかり。
世の中、捨てたものではない。
そう改めて認識される。
未来をつむいでゆくのは若い世代。
マルコの言葉に、
「そんなことありません。マルコさんはとても勇気があるとおもいますよ?
  それにあなたもすばらしい心をもっているじゃないですか。何かを信じて行動する。
  それはとてもすばらしいことだとおもいます」
アンジェリークも人々の幸せを信じて行動している。
それが彼女の原動力。
かつての自分のような悲しい思いをする人が二度と出ないために、そう思いを託し。
リースからクゥリールの村にたどり着いたときにはちょうど昼時。
それゆえにお昼はクゥリールの村で済ませてある。
おそらく何事もなければ首都ヴォードンにたどり着くのは夜にはいってから。
「オートモービルでもあればもう少し早くいけるけどな」
「レイン君ならつくれるのではないのですか?」
「簡単にいうな、簡単に。まあ二人乗りくらいのまでなら軽くつくれるけどな」
事実、二人乗りようのオートモービルの簡易版をかつて考案、製作したのもレイン。
炎のオーブの力を多少づつ引き出して原動力にするその機械。
今のところ上級階級の人々に好まれ時々使われているらしい。
いわば自転車のようなもの。
その自転車が自動式になった、というその応用性。
「確かオートモービルって自動式の乗り物よね?原動力は何なの?レイン?」
「基本はああいうアーティファクトの全てはオーブの力によって動いている。
  興味があるなら今度徹底的におしえるぜ?」
「興味はあるけど、たぶん私には理解不能だとおもうわ」
そもそも専門用語とかいろいろでてきてもアンジリェークには理解不能であろう。
「でも機械は使う人によって凶器にも便利なものにもかわるからね。使う人がそれを心がけてくれればいいんだけど」
使い手によっては凶器にもなりえる。
それは彼自身に置き換えてもいえること。
ただ彼は彼自身に心があるがゆえにそういうことにはまずなりえないが。
だがしかし、命令のみを忠実に実行するように創造られたモノならば話は別。
そう、あの『彼』のように。
ジェイドの言葉にはとても感情がこもっている。
機械はわるくないのに、機械のみがわるいようにいわれるのが彼としてはとても心苦しい。
逆に機械がよくいわれればわが身のことのようにうれしくおもうのは彼の感性の一つなのであろう。
「まあ。全ては使う人の心次第。ですね。それはどんなものにもいえることですし。
  さ。一枚抜きましたよ。では配りましょうか?」
誰もやる、とはいっていないのにあるいみ強制。
一人で会話しつつもカードをシャッフルし一枚カードを抜き取り、全員に配ってゆくニクスの姿。
こういったものは人数が多ければ多いほどたのしいもの。
長旅になるので必需品となるがゆえに折りたたみ式のテーブルも常に装備してある。
その中央におかれたテーブルにそれぞれのカードを配ってゆく。
馬車の小窓からうららかな日差しが入り込んできてそんな彼等の様子を照らし出す。
聖都へむけての旅路は始まったばかり。

「こんばんわ♡」
「って、アンジェ!?」
ガタンッ。
思わずデスクから立ち上がる。
すでに夜も更けており、こんな場所にいるはずのない人物。
「よう。ベルナール。陣中見舞いにきたぜ?」
そんな彼の背後からひょっこりと顔を覗かせるレインの姿。
とりあえず夜になり首都ヴォードンにとたどり着き、ニクスが手配していた宿にチェックイン。
せっかくヴォードンにきたこともあり、頑張っているベルナールに何か差し入れを。
そういうアンジェリークの願いに答え、かといって一人で外出させるなどもってのほか。
ゆえにレインがともにお供としてここ、ヴォードンタイムズ本社にやってきているのだが。
先日の一件以後、彼等新聞記者はあるいみかなり忙しくなっている。
何しろアルカディア中全土において奇跡としかいいようのない現象が起こっている。
それらの裏づけをとり、情報をまとめる。
そして人々に真実の情報を伝える。
それが新聞記者としての使命でありまた責任。
奇跡の記事においやられるようにして、メルローズ女学院の生徒達が小麦の収穫を手伝った。
その旨は小さく記事にのったのみ。
だがそれはそれで正解なのであろう。
生徒にまぎれて手伝っている彼女の姿が映っている写真の採用。
おおきく取り上げられれば奇跡と彼女を結びつけて考える人がでてきても不思議ではない。
それでなくてもまことしやかに彼女が女王の卵ではないか、という噂がとびかいつつあるのだから。
「おどろいた。どうして君たちがここに?近くでタナトスがでた、という噂はきかないけど?」
ここ数日はいたって平穏。
何しろあのとき、アルカディア中に出現していたとおもわれるタナトスの全てがアルカディア全土において浄化された。
それゆえに今のところ新たなタナトスの出現報告は入っていない。
もっとも、ファリアンのほうで見かけたような旨の情報はいってはいるものの真意のほどはまだつかめていない。
「いえ。私たち今から巡礼者の護衛で聖都にいくところなんです」
「ついでに政府高官からの手紙、とかいうやつをうけとってな」
首都ヴォードンの政府の高官職についている人物からの依頼。
何でも聖都の門の前に待っている女性がいるのでその女性に重要書類を手渡してほしい、というもの。
目的地が同じならばいくつ依頼をかけもちしてもそれは別に問題はない。
逆に多数の依頼が片付けられる、という特典もついてくる。
「とりあえずベルお兄さん、差し入れです♡」
いいつつ、手にもっていた籠をにこやかにベルナールにと手渡す。
宿の人に頼み込み厨房をかしてもらいつくったサンドイッチなど。
それらを頑張っているベルナールにと届けたい、それがアンジェリークの願い。
「ああ。そうだ。君たちに渡すものがあったんだ。ちょうどよかった」
ごそごそごそ。
いいつつも山と詰まれた資料の中から何やら一つの物体を取り出す。
布にくるまれている小さな何か。
「黄昏の村ジャスティスを取材にいってついでに風哭の渓谷に立ち入ったときに手にいれたものなんだ。
  アンジェがもつのが一番いいとおもってね」
いいつつぱくっと手渡されたかごから一つのサンドイッチをつかんで一口。
「うん。おいしい。アンジェはきっといいお嫁さんになれるね。
  だけど君を変な男には渡せないからね?」
「もうっ。ベルお兄さん!からかわないでください!」
思わず顔を真っ赤にしてそんな彼にと言い返す。
「それはそうと、ベルナール、これ何なんだ?」
いいつつも布でつつまれているそれをゆっくりと開く。
そこにある一つの物体をめにして思わず目を見開き、
「お、おい!?ベルナール!?これって!?」
「レイン博士の思っているとおり。たぶんそれ、護り石じゃないのかな?」
というのも彼がもっていた地のオーブがそれに吸い込まれた。
アンジェリーク達にほかの現物をみせてもらっていたがゆえにそれが何なのかすぐに判った。
正確にいえば彼が歩いているとがけの上から落ちてきたのだが。
それはサクリア同士が惹かれあってのこと、だとは当然ベルナールは知る由もない。
そっと石に触れると流れ込んでくる感覚。
豊かな知恵とそして全てを守り抜く礎の力。
「これは…地の護り石?」
大地は礎、そしてまた人々に豊かな自然とともに知恵をももたらす。
「でも、いいの?ベルお兄さん?」
彼が手にいれたのならばこれの所有権はベルナール、ひいてはヴォードンタイムズ社にあるはずである。
「ああ。かまわないよ。というか上司にはそれを手にいれたこと報告してないし」
そんなことをすればおそらくこの石は貴重な資料として倉庫に眠ってしまうであろう。
そうなれば彼女の…アンジェリークの手助けどころではない。
かの石は彼女の元にあってこそ本来の力を発揮するはず。
そしてまた、彼女の負担を軽減させることもできるはず。
ベルナールの独断ではあるがその判断は間違ってはいないであろう。
「まあ、ベルナールがそういうんだから、素直にありがたくうけとっておけよ」
「ええ。ありがとう。ベルお兄さん」
「い、いや。お礼をいわれることのほどでも。でも聖都か。気をつけてね?アンジェ?
  いいかい?もし知らない人が何かあげるからとかお菓子を上げるとか。
  あと何か珍しいものを見せてあげるからとかいってもついていってはだめだよ?」
「ベルお兄さん!私はそんなに小さなこどもじゃありませんっ!!」
ぷうっ。
真剣にがしっと彼女の肩をつかんで視線をそらすことなくいってくるそんな彼の台詞に思わず抗議。
だがしかし、彼女ならそれはありえるであろう。
というのは彼女の性格を把握しているレインやベルナールからすればわかりきったこと。
それゆえの忠告。
気付いてないのは当人のみ。


                                -第60話へー

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あとがきもどき:
薫:あと、護り石でそろってないのは…緑と地と風。この三つです。
  でもさくさく~とそろう予定。そうさくさく~と(まて
  というわけで今回地の護り石がそろいました(笑
  あとは緑と風ですねv風のほうはロシュがらみで出す予定~♪
  ではでは、次回、いっきに数日とばしますv(こら
  ではまた次回にて~♪

2008年6月8日(日)某日

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