まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

何かまたまた副題と内容がかみあってない?
最近気力の低下とプラス、仕事で疲れているせいか言葉がぱっと浮ばなかったり…
いかんなぁ……
とりあえず、今回からようやく例の天候操作、あれの回なのですよvええv
まあ、ゲームでは夢で、でしたけどね~(苦笑
そういえば、アニメのほうでは天候操作、どうやるんだろう?
いまだにだって夢でのエルヴィン会話がないしな??謎。
ないままにアニメ、おわったりして(笑

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銀花の園   ~学生ボランティア~

ヒュウガはいつものように庭で槍の鍛錬。
レインはレインで部屋にとこもり研究にいそしんでいる。
ジェイドはキッチンでどうやらクッキーを焼いているらしい。
いいにおいがアンジリェークの自室にまでただよってくる。
「…確かに。そうよね」
最近、雨が滅多と降らない。
今は小麦の収穫時期の真っ只中。
ハンナとサリーからの手紙でそのことが触れられており、火事には十分に気をつけて。
ということが書かれている。
手紙の精霊に頼めばその日のうちに手紙のやり取りは可能。
手紙の配達人がタナトスの脅威に襲われることを考えなくてもやり取りが済むのはあるいみすばらしいこと。
もっとも、全てそれにしてしまえば手紙の配達を生業としている人々が困るのもまた判っている。
それでもやはりすぐに手紙が読める、というのは何だかとても心強い。
手紙によるとサリー達はボランティアをかねて焔の砦の小麦畑。
それの収穫の手伝いにいくらしい。
確かに季節はもう六月も終わりに近い。
ただいまは小麦の収穫時期の真っ只中。
モンタントのほうでは収穫時期が五月から始まっていたが、小麦畑はけっこう存在している。
土壌的に焔の砦がある付近の小麦はとてもいい品質が育つ。
「お手伝いにいく日は…え?今日?」
本日の日曜日。
ボランティアをかねて生徒達が数名、あの場所にといくらしい。
今日は日曜日なのでいつもの探索も一応お休み。
ゆっくりと勉強をしようとおもっていたが、やはり久しぶりに友達にもあってみたい。
「そうだ。ニクスさんに聞いてみましょ」
朝、今日は急ぎの依頼などはない、と確かいっていた。
それゆえにレインは部屋に閉じこもり何やら研究を始めているようだが。
手紙を丁寧にとしまいこみ、カタン、と机の前から立ち上がる。
陽だまり邸にきてから一ヶ月と少し。
この一ヶ月と少しの間に彼女を取り巻く環境はものの見事に変化している。
学園にかつてのようにオーブハンターの仕事もあり通うことはできなくても、
やはり彼女としてはボランティアなどに関しては率先して参加していきたい。
それは、少しでも人々の役に立てることを意味しているのだから。

「なるほど。しかしあなた一人というのも……」
「ダメ、ですか?」
なぜかここ最近は一人で外出するのをことごとく却下されどんなときでも必ず一人以上はついてきている今の現状。
それゆえに、メルローズ女学院の生徒達がボランティアで小麦の収穫にいくので自分も参加してみたい。
そう思い立ったが吉日でニクスに聞きに言ったところ、苦笑しながらも言葉を濁すニクス。
それゆえに思いっきり表情にだしてしゅんとなる。
「いえ。誰もダメ、とはいってませんよ?」
「本当ですか!?」
ぱあっ。
その言葉に先ほどまでしゅん、となっていた表情が一変し一気に笑顔にと変わる。
くすっ。
そんな判り安すぎる表情をしているアンジェリークにくすりと笑みを浮かべ、
「しかし。貴女一人、というわけにはいきませんしね。
  ジェイドと、あとはそうですね。下手をすれば部屋に数日以上こもりっきりになりかねないレイン君と。
  三人で行かれたらどうでしょう?ジェイドは力がありますからきっと助かるでしょうし。
  レイン君は彼は研究に没頭し始めたら数日は部屋に閉じこもりっきりになってしまいますしねぇ。
  少しは体を動かしたほうがいいでしょうし」
にこやかにいってくるニクスであるが。
「ジェイドさんとレインですか?でも二人とも一緒にいってくれるかしら?」
そもそも今回のこれは、あるいみアンジェリークのわがままのようなもの。
依頼でも何でもなく、ただ純粋に友達たちと一緒に作業をして人々の役に立ちたい。
という思いから。
「俺はかまわないよ?」
「って、ジェイドさん!?」
いきなり声をかけられて思わず振り向くと、そこには大量のクッキーを入れた器をもっているジェイドの姿が。
「何かニクスとアンジリェークの話し声が聞こえてきたからね。
  今日はクッキーを少しつくりすぎちゃったし。せっかくだからこれをもって皆でいかないかい?
  小麦の収穫、というのは人手はいくらあっても足りないしね」
言われてみればいつも以上になぜかクッキーが大量につくられているのが見て取れる。
それは天気がいいから少しばかり気分転換をかねて全員をピクニックに誘おう。
そう思っていたがゆえに大量に焼いていた。
だがしかし、小麦の収穫の手伝いにいくのならば、それは裏を返せばその人たちの笑顔が増える。
ということ。
みんなで笑顔でわいわいと何かの作業をするのはとても楽しい。
そのことをコズにいたときにジェイドは学んでいる。
「皆…ですか。私は遠慮しておきますね。いつ何どきどのような連絡が入るかわかりませんし。
  では、ヒュウガをも誘ってみてはいかがでしょう?
  あなた方でいけば万が一、タナトスが出現したときにも対処ができますしね」
タナトスに対して対処できる人物が多ければ多いほど、人々を逃がすことも誘導することも可能。
確かにニクスの言うことも一理ある。
「そうだね。それじゃ、俺はヒュウガにききにいってくるよ」
「あ。私はレインに聞きに言ってきます」
とはいえ、無理強いはしたくない。
とりあえず聞いてみて、それでいかない、といえば自分たちだけで出かければいい。
そう思いつつ、アンジェリークは二階にあるレインの部屋へ、そしてジェイドは庭にいるであろうヒュウガの元へと向かってゆく。

焔の砦。
それは首都ヴォードンに続く道の途中にある古代の遺跡のある場所。
その街道沿いはもののみごとな小麦畑が広がっている。
それゆえに一箇所にタナトスが出現してもなかなかほかの麦に隠れて枯れているのを見落とし、
この街道筋などではよくタナトスの被害が勃発する。
「って、アンジェリーク!?」
生徒達の引率としてやってきていた学校長がその姿に気付いて驚きの声を上げる。
彼女がここにいる、ということはこの付近でタナトスの情報があった、ということなのだろうか?
そんな不安が彼女の脳裏をよぎるものの、
「おはようございます。学校長先生。今日はお手伝いにきました♡」
にっこりとそんな彼女にと微笑みかける。
「アンジェ!?アンジェじゃないっ!」
わっ。
ボランティアに参加していた生徒達がアンジリェークに気付いてあっというマに取り囲まれる。
「お姉様だわっ!」
中には中等部の生徒もおり、瞳を輝かせてそんなことをいっていたりする。
メルローズ女学院は良家の子女が主に通っている女学校。
それゆえにどうしても言葉遣いがお嬢さまなのは仕方ないであろう。
「って、ヒュウガ?ヒュウガ達じゃないか。…まさか何かこの近くで情報があったのか?」
何やら騒がしいとおもい外にと出てみた。
するとそこにはニクス達一行の姿が目にはいる。
生徒達に囲まれ、和やかに会話をしているアンジェリークとは少しはなれて様子をみているそんな彼等に、
話しかけてくる男性が一人。
「ディオン?」
ふとみれば、そこにはなぜか銀樹騎士団長のディオンの姿が。
そしてまた、彼と行動を共にしている二人の騎士団員の姿も目に留まる。
ふと、アンジリェークたちのほうを横目でみつつ、
「ああ。そうか。あの方は確かメルローズ女学院在籍扱い、だったな」
一応、今は休学扱いにはなってはいるが。
退学、という形はとってはいない。
それで生徒達が騒がしかったのか。
一人納得しつつも、四人のほうにと歩いてゆく。
「ディオン。お前がなぜここに?」
レオンの疑問は至極もっとも。
そんなレオンの言葉にふっと笑みを浮べ、
「銀樹騎士団員はタナトスの被害が多い場所などで人々が作業に当たる場合、
  その都合がつく限り、彼等の手伝いをすることになっている。不足の事態にそなえてな」
何しろ収穫というものは一人や二人で行われるものではない。
もしそこにタナトスが出現しでもすれば被害はより拡大してしまう。
それゆえの教団側の処置。
もっとも、タナトスが増えてきている今の状況で人手が足りない、という現状もあるにしろ。
淡々とディオンに変わり説明しているヒュウガの姿。
「あ。そうだ。ねえ、皆。クッキーもってきたんだけど。
  お話しするのもいいけど、皆でおいしいものを食べながらお話ししたらもっと楽しいよ?」
わいわいと立ち話をしているアンジェリーク達、女の子たちの集団にと近寄りながら何やらいっているジェイド。
「こ、こんにちわ。ご機嫌麗しく存じます。オーブハンターのアンジェリークお姉様のお仲間の方。
  この間言われていた貴方の手作りですか?」
それぞれが口々に挨拶しつつ、前回、彼等が学校によったときに彼がお菓子作りが趣味。
そういっていたのを聞いていた一人の生徒がそんなことを問いかける。
「うん。そうだよ。ひぃ、ふぅ…みぃ……うん。大丈夫そうだね。
  きちんと人数分はあるとおもうよ?はい」
ボランティアに参加している人数は合計で十五名。
普段より少ないのは最近、タナトスの被害が拡大していることもあり、
それぞれの両親が子どもを心配し少しでも一緒にいたい。
とそれぞれ実家に子ども達を日曜日だけでもつれて戻っているがゆえ。
それゆえにどうしてもこういった休日のボランティアに参加する生徒がすくなくなっているのが現状。
話しかけてきた女の子ににこやかに微笑みながらクッキーの入っている籠ごと手渡す。
アンジェリークや皆と協力し、それぞれに数枚づつ、綺麗にラッピングして入れてある。
にっこりと微笑むジェイドの笑顔におもわずぼ~となってしまうのは女の子ならば仕方ないであろう。
「いいな~。アンジェは。あ~んな素敵な男性に囲まれてて。それで?アンジェ?
  あの中で誰か気になる人はいるの?」
こそっとアンジェリークに耳打ちして問いかけるサリー。
「?サリー?気になる人。って?そうね。ニクスさんは体が弱いらしいから心配だわ。
  レインは研究に没頭したら食事もとるのをわすれるようだし。
  ヒュウガさんはいつも時間があれば鍛錬にいそしんでいて体が心配だわ。
  ジェイドさんは調子がわるくなっても迷惑をかけたくないとかいって話さないことがあるし」
レインに関してはどうやら夜食などのさしいれはどうにか食べてはもらえる。
それがとくに彼の好物であるアップルパイなら確実に。
『いや、そういう意味ではなくて』
思わず真顔で心配しながらサリーの質問に答えるアンジリェークの言葉に同時に突っ込みをいれる数名の女性と達。
「?」
彼女たちがいいたい意味がわからない。
それゆえにきょとん、と首をかしげるしかない。
ふと視線をニクス達のほうにむけてみれば、ヒュウガはディオンと何やらはなしており、
ニクスは学校長と何やら話し込んでいる。
残されたレオンとジェイドに関してはこの場にいる収穫に参加する人々に囲まれていたりする。
「まあ。アンジェらしいといえばらいしいけど……」
「ああ。でももったいないっ!あ~んな素敵な人たちと一緒なのにっ!
  しかもおもいっきり玉の輿もねらえるのにっ!」
そんなアンジリェークの様子に苦笑するしかないハンナに、ぐっと力をこめて言い放っているサリー。
「アンジェの場合は玉の輿を狙う必要はないんじゃないの?」
「そういえば、アンジェ。今日はお仕事?」
そんなサリーにあきれていっているローズに、さりげなく話題をかえてといかけているユーリ。
ハンナとサリー、そしてアンジリェーク。
この三人のグループと、そしてローズとユーリ、ダリア。
この二つのグループの女の子は学園の中でも一番常に一緒に行動することが多かった学友たちでもある。
ダリアの髪の色は薄いオレンジ色。
その髪は金色というよりは薄いレモン色にと近い。
ダリアの花のような華麗で優雅な女の子に育ってほしい。
そう願いをこめて名前は付けられたらしい。
「まさか、この近くでタナトスがでた、とか?」
少しばかり不安を覚えながらもユーリに続きといかけるダリア。
もっとも、彼女たちがいる以上、タナトスは綺麗に浄化された後であろうから心配はないのだが。
「ううん。今日はね。ハンナ達からの手紙で皆がここで作業のお手伝いをする、とあったから。
  私も手伝いにきたの。それに人手は何人いてもいいでしょう?
  私がここに手伝いにいきたい、といったらなんでかいつのまにか全員でくることになっちゃって」
そんなダリアにとにこやかに答えるアンジェリーク。
その屈託のない笑顔をみてほっとする。
アンジェは変わらない。
特別な力に目覚めていても、大切な友人のアンジェリークのままだわ。
どこか彼女が遠くにいってしまうような感覚に襲われていたのも事実。
事実、おそらく彼女が完全に力に目覚めて覚醒すれば雲の上の存在となる。
それはうすうすとわかっている。
だけども友達として彼女をあまり危険な目にあわせたくない、というのも真実。
とはいえ自分たちにできることはほとんどない。
自分たちではタナトスに対抗する力も、そしてまた何かを成し遂げる力もないのだから。
彼女たちにできることは、ただアンジリェークを見守り信じることのみ。
そんな会話をしていると。
「はいはい。みなさん。そろそろ収穫が始まりますよ。役割を話してくださいますので集まってくださいね」
少し離れた場所から聞こえてくる学校長の声。
わいわいと久しぶりに会う友達たちと会話をしていればいつのまにか時間が迫っていたらしい。
女の子の会話、というのもはつきることなくあっという間に時間は経過してしまう。
それはどの時代、世界においても変わらない真実。

「う~ん。きもちいい」
生徒達は三人一組で五組にわかれてそれぞれ村人達に従い作業に当たる。
アンジェリーク達もまたそれぞれに別れてそれぞれのグループに入れてもらい作業に入っている。
さくさくと小麦を刈ってゆく。
少し離れた場所には刈られた小麦が山となり詰まれている。
ある程度たまればそれを束にして別の場所にと運んでゆく。
その作業の繰り返し。
この後、刈られた品は風車で挽かれて市場に出回る。
ほとんどの場所での小麦の収穫はすでにおわっているらしく、残っているのはあとこの場のみ。
もっともこの場の敷地が広大で、やってもやっても終わりがみえない、というのはこのことなのかもしれない。
「アンジェリークさん。あまり無理をしないでくださいね?」
「ええ。大丈夫です」
「アンジェはいつも無理するから~」
「もうっ!サリー、ちゃかさないでよっ!」
アンジリェークはとりあえず親友たちと一緒のほうがいいであろう。
そういうニクスの配慮もあり彼の口利きもありハンナとサリー。
二人がいるグループにと入っている。
「でも、アンジェお姉様と行動が共にできて光栄ですっ!」
中等部の生徒にとってアンジェリークはまさに憧れ的な存在。
だからこそどこかしら緊張してしまうのは仕方がない。
中等部に属する生徒一人と、高等部に属する生徒二人。
基本的に学生ボランティアで様々な年齢の人がいる場合、上級生と下級生。
この二つが一緒になるように組み分けされる。
アンジェリーク達と行動を共にしている女の子はただいま十四となっている少女。
彼女の両親はファリアンにいるらしい。
「シャルレちゃん。そう堅苦しく話さないでもいいわよ?」
瞳をキラキラさせていってくる栗色の髪の少女の言葉にくすりと笑みを浮かべて話しかける。
話しつつも手を止めていないのはさすがというよりほかにない。
「ふふ。でもしょうがないんじゃないのかしら?」
そんな彼女たちのやり取りをききながらほほえましくみつめつつ、
彼女たちを指導している一人の女性。
彼女もまたかつて学生ボランティアの一貫で人々を看護に回っていたアンジリェークの手により、
大切な父親が目を覚ました。
という実績をもっている。
何も彼女のことを知らない人よりは少しでも知っている人のほうが下手なことにもならないであろう。
それが学校長とニクスの判断。
「しかし、おなかすいた~!!」
「ほらほら。サリー。もう少しでお昼だし、がんばりましょう?」
ふと空を見上げればすでに太陽は上空にと差し掛かっている。
さんさんと照りつける太陽のぬくもりはとても心地よい。
もう少ししたらこの太陽がさらに輝きをまし、本格的な夏が到来する。
季節は、世界でどのようなことがおこっていようとも確実にめぐってゆくのだから。


                                -第56話へー

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あとがきもどき:
薫:一応、アルカディアの基本としている季節のメグリ。
  ジェムシリーズできちんと四季がめぐる、といっていたのでそれを参考にまでv
  あの世界、梅雨とかあるんだろうか?
  そもそも浮遊都市なわけで、緯度とか経度とかはまったく関係ないわけで。
  まあ、あの土地にはそういった科学的なことは関係ないのかもしんないけど(苦笑
  おそらくまだバリアが張られているままに誕生している太陽の周囲を回ってるんでしょうねぇ。
  あのアルカディア……
  トロワのときにはリモージュの力で星星が見えてたり、というのがあったにしろ。
  (何もないはずの次元の狭間でそんなものが見えるということはそうとしか考えられない)
  しかし、太陽も何もない場所に簡易的に太陽とか作り出せる女王の力はあるいみすごすv
  何はともあれ、次回に続きます~。
  ではでは~♪

2008年6月5日(木)某日

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