まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。今回はオリヴィエ様がでばってます(笑
ですけど神鳥の守護聖、というのは当人からはばらしてませんよv
ちなみに、裏設定としてジェイドが作られて起動した直後。
というかつくられる最中も彼の容姿についていろいろとアドバイスをしたけど却下された。
という裏設定をばv
オリヴィエ様的にはもうすこし若いしかも男の子なのか女の子なのかわからない美少年を希望してました(笑
いろいろと着せ替えられてあそべるのでv(こらこらv
何はともあれ、ゆくのですv

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銀花の園   ~舞踏会への準備~

ざわざわざわ。
何やら朝も早い、というのに騒がしい。
「?どうしたの?」
学校長の許可は得た。
ハンナは医者の反対を押し切って舞踏会に出席するという祖父がどうしても心配なのもあり、
珍しく舞踏会への参加をきめている。
そしてまた、
「あ、ハンナ。サリー。あのね、あのね!門のところにすっごい素敵な人がいるの~!」
「男の人かしら?女の人かしら?どちらにしても素敵~!」
何やら寄宿舎に住む生徒達は寄宿舎の外。
つまりは学園の門のところをみて騒いでいるらしい。
たしかに、ひょいっと覗いてみれば、そこには何やらとても綺麗な人が一人。
その後ろには馬車が止まっていることから誰かまっているのかもしれない。
とはいえ、生徒は許可がなければ門から外にでることは校則で禁じられている。
ゆえに生徒達は学園の敷地内で騒いでいるのが現状。
「あ、は~い。やっときたね。まってたよ。あんたたちがハンナとサリー、だね」
ふと二人の姿に気付いたのか、ひらひらと手をふりながらいきなり名前をよんでくるその人物。
ざっ。
その人物の台詞に周囲にいた生徒達が一斉にと二人にと視線をむけ、
「ええ!?二人の知り合い!?」
「というか、誰誰!?というか声からしてあの素敵な人男のかた!?」
何やら異様に甲高い声が女性との間から飛び交ってゆく。
「え?あ、あの?あなたは……」
いきなり名前を呼ばれても、そもそも彼女たちはこの目の前にいる男性のことをまったく知らない。
前髪をピンク色にと染めている金髪の男性。
一件しただけでは男性なのか女性なのかわからないほどに整った顔立ち。
「は~い。私はオリヴィエ。まあ、こんなところで立ち話も何だから、のって。
  あんたたちもアルカディアのアンジェリークのところにいくんでしょ?」
その言葉に思わず顔を見合わせる。
というか彼女はこんな男性と知り合う機会などまったくもってないはずである。
「神鳥の宇宙からきた、といったほうがいいかしら?」
そんな彼の言葉におもわずびっくりする。
それは、つまり……
思わず顔を見合わせるものの、そこにいる数多の生徒に聞かせる内容でもないようなきがひしひしとする。
それゆえに、
「それじゃぁ、お言葉にあまえて」
「失礼しま~す」
「よろしい。のったね。じゃ、目的地はリース郊外の陽だまり邸にたのむよ」
2人が馬車に乗り込んだのを確認し、御車台にといる従者にと語りかける。
ガラガラガラ。
三人を乗せて馬車はメルローズ女学院をあとにしてゆくものの、
後には何やらものすごくいろいろ憶測を飛び交わしながら騒ぐ女生徒達の姿か見受けられてゆく。

「あ、あの?それで、あなたは……」
「ん~。あんたたちはあの方、私たちの陛下にお会いしたことあるんだったよね?」
その言葉におもわずはっとしてしまう。
つい先日、自分たちを訪ねてきた不思議な感覚を備えた2人の女性。
「え、えっと…」
「ああ、気にしなくていいよ。陛下がああしていきなりお忍びでお出かけするのはいつものことだからねぇ。
  まったく、陛下は女王候補時代からまったくかわってない、というか。まあ、そんなことはどうでもいいとして」
いや、どうでもよくないような気がします。
そんなオリヴィエ、となのった男性の言葉に思わず心の中で同時につっこみをいれるハンナとサリー。
そもそも目の前の男性からも不思議なそれでいてとても神聖な気配を感じるのは気のせいか。
「とりあえず私は陛下にいわれて、アルカディアのアンジェリーク達のコーディネイトにきたんだよ。
  何しろ初の公式の場でのお披露目だしねぇ。陛下からすれば彼女たちが心配なんだろうけど。
  でも、ようやく私がつくってた彼等の正装が着せられる、とおもうとわくわくしてくるしねぇ♡」
そもそも、神獣の宇宙の守護聖たちにも正装の服を送るものの、
数名はものの見事に却下してくれてあまり着てくれない。
だからこそ腕のふるいようがどことなく寂しい。
最近はあまりマルセルすら着飾ることをさせてくれなくなったようなきがひしひしとする。
彼のいわんといいたいことを何となく察するハンナとサリー。
たしかに、アンジェリークのこと、動きやすい服装というかいつもの服装で舞踏会に出向かない、
とも言い切れない。
彼女の基本は質素倹約。
興味があれども余計なことにはお金は使わずにそれよりそのお金で勉強道具を買うほどのまじめぶり。
馬車の中には別に男性らしき人物が二名ほど乗っており、何ともかわったメイクをしている。
そちらもまた男性なのか女性なのか皆目不明。
どうやらこの馬車は少人数用のものではなく大人数用の馬車らしいのが見て取れる。
後ろのほうにいくつもの衣装箱らしきものが積まれているのが気にはなるが。
しかも数からしてかなりの量。
「…あの?もしかして後ろの衣装箱…全て衣装とかがはいってるんですか?」
「もちろん♡あ、あんたたちのも一応あるわよ~♡
  まあ、ここのアンジェリークの衣装は以前陛下が送ってるらしいからそれをつかうとしても。
  やっぱりこういう着せ替えは楽しいからねぇ。腕がなるわ♡ふふ♡」
サリーの問いかけににこやかに答えてくる。
というか、この人っていったい……
そんな疑問が頭をよぎる。
そもそもどうして自分たちをまっていたのか、とか舞踏会にいくのを知っているのか。
とか疑問どころは多数。
「ま、このオリヴィエ様にまかせなさい♡アルカディア中の人々をあっと驚かすほどに素敵なコーディネイトしてあげるから♡」
にっこりとそういわれては何も言い返せない。
というか、このオリヴィエさんって…何か普通の人ではないような気がするのは気のせい?
そうハンナとサリーが同時に思うが、そんな二人の考えはある意味正解。
「しかし、ここアルカディアもずいぶんとかわったわよねぇ。
  以前次元の狭間でエレミアを育成していたのがついこの間なのに。
  しかし、ある意味これも女王試験みたいなものなのかもね」
ある意味、様々な困難が立ち向かっている。
その旨においては試験とあまり代わり映えがないのかもしれない。
それに命の危険が伴う、というのを除けば。
次元の狭間?
エレミア?
聞きなれない言葉が聞こえなくもない。
だがしかし、エレミアという言葉はたしか聖都の元の名前のはずである。
聖都セレスティザムに出向いたことがあり、その歴史を調べたものならばその名前くらいは聞いたことがある名前。
もしかして、この人って……
あのとき、学園にやってきた二人のアンジェリークから聞いた言葉が脳裏に思い浮かぶ。
女王を補佐する九つの力をそれぞれつかさどる九人の守護聖、という存在。
そのうちの一人なのかもしれない、そう彼女たちが思い当たるのは至極当然なのかもしれない。


「アンジェリーク!」
「アンジェ!」
「ハンナ!サリー!」
ジェイドに言われ、馬車がやってくる、というのをうけて玄関先にと出て出迎えているアンジリェーク。
彼女たちに舞踏会に出向く旨を伝えたところ、アンジリェーク一人では心配だから、
というので舞踏会用の着付けや準備、それらを手伝いにくる、と連絡があったのはつい先日。
「…あれ?もしかして…あなたは……」
ふと二人の少女とは別に馬車の中にいる人物に気付いて驚きの表情を浮かべるジェイド。
そう、記憶の片隅に彼の姿は覚えている。
「は~い。ジェイド、久しぶり~。あんたも元気そうだね~。
  それと、それ以外の人は始めまして。かな?私はオリヴィエ。よろしく♡
  今日はこの陽だまり邸の住人全てのコーディネイトにきたわよん♡」
そういいつつも、
「あんたがこのアルカディアのアンジェリークだね。うん。磨きがいがありそう。
  これは久々に腕がなるわよ~。さ、あんたたち、衣装箱をさくさくっといれていってね。
  あ、間取りはたぶん昔のままらしいから、とりあえず元私の執務室にお願いね♡」
馬車の中にいた二人の人物に何やら指示をだしているオリヴィエ、と名乗った人物。
声からしておそらく男性なのであろう。
しかし何というかどことなく不思議な感覚を抱かせる人物ではある。
「?元?ニクス以外にも誰かが住んでいたのか?」
ヒュウガの素朴な疑問は至極もっとも。
「いえ、ここ数百年以上私たちの一族以外ここには誰も住んでいませんけど……」
ニクスの言葉はあるいみ真実。
「って、やっぱりオリヴィエ様!?どうしてここに?」
名前をきき、霞がかかったかのような記憶がさっと晴れて思わず叫んでいるジェイド。
「どうして。ってきまってるじゃない。こ~んな素敵なことこの私が出向かなくてどうするのよ♡
  しかし、私としたらあんたはやっぱり着飾れるような容姿にしてほしかったわね~。
  ま、今日はあんたも逃げられないわよ♡覚悟おし」
「…うっ」
その言葉に過去の出来事を思い出す。
そもそもまだ目覚めたばかりで右も左もわからない彼にいろいろと着せ替え人形のように仕向けてきた人物。
それが目の前にいるオリヴィエ、という神鳥の宇宙の夢の守護聖。
「?ジェイド?こいつと知り合いなのか?」
「まあ、このジェイドとは私たちは生まれたときから知り合いだからね~」
その言葉に嘘はない。
「いや、ちょっとまて。生まれたときから…って」
さらっというオリヴィエの言葉に思わず突っ込みをいれるレイン。
「私たちが住んでいる場所は時間の流れが異なるからね。
  さ、それはそうと、…ん?アンジェリーク、あんた面白いものをもってるわね。
  この波動…行方不明のまんまだった夢のジェム?」
時の流れが異なる。
その言葉にはっとなるヒュウガとレイン。
ヒュウガは伝説にてその場所のことを知っている。
そしてまたレインは研究の過程で古文書からそのことを知っている。
「え?ええ。この間手にいれたんですけど、でもよくわかりますね。オリヴィエさん」
おそらく目の前の人物が彼女がいっていた人物なのであろう、ということは何となく理解ができる。
もっとも、ここまで容姿端麗な男性とも女性ともつかない人物がくるなどとはおもっていなかったが。
「まあ、そりゃぁねぇ。それは私と同じだし。でもあんたがもってるのがたしかに一番いいわね。それ。
  一つ忠告しておいてあげる。それは絶対に他人に渡したらだめ。
  それは人々の強い願いで力を解放してしまうから。そのジェムにはサクリアが秘められている。
  普通の人にサクリアの制御なんてできはしない。下手に暴走したらこの浮遊大陸ごと消滅しかねないから」
ジェムの力は計り知れないものがある。
そのことは身をもってオリヴィエたちも経験しているがゆえの忠告。
「サクリア?」
「そ、それには夢のサクリアが詰まってるの。でもあんたの元にある、ということは、必然なんでしょ」
全てのサクリアを秘めてそれを調和させることができるもの。
それが女王。
「夢のサクリア…同じ、まさか、あなた…いえ、あなた様は……」
まさかとはおもうが、かといって違う、ともいいきれない。
だからこそ敬語になってしまうのは仕方ないであろう。
そんなヒュウガの言葉ににこやかに微笑み、
「ま、まだここでネタ晴らしは面白くないじゃない?さ!とにかく、このオリヴィエ様がきたからには!
  あんたたち、アルカディア中で一番、というほどにしっかりと着飾るからね~!」
「い、いや、俺は遠慮し……」
がしっ。
着飾ることはあまり好きではない。
それゆえにこっそりとその場を立ち去ろうとするレインであるが、
その両脇を頬に星のマークをいれた人物二人にしっかりと捕まえられる。
「んふふ。あんたたちを誰がみても見惚れるようにしてあげる♡腕がなるわ~♡」
「は~な~せ~」
ずるずるずる。
何やら抵抗するレインをひこずり、二階にと上がってゆく二人の人物。
そんなレインを見送りつつ、
「あ、あの?あなたはもしかして……あちらの世界のオリヴィエ様…ですか?」
「いったでしょ?陛下に言われてきた、って」
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
その言葉に思わず無言になるヒュウガとニクス。
一方では、
「でも、ハンナもサリーも、学校は大丈夫なの?」
そんな彼等の会話はまったく耳にいれることなく親友である二人と話に夢中になっているアンジリェークの姿。
もし彼女が詳しくその会話をきいていれば何らかのことをつかむこともできたであろう。
「何いってるのよ。アンジェ。あなたの初めての社交界デビュ~よ?!
  それなのにあなたのことだもの。普段着でいきかねないからきちんと許可をえてきたわよっ!」
「そうそう。私たちのアンジェが人々に笑われるのはさけなきゃねっ!」
学校長もまたハンナとサリーの願いをききいれ、いともあっさりと許可をだした。
もっとも、学校長からしても、アンジリェークが普段着で舞踏会にでるかもしれない。
そう聞かされれば許可をせざるをえない。
アンジリェークはおそらく、この地アルカディアの人々が古より待ち望んでいた存在なのだから。
人、というものは見た目の印象でどうしても他人を一時判断してしまう。
それがわかっているからこその許可。
ともあれ、オリヴィエの指示のもと、アンジェリークとハンナとサリーの三人は彼女の部屋へ。
そしてまたレインたち四人は屋敷の中のとある部屋にと移動する。
彼等がむかったその部屋はいまだに誰も入れなかったはずの部屋。
この屋敷にはそういった部屋はあるのに入れない、という部屋がいまだにいくつかあるのも事実。

「しかし……」
「しかし、あいつ。女みたいな顔をしてセンスはいいのは認めざるをえないな」
一時後。
思わずサルーンにてそんなことをつぶやくレイン。
その横では自分の姿を多少眉間にしわを寄せつつながめているヒュウガ。
ヒュウガはどこぞの貴族の騎士のようないでたちを基本にしている白を主体としたタキシード。
そしてまた、レインのほうは普段の服とはうってかわり、どこぞの皇子様、といったようないでたち。
だがしかし、それぞれがそれぞれにとてもよくにあっており、まるでいるだけで一枚の絵のようにおちついている。
「こういう格式ばった服は私は苦手なんですけどねぇ」
ニクスは紳士をイメージしたのか、それでいて多少乗馬のときに服装に近いものがあるのかもしれない。
きちっと肩に掛けられている薄い布とそれを止めているブローチ。
そしてまた、彼がもつ杖がその服にとてもよく似合っているのが見て取れる。
「でも、俺はこういうのいいとおもうな~」
ジェイドはひとまず頭を軽くターバンでまき、多少髪型を整えて変更し、
そして服装はなぜか鎧を主体としているかのようなもの。
もっとも、ジェイドにマント、というのはどうやらけっこうにあっているらしく、はっきりいって違和感はない。
どこぞの王宮の軍服に近いものがあるのかもしれない。
「あとはアンジェリーク達だけ、だね」
手馴れている、というか何というか。
彼等にすばやく手ほどきをして服装を着替えさせ、それぞれにそれに似合う小物などを差し出し、
全員が確実に着終わったのを確認し、それからアンジリェークたちのところへと移動していったオリヴィエ。
しっかりと、彼等が服を脱がないようにジェイドに言い聞かせての行動ではあるが。
「というか。ジェイド。何でおまえはあいつのいうことを素直にきくんだよ?」
レインの疑問は至極もっとも。
「だけど、レイン?あのオリヴィエ様に逆らったら後がこわいよ?あの人、あれでかなりの腕ききだし」
そもそも彼の戦闘パターンにはオリヴィエやオスカー、さらにはヴィクトールやアリオス。
といった人々のある程度戦闘などに長けている人たちの情報も組み込まれている。
以前、目覚めたてのころ幾度か相手をしてもらったことがあるのを思い出したがゆえの台詞。
もしヒュウガの予測どおりならばおそらく、彼が小さいころにあっていても不思議ではない。
だからこそジェイドの台詞はあまり気にすることなく聞き流すヒュウガ。
「そういえば、早くしないと時間がやばいんじゃないのか?」
舞踏会にいくにしても、たしかに開始時刻というものはある。
確か開始時刻は昼すぎからだったはずであるがそろそろ出発しなければ間に合わない時刻のはず。
レインがそうつぶやくのとほぼ同時。
「は~い。おまたせ~」
「え?こ、これでお出かけするの!?」
何なら明るいオリヴィエの声と、戸惑ったようなアンジリェークの声が聞こえてくる。
「やっぱアンジェは磨けば光るわよね~」
「うん。これで誰がみても問題ないわっ!」
「え?ちょ、ちょっと、ハンナ?サリー!?」
何やら戸惑うアンジェリークとは対照的ににこやかにそんなことをいっているハンナとサリー。
ふと二階のほうをみてみれば部屋からでてくるオリヴィエと、
そして何やら二人してぐいぐいと部屋の中から誰かをひっぱりだしているハンナとサリーの姿。
ハンナもサリーも思わず見惚れてしまうほどに綺麗なドレスに身をまとい、
貴金属などもしっかりと似合ったものを身に着けている。
「ちょ、ふ、二人とも、だってこれ…恥ずかしいしっ!」
そもそもアンジリェークはドレス、といったものを着たことがない。
興味はあれども実際には、といった具合。
「何いってるのよ。舞踏会よ!?舞踏会!素敵な殿方をゲットするチャンスでもあるのよっ!」
ぐっと力をこめて力説しつつ何やらいっているサリーであるが。
「にゅぅ~」
そんなサリーに何やら抗議をしているのか、ちょこんと足元で一声いなないているエルヴィン。
二人に手をひっぱられ、抵抗しつつもゆっくりと部屋の外にとでてゆくアンジリェーク。
『・・・・・・・・・・・・・』
その姿を垣間見て思わず口をあんぐりあけて言葉をうしなっているレイン。
そしてまた。
「すご~い。アンジェリーク、すごい素敵だよ」
まるで、そうちょうどアンジリェークがいるその少し先の壁にかけられている女性の姿絵。
その女性がもつ雰囲気ととてもよく似た神秘的な姿といえるであろう。
長い青い髪はふわふわに少しばかりウェーブがはいり、軽く後ろでまとめており、
その頭にはティアラのようなもので髪留めをしてあり、そこから薄いレースが垂れ下がっている。
そして耳元にはサリーとハンナがアンジリェークにと送った花のコサージュ。
青を主体としたゆったりとしたドレスはまるで彼女のためにあしらえたような品。
「こ…これは……」
その姿はまるで、肖像画から抜け出した、といっても過言ではない。
それゆえに思わずその場で礼をとっているヒュウガ。
「うん。短い時間のわりに上出来。アンジリェークはニクスにエスコートしてもらうんでしょ?
  あと、ハンナとサリーはあの三人の中の誰か一人づつに頼めばいいよ」
いまだにそんなアンジリェークの姿をみて口をあんぐりあけたまま硬直しているレインの姿が見て取れるが。
硬直している、というよりは目が離せない、というほうが正解なのかもしれない。
アンジリェークに初めてあったときのあの感覚。
そこにいるだけで全ての空気がまるで浄化されたような、そんな優しさを感じる不思議な感覚。
オリヴィエの言葉に従い、思わず顔を見合わせるハンナとサリー。
確かに男女で舞踏会に出席する、というのはほとんど常識。
おそらくこの場にいる誰を選んでも間違いなく目立つであろう。
ここにいる男性四人が四人ともかなりの美男子なのだから。

ともあれ、そんな会話をしつつも、ひとまずそれぞれにパートナーを選び、
留守番はオリヴィエがつれてきていた使用人二人に任せ、
不足の事態がおこっても、というのでオリヴィエも共に舞踏会会場となるヴォードンにむけて出発してゆくことに。


                                -第46話へー

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あとがきもどき:
薫:さてさて。せっかくオリヴィエ様でてきたのにあまり容姿に関しては詳しくやってないような気が?
  まあ、読み手は全員というかほとんどオリヴィエ様を知らない人はいないでしょうしね(他人任せ
  彼の表現ってけっこう難しいとおもうんですよねぇ。
  それはアンジェシリーズの全ての人物においていえること。
  だって女の子たちはかわいいし、男性たちにいたっては素敵すぎるっ!(笑
  さて、次回は舞踏会会場ですv
  ではでは~♪
  この舞踏会がおわったら星の船の回、ですv
  ではまたv次回にてvv

2008年5月26日(月)某日

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