まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて、ときどき思い出したようにリモージュ登場v(笑
ちなみに、基本としてこの宇宙に干渉してるのは、コレットではなくてリモージュです(笑
コレットはまだ新宇宙の発展に手がかかりまくってるので~(こらまてや
リモージュならばそんな心配皆無、ですからね~v
それに、意識すれば彼女にとっては過去も未来も現在も関係ないのもあるし(しみじみと
ちなみに、このアルカディアの人々、コレット&リモージュの伝説なんて違いまくりの伝説、
として一般にはつたわっていたりv
真実を語り継いでいるのはセレスティア教団のみ~(笑
何はともあれ、今回、ちらっとおまけでリモちゃん&ゼフィル登場v
では、いっきますv
#####################################銀花の園 ~探索~
「謎の英雄、あらわる……か」
「?おばちゃん?」
一晩、とりとめもない昔話でいつのまにか夜は過ぎた。
朝ごはんをもご馳走になるなど何か悪いような気もしなくもないが。
ぜひともたべていきなさい、というリリーの言葉に素直に従っているアンジェリーク。
「さっき、広場でウォードン・タイムズを買って来たら面白いことがかかれててね。ほらここ」
ヴォードン・タイムズ。
アルカディア中の様々な出来事、また真実をすっぱ抜き、市民に伝える。
間違った報告などは信念なのか乗せることなく、ゆえにその信頼性は高い。
指差された場所に書かれている内容は、港街ファリアンから首都ヴォードンに続く街道にタナトスが出現したものの。
たまたま居合わせた謎の銀髪の男性がタナトスを倒して名乗りも上げずに立ち去った。
という内容のもの。
「アンジェちゃんたちのお仲間かい?」
ふるふるふる。
リリーの台詞に首をふるふると横にふる。
あ、でも。
今朝方夢でみた内容がふとよぎる。
彼女を助ける四枚の翼のうち一つは西、そして東に、といっていた。
そしてまた、アンジェリークの力となるもの、と夢の中で示されたオーブ。
なぜかおきると枕元にその夢の中のオーブがあったのには驚いたが。
リリーたちも知らない、というのだから可能性とすれば寝ているうちにエルヴィンがどこからかもってきたかひろってきた。
そうとしか思えない。
持ち主もわからないこともあり、とりあえずリリーに託そうとはおもったが、彼女いわく、
アンジェちゃんがもっていたほうが何かといいよ。
そういわれ、仕方なく枕元においてあったオーブはポケットの中にと入れている。
「じゃぁ、他にも浄化能力者がいるんだねぇ。銀樹騎士ならそのようにかくだろうし」
リリーの言いたいことももっとも。
身分がわからないからこそ、このような記事にとになるだろう。
「でも、悪い人ではないんですよね?」
「まあね。人助けをしてそのまま名乗らずに立ち去った、っとかかれてるしね」
もしも出会えたら一緒に人々の為に活動してくれる仲間になってくれる可能性があるかも。
そんなことをふと思うアンジェリーク。
「さ、そんなことより。スープがさめないうちにのんどくれよっ!」
「はい、いただきま~す」
アンジェリークの好物のクリームスープ。
毎回、彼女はいつもアンジェリークが立ち寄ったときにはつくってくれる。
そのレシピは以前、リリーがアンジェリークの母親に教えたもの。
幼かったアンジェリークにとってはまさに母の味そのものといえる品。
「え?探索…ですか?」
「何だ。そういえばまだはなしていなかったっけ?」
村に別れを告げ、馬車の中でタナトスの話題になり、そのときにでてきた言葉。
聞きなれない言葉に首をかしげるアンジェリークに多少驚いたようにいっているレイン。
「そういえば。きちんと説明している最中に依頼がはいったりしましたし。
…そうですね。口で説明するより実際に行動したほうがはやいでしょう。少しばかり寄り道をいたしますね」
自分たちが馬車を操りもどる、といってもそれではきがすまない。
そういわれ、好意に甘えて馬車の操り手はレインでもニクスでもなく別の男性。
「すいません。目的地を陽だまり邸からモンタントにかえてもらえますか?」
カタン、と荷台の中から窓をあけ馬車の運転手にと話しかけているニクス。
「モンタント?たしか大きな風車がある?」
話には聞いたことがあるが、いったことはない。
一度視て見たい、とはおもってはいたが。
「ええ。昼前にはつけますよ」
「って、お前モンタントは初めてか?」
ニクスの言葉に内心少しばかり期待が膨らむアンジェリークにすかさず突っ込みをしてくるレイン。
「って、え?どうして…」
「あなたはものすごくわかりやすいですねぇ。顔に楽しみ、とかいてあますよ?」
「まったくだ。あんたに隠し事とかは無理そうだな」
確かに、ニクスの言葉をきき、アンジェリークは知らず、ぱっと顔全体を輝かせて笑みを浮かべたような表情をしていた。
当人はまったくもって気付いてもいないが。
アンジェリークは物事においてすぐに顔にでる。
悲しいときも、うれしいときも。
彼女の親友いわく、見ていてあきない、といわれるほどに。
高原の村モンタント。
常に風が背後の山より吹き抜けており、ゆえに風車がかなりある。
モンタントの風車によって挽かれた小麦などはそのきめの細かさなどからもかなり高値で取引がされる。
ついこの間まで学園の外など何も知らない、といってもいい女の子だったのに。
ここ数日でずいぶんといろんなところにいってるようなきがするわ。
そんなことをアンジェリークが思うのも仕方のないこと。
何しろ彼女は学園の外の世界、という世界をほとんど知らずに成長していたのだから。
ガラガラガラ…
そんな会話をしているアンジェリークたち三人を乗せたまま、馬車は高原の村モンタントに向かってすすんでゆく。
「うわ~。すごい大きな風車!」
遠くからもはっきりとわかる大きな風車。
そして、いたるところにみえている大小さまざまな風車。
「おやおや。お気に召したようですね」
「おまえ、ほんっと学園から出たことなかったんだなぁ~」
目をきらきらと輝かせて馬車から乗り出すようにして外をみているアンジェリーク。
そんなアンジェリークの姿に苦笑しながらもいっているニクスに、あきれつつもいっているレイン。
「だって。少しでも時間があったらとにかく勉強していたんだもの」
まあ、アンジェリークの気持ちはわからなくもない。
レインとて似たようなもの。
彼もまた一つのことに熱中しようとすれば周りがみえなくなりどうでもよくなる傾向があるが。
おそらく、アンジェリークもその類なのだろう、というのは何となくだが想像がつく。
「さて。と、それでは、馬車をおりましょうか」
「え?あ、はい」
ニクスたちが先に馬車からおりてアンジェリークの手をとりながら彼女が降りるのを促す。
「少しばかり出かけてきます」
馬車の運転手にとニクスが何やら声をかけている様子が目にとまるが。
アンジェリークからすれば、始めてみる景色にきょろきょろと周囲を見渡して完全におのぼりさん状態。
「にゅ~」
そんなアンジェリークに対し、おちつけ、といっているかのようなエルヴィンがちょこんっとすわりながら彼女を見上げる。
「さて、と、ではいきますか」
「今日はどのあたりにする?」
何やら慣れているようで、二人にのみわかる会話をしているニクスとレイン。
「あ、あの?」
そんな二人に戸惑いながら、ひょいっとエルヴィンを抱き上げて問いかけるアンジェリーク。
ここで依頼があったのかしら?
そんなことを思うが、村としてはさほど騒ぎになっていない。
「ああ。探索、というのはですね。タナトスが出てきそうな場所をあらかじめ見回っておくのですよ」
「まあ、何だ。大体タナトスというヤツは同じところに必ず出てくるからな。完全に浄化されてないからか。
人に危害が出る前に、それらしき場所を見回り、そして気付かれる前にと倒す。それが探索さ」
ニクスとレインの台詞に、ものすごく感心してしまう。
つまり、彼らは人知れず、タナトスと戦い人々をその脅威が伸びる前に助けている、ということに他ならない。
「アンジェリークの力で浄化されれば、二度と復活はしないでしょうけど。
我々やそれに銀樹騎士団の力ではどうしても復活してしまうのですよ。忌々しいことに」
その忌々しい、というのは自分自身の内にとあるモノに対してもニクスは向けているのだが、
そのことにレインもアンジェリークも気付かない。
「ついこの間、この先でタナトスをやっつけたばかりでもあるしな。時期的にそろそろ復活してもおかしくない」
「ええ。ですからこの地を選んだのですよ。それに彼女には早く浄化能力になれてほしいですからね」
浄化能力、というよりは彼女自身の力に目覚めてほしい、というのがニクスの本音。
「は、はい!」
確かに、同じ場所にタナトスが出現する、というのは聞いたことがある。
それは、浄化しても完全にタナトスを倒したわけではないので復活してしまうから、とも。
だがしかし、確かにニクスのいうとおり、アンジェリークの彼女自身の力があれば、その可能性は皆無。
被害がでるまえに、その可能性をなくしておく。
それはまさに人のためにできること。
そんな二人の説明をききながらも、二人について丘のほうにとすすんでゆくアンジェリーク。
彼らが向かっているのはここ、モンタントの北西に位置している小さな草原。
少し前、彼らはここでタナトスを退治した。
時期的にそろそろ復活してもおかしくない周期にすでに入っている。
それでも被害報告がないのは、まだおそらく被害がでていないから。
「ビンゴ、だな」
「みたいですねぇ」
あきらかに、広い草原の一角の草花が異様に枯れている。
それはタナトスが植物の生気をすった証。
「んなら、おびきだしますかっ!」
彼らのもつ浄化能力は、いまだに出てきていないタナトスをおびき出す効果もある。
彼らにとっても浄化能力をもっている人物の生気はまたとないご馳走。
そしてまた、本体の復活にむけて明らかな力を蓄えることができる貴重な糧。
バッン!!
広い草原の中。
枯れた草花に向けてレインの銃撃の一弾が響き渡ってゆく。
ルォォ…
レインの銃弾をうけ、草木から紫色の煙のようなものが上空にと立ち込める。
それらはやがて、揺らめきをとりながらも、周囲を嫌な空気が覆ってゆく。
「あなたはさがっていてください!」
「お前はさがっていろ!」
「で、でも……」
目の前にタナトスがいるのに、何もしない、というわけにはいかないような気がする。
足手まといにはなりたくない。
そのために彼らの元で一緒に活動することを選んだのだから。
そんなアンジェリークの思いを理解し、
「浄化能力の質が違うのですよ。あなたの力は弱いながらも完全に相手を浄化させるもの。
それに対して私たちや銀樹騎士団の浄化能力は力で蹴散らして一時的に相手を逃すもの。
ですからあなたはオリをみてタナトスを浄化してください」
タナトスを目の前にしながらも、丁寧にアンジェリークにと説明しているニクス。
「そういうこった。…くるぞ!」
目の前の空間がたしかによどんでいる。
それは紛れもなくタナトスの出現の前兆。
だけど、私に本当にできることはないの?
私だってみんなを守りたい!
いくら浄化能力がある、といわれても仲間の、ましてや人の足手まといになるようなそんなお荷物にはなりたくない。
ぽうっ。
「…え?」
強くアンジェリークが願うと同時、アンジェリークのスカートのポケットがまばゆく光る。
紫のまるで霧のごとくの球体。
属にジェード、と呼ばれているタナトスがレイン、ニクス、アンジェリークたちの目の前に出現するのとそれはほぼ同時。
「え?…こ、これは…っ!」
ふと何かとおもい、ポケットに手をいれてそれを取り出す。
そこには朝方ポケットにいれておいた一つのオーブ。
アンジェリークが手にすると同時に、そのオーブからさらに輝きがあふれ出す。
「こ、これは!?もしかしてお前、オーブの力をひきだせるのか!?」
それをみて驚愕したように叫んでいるレイン。
オーブの中には秘めた力が眠っており、遥かななる古からの研究により、
つい百年ほど前一人の研究者がその力を多少なりとも引き出すことに成功した。
それゆえに、今ある様々な品物などはオーブの力によって動いているものも多々とある。
「彼女ならば可能なんでしょうね。アンジェリーク。ではその力で私たちの補佐をお願いいたします」
「は、はいっ!」
どう使えばいいか、なんてわからない。
だけども、判らないはずなのに、なぜか判る。
そう、オーブから放たれている力はまるで自身のものかのようにその属性も、その効果も手にとるように理解できる。
「きますっ!」
「って、けちらしてやるぜっ!」
バシュ。
バンッ!
お願い、緑の力よ!
ニクスが光の鞭で、相手をこうげきし、すぐさま連携してレインが銃の一撃をたたきこむ。
それと同時、アンジェリークが手にしているオーブをぎゅっと握り締め、祈りをささげると同時。
アンジェリークの体から緑の光がほとばしり、出現したタナトスがまるでもがくように苦しみだす。
「アンジェリーク!今だ!」
「え、あ、は、はいっ!浄化の光よ、世界をやさしさで満たして――」
自身の祈りとともに、タナトスにダメージを与えられたことにびっくりして浄化を忘れかけていた。
レインの言葉にはっと我にと戻り、今度は本当にタナトスが浄化されるようにと祈りをささげる。
刹那、アンジェリークの体から淡い金色の光が立ち上り、それにかき消されるように綺麗にタナトスは消滅してゆく。
「よっと。オーブ回収、っと」
きらっ。
掻き消えたタナトスの後に残るは一つの紫色を宿した石。
タナトスが消えた場所と同じ場所に出現したそれをなれた手つきで回収するレイン。
しかし、人がオーブの中に秘められている力を解放できる、なと聞いたことがない。
そもそも、いまだにオーブについては研究しつくされていない。
どのようにして発生したのか、そしてまた、なぜタナトスを倒せばそれが手にはいるのか。
疑問は様々。
基本、宝石の色は九つある。
真っ白い水晶とも何ともいえない、ただの白い宝石を入れれば全部で十種類。
黄色、紫、水色、青色、赤色、緑色、鋼色、黄緑色、桃色、そして白。
研究の結果、それぞれの石には異なる力が秘められているらしい、というのまではわかっているが。
それがどのような力でどのような影響を及ぼすのかはわかっていない。
そもそも、それらの複製を作ろうとすれば間違いなくその力に耐えられることなく暴走する。
人が操るにはあまりにも強大すぎる力。
レインは、銀樹騎士団よりその力のことをサクリア、と呼ぶことを知っている。
そして自身が独学で研究を進めていったところ、全ては女王伝説に起因している、ということも。
光・闇・水・風・炎・緑・鋼・地・夢。
この九つの力を起因としている、ということも。
そんな研究成果は発表してもまず信じてもらえないだろう、というのもあり、以前教団関係者にのみはなした。
なら、その力を使いこなせるこのアンジェリークは?
先のオーロラといい、そして使いこなせる力といい。
知れば知るほど興味と、そして何よりも護りたくなってくる。
彼女の存在は確かに貴重ではあるが、それゆえに儚い。
力の加減を知らずに命を落とす場合もありえる。
そういう可能性もあるのがわかっているからこその心配。
「お疲れさまでした。アンジェリーク。これでここのタナトスは二度と復活することはないでしょう?
私たちのいっていた探索、の意味がおわかりになりましたね?」
不思議そうに自身の手にしている緑の球体をみながらもじっと見つめているアンジェリークに声をかけるニクス。
アンジリェークとしては不思議でならない。
どうしてあのような現象が、しかも自分にこれの使い方が誰からも教えられていないのに判ったのか、
というその事実が信じられない。
自身に備わったタナトスを完全に浄化できる能力といい、自分自身のことなのにわからないことだらけ。
「え、あ、は。はい。でも、さっきのは……」
少し祈ればいまだにほのかに緑の光は発生する。
それはおそらく祈りの強さによってその力の加減は決まるのであろう、ということもわかる。
なぜ判るのか、それが判らない。
「あれはおそらく、お前がそのオープの中に秘められた力を解放したんだとおもうぜ?
オーブの中には不思議なものすごい強大な力が眠っている、それくらいはしってるだろう?」
「え、あ、はい」
というか授業でそのことは習っている。
そして、その不思議な力をもってして、機械仕掛けの様々な人にとって役立つものが造られている。
ということも。
確かに、かなり便利といえば便利極まりない。
何しろ薪などを使わずとも熱を伴う料理ができたりする機械は上流家庭にはすでに普及しかけている。
上流の階級の人々にとっては、全てを失ってしまうかもしれない火事はもっとも恐れるものの一つ。
一番今、この地に住まうものの脅威はタナトスだが。
炎やタナトスからは逃げようにもその被害は止まらない。
だが、もし料理等を火をつかわずに、そのまま処理できれば?
それが、オーブを使用した機械。
動力源は赤い色のオーブ。といってもどれでもいいわけではない。
そのオーブの中に秘められている力がより荒々しい力でなくてはいけない、という条件がある。
オーブ一つをいれて、火事を防ぐか。
それとも、軽く豪邸の一つや二つはたつであろう希少価値が高いその機械とオーブを手に入れず、
つねに火に気をつけてもともとの調理をするか。
それは人によって意見がわかれるところ。
「あんたは、そのオーブの中に眠っている力を祈りによって引き出せるとみた」
「祈りによって……」
レインの言葉に、ただただしばし手の平の中のオーブと、自分自身の手を見つめるアンジェリーク。
アンジェリークの中で、ひたすらに理解不能な出来事がかさなり、ある意味パニックに陥りだす。
が。
「さて。とりあえず、タナトスも浄化されたことですし。お昼にしませんか?」
「あ、そろそろ昼だな。ちょうどいい、何かたべてこうぜ」
「え、ええ」
さらっと話題を変えるニクスの態度にまったくもって気付くことなく、太陽が真上に差し掛かっているのに気付いていうレインに。
自分でもどう対応していいのかわからない事態に戸惑っていたアンジェリークにとってはまさに助け船。
すくなくとも、多少なりとて頭のなかの整理をする時間は与えられた、ということなのだから。
「しかし、いいのか?」
「あら、ばれなければ平気よ♡」
にっこりと、それでいてきっぱりいいきる金髪に緑の髪の少女。
はうっ。
おもいっきりため息をつくしかない。
といっても、あるいみ共犯なので仕方がない。
この地、アルカディアの今の様子が気になっていた。
それと、【彼】が目覚めた、ときけばなおさらに。
心を持たし、そして自身の力をも込めた機械仕掛けの体。
その彼のことが気にかかっていたのもあった。
機械の体に人の魂と心。
この地においておこりえる、後々の混乱を乗り越えられるための処置。
「しかし。幸福度メーター、か。陛下も面白いことを考えるよな」
「あら?これはアルカディアの地で以前に実際にやってたものを縮小化しただけじゃない?」
「まあ、たしかに」
かつて、この地に封印された【エルダ】を開放するために、幸福度をあげていったのは彼らにとってはついこの間。
だが、その真実を知るものはもはやこの地には生きてはいない。
気の遠くなるほどの時間がこの地においては経過している。
それは仕方がないのかもしれない。
この地そのものが、時間率もことなる、そしてまたいまだに不安定な場所でもあるのだから。
孵化する前の卵の状態ともいえるこの大陸がある宇宙空間。
簡単にいえば、この大陸部分が核で他はまだ白身の状態といえる。
だからといって、住人が留守のときにこっそりと贈り物を玄関先においておくなど。
いいのだろうか?
そう彼…ゼフィルが思うのも無理はないこと。
「さって、あとはエヴィルに任せてもどりましょ♡」
「せめて、俺をまきこむなっ!たのむからっ!」
切実に彼が望むのは無理もない。
何しろつれまわしてもおそらく黙っていてくれる、そう確信してときどきつれまわされれてはたまったものではないのだから。
もっとも、彼にとっても他の世界、そして聖地の外から出られる、という特典もあるのも事実だが。
全員が高原の村に出向いているそんな中、ここ陽だまり邸の玄関先でそのような光景が繰り広げられているなど、
当然、アンジェリークたちは知る由もないのであった――
-第11話へー
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あとがきもどき:
薫:うに?もしかして、もしかしなくてもジェイド登場は今回でいかないかな?
まあ、その代わりにヒュウガとの出会いくらいまではいけそう…かな?うん。
ちなみに、火を使わない調理器具、というのは、ある意味この世界の電気調理器具と同じようなものです。
でも動力源がオーブなのでいっさい問題はありません。
ただ、その機械がものすっごく高くて、さらにはオーブそのものも間違ったものをいれれば使用が不可能。
といったいまだに改良の余地はありまくりな装置、という設定です。
ちなみに、その装置を開発したのは、裏設定としてレインにしてます(笑
レインが子どものころに火事の家をみて、それで思いついた発明品~(こらまてv
ではでは、次回で光る蝶です♪
ではまた~♪
2008年5月8日(木)某日
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