まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。今回はレイン登場v
次回でニクスの登場ですv
しかし、猫を打ち込みしてたらポンのことが気にかかる…
今日もまたものすごい暑いんですけど・・・お願いだから発作でるな~(切実
発作が出る前に早く保護しないと怖いよぉ…くすん…
いまだにみつからないポンちゃんですが、このGW中にどこかの家に紛れ込んで保護されないかな?
とひそかに期待中…
何しろつれてったとおもわれる小さな子どもがいる家庭。
となればお出かけする確率はたかし。
朝外にだして夜に家の中にいれてる、と何度占いでやっても結果がでてることもあるし。
となれば、夜に入れる家がなくてどこかに迷い込んでいく可能性たかしっ!
近くの犬や猫かってる家に迷い込んでいかないかな?そーしたら連絡はいるはず……
何しろいるらしき場所全ての家庭にお願いしてるしな…ビラも全部何度もくばってるし…
まあ、愚痴をいってもはじまらない。
というわけでいくのですv
リモちゃんたちみたいな力の持ち主いたら2/7まで時間戻してもらうんですけどねぇ(しみじみ…

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銀花の園   ~白き翼~

え?
自分たちに向かってきていたはずの触手が何かにさえぎられた。
「何をしている!早くにげろっ!」
それと同時に離れた場所から投げかけられてくる声。
子どもを抱えたままで声のしたほうを振り向けば、そこに拳銃を構えた赤い髪の男性が一人。
「あ、は、はいっ!」
そのまま、子どもを抱えて母親と思われる叫び声をあげていた女性のほうにと走ってゆく。
「…わたしたちもいこ」
「うん」
そんなアンジェリークの姿をみて、その場から離れてアンジェリークの元にと移動してゆくハンナとサリー。
「あ、ありがとうございます。ありがとう…」
「ママ~」
ぎゅっと子どもを抱きしめて感謝の言葉を述べる母親の姿をみてほっとする。
「もう!アンジェったら無理するんだからっ!」
「ほんと。寿命がちぢまったわ」
「にゅぅぅ~」
そんなアンジェリークにと話しかけているハンナとサリー。
すりすと、いつのまにか袋の中からでたらしくそんなアンジェリークの足元をすりよるようにしてぐるぐると回っている子猫の姿。
「そういえば、あの。助けてくれた人は……」
「あそこ!」
ハンナが指差す方向をみれば、一人でタナトスに立ち向かっている青年の姿が目にはいる。
銃一つでタナトスに立ち向かうなどはっきりいって無謀。
というかタナトスには通常の攻撃は通用しない。
にも関わらずに、タナトスに少なからずダメージを与えているのが見て取れる。
「あの男の人…もしかして、もしかしなくても浄化能力者?!」
誰からともなくそんな声があがる。
タナトスに立ち向かうものいうか対抗できるのは、特殊な能力をもった一部のもののみ。
だけど…あのままじゃぁ。
何となくだが、ふっと判る。
あのまま少量のダメージを与え続けていれば分裂してしまう。
ということが。
どうしてそんなことがわかるのかはわからない。
ただ、ふと脳裏にタナトスが分裂した姿が浮かんだだけ。
「みて!タナトスがっ!!」
男性の銃におされてか、タナトスが何やら動きをおおきくし、
次の瞬間。
タナトスはまるで分裂するかのようにいきなり二つにと分かれだす。
「って、きゃぁっっっ!!」
「って、こっちにくるぞっ!」
そのうちの一体がうねうねと方向をアンジェリークたちのいる場所をめがけて突き進んでくる。
「にゃうっ」
逃げ惑う人々。
必死に人々を守ろうとしている赤い髪の男性。
その姿はかつて、人々を守ろうとして犠牲になった両親の姿とおもわずだぶる。
――アンジェリーク。あなたには人々を守る力があるのだから。
刹那、脳裏に浮かぶ、朝の夢のあの子の声。
本当にそんな力があるかどうかなんかわからない。
だけども……
「……私は……みんなを…守る力があるのなら、みんなを守りたいっ!!」
それは心からの本音。
ただ逃げるだけではどうにもならない。
何よりも人々を悲しみから守りたい。
心の底からそう願う。
それと同時、体中がとても暖かな力に満ち溢れる。
自然、そのまま祈るような形で両手をその場にてくむアンジェリークの姿。

「…え?」
「……な…?」
刹那、周囲が淡い金色の光にと包まれる。
逃げ惑う人々がその金色の光に思わず戸惑い足を止めてみたものは。
金色の光につつまれ、真っ白いまるで天使の翼のようなものを生やしている学生の姿。
その姿はまるで、噴水の上にとかかげられている天使の像さながら。
金色の淡い光は少女を中心にと広がっており、その光はタナトスをも包み込む。
光に包まれたタナトスはまるで光の粒子と化すかのごとくに綺麗に光の中にと溶け消えてゆく。
ふわり。
周囲に舞い散る白い羽。
否、それは手に触れることすらできないまるで幻のようなもの。
だがしかし、それと同時にタナトスに襲われて生気を失っていた人々が一斉にと目を覚ます。
――アンジェリーク。あなたは素質をもっているの。自分の力を信じて。
そういえば、あの子がそういったときあの子の背中に羽がみえたような気がしたっけ?
どこかぼんやりとする思考の中、ふと昔のことを思い出す。
まるでそう、魂の奥底から今まさに湧き上がってくるかのような暖かな光。
アンジェリーク自身もその光を感じながらも自身が今どのような状況になっているかなど知る由もない。
人々が目にしたのは、学生の服をきているまだ若い女の子の背より白き羽が生え、
その祈りとともに光が周囲にひろがってゆき、タナトスが綺麗に浄化されてゆく、という光景。

「…アンジェ?」
「にゅぅっ」
ふと名前を呼ばれて我にと戻る。
何か体がとても温かな力にあふれているようで、それでいてなぜかかなり疲れている。
「って、大丈夫!?」
ふらり、と思わずよろけたアンジェリークをあわてて支えるサリー。
今のは……
全員が同時にそんなことを思うが。
誰も口には出せない。
目の前で神秘的な光景が繰り広げられた、という現実がいまだになかなか実感としてつかめない。
「サリー。…あれ?タナトスは?」
ふと気づけば周囲の人々が自分をままるで驚くようにみている様子が目にとまる。
多少遠巻きに、それでいて遠慮しているかのように。
「おぼえてないの?」
「何のこと?」
きょろきょろと周囲を見渡してタナトスの姿が消えているのを疑問に思い問いかけているアンジェリーク。
ハンナたちからすれば、アンジェリークが今放った不思議な力にてそれが浄化された。
と目の当たりにしているのもの、当人がそれを覚えていない、というのに驚愕する。
いったい何がおこったのか周りの人々も理解不能。
と。
「ママ~。おそらがとても綺麗だよ?」
さきほどアンジェリークが助けた子どもが空を指差しそんなことをいう。
その声に自然と空に視線をむける人々。
今は時刻的には昼を少しすぎたあたり。
なのに空がなぜか虹色にと輝いている。
そう、まるで虹色のカーテンがかかっているかのごとくに。
「なあに?あれ?」
「…おお。あれは……」
それが何かを悟り、その場にてなぜか座り込み祈りをささげる老人の姿も目に入る。
「綺麗……」
「にゃぁっん」
見上げるアンジェリークの足元に、すりすりと再びすりよってくる子猫の姿。

「……まさか……」
文献でみたことがある。
だが、まさか。
まさかそんなことが。
だがしかし、目の前で今おこった現実は現実として受け止めなければならない。
「あんた……」
とあえず銃をしまい、空を見上げているおそらく何かを知っているであろう先ほど助けた女の子にと声をかける。
「あ。あなたは。えっと先ほどはありがとうございました。
  あ、あの、あなたがタナトスを追い払ってくれたんですね。ありがとうございます」
自身の力でタナトスが消え去った。
などとは夢に思っていないがゆえに、目の前の男性がタナトスを退治した。
そう思い、ぺこり、と頭をさげてお礼をいうアンジェリーク。
「え?いや、あれは…あ……」
あんたがやったんじゃぁ?
そういいかけるものの。
「って、ああ!怪我してますっ!ちょっとまってくださいね」
ふとみれば、男性の腕からは血が流れており、確かに怪我をしている様子が見て取れる。
「とりあえず、消毒液がないから……」
きゅっ。
ひとまず止血をしなければいけない。
買っていた水にて傷ぐちを軽く洗い流し、二枚あるうちの一枚のハンカチにて傷口をふさぐ。
「ね。ねえ。とりあえず、ここから立ち去らない?」
今の光はたくさんこの場にいた人々に目撃されている。
今現在は何がおこったのか理解できない人々で戸惑い気味であるが。
我に戻った人々がアンジェリークに対して何をしてくるかわからない。
彼女があのタナトスを消し去った光の基である、というのはいうまでもなく明らかなのだから。
「そ。そうね。あ、アンジリェ。その人をもつれて一度学園にもどりましょ」
ハンナとサリーの言葉をうけ、
「それもそうね。きちんとこの人の手当しないと。あ、あるけますか?」
「あ、ああ」
彼とて面倒ごとはあまり好みではない。
彼女たちが目の前の青い髪の少女を心配してそのように提案してきたのは嫌でもわかる。
当の当人はそのことにまったくもって気づいていなさそうであるが。
「と、とにかく。もどりましょ」
いまだに人々は空にかかっているオーロラに気をとられている。
この場を立ち去るのならば今がチャンスとばかりにそのままそっとその場を離れてゆく四人の姿が、
ここリースの広場の一角において見受けられてゆく。


「これで大丈夫です」
とりあえず、報告してくるから。
というハンナとサリーは校長室にと出向いていっている。
まずは傷の手当てとばかりに部屋に招きいれ、丁寧に治療を施すアンジェリーク。
「止血はしました。あと消毒も。化膿しないようにしばらく水には触れないよう。無理はしないでくださいね?」
学生にしては手際のよい処置。
「あ。ああ。すまない。でもずいぶんと手際がいいな」
「慣れてますからね」
そんな彼の言葉ににっこりと微笑む。
「でも、本当にありがとうございます。あなたは浄化能力者なんですね。おかげでたすかました」
いいつつ、ぺこり、と再びお辞儀をする。
「い、いや。ただ俺も邪魔だっただけだし…、あ、俺はレインという。あんたは?」
「あ、私はアンジェリークといいます。一緒にいた子はハンナとサリーです」
「いや、名前じゃなくて……」
レイン、と名乗った赤い髪の男性が聞きたいのはそんなことではない。
このアンジェリーク、と名乗った少女が先ほどはなった不思議な光のこと。
すでに窓の外から見る限り、発生していた伝説のオーロラの姿は形もみえない。
と。
コンコン。
「アンジェリーク。いますか?」
扉の向こうより聞こえてくる年配の女性の声。
「あ、校長先生だわ?…はっ!?」
その声に椅子から立ち上がるアンジェリークではあるが。
はっとあることに気づいて思わず硬直する。
「い、いけないっ!みつかったら大変!ここは女子寮なのっ!すぐに隠れて!」
「…は、はぁ?」
「そこの中に!早くっ!!」
いくら命の恩人だ、とはいえ男性を部屋の中に入れている、などと知られてはおそらくかなりの大目玉。
いや、厳重注意をうけるのは必死。
「あ、お、おいっ!」
バタン。
有無をいわさずに部屋の隅にとあるクローゼットの中にと押し込まれる。
「お、おまたせいたしました。何でしょうか?校長先生?」
「アンジェリーク。あなたにお客様ですよ?」
「お客?」
扉の先にいたのは、この女学園の高等部の校長の姿。
自分をたずねてくる客などは身内もすでにいない今となってはいるはずもない。
だからこそ首をかしげるアンジェリーク。
ごとごと。
一方でいきなりクローゼットの中にいれられたこともあり、身動きがとりにくくおもわず身じろぐレイン。
身じろぎすると同時にごとごとと音が出る。
ぎくっ。
「あら?何の音ですか?」
「あ、え、えっと。この子、この子の音です」
「にゅうっ♡」
その音に対して疑問に思い、部屋の中を覗き込もうとする校長のその行動に対し、
ひょいっと後ろにいた子猫を抱き上げて彼女にと見せるアンジェリーク。
この女学院の校長は女ばかりの学園、ということもあり代々女性が校長を勤めている。
それは小、中等部においても同じこと。
「あら?ずいぶんと変わった毛並みの子猫ですね。アンジェリーク。あなたのですか?」
「いえ。迷子みたいなんです。首輪もしてないですけどとてもなつっこくて」
たしかに、とてもアンジェリークになついている様子は傍目からも明らか。
「そうですか。あ、それよりあなたにお客様ですよ。校長室まできていただけますか?」
「え、あ。は、はい。チビちゃん、ちょっとまっててね」
「にゅう」
校長の言葉に首をかしげながらも、そのまま部屋の中に子猫を下ろす。
アンジェリークの声がわかっているのか、ちょこん、とお座りをして行儀よく返事をしている子猫であるが。
そのまま首をかしげながらも、クローゼットの中に押し込めたレイン、と名乗った男性のことをきにしつつ、
そのまま校長に促されるように部屋を後にしてゆくアンジェリーク。
足音が遠ざかってゆくのを確認し。
「ぷはっ!」
パタンッ!
頭に落ちてきたアンジェリークの花つきの帽子などをかぶりながらもクローゼットの中からでてくるレイン。
「にゃっ」
「ってめぇ。今、わらわなかったか?」
そんなレインに対し、まるで子猫が笑ったかのようなしぐさをみせる。
おもわず子猫に詰め寄るレインであるが、猫はきにせずにそのまま毛づくろいをはじめていたりする。
「しかし…まいったな」
この部屋につれてこられたとき、確かにきょろきょろと三人が周囲を気にしながら入ったのはわかっていたが。
一人で女の園でもある女学院を徘徊するようなことはあるいみ避けたい。
否、男性ならばあるいみとてもうれしいのかもしれないが。
下手に騒がれでもしたらたまったものではない。
そもそも、自分は何もやましいことなどはしていないのだから。
「しかし…あの子……」
身を挺して子どもを守ろうとしたあの勇気と行動力には驚いた。
さらに驚いたのは、あのとき。
たしかに見えた。
金色の光の中、真っ白な羽を生やしている彼女、アンジェリークの姿が。
それはまるで、伝説の中にでてくる『女王』のごとくに。
しかも、その直後に空に輝いた虹色のカーテン。
あれは、まぎれもなく古代の文献にのみのっていた光のカーテン…オーロラであろうことは明白。
伊達に様々な研究に没頭していたわけではない。
伝説の女王についてはそこいらの頭の固い科学者よりはかなり研究しているつもりである。
「ああ…くそっ」
だがしかし、もしそれが真実だとすれば、それが意味することは……
頭の中がこんがらがり、何だか考えがまとまらない。

「え?アンジェに?」
広場でおこったこは、黙っていよう、と二人して決めた。
下手に他の友達などに心配をかけたくはない。
何よりも話すことにより、親友であるアンジェリークのその身に危害が及ぶようなきがする。
だからこそ、二人はあのことを話さない、と決めている。
「ええ。さきほどとってもすばらしいハンサムなかたがさっきいらしたのよ?」
「う~ん。アンジェリークったらいつのまにあんなハンサムなかたとしりあったのかしらっ!?」
学園の門の前には立派な馬車が止まっており、どうやら荷物を片付けている最中、誰かがやってきたらしい。
先ほどのリースの広場での出来事が嘘のような平和な学園内部。
「きっとアンジェの話をきいて見初めた貴族の方がいるのかもよっ!」
「いいなぁ。アンジェリーク」
アンジェリークが学生看護のボランティアの最中。
確かに感謝されたことは多々とある事実。
そんな中で彼女のことを見初めた人がいてもおかしくはない。
そんな会話が門の前にて学生内部にてかわされる。
だがしかし。
「…まさか…」
「サリー」
こくり。
二人してつぶやき、顔を見合わせこくりとうなづく。
さっきの今である。
空に輝いた不思議な光のカーテン。
目の当たりにしたアンジェリークの不思議な力。
それらは祖母から、そして信心深い両親たちから聞かされていた伝説とおもいっきり重なる。
もし、そのことに気づいた誰かが彼女に悪意をもったとしたら?
中には、そういう人もいるであろう。
もしくはその力を独り占めにしよう、という人物もいるかもしれない。
たとえ、彼女がその運命の持ち主だとて、二人にとっては守るべき大切な親友。
そのまま、そっと二人してそのままアンジェリークの部屋にと向かってゆくハンナとサリー。

「……あの子たちなら任せられそうね♡」
そんな二人の姿をそっと離れた、否、学園の屋根の上からぶらぶらと屋根の上に座りつつ、
眺めている金髪の少女が一人。
そのまま、その姿は淡い金色の光ととに一瞬の後にと掻き消える。
後には白い羽の残像が周囲に降り注いでは消えてゆく――


                                -第3話へー

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あとがきもどき:
薫:さてさて。今回のあとがきは、おまけv


「って、陛下っ!まぁぁぁぁたどこにいかれてたんですか!?」
最近、ふと気づいたらいなくなることが多々とある。
それも頻繁に。
すぐにもどってくるものの、心配するのは道理。
「んふふ♡ちょっとね♡」
「ちょっと、ではわかりませんっ!そもそも、この間。神獣の女王より連絡があったばかりですのにっ!」
確かに、彼女をつれてかの地の時間軸では五百年と少し前にいったのは事実。
「気にしない、気にしない♡」
「あんじぇぇぇ~~!!」
女王の力の加護のもと、この世界は平和に満ちている。
そしてまた、あの新たな神獣の宇宙においても。
次なる世界は神猫の宇宙。
かの地はこれから新たな歴史を刻みだす。
それでも、やはり全てを育み見守り育てる存在。
すなわち、宇宙の女王、という存在には心休まる大切な親友が不可欠。
そしてまた心許せる大切な仲間も。
すでに彼女はその親友を得て生活している。
あとは、彼女たちの決意次第。
今日も今日とと女王補佐官ロザリアの叫びが、ここ神鳥の宇宙の聖殿にと響き渡って行く。

おまけ、完了♪
薫:では、次回、ニクスの登場ですvしかしかれよくまもあ五百年も…強い精神力の持ち主ですよねぇ。
  しみじみと。

2008年5月3日(土)某日

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