まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
編集これで三度目・・・・・これで今度こそ完成にしておきたいです(汗
などとぼやきつつもいくのですv
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スイート・メモリーズ ~第6話~
「でも新しい女王候補か。でも何で試験なんてやるんだろ?
女王様の力……別に衰えは感じないけど?」
そんなことをいいつつ空を見上げている金色の髪の少年。
確かに世界には女王の力は満ちている。
……表面上は。
「さ~な。」
ぶっきらぼうに答えている鋼の髪の色をしている少年。
「でも、ロザリアにしろアンジェリークにしろ……というか。
あのアンジェリーク……どこかで出会ったような気がするんだけど……」
そういいつつ腕を組み考え込んでいるのは茶色い髪をしている少年。
「あ、ランディもそう思った?それ僕も。どこでだろ?」
「そんなの俺のしったこっちゃない。」
さらっとぶっきらぼうに答えているのはゼフィル。
鋼の守護聖。
彼らにとってはついこの前のことであろうに。
―――無限地獄ナドラーガ。
その一件において彼らは・・・ …アンジェリーク。
つまりは、力をまとった彼女……正確にはその精神体……魂と出会っている。
そんな会話をしつつ、守護聖年少組みの三人は。
いつものように集まり会話をしつつ外を散策してゆく。
「ジュリアス様。」
コンコンコン。
扉がノックされ入ってきたのは、赤い髪の男性。
「オスカーか。入れ。」
その言葉をうけ、
「はっ!」
敬礼しつつ、部屋の中にとはいってくるその男性。
「ご苦労。惑星の状態はどのようだ?」
そういいつつ、報告を促す金色の髪の男性のその言葉に。
「はっ。ここに。」
そういいつつ、王立研究院から預かってきた資料を手渡すオスカー。
「惑星……ε-αか。」
それに目を通しつつ、部屋にその映像を浮かべてつぶやくジュリアスのその言葉に。
「しかし、ジュリアス様、俺たちの宇宙はすでに限界にきているのに。
このような女王試験に何か意味でも……」
「オスカー、そのことは軽々しく口にするな。陛下は陛下のお考えがあるのだ。
それに彼女たちはわれらの世界を救うべく。あらたな女王候補だ。」
おそらく……陛下の……女王陛下は。
何となく彼女が何をしようとしているのか検討はつく。
つくがそれをいうには今はあまりに早すぎる。
いまだに宇宙の状態に完全に確信していない人々もいる。
そんな人々などに不安を与えるようなことがあってはならない、確実に。
「は。出すぎた意見でした。しかし……その女王候補なんですけど……
あのお姫様…とと、ロザリアは貴族出身で確かに自覚などもできているでしょうが。
あのアンジェリーク……どうみても子供なんですけど……」
その言葉にかるくため息をつき。
「オスカー、人は見た目、年齢は関係ない。事実この私も守護聖になったのは。まだ五歳のときだ。」
生まれたときから時期光の守護聖、守護聖たちのリーダーとして育てられ。
まだ幼いうちから大人の中で威厳をもって振るわ舞わなければならなかった彼。
寂しくなかったといえば嘘である。
だがそれを表に出すことなど守護聖、首座、光の守護聖としてのプライドが。
幼い彼ながらにも重くのしかかり……そして、今彼はこのような性格にと成長していたりする。
そんなジュリアスの言葉にはっとなり思わず顔を伏せるオスカー。
彼は確かに見た目は厳しく近寄りがたいように。
他の……特に、年少の守護聖たちの目にはそう映っているであろう。
だが本当の彼は言葉は少ないながら常にベストの方法を探索しつつ、そしてその内心はとてもやさしい。
それがめったに表の表情にとでないだけで。
「それに、あのアンジェリークという候補。ディアもいっていたが。
すでに滅んだと思われていた特殊な一族であるらしいからな。」
―――クリスタル一族。
「……ルヴァの説明によれば、我ら守護聖、そして女王、女王補佐官と。
普通の人でありながらその時を同じく過ごす一族…ですか。」
彼らの時間は特別である。
外界とは隔たれた聖地という場所で。
普通の人々とは異なるゆっくりとした時間でその生を生きている。
宇宙の状態を見守りながら。
それゆえに力が…サクリアが衰え普通の人として外界に戻ったときには。
すでに家族、友達などこの世にいるはずもなく。
ましてや気の遠くなるほどの時間が経過している。
その覚悟をもってして彼らは宇宙を守る、という使命感の元。
こうして、その守護聖としての任務についているのであるからして。
「ああ、それゆえに彼らは人々に怖がられないようにと。
その身を変化させることを。どうやら一般的にしているらしいからな。」
年をとらない。
それはある意味人にとっては恐怖を抱かす。
それゆえにかつて魔女といわれ虐殺された一族でもあり、
その長寿の秘密は彼らの血肉にある、という間違った知識において。
さらには駆り立てられたその一族。
その一族…クリスタル一族の末裔だという、女王候補、アンジェリーク=リモージュ。
そういいつつ、窓から外を眺め。
「とにかくわれわれはどちらが女王にふさわしいか見極めなければならん。こころせよ。オスカー。」
「はっ。承知しました。」
窓の外をみつついってくるジュリアスの言葉に軽く敬礼するオスカーの姿が。
飛空都市の宮殿、光の守護聖、ジュリアスの執務室の中で見受けられてゆく。
「う~ん、あの一族に関しては…やはりまだまだ知られていないことが多いですねぇ。」
いったいどこから声がしているのか。
周りを見渡しても、本の山、山…山……
こんこん。
「は~い、ルヴァちゃん、入るわよっ。って、何よぉ!?この本の山はぁ!」
彼の執務室を訪れた夢の守護聖オリヴィエの声がこだまする。
部屋に入るなり飛び込んできたのは…ほとんど部屋をうめつくすがごとくに出されている本の山。
「あ、オリヴィエ~、いいところに。今あのクリスタル一族のことを調べてたんですよぉ。」
などと本の中から地の守護聖ルヴァの声がオリヴィエの耳にと届いてくるが。
……はぁ。
そんな様子におもわずこめかみに手をあて軽くため息ひとつ。
「……あのね?ルヴァ……まあ、あんたのその研究熱心さには関心するけど。
ディアからの伝言だよ?明日ディアの私邸で簡単な食事会が催されるらしいからね。
明後日からの試験の女王候補たちのための食事会だってさ。って、話きいてんの!?あんたは!?」
おもわず怒鳴るが。
「あ~、そうですか、ディアがですかぁ。わかりました。」
どこかほとんど聞いていないようなその声にまたまたため息つきつつ。
「……確かに伝えたからね。それじゃ、私はいくわ。こんな本の山みてたら気分がおかしくなっちゃう。」
そういいつつ伝言だけを済ませて扉からでてゆくオリヴィエ。
「さて…っと。えーと、クリスタル一族は…っと。」
そんな様子にも気にもとめずにさらに調べ物にと没頭してゆくルヴァ。
「クラヴィス様、わたくしはどうもあの少女があのときの……」
ハープを弾き終わりそんなことをぼつりといっている水色の髪の男性。
「だろうな。姿は違えどもその内に輝く輝きは間違えようがない。」
そういいつつ目の前にある水晶にと手をかざす黒い髪の男性。
そこに映し出されるのはかつて彼らが遭遇した……金色の光に包まれた時期女王の姿が。
姿は違えどもその輝きと容姿は……あの少女、アンジェリークによく似ている。
それが指し示すことはすなわち。
「リュミエール、一曲また頼む。」
「はい。クラヴィス様。」
ぽろん。
暗く落ち着いた空間にハーブの音が響いてゆく。
それぞれがそれぞれに思いをめぐらせて。
明後日より正式に女王試験が今ここに開始されてゆく。
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