まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

ふと気づいたこと、神鳥の名前がちらほらとかわってる(汗
真名と呼び名が・・・あはははは(汗
訂正しとかないとなー・・・とおもいつつ、訂正しつつの編集作業……

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スイート・メモリーズ     ~第7話~

空が大地が…命が見えない悲鳴を上げている。
このかなりの数の銀河を抱擁しているこの大銀河。
いくら星星の揺りかごともいえる銀河とて、その存続する時間には限りがある。
永遠に存在することなど……それは宇宙の理に背くこと。
物質はいつか滅び、そしてまた再生する。
それが理。
そんな理を理解し、この世界を無理をいって存続させてもらったのは他ならない…自分自身。
自分が自分で決めたこと。
だから……後悔はしていない。

ゆっくりと目を開ける。
目に入るのは見慣れない天井。
「う~ん、よく寝た。」
そういいつつ思いっきり背伸びをする。
体に合わないほどに大きなベット。
一応肉体的には確かに疲れは取れているらしい。
気分的にはすがすがしいが気分は少し晴れない。
ゆっくりとフリルのついたネグリジェを布団からその身ごと引っ張り出し、ベットの横にと腰掛ける。
「……状況は……かなり深刻みたいね。とりあえず。
  あの地にフラワー置いてきたから、しばらくはアンジェリークの力でも。大丈夫と思うけど。」
【アンジェリーク】天使の意味をもつその名前は。
今やその本来の意味をもつ初めの出来事を覚えているものなど存在しないであろうが。
いや、星星はその記憶をどこかで受け継いでいる者たちもいるにはいる。
【アンジェリーク】それはこの宇宙の……いや、世界の創造主でもあり、そしてまた。
救世主でもあり、再生主でもあったその名前を。
かつて共に世界を復活させていった仲間たちが、彼女の名前を伝えた結果。
今ではその名前が天使の意味を称している……というその事実を。
「とりあえず、今は。」
そう。
とりあえず今すべきことは確かに彼女の補佐も必要であるであろうが。
今はともかく。
「……今はともかく、この新たな器の生成に力を注がないと。」
すべての命を守る揺りかごとして、そして、その鍵となり、中心となる惑星。
惑星ε-α。
そう呼び証されているその惑星を作り出したのは……他ならない彼女自身。
現女王である彼女が気づいたからこそ……これはできること。
気づかれてはいけない。
不安をあおってもいけない。
これは……自分がやらなければいけないことなのだから。
そんなことを思いつつ。
ベットの枕元にとおいていた
とある不可思議に虹色にと光っている水晶の花を手にとる金色の髪に緑の瞳の少女。
「―― これはしばらく人目には触れさせないほうがいいかしら…ね?」
その言葉と同時に…その虹色にと光るそれは。
言葉と同時に少女の体内にとまるで吸い込まれるかのごとくに掻き消えていく。
そして改めて部屋の中を見渡す。
シンプルながらもそれでいて落ち着いている部屋。
この部屋でこれから彼女は生活をしてゆくこととなる。
ゆっくりとベットから起き上がろうとすると。
コンコンコン。
扉をノックする音がする。
「は~い。」
それに気づきとてとてと玄関の方にと歩いてゆく金色の髪に緑の瞳の少女。
年のころならば七歳程度くらいであろうか。
かわいらしい薄いフリルのついたネグリジェがかなり似合っているその少女。
「アンジェ?いるの?
  というか今日は昼からディア様が昼食会にお招きくださってるのよ!何をのんびりしているのよ!」
扉を開けるとそこにたっているのは青い瞳の少女。
その長い髪をきっちりと縦ロールにしてセットしてあるその少女のその言葉に。
「え?ああああ!もうこんな時間!?まって。すぐに着替えるから!」
ふと時間をみてあわててきびすを返し部屋の奥にと入ってゆく。
「まったく、何をしているのよ。あんたは。早くしなさいよね。
  私たちが先にいってなくてどうするのよ?まったく・・・」
などとぶつぶついいつつそれでいて扉の向こうで少女を待っているその少女。
「いっけない、いっけない。」
ぺろりと思わず舌を出して。
「ついついあっちの世界の様子を視るのに集中してたらいつの間にか。十時過ぎてるし。」
などとつぶやき、カタンとクローゼットを開ける。
その中からスモルニィ女学園、彼女が通っていた学園の制服を取り出しそれに着替え。
そしてそのまま洗面所にいき、顔を洗い身支度を整える。
きゅっ。
「うん、よし、完璧!」
鏡をみつつ櫛を頭にいれ、そしてそのふわふわの金色の髪をリボンで軽く結ぶ。
そしてもう一度鏡を見直し。
そして、しっかりと背筋を伸ばす。
ピィ~…
そんな彼女の脳裏にふととある鳥の声が響いてくるが。
思わずくすりと笑い。
部屋の中を片付け。
そしてきちんと部屋を片付け玄関にと向かってゆく。
「ごめん、ロザリア、お待たせ。」
そういいつつすでに一階にて待機していた少女。
ロザリアの元にと向かう少女、アンジェリーク=リモージュ。
「まったくだわ。遅れたらどうするつもりなのよ。アンジェは。
  わたくしと同じ女王候補なら女王候補らしく。
  きちんと事前に用意はしっかりとしておいてくださらないと。わたくしに張り合いがありませんわ。」
そういいつつアンジェに向かっていってくるロザリアのその言葉に。
「は~い。だからごめんってば。
  でもありがと。呼びにきてくれて。やっぱりロザリアってやさしいわよね。」
にこにことそういうリモージュのその言葉に。
「な゛!わたくしはねぇ!」
思わず怒鳴りかける。
と。
「あ、アンジェリークさん、ロザリアさん。お迎えの馬車がやってきましたわよ?」
そんな二人の会話の間を縫って離しかけてくるのは。
彼女たち女王候補の世話をする、
この女王候補寮にて二人の世話を任されている、シャルロッテという名前の女性。
「どうにか間に合ったようね。アンジェ、ともかく気をつけてよね。
   このわたくしのライバルが時間にルーズというのは好ましくないんですからね!」
そういいつつくるりと向きを変え、寮の玄関先にと向かってゆく。
その玄関を抜けた門の先にはすでに馬車が待機しており。
二人の女王候補であるアンジェリークとロザリアをそこにて待っている。
今日は明日からの女王試験本格開始に先立ち。
女王補佐官でもあるディアが彼女達や守護聖達を招き昼食会が催されるのである。
「ほら、いくわよ。」
「あ、まって、ロザリア…って……きゃぁ!」
ドタン!
思わず足を絡ませその場に倒れこんでいるリモージュ。
「・・・・・・・・・・・・・・」
思わず足を止め。
「まったく、あんたは何をやってるのよ!」
文句をいいつつリモージュを助け起こすロザリア。
「あ…あはは……ころんじゃった……」
この性格というか少しそそっかしいところがあるのは。もはや直りそうもないけど。
と、自分で自覚しているのだからリモージュは。
それがいいのか悪いのか。
思いっきり鼻を打ち、赤くしているリモージュをみてあきれたため息をひとつつき。
「……まったく。ほら、いくわよ。」
そういいつつリモージュの手を引き馬車にと乗り込んでゆくロザリア。
なぜかロザリアはリモージュのことがほうっておけない。
学園にいたあの時から。
それがなぜなのかはわからないが。
とにかく気づいたら世話などを焼いているのもまた事実。

ガタガタガタ。
やがて馬車は二人を乗せて、ディアの私邸にと向かってゆく。



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