まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら


ふう。
まさかテキストで60以上いくとは漫遊記番外、ネクスト(笑)。あはははは(汗)
なので気分転換v
今回は、公言していたとおりに!カティス様、登場ですv
では、いくのですv

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スイート・メモリーズ     ~第19話~

「そういえばそろそろ祭りの季節だな。一度いくか。」
ここはとある惑星。
「あ、お兄さん、この前のハーブ。とてもよかったよ。
  それにあんたから教えてもらった苗の育て方。あのとおりにしたら植物が元気になって!」
店を片付けている金色の髪の青年の元に、そんなことをいってくる町の住人のうちの一人。
「そいつはよかった。植物にも心があるからな。
  心を込めてそしてまたきちんと世話をすればちゃんと答えてくれるってもんさ。」
その笑顔がとてもまぶしい。
家に植えている植物を枯らしかけ。
ちょうど露天で営業を始めていた彼の元に、植物などを扱っているようなので相談して正解。
といったところか。
「お兄さんはいつまでこの場所にいるんだい?」
そう問いかけるほかの客に。
なぜか女性客が多いが。
この店ではハーブを使った自然や体に優しいものなども扱っており。
そしてまた、作り方やその世話の仕方。
それらを丁寧に店の主人が指導してくれることもあり。
すでにこの町ではもはやちょっとした有名となっている。
「そうだなぁ。主星にいこうかと思ってるんだがな。ちょっとした第三の故郷で祭りがあるんでね。」
すでに第一の故郷はなきに等しい。
それまでの年月が外界では流れていたのだから。
親族ももはやいない。
血縁者はいるにしろ。
だがそれでも彼を知っているものなどは。
かつて彼らの一族の中から守護聖が誕生した。
という程度しか知らない。
それほどまでの年月。
第二の故郷ではいまだにあの光景が繰り広げられているのであろう。
どこか不器用でそれでいて感情を表現するのが苦手で、いつもどこか怖がられてしまうジュリアスに。
反発しつつもそれでいてどこかで認めているゼフィル。
いつも無関心を装ってはいるが知る人ぞ知る、人知れず世界を気にかけているクラヴィス。
何かことがあるごとに人に化粧をさせようとしていたオリヴィエ。
そのたびにワインでつって彼はごまかしていたが。
まだ幼く、どこかあぶなっかしい自らの後継者、マルセル。
のほほんとしつつもいざとなればその知識を振る活動し頼れるルヴァ。
そして熱血少年のランディに。
おそらく今でも女性とみれば声をかけているのであろうオスカー。
彼ら九人の姿は目を瞑れば今でも思い出せる。
「いまだにあの二人はあのままなんだろうがな。」
そう思い思わず苦笑する。
あのとき。
いきなりの女王交代。
あれさえなければあの二人の関係ももう少し緩和されていたのかもしれない。
……が。
仕方がなかったともいえる。
あの当時で宇宙が崩壊する時間に差し掛かったのに気づいたのは。
彼と…そしてもう一人と。
そして、星々の声をその感性で聞くことができる彼と…
「ま、彼女ならどうにかするさ。何たって候補のときから面白かったからな。」
現女王の候補時代のことを思い出し思わず苦笑する。
「あの?カティスさん?」
思わず思い出し笑いをする彼に話しかける客の言葉にはっとわれに戻り。
「あ、すまん、すまん。とりあえずもう少ししてから俺はここを離れるから。
  といってもまたよるけどな。何しろ俺は旅の行商人だしな。」
あの地を離れ、お役目を果たし、外界にもどったあの当時。
本来ならばあれから年月は確かにかなり経過している。
といってもまだあちらでは一年もたってはいないであろうが。
それでも彼が当時のままの姿でこうして旅をしていられるのは。
そう思いつつ胸につけているブローチをちらりと見る。
それはある花を模写したブローチ。
クリスタルで彼が作った。
そしてまた。
彼の傍らにはいつも不思議な光沢を放つ花がある。
これこそが。
彼が与えられている花【花水晶クリスタル・フラワー】。
前緑の守護聖、カティスが彼らの故郷を訪れたときに、彼が一族に迎えいられたときに賜った花。
この花があるかぎり一族の一員であり、そして花と彼は一心同体。
まあ、クリスタル・フラワー自体。
今ではその姿を知るものなどはもはや絵本やお話の中。
しかも現物とはかけ離れた絵などが載っている程度。
この水晶でできたような花弁をしている花がまさか伝説の花などと、いったいだれが想像できようか。
しかも。
「あ、カティスさん、これくださいな。」
彼の趣味により彼はガラス細工なども手がけて販売していたりするがゆえに。
「はい。まいど~!」
にこやかな笑みとそしてすがすがしい声が。
澄み切る青空の下響き渡ってゆく。


「……あの?ゼフェル様?」
待ち合わせの森の奥にある花畑。
ここならば誰もこないであろうから相談するのにはうってつけ。
何しろこの森自体があまり入らないように、という立ち入り禁止区間だからして。
そこにいるはずのない二人の姿をみとめ。
思わず声をだしているアンジェリークに。
「すまん。こいつらにかぎつけられた……」
などといいつつそっぽをむいているゼフェル。
「アンジェ、ゼフェルに頼まれてこの飛空都市を出るなんて。
  だめだよ。そんなこと。ジュリアス様に怒られるよ?」
そういって憮然とした表情の茶色い髪に青い瞳の少年。
「でもアンジェ、宇宙間の移動もできるんだ。すごいよね。」
こちらはこちらで完全に関心した声を上げている金色の髪の少年。
「あら、内緒にしておけばいいんですよ。そうだ。せっかくだし二人とも一緒しませんか?
  あ、ゼフェル様、ちょうどそういえば今のこの時期。
  私たちの一族の祭りが開かれているんですけど。いくのそちらでもいいですか?」
「だから、アンジェ!だめだってば!」
にっこりと微笑み、
抜け出す相談を始めるアンジェリークの言葉をさえぎっているのは、風の守護聖ランディ。
「確か今年はカティス様もこられているそうですけど?」
――ぴたり。
「いいじゃないか。」
「だめだったらだめだ!」
などと言い合っていたゼフェルとランディの動きがとまり、おもわずばっとアンジェリークを見つめる二人の姿が。


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