スイート・メモリーズ ~第20話~
「ええええええ!?カティス様!?アンジェ、カティス様を知ってるの!?」
懐かしくもそして会いたいその名前。
その名前を聞いて目を輝かせるマルセルに。
「ええ。以前守護聖の任を終えられた彼は、私たちの隠れ里をお尋ねになりまして。
今では一族の一員となってますから。」
クリスタル一族。
彼らの寿命は果てしなく長い。
そしてまた、不老長寿でもある。
それゆえにかつてその力を恐れられ虐待され、
もしくはその不老の力を手にいれようと、惨殺された一族。
「あれ?でも一族でない人もなれるのか?」
ふとそのことに思い当たり、首をかしげるゼフェル。
何しろアンジェリークがきてからこのかた。
彼の世話係でもあるルヴァが一族のことについて、目をかがやかせて彼に話していたりする。
という現状があったりするがゆえに。
どうしても知りたくないことまで何度も同じことを聞かされていれば。
どうしても覚えてしまうというのは人というもの。
今ではルヴァがいなくても、暗唱できるまでになっちまったぜ。
などと心でつぶやきつつ、アンジェリークに問いかけているゼフェル。
「ええ。なれますよ。ちょっとした儀式とそしてとあるものに認められさえすれば。」
彼らのご神体。とも呼べる巨大なクリスタル・フラワー。
それはかつて、無意味に殺されてゆくよりは、自らの体を水晶にと変化させ。
自らの身を守った彼らの一族のその集合体。
かつての惨劇を二度と繰り返さないように。
その花を神聖なるものとしてあがめているのである。
それと。
彼らの力の源ともいえる、レインボゥ・クリスタル。
その認めを受けたものはどんな種族といえども彼らの一族にと入ることは可能。
そして、今は。
そのレインボゥ・クリスタルの具現ともいわれている、長。
長の意思と思いにかなえば。
そしてその長こそが、アンジェリーク=ユニバース。
いや、今はアンジェリーク=リモージュとして誕生しているのだが。
この場にいる少女、アンジェリーク本人に他ならない。
「いきたい!いきたい!つれって!アンジェ!」
懐かしい、カティス様。
自分の前任者。
もっといろいろ教わりたかった。
目をきらきらさせて両手を組んでいっているマルセルに。
「…う~ん。本当はだめだけど。でもオレもあいたいし……」
どうやら会いたい衝動の方が優先し気持ちが揺らいでいるランディ。
「あ、何でしたら、今のカティス様、見ます?」
にっこりと微笑み。
懐から少しかわった虹色の用にと輝く水晶を取り出すアンジェ。
だがその水晶は丸い形ではなくしいていうなれば、磨かれカットされたダイヤの原石。
それによく使われるブリリアン・カット。
そう呼ばれる形に近い。
異なるのはその側面が少しばかり長いという程度か。
取り出したその水晶はまるで虹色のように。
それでいてオーロラのように、くるくると色合いを変化させている。
そして、それを取り出し手に乗せると。
ふわりと何もしていないのにその水晶が空にと浮かぶ。
アンジェリークの手の平の上で浮かび上がりくるくると回り円を描く。
そして。
その水晶から淡い光、何と表現すればいいものか。
いうなれば淡い…金色の光というべきか。
ともかくその光が空中にスクリーンを作り出し。
そして。
作り出された光のスクリーンに映し出される見覚えのある姿がひとつ。
『カティス(様)!!!!?』
その姿をみて同時にゼフェル、マルセル、ランディの声が重なる。
そこに映し出された金色の髪の青年は。
まごうことなき、マルセルの前任者。
前緑の守護聖、カティス。
本人そのもの。
回りにはみるで水晶のような様々な色合いの花が咲き乱れている光景。
おそらくはこれがアンジェリークのいうクリスタル一族の隠里の光景なのだろう。
何となくどこかでそう納得するものの。
だが言葉できくのと実際にそう目で見るのとでは説得力は違う。
「あら、どうやらカティス様。もう里につかれてるようですわね。それで…どうなさいますか?三人とも?」
にっこりとその映像をみて絶句している彼ら三人に向かって。
微笑みかけるアンジェリークの姿が。
花畑の一角で、しばし見受けられてゆく―――
「あら、アンジェリーク。どこかにお出かけですの?」
毎週土曜日の定期審査。
それが終わりそのまま一度寮にと戻り、
服を着替えて外にでるアンジェリークに気づいて声をかけるロザリアに。
「うん。ちょっと。」
それだけいって小さなかばんをもって外にと出てゆくアンジェリーク。
ちなみに姿が子供である、ということもあり。
見た目では子供がどこかに遊びに行く格好にしか見えないが。
肩にかけている薄ピンク色の鞄が結構金色の髪に映えて似合っている。
服装はいつもの格好であるにしても。
というかアンジェリークは似たようなデザインの服をいくつも持っている。
いつも育成をしているときにはスモルニィ女学園の制服を着て行動しているのだが。
そのままぱたぱたと走りつつ寮を出る。
待ち合わせ場所は例の場所。
めったに人が寄り付かない、森の奥にとあるとある花畑。
ここはその森の特性からしてめったと近寄るものもいない。
もし万が一心にゆれがあったりするものがこの森にと入れば。
逆に森の悪意に取り込まれる。
逆に心にまよいも何もなければ問題はないが。
その森に少し入った場所にある湖。
その湖は聖地の湖と同じく不思議な力があるとも言われているが。
別名、恋人たちの湖。
-第21話へー
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あとがきもどき:
薫:登場vカティス様vということで、次回。アンジェ+年少組み三人。
彼らが飛空都市を抜け出して(?)出かけますv
というわけで次回は一族の祭りの光景v再開するカティス様とマルセル様たちv
・・・・どうでもいいけど守護聖様の名前をすべて様づけしてしまう。
…はまり具合がわかるというものですなぁ(笑)
カティス様、ドラマCDとか不思議の国のアンジェリークとかだけでなく。
・・・・でてこないかな、OAVで。というか、希望!ドラマCDとかのOAV化!
女王アンジェリーク(前女王?)もみたいしv
そして、何より!リモージュちゃんの活躍希望!
あ、でもリモージュのときにはカティスいないか。
でも光と闇・・のならいる!うん。
アニメ化してくれないかなぁ。OAVでいいからさぁ(切実に)
まあ、何はともあれ、また次回でv
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