まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

注意:PS版、スレイヤーズRPG、ゲーム、やってないよ?
という人には・・・ネタばらしです。はい(実話)

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      エル様漫遊記  ~ワンダホー偏~


「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
赤ん坊が泣き喚く。
「やれやれ……またですか……」
言ってため息をついているのは、どこにでもあるような黒い神官服を着ている男性。
なぜか、その顔に疲労の色が見えていたりもするけども。
そういいつつ赤ん坊をあやしてゆく。
「まったく……どうして魔族の僕が……」
半ば諦めたようになぜかいっているのはいうまでもなく、獣神官ゼロス。
「……はぁ……」
……そもそもの始まりは、冥王様が立てた計画にあったんですよね……
人間を利用して世界を滅ぼし、混沌にと還りゆく。
そのついでに、魔竜王様もおびき出して……それですむはず…だったんですけどねぇ……
まさか、その人間が……はぁ……『あの御方』だったとは……
知らないこととはいえ、作戦はすでに実行されていて。
その結果。
冥王様は封印されて、魔竜王様はこのように……人間の赤ん坊にと姿を代えられて……
はぁ……
溜息ばかりをついてゆく。
彼にとってなぜか、とどめの一言となっているのが。
「ゼロス♡この子の面倒みるのあんたの役目ね♡」
この一言より、ゼロスは道中、赤ん坊の世話を余儀なくされている。

「名前を決めましょう!」
アメリアなどは、この赤ん坊が『誰』なのか、知らないせいかうきうきとして名前を決めて。
この子の名前を、『ル=カウ』と名づけていたりする。

「うう……ガーヴ様ぁ……お願いですから、あまり夜鳴きはしないでくださいぃ……」
ゼロスがいくら懇願しても、相手はさすがに赤ん坊。
当然聞くはずもなく。
さすがに、気が強いガーヴが赤ちゃんになっただけあって、夜鳴きがかなりすごい。
そのたびにゼロスは、毎晩周りに迷惑がかからないように部屋にと結界を張り、
声が漏れないようにと工夫していたりする。
何でも、そうしないとこのあたしに怒られるから。
などと思っているようだけど……
そりゃ当然、お仕置きはするけどね♡

そんなこんなで、数日が経過している、今日この頃。
セイルーンに着くのには、まだ日がかかる。

「うう……しくしくしく……」
なぜか、今日も今日とてなきながら。
カウのおしめを代えているゼロスの姿が、宿屋の一室で見受けられてゆく。


「ゼロスさん?顔色がよくありませんよ?」
黒い髪を肩の上で切りそろえ、パッチリした多きな瞳をしている少女。
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが、道を進みつつ、
背中にカウを負ぶさっているゼロスにと問いかける。
そのアメリアの言葉に。
「はぁ……カウ君の夜鳴きがすごくて……」
なぜか泣き言をいっているゼロス。
「でも別にお前は、眠らなくても平気なんだろうが。」
最もなことをいっているのは、全身を白いマントとローブで覆っている。
といっても最近は、顔は多少だしている男性、ゼルガディス=グレイワーズ。
「まあ……そうですけど……ああ、よしよし。」
クズリ始めたカウをあやしつつ、ゼルガディスの問いに答えているゼロスの姿。
「でも。何だかんだといってゼロスさん、カウ君の面倒をよく見てますよね!いい父親になれますよ!」
力説して言っているアメリアの台詞に。
「……僕達、そういうの……ないんですが……魔族ですし……」
 困ったようにと答えているゼロス。
「まあまあ。とりあえず、今日泊まる温泉宿に着いたわよ。」
あたしの言葉に。
「やっとメシにありつけるな!」
そんなことをいっているのは、金色の髪に、碧眼の瞳。
ルックスだけなら人の世の中では美青年で通る男性。
ついでに、美女でも通る♡
あたしの旅のつれの一人である、ガウリイ=ガブリエフ。

あたしは今。
アメリア、ゼルガディス、ガウリイ、そしてゼロスを伴って、セイルーンにと向かっている最中。
まあ、完全に人間の赤ん坊の姿へとかえて、記憶も封印している魔竜王カオスドラゴンガーヴこと、
赤ん坊のル=カウもいるけども。

「じゃ、部屋割ね。」
一人、一人に部屋を取る。
そして。
「ニ、三日、ここでゆっくりとしてから出発。いいわね?」
あたしの確認の台詞に。
「は~い!」
元気よく手を上げて返事をするアメリアに。
「……わかった。」
長いものには巻かれろ。というし。
というか、少しはゆっくりしたいし。
と思いつつ、いっているゼルガディス。
「めし、めしぃ~!」
ご飯が気になっているガウリイ。
そんな三人の声が重なる。

とりあえず、各自食事を済ませ。
それぞれ、自由行動の時間と決めて各自自由に動くことに。

部屋にと入り、なぜか、ほっと、ようやく一息ついているゼロス。
さんざん泣き叫んだ後、
ぐっすりと泣きつかれて眠ったカウをみつつ、溜息をついているゼロスの姿。
カウはといえば、気持ちよさそうにと眠っているけど。
「やれやれ……どうもても、あの魔竜王様にはみえませんねぇ。」
ゼロスが苦笑したとき。
トントントン。
ゼロスの部屋をノックする音が響き渡る。
「はぁぃ。」
主婦か、あんたは♪
愛想良く返事を返しているゼロス。
そしてそのまま。
カチャリと扉をあけると。
扉を開けた格好のまま、そのままゼロスは固まってたりするけども。

そこに立っているのは二人の女性。
二人とも、見た目は二十歳ほど。
一人は、淡い金髪を後ろでまとめ、少し大柄な女性で、ふわふわの感触の髪質。
そして、もう一人はといえば、流れるような漆黒の長い髪。
今回は、どうやら青い髪でなくて、よくとるもう一つの形態。
黒髪の形態できているようだけど。
少しばかり、ウェーブがかかり、服装も一人は普通の旅人風で。
もう一人は、一目で人間世界の中でいうと高級素材と分かる蒼いドレスに、
落ち着いたデザインの、ネックレスやサークレットそしてブレスレットなどを身にとまとっている。
「は~い♡ゼロス。何やら忙しそうね。」
「ふふ。ガーヴが、赤ん坊になったと聞いて、見に来ましたわ♡」
どでっ!
扉をもったまま、そのまま前にとつんのめりこけているゼロス。
そして。
錫杖をついて起き上がりつつ、汗をだくだくと流しつつ。
「じゅっ…獣王グレータービースト様!?か…海王ディープシー様!?」
大きな声で叫んでいるし。
「な・・・・・何で、おふた方が、こんな所においでになられるんですかぁぁ!!」
ゼロスが何やらわめいているけど。
その言葉に。
「決まってるでしょ?エル様にご挨拶と。それとねガーヴを見にね♡」
いいつつ。
カウの方にと、走りよっているのは、海王ディープシーダルフィン。
この世界の赤瞳の魔王ルビーアイシャブラニグドゥなぞと大層な名前で呼ばれている、
あたしにとっては使いっぱしりで、どこにでもいる使い勝手のいいたんなる部下S。
それが創り出した、五人の腹心のうちの二人の姿。
そのまま、カウの元にと走りより。
「きゃ~♡かわいぃ~♡」
いって、抱き上げているダルフィン。
「あ!ダルフィン!ずるい!私にも!」
いって、抗議の声を上げているのは。
同じく、部下Sの腹心である、獣王グレータービーストゼラス=メタリオム。
ゼロスは、ゼラスがその力をもってして、部下として、創り出した唯一の直属の部下。
それゆえに。
普通でも、他の、腹心などの直属の部下に比べて、抜きに出た実力をもっていたのだが。
今は、このあたしの力添えもあって、かなうものははっきりいって腹心。
もしくはS…つまりは、魔王くらいしかいないけど。
ま、実は、ゼロスには内緒にしてるけど。
実は、Sよりも実力…あげているのよねぇ。
これが。
んっふふふふ♡
ゼロスは気づいてないけど♡
ゼラスの抗議の声をきき。
「じゃあ後で私にまた抱かせてよ?ゼラス?」
釘をさしておいて、そのまま、抱きかげたカウをゼラスにと引き渡すダルフィン。
ぷにっとしたその寝顔に。
キョトンと、知らない人に抱き上げられて、くりっとした目を見開いているカウ。
「き…きゃぁぁ♡かわいい♡ガーヴじゃないみたいぃ♡」
「本当ですわ♡このまま、大きくならなければいいのに♡
  あんな、がさつなガーヴには戻って欲しくありませんわ♡」
さりげに、さらりと面白いことをいっているダルフィンだし。

そして、しばらく、カウをとりあいつつ、はしゃいでゆく二人の姿が。

しばらくカウの取り合いをしつつも、二人で交互にあやしつつ。
ふと。
「そういえば、ゼロス?エル様は?」
カウをあやしながら、ゼロスに聞いているゼラス。
「ええと……。今はこちらにはいらっしゃいません。お出かけになっております。」
一度、宮殿の方に戻られたようなんですよね……
そっと、心で付け加えているゼロス。
あたしちょっと、ここの次元にある宮殿に戻っているのよね。
ゼロスの言葉にうなづきつつ。
「…じゃあ、戻ってこられるまで。待っていたほうがいいわね。ゼラス。」
ダルフィンが、ゼラスをみつつ言っている。
「そうね……」
ダルフィンの言葉にうなづいているゼラス。
そして、二人はしばし沈黙し。
『でも、本当にかわいい♡』
二人の声が、完全にと一致する。
ふたりの玩具になっているのは、赤ん坊のガーヴこと、ル=カウ。
コンコンコン!
そんなこんなで、二人が、カウを取り合っていると。
ゼロスが泊まっている部屋の扉がまたまたノックされてゆく。
「はいはいはい。今あけますよ。」
ゼロスが、扉の方にと、歩いて、ドアノブに手をかけると。
バタン!
「ひぎゃ!?」
そのまま、勢いよく開かれた扉に、思いっきり壁に叩きつけられているゼロス。
「ゼロスさん!何か女の人の声がしているんですけどっ!っ……って…何してるんですか?」
扉の後ろで挟まっているゼロスをみて、いっているのは、アメリア。
「あ……アメリアさんが、いきなり扉を開けるからでしょ!?」
顔にくっきりと扉の跡をつけ、わめいているゼロス。
「まあ、そんなことより。……誰ですか?その、人達?」
「そ……そんなことって……」
あっさりとかわされていじけているゼロスだし。
「……見た事がない奴等だな。」
そういって、アメリアと一緒に入ってきたゼルがゼラスとダルフィンをみつつ、つぶやいてるけど。
扉を開けて入ってきたのは、アメリアとゼルガディスのこの二人。

「ゼロス、誰か来たのか?」
カウをあやしつつ、ゼロスに聞いているゼラス。
ゼラスがカウから目を放した隙に。
「ゼラス、隙あり♡」
今度は、私の番♡
とばかりにカウを取り上げて。
「ほ~ら、高い、高ぃ♡」
両腕で抱き上げつつ、カウの体を上下に揺さぶってカウと遊び始めるダルフィン。
「あ!ダル!ずるいぞ!」
「早いもの勝ち♡」
そんな言い合いをしつつ、完全に赤ん坊を取り合っている、二人の姿。
「…………何やら、カウ君を取り合っているようですが…一体?」
「敵意はなさそう……だな?」
そんな二人の様子をみてとり、目を点にしつつ、つぶやくアメリアとゼルガディス。
「ゼロス。いつまでも扉の前にたってもらってないで。部屋の奥に入ってもらえ。」
ゼラスの言葉に。
「は…はい。まあ、とりあえず入ってください。」
今だに、扉のまん前にと立ったままの二人にいいつつ、
ゼロスは二人を部屋の中にと招きいれてゆく。
二人が部屋に入るとほぼ同時。
「ふぇっ……」
いきなりぐずりだすカウ。
「あら?ゼロス、おしめどこ!?おしめ!この子、取り替えないと!」
そのぐずり方から、おしめが濡れたのだと理解しているダルフィン。
「あ……えと……こちらです。」
いいつつ、ゼロスが換えのオシメを差し出してゆく。
「はい。いい子にしてましょうねぇ。」
いって。
パパパっ!
手際よく、取り替えているダルフィン。
「ほ~ら、気持ちいいでしょ?」
その横で、ぐずらないようにとあやしているゼラス。
しかも、ダルフィンは。
その様子を、精神世界より記録に治めていたりするし。
ガーヴが記憶を取り戻したら、みせて遊ぶ気らしいけど。

『・・・・・・・・・・・・・・・。』
そんな、二人をみつつも、なぜかしばし、呆気にとられているゼルとアメリア。
「と……ところで、ゼロスさん?こちらのお二人。一体誰なんですか?」
「……ま…まあ、悪いやつには見えんが……」
二人して、赤ちゃんをあやしている姿をみつつ。
アメリアが質問し。
ゼルがぼやいていたりする。
そんな二人の言葉に、ふと思い出したように。
「あ。申し送れました。いつもうちのゼロスがお世話になっています。
  私、ゼラス=メタリオム。と申します。以後お見知りおきを。」
「わたくしは、ダルフィンと申します。」
ゼルガディスとアメリアに向かって、挨拶している二人。
『………………………………はい?!』
なぜか、長い沈黙の後。
気の抜けた声を出しているアメリアとゼルガディス。
そして、互いに顔を見合してゆく。
そんな二人の様子には、まったくお構いなしに。
「別名、獣王グレータービースト海王ディプシーと呼んで貰ってもかまいませんわ♡」
にっこりと微笑みつつきっぱりと言い切るダルフィンの台詞に。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
『…………な゛!!!?』
しばしの硬直のうちに。
短い言葉とともに、アメリアとゼルは完全に固まってるし。
「ああ。ほら、そんなあやし方じゃだめよ!ほ~ら、いないいない、ばぁ♡」
「キャキッャキャ!」
カウが、声を上げてはしゃぐ。
「あ、笑いましたわ♡」
固まる二人の目の前で、赤ん坊を構っている二人の姿。
「…………な……何か…ずいぶんと……イメージが……」
どこか遠くをみつつ言っているアメリアに。
「……同感だ。」
『子供好きの魔族なんて……』
なぜか。
二人の呆然とした声が、重なってゆく。

そんな二人の前で。
しばし。
しばらく、ゼラスとダルフィンは、カウが疲れて眠るまで赤ん坊を構って遊びゆく。
ま、気持ちはわかるけど…ね♪
だって、それってあのガーヴだし♡

                   -続くー


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あとがきもどき:
なぁに、これから先に打ち込んでいるんでしょぅねぇ?(爆!)
これで、ノート二ページ分v
まだまだ、ワンダホーのところに入るのは、数ページ後v
さて・・・。何話しになるのかなv(まてこら!)
んではではv


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