まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
えっと。この回は。アルト国とバリトーネ国のあの話の回ですね。
でも話はグラボスたちがいないせいでほとんどオリジナル。
さてさて・・・・あの二つの喧嘩の原因。
・・・・私はこんな理由にしてみたり(笑)
※アニメ、トライをみてない人は意味がわからないかと思われます。あしからず・・・。
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エル様漫遊記 ~TRY偏~
「……しかし……この町、何とかならんのか。」
ため息まじりにいっているゼル。
毎日がこれでは身が持たないというかあきれてものもいえない。
しかもこれは毎日のすでに日課と成り果てていたりするのであるからして。
「ですよね。いくら死人が出ないお祭りイベントみたいになっているといっても。
やっぱり戦争はよくないです!」
そんなゼルの言葉に同意しているアメリア。
「まあまあ、いいじゃないですか。面白いですし。」
などといいつつ広場で会話をしているあたしたち。
そういいつつゼロスがそこにある石柱にともたれかかっていたりするけど。
と。
『おおおおおおおおお!』
あたりがどよめきが巻き起こる。
みればこちらを指差して何やらいっている人々の姿が。
「おや?」
それに気づいて人々の視線の先、
つまりは自分がもたれかかっている石柱を見上げているゼロス。
石柱の頂上にとある頭の部分の目が開いて光っていたりする。
ゼロスが離れると石柱の目は閉じられ光も収まる。
いったい?
などと首をかしげているゼロスに。
「あら、これ魔力に反応しているみたいよvほらv」
にっこり笑っていいつつ今までゼロスがもたれかかっていた石柱にと手を当てる。
と先ほどよりもまばゆいばかりの光が石柱の瞳からあふれていたりするけども。
「これ魔力に反応して目が開くみたいよv面白いからやってみたら?」
にっこり笑ってアメリアとゼルにと話しかける。
「魔力に……って。」
そういいつつアメリアがあたしと入れ違いに手を当てると。
閉じていた石柱の目が再び開きそこから漏れ出す光の姿が。
当然のことながらアメリアやゼル、ゼロスが手を触れても反応していたりするそれは。
とある場所の鍵となる石柱のうちのひとつ。
『おおおおおお!』
このあたりでははっきりいって魔力をもっている人間は皆無。
それゆえにこの石柱の瞳を開かせたあたしたちに対し、
そのままその場で頭を地面にと擦り付けている人々の姿が。
このあたりの人々は、これを開かせるものは神の使い。
と、まあいいように伝説が作られており、しかも人々は信じちゃっているからねぇ。
あたしたちの周りで叩頭礼大会がしばらく続いてゆく。
「……で?何で俺たちが城に呼ばれるんだ?」
少しばかり不機嫌になっているゼル。
「いいじゃないか。ゼル。食事させてもらえるんだから。ただで。」
などといいつつ、出されている食事を平らげているガウリイ。
町の人たちが連絡し、城にと招待されているあたしたち。
遠慮なくどうぞ。
という言葉で出された食事の数々を本当に遠慮なく食べているガウリイに。
何か裏があると読んで警戒しているゼル。
しばし食事会がなされた後。
食事をしつつのあたしたちに向かってこの国の女王が口を開いてくる。
「あなた方、魔法を使えるそうですわね。あの石柱は魔力によって封じられているんです。
もっとも今では誰も封印をとくことなどはできないのであが。」
などといっている女王。
「何でそんなことをしてあるんですか?」
食事の手を止めて、ふと疑問に思いつつアメリアが問いかける。
「実はあそこの建物の何に国に伝わる伝説の魔道器を保管しているからですわ。」
そういいつつころころと笑い。
そして目を細め。
「実は二つの魔道器が揃うと伝説の力が手に入る。と言い伝えにありまして。
もともとこちらの王国に伝わっていたものをあちらが所有件がある。
とか言い出しまして。
で今ではこちらとあちらの国に二つの魔道器は分かれているんですの。
もともとこの魔道器はこちらの王国のもの。
で、ものは相談なんですけどあなた方に隣の国の魔道器を……」
そういいかける女王の言葉に。
「つまり僕たちに盗んでこい……というわけですか?」
ずずっとお茶をのみつついっているゼロス。
「ええ。そうそのとおりです。話が早いですわ。」
そういってにっこりと微笑む女王のその言葉に。
「盗むなんて悪人のすることです!女王!あなたそれでも人の上に立つものですか!?」
などといいつつガタンと席を立ち上がりアメリアがいっていたりするけども。
「……お母さま……」
そんなほのぼのと面白い会話の合間をぬって、
あたしたちのいる部屋にとはいってくる一人の少年。
「あ、この子私の息子でマルコというのですのよ。
後々は二つに分断された王国を一つにまとめて王になるべき子供ですわ。」
などといいつつ自己紹介をしてきたりしてるし。
そんな母親の言葉をさえぎりつつも。
「もう夜も遅いですから。この人たちにも眠ってもらったほうがいいとおもうんですが。」
すでに外はといえば夜は更け、暗闇にと支配されている。
そんな息子であるマルコの言葉に。
「それもそうね。ではとりあえず部屋に案内させますわ。」
そういいつつ女中を呼ぼうとする女王。
「あ、お母さま僕が案内いたします。」
「そう?じゃあマルコお願いね。例の件お願いいたしますわね。」
引き受けるとも何とも返事をしていないのに勝手に言っていたりする。
そんな会話をしつつとりあえず食事を取っていた部屋より出てゆくあたしたち。
「……しかし……何なんだ?魔道器って?」
「どんな品物か興味はありますよね。けどだからといって!盗みはよくないです!
そりゃ、あの女王の言うとおりこちらの王国の元所有物ならば、問題ないですけど。
もし違っていたらそれこそ完全なる盗人になってしまいます!」
首をかしげてつぶやくゼルにいまだに少しばかりエキサイトしているアメリア。
そんな二人の会話に。
そのまま無言でしばらく人気のないほうにとあたしたちを案内してゆくこのマルコ。
やがてあたりに完全に人がいなくなるころあいを見計らい。
歩みをぴたりと止めあたしたちの方にと向き直る。
何かを思案しているようなその表情をみてとり。
「どうしたんですか?」
そんなマルコの様子にアメリアが疑問に思いつつ問いかける。
「あ…あの。お願いがあるんですけど……魔道器をもらってはいただけませんか?」
ごけっ!
あ、面白い。
アメリア、ゼル、ゼロスが廊下にこけてるv
床に這い蹲りつつ起き上がりながら。
「ど……どういうことだ?」
脱力しつつそれでも問いかけているそんなゼルの言葉にこぶしを握り締め。
「そもそも魔道器なんかがあるからいけないんです!
僕とセーラとで魔道器をどこかになくしてしまおう。
そうすれば互いの国の争いは解決するはずだ。
そう話し合っているところにちょうどあなた方がこられたんです。」
そういいつつ手を合わせて祈るような格好をとっているマルコに。
「?セーラ?」
聞きなれない名前というか知らない名前を聞いて首をかしげているアメリアたち。
「ああ、すいません。説明が足りませんでした。セーラというのは隣の国の皇女です。
僕とセーラ友達なんですけど。でも母さまは隣の国とは付き合うなって……
そもそもあの魔道器なんてものがあるからこの何百年の間。
ずっと隣の国とはこの調子なんです!僕たちはこの状況をどうにかしたいんです!」
決意を秘めた視線をうけ。
「なるほど。つまり二つの魔道器がなければ。争う必要もない。
このばかげた日課的になってる戦争もどきも終わる…ということだな?」
マルコの言葉に頭の中で状況を整理しつつ言っているゼル。
「まあ確かに原因となっている魔道器とかいうのがなくなれば。
確かに争う原因にはなりませんよねぇ。」
ゼルの言葉に続いてにこにこしつついっているゼロス。
まあこの程度を戦争とは絶対にいえないけど。
そんなマルコの様子をしばし見つめ。
わなわなわなとやがて体を震わせて。
がしっ!
そんなマルコの手を握り。
「任せてください!そういうことなら話は別です!話に乗ります!
争いの原因となるものを取り除く!これぞまさしく正義の使者の役目!」
などといってびしっと窓から身を乗り出して満月に指を突き刺しているアメリア。
ちなみにわざわざ窓は自分で開いてからだけど。
「なあ?でもそれってバレたらオレたちお尋ねものじゃないか?」
そんなアメリアの言葉にさらっと突っ込みを入れているガウリイ。
「あ、そのときはゼロスさんにおしつけちゃいましょう。」
「あ、それいいわねv」
アメリアの提案にあっさりとうなづくあたし。
「でぇぇぇぇ!?僕にですかぁぁあ!?」
面白いまでにゼロスが動揺していたりするけど。
「あら、いいじゃないのよ。どうせここの人間たち、魔力を駆使できないんだから。
あんたには手出しできないし。」
にっこり微笑むあたしのその言葉に。
「ま……まあそれはそうなんですけど……。僕が泥棒……あぅ……」
何かどんどん僕・・・情けなくなってるの・・・気のせいでしょうか?
などとそんなことを思っていたりするゼロス。
「ん?ぜっろすちゃぁん?このあたしのいうことが聞けないのかしら♡」
しくしくしく。
「わかりました…わかりました。逆らいませんよ。というかそんな恐ろしいことできませんし。」
ちょぉぉぉと言葉に引っかかるものがあるわねぇ。
あたしの言葉になぜかその場にうづくまり、
のの字をかきつついじけつつ返事をしているゼロスの姿。
「そういえばついつい忘れてしまうんですけど。
一応ゼロスさん魔族ですから物理攻撃とか関係ないですもんね。」
「あら、アメリア、根性さえあれば物理的にも関係ないわよvこんな風にv」
ボペバゴッ!
なぜか説明がてらにあたしがスリッパではたいただけで、
何かがとてつもなくつぶれる音がしていたりするが。
『・・・・・・・・・』
その様子をみて目を点にしつつ無言になっているマルコに。
ゼロスさんだし……ま、いっか。
それですましているアメリア。
「……ゼロス、成仏しろ。」
つぶれたゼロスをみてさらりといっているゼル。
「あら、ちょっとスリッパで頭をたたいただけでつぶれるかしらねぇ?
まったく軟弱よね。最近の魔族たちは。」
あたしがちょっとゼロスの頭をスリッパでたたいただけで。
その場になぜかつぶれているゼロスの姿があったりするし。
「……そ~いう問題か?」
つぶれたゼロスをみてじと目であたしを見ているガウリイ。
「へ?い……いやあの?」
今この人たち…この人のこと、伝説の『魔族』という、その名前を今言いませんでした?
などと心で思いつつつぶれているゼロスをしばらく見ているマルコ。
「……あぅぅ……いきなりはやめてくださいぃぃぃ……」
「ゼロスさん、幅がありませんよ?」
「空気いれるか?」
薄っぺらのままで立ち上がり抗議の声を上げてくるゼロスだけど。
そんなゼロスにさらっと言っているアメリアとガウリイ。
空気を入れたら……うん。
確かに面白いかもv
風船ゼロスで遊ぶのも悪くないかもねぇ。
ざぁぁぁ……
あたしの目が怪しく光ったのを見て取り、あわてて。
ポン。
コミカルな音とともに肉体の幅を通常にと戻しているゼロスの姿が。
「あら、元に戻したの?空気いれて風船にしたら面白いとおもったのにv」
しくしくしく。
「エ……とと…リナさぁぁぁぁん……」
あたしのもっともなその言葉になぜか涙をだくだくと流して言ってくるゼロス。
「ま、とりあえずゼロスは無視しておいて。その話面白そうだし乗ったわ。
で?どこであんたたち待ち合わせしてるの?♡」
にこやかに問いかけるあたしのその言葉に。
「へ?あ…あの僕セーラと待ち合わせしてるとかいいましたっけ?
え……ええと二つの国の間にある島です。」
首を傾げつつもあたしの質問にと答えるマルコ。
「それじゃ、あたしはゼロスと一緒にセーラのところの魔道器をとってくるわ。
ガウリイたちはマルコと一緒にここの魔道器をねv」
そういいつつにっこり微笑むあたしの言葉に。
「リナとゼロスでいくのか?」
問いかけてくるガウリイ。
「あら、そのほうが手っ取り早いでしょ?移動も簡単だし。」
あたしのしごく当然の意見に。
……というかゼロスのやつ……今のリナの言葉で…震えてるぞ?
ゼロスの様子をみつつそんなことを心でつぶやいているゼルに。
あ、確かにリナさんとゼロスさんなら移動手段とか問題ないですね!
あたしの言葉に納得し心でそんなことを言っているアメリア。
何となぁぁくリナのやつ……絶対に何かたくらんでるな……
ガウリイはといえば何となくこれから起こることを想像してそんなことを思っていたりするし。
「確かにそうですね。こういうことは早いほうがいいですし。それではリナさん、また後で。」
とりとめなのない会話の後に。
今から作戦を実行することで同意をし。
そのまま二つのチームにと別れて行動することにするあたしたち。
当然あたしとゼロスはそのまま空間を移動。
そして隣の国の王室にと入り込む。
「……あなたがセーラさんですか?」
ゼロスが寝室にいた少女にと問いかける。
ちなみにいきなり寝ているところを覗き込む格好で。
「だ……誰!?」
それに驚きあわてて飛び起きているセーラ。
まあ悲鳴を上げないだけ度胸が据わっているんだけど。
その代わりに思い込みもこのコ激しいんだけどね。
「マルコからあんたたちに協力してくれって頼まれたのよ。そういえばわかるかしら?」
そういいつつ空中に座っているあたし。
「マルコが!?じゃあ計画実行するんですね。ちょっと待っててください。」
そういいつつすぐさまに用意してあった服にと着替え始めているこのセーラ。
いつでも城を抜け出せるようにベットの脇に常に私服を忍ばせているのは彼女の日課。
「マルコ、魔法が使える人を見つけたんですね。
では魔道器のところに案内します。ついてきてください。」
二人で計画したもののあの封印をとくには。
互いの国とも多少なりとも魔力とそして技術が必要。
だがそれを持ち合わせていないがゆえになかなか魔道器を持ち出すことばできなかった。
だから、もしその両方の力がある人がいたら事情を話して協力してもらおう。
そう話していたこの二人、マルコとセーラ。
そのままセーラにとつれられて。
あたしとゼロスは魔道器が封印されている部屋にと移動する。
「もしかして……あれですか?これはまたずいぶんと厳重に。」
その部屋をみて思わず苦笑をもらしているゼロス。
その部屋はすべてとある魔力がこもっている鎖で覆われ。
ついでにいえば中央にある金庫もその鎖で覆われており。
少しでもこの鎖に触れたりしたら警報がなる仕組み。
といってもサイレンとかではなくこれを作った人が遊び心で、
鶏の鳴き声が響き渡るようにと設定してあったりする。
「ま、手っ取り早くばれない方法でいきますか。ゼロス、あんたの役目ね。」
そういいつつ横にいるゼロスを見る。
「わ……わかりました。」
一言だけそう告げて。
その場からゼロスの姿が一瞬掻き消える。
「え!?」
いきなり目の前のゼロスが消えたのに驚きセーラが目を見開くと同時に、
数秒もしないうちにとゼロスがすかさず戻ってくる。
「えっとあの金庫の中にはこれだけが入ってました。」
そういいつつそれを掲げていってくるゼロス。
それはちょっとした一抱え程度のとある器。
「……え?……え?ええぇぇぇぇぇ!?」
一瞬消えたとおもったらいつの間に。
あの鎖の中のしかもあの鎖が厳重にかけられているあの金庫の中から……
どうやってこの魔道器をこの人…とってきたの!?
などと思いつつなぜか驚きの声を上げているセーラ。
「う~ん、これ珍しいですねぇ。
これ神魔戦争時代の品ですよ。しかもまだ未使用。いやぁ、あるもんですねぇ。」
などといってにこやかに笑っているゼロス。
「あら、この世界にはまだまだ結構あるわよv
ついでにあたしやユニットが作った代物も。まだ確かどこかに転がってたと思うけど?」
「……え゛?(汗)」
びしり。
なぜかあたしの何でもない一言にそのままの姿勢で固まっているゼロス。
別に被害もないし面白いからそのままほうっているのよね。
いろんな世界に散らばった…というか散らばしたそれらの品々v
「ま、とりあえずこっちの魔道器は手に入ったし。じゃ、マルコたちの所に合流しましょv」
そういうと共にかるくバチンと手を鳴らす。
と。
「……え…え…ええぇぇぇえ?!きゃぁ!?」
そのままセーラをつれての瞬間移動。
なぜかその移動の感覚に悲鳴を上げているセーラがいたりするけど。
ま、気のせいでしょv
一方のアメリアたちはというと。
「……ゼルガディスさん……器用ですね……」
魔力の封印の先にこれまた金庫の中にと収められていたそれを、
器用にも工具セットを取り出して金庫の鍵を破っているゼルガディス。
「……昔ちょっとな。」
などといいつつ数回かちゃかちゃとかぎ穴をいじっただけで、
カチャリと音がし金庫の鍵が開いてゆく。
その中にあるのはひとつのつぼ。
「……これが魔道器ですか?」
もっと魔道器とかいうからすごいものかと思ってましたけど。
そんなことを思っていっているアメリアに。
「でもアメリア?これ何か神気が感じられるぞ?
何となくだけどこの中、神族の力の何かが入ってるんじゃないか?」
それを一目みてずばりと言い当てているガウリイだし。
あら、大正解v
「……ま…まあだんなの言うことだからな…うそとは思えん……」
「……で…ですね……ガウリイさんですし……」
そんなことをいいつつ二人して冷や汗流しているゼルガディスとアメリア。
そんな三人を傍目にみつつ手を伸ばし器を手にとるマルコ。
「さあ、これでこちらは終わりました。後はセーラがあちらの器を持ってくるだけです!
急ぎましょう。船は用意してあります。」
そういいつつ早くしないと城の者がおきてきかねない。
ましてや警備兵に見つかる可能性すら。
そんなことを思いつつアメリアたちに断言し。
そのままマルコが以前から用意してあった小船で、
国同士の真ん中にあるとある島にと移動しているマルコを含めたアメリアたち四人。
「マルコ!」
「セーラ!」
あたしたちが瞬間的に移動したのとガウリイたちが上陸してきたのはほぼ同時。
互いの姿を見つけて駆け寄っている二人の少年少女。
「例のものは?」
「ここに。そっちは?」
「私のところもこのとおり。」
そういいつつ二人して器を掲げるマルコとセーラ。
「あ、リナさん、ゼロスさん、お疲れさまです。
でもあれが本当に伝説の力を秘めているんですか?」
そういいつつセーラたちが掲げている、
どうみてもただの土の土器をみてそんなことをいっているアメリア。
「伝説の力というかあれ、ただ神魔の力を融合させるために作られた土器なんだけどね。
ちなみに今あの中にもちょっとした神族の力と魔族のとある力の術が封じられているから。
あれ融合させたら面白いわよv」
疑問を投げかけてくる二人の質問に答えるあたし。
そんな会話をしているあたしたちからすこしはなれた場所にて。
「こんなものがあるから!」
「いっせぇの!」
いいつつ互いに同時に大地にぶつけてそれを割ろうとしているマルコたち。
と。
カッ!!!!
ドドドド゛ゥ!!!
面白いまでの爆音とそして衝撃派があたりを吹きすざむ。
あたしたちが立っている大地もそれにあわせて揺れていたりするけど。
「やれやれ、いきなりこの二つをくっつけるから。」
そういいつつ、それによって生じた衝撃により器を手放し転げている二人の姿。
そしてそんな二人の手から飛んできた二つの器を受け止めてにこやかにいっているゼロス。
「……な゛!?今のは……何だ!?」
目を丸くしているゼルガディスに。
「あら、だから神魔融合呪文のひとつだってば。
いったでしょ?あれ神と魔の力、すなわち光と闇の力を融合するための器だって。」
理解していないゼルにもう一度説明をしておくあたし。
あたしってば何て親切♡
「あとついでに今の発動で封印もとかれたみたいだけどねv」
『……は?』
くすくす笑うあたしの言葉を理解できないらしく間の抜けた声を出しているアメリアたち。
と。
ゴゴゴ・・・・
あたしたちの立っている足元が今の封印解除という、『鍵』をきっかけとしてゆれ始めてゆく。
この地にてあの二つを発動させること。
それが封印をとく鍵となっていたりする。
その揺れは島を挟んで存在している両国。
アルト国とバリトーネ国でも地震は起こっていたりするけど。
「あらあら、今の光とこの地震で騒ぎになってるわねぇ。どっちの国ともv」
「……リナさん、何か楽しんでませんか?」
くすくす笑っているあたしをみてそんなことをいってくるアメリア。
ちなみにあたしたちはといえば、
大地が揺れるので飛行の術で空に浮かんでいるので地震の影響はまったくない。
いまだに島ではセーラとマルコがひっくり返っていたりはしているけど。
別に問題はないし。
「それはそうと?リナ?何か海中からでてくるぞ?」
何かが海中から競りあがってくるのをいち早く気づいてそんなことをいっているガウリイ。
その声とともに。
海面が盛り上がり。
互いの国にちょっとした津波が押し寄せていたりするのはちょっとした
それでなぜか多少の死傷者とかが出ていたりするのはまあお約束だけど。
しばらく見ているあたしたちの目の前でやがて海が二つにわれ。
そして。
音と共に海中からあるものが浮き出してくる。
「……橋?」
「……橋……ですね……」
「……橋……ですねぇ……どうみても……」
それをみて目を点にしているゼル、アメリア、ゼロスの三人。
「どうやらふたつの国をつないでいるようだな。この橋。」
今海中から橋が浮かび上がってきたというのにあまり驚いていないガウリイ。
まあリナと一緒にいたら何があっても絶対におかしくないと思うしな、オレ。
などと思っているガウリイだし。
まあ確かにそうなんだけどねぇ。何か面白くないわね。
そう悟られると。
そんな会話をしていると気絶していたマルコとセーラがゆれの収まりと共に目を覚まし。
島の横手にあるそれをみて目を丸くしていたりする二人の姿。
「あ……あの!あそこにいってみてください!僕らをつれて!」
そういいつつ橋の中ほどにあるちょっとした小島を指差し。
そんなことをいってくる二人。
その言葉に。
「ま…まあ確かにな。とりあえずいってみるか。」
いったい全体何がどうなってるのか気になるしな。
などと思いつつ二人を・・・マルコをゼルがセーラをアメリアがつれて。
あたしたちが今までいた島から少し離れた場所にできた、
橋の中ほどにある小島らしき場所にと移動するあたしたち。
そこはちょうど橋の中間地点。
いうならばちょっとした休憩場所として作られている場所。
そして。
そこの中央に設置されているその石碑を目ざとく見つけるガウリイ。
「何かかいてあるぞ?」
そこに書かれている文字に気づき。
読み始めるガウリイだけど。
「……えっと……バリトーネの唐変木……?」
ガウリイが最初の一文を読み上げ。
「……アルトのわからずや?」
次に覗き込んだアメリアが読み。
「…………という訳でこの橋を封じる……」
同じく覗き込んだゼルガディスがそれを読み上げる。
『・・・・・・・・・・・・・・・・』
石碑に刻まれた文字を読み上げしばらく無言になっているガウリイたち三人。
「……どうやら先祖代々喧嘩してきただけのことはあり。
わざわざ神魔融合呪文でこの橋を封印したみたいですねぇ。
アルト国とバリトーネ国さんは。いやはや。人間って面白いですねぇ♡」
にこやかに笑いつつさらっといっているゼロス。
「……わざわざそんなもののためにこの魔道器を作った・・ってわけか。」
石碑にはこの橋を封じるにあたり二つの魔道器をもって封じる。
いつか(アルト国が)(バリトーネ国が)謝ってくるまでは、この橋は封じたままにしておく。
という内容が刻まれていたりする。
いわゆる国同士の子供の喧嘩。
そのことに気づき深いあきれたため息をついているゼル。
一方では。
「橋ができたら堂々と遊べるね!マルコ!」
「そうだね!セーラ!」
などとはじめのうちは手を取り合って喜んでいるマルコたち。
そしてあたしたちの方を振り向き。
「あ、ありがとうございました。約束どおりそれは差し上げます。」
などといってきて。
そのまままたまた二人で話しを始めていたりするけど。
「これで私とマルコの愛の障害はもう何もないのね!」
「ちょっとまってよ。セーラ、どこに愛なんてあるのさ?
僕はただ馬鹿な争いをなくしたい。っていっただけだよ?」
「ひどい!マルコは私を愛してないの!?」
「愛するもなにも!いつもセーラは遊んでても僕をいじめてくるじゃないか!」
だんだんこちらもまた言い争いになっていたりするけど。
そんな二人の言い争いが激化し始めるころ。
互いの国から王たちがこの地にとやってきていたりするが。
そのまままたまた橋の上で低レベルまでの言い争いが勃発してゆく。
「……あの二人……というか、あの二つの国……大丈夫でしょうかねぇ?」
「というか無理だと思うぞ?」
あたしたちは橋が出現してざわめく町をとっととその日のうちに後にしていたりする。
「ま、何とかなるんじゃないですか?
今のレベルでは再び橋を沈めるなんて技術持ってもないですし。
橋を壊すまでの費用も惜しいでしょうからねぇ。」
さらっといっているゼロス。
「ま、とりあえず国民はあの橋を利用してもう商売とか始めてるし。
毎日のように手紙とかで言い争いしてるし。あの二つの王家も。」
今まで砲弾の喧嘩だったのがそれが文面上になっだたけでも被害は違う。
律儀に文句を手紙に書いて送る王たちも王ではあるが。
まあ昔から子供の喧嘩を続けているあの両王家。
「もともと喧嘩の原因は。些細なことだったからねぇ。」
ふと思い出してくすくす笑うあたしに。
「え?リナさん?あの二つの国の始めの喧嘩の原因、知ってるんですか?」
首を傾げて聞いてくるアメリア。
「知ってるわよ。というか本当にどうでもいい理由よ?ある日雪が降っててね。
で当時友好関係にあった互いの王家が子供たちにせがまれて雪ダルマつくったのよ。
その大きさが原因。どっちが大きいかでもめて…で今まで続いてるのv」
ドゲシャ!
そのまますべるようにして地面にキスしているアメリアとゼル、そしてガウリイ。
「あ~。そういえばそうでしたねぇ。」
「……な……何つ~理由だ……」
「……わたし頭がいたくなってきました……」
「……うん?それはそうとどうしてリナそんなこと知ってるんだ?」
「あら、古文書に書いてあるわよv」
『・・・・・・・』
地面にはいつくばったままあたしに言ってくるゼルの言葉にさらりと答えるあたし。
まあ嘘ではないし。
実際に書かれているけど。そこまでは詳しくかかれてないけど。
「ま、とりあえずこれ何かの役に立つでしょうしvとりあえず袋にしまっておくわね。
さ、目的地はまだまださきよv」
いまだに力なくこけている三人をみつつ。
にっこりと微笑んで進んでゆくあたし。
あたしが目指すのは。
あの光の柱に入るための彼らが作っている裏の入り口。
この魔道器、何かにでも使ってそのうちに利用しましょv
-続くー
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あとがきもどき:
薫:ふっふっふっ!ようやく!ようやく次回でシーリウスたちの登場です!
・・・・まあかなりオリジナルになってるのは。気にしないでください!(こらこらこら・笑)
それはそうと・・・。
最近無償になぜか疲れてます・・・・。
今もものすごく眠いです・・・・・。
横になっていれば楽なんですけど。
いかんせんこれはディスクパソコン・・・・。
打ち込みするのにかなりきついです・・・・。
んではでは・・・・ぼやきつつまた・・・・次回で・・・・。
2003年9月12日某日
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