エル様漫遊記 ~サイラーグの妖魔編~
「なあ?スィーフィード…ないとって・・・何だ?」
ごけけっ!
ガウリイの言葉に面白いまでに盛大にこけているシルフィールたち。
う~ん、楽しいわ♡
「ガ…ガウリイ!
神の力が使えるらしいぞ!」
などと叫びつつも説明しているゼルガディス。
「そうですよ。兄貴、オレもうわさですけど、聞いたことはありますよ。
何でも、あの黒魔法最高峰、とも呼ばれている、
まあ、そんなの、別に、気合だけでもどうとでもなるけどね。
ちょっと霧散するように、と思っただけでどうにでもなるようなものだし。
「至高神、スィーフィード様の力を受け継がれている神聖なお人のことですわ!ガウリイ様!」
などと、口々にガウリイに説明している彼らたち。
「その、スィーフィードって…何だ?どこかで聞いたことがあるような気も…」
ずけけっ!
あ、さらに転げてる♡
「あ、あのなぁぁぁぁ!
魔族の王、というのはお前も知ってるだろうが!
起き上がりつつも、ガウリイに説明しているゼルガディス。
「ん?あ、ああ!なるほど!」
ぽん。
ようやく手を軽くうち。
そして。
「ってことは、リナの姉ちゃんは神の力が使える、ということか?
いやぁ、どうりで、何かこの姉ちゃん、人間とは違うし、
かといって、魔族とは違う気配だとおもった。あはははは。」
「…いや、おい、ちょっとまて…『人とは違う気配』って…」
そんなガウリイの言葉に何やら冷や汗流しているゼルガディスに。
「そのとおりですわ。ガウリイ様。…あの?でも、気配が違うって??」
こちらもまた、ガウリイの言葉を肯定しつつも、同じ質問をしているシルフィール。
そんなガウリイたちのやり取りをみつめつつ。
「…あ、あの?エル様?あの人間…かなり変わってますね…」
あたしにのみ聞こえるように、ルナが何かいってくるけど。
というか、この私の気配を察知したとは…あの人間っていったい…
何かそんなことを思ってるし、このルナは。
「あら、ガウリイだから当然よ。それに。ふふ♡でしょう?
彼、かなり面白いのよね♡それにゴルンノヴァも一緒にいるし。
まあ、ガウリイは持ってる、という認識だけど♡
もっとも、あいつは、エルフの血と、ついでに部下V側。
…つまりは、ヴォルフィード側の神族の血も入ってるしね♡退屈はしないわよ♡」
あたしのそんな説明に。
「…は、はぁ。彼と彼女の子孫…ですか…なるほど…」
何か冷や汗流してるようだけど、ルナは。
ま、気のせいよね♡
「そ、それはそうと、エル様?何だってそんな格好をしていらっしゃるのですか?」
ちなみに、シルフィールたちはといえば、今。
面白いまでに必死になって、ガウリイにスィーフィードとかの説明をしてたりするし。
それゆえに、あたしの横にいるのは、ルナとレゾのみ。
くすっ。
「これよ?」
ぴらり。
くすくす笑いつつ、手の中にあたしたちの手配書を出現させ。
それをルナたちの目の前にと出現させる。
「な゛!?」
「な゛に゛!?」
「何と!?」
ピッシッ!
あ、面白い。
三人が三人とも…つまりは、ルナ、レゾ、そして鳥もどきが声をだして、
そのまましばし石化してるし♡
そんな二人の様子…まあ、彼らは鳥もどきの様子は気にもしていないんだけども。
ルナとレゾの様子に気づき。
ガウリイへの説明を終え、というかとりあえずやめて。
あたしたちの方にと歩いてくるシルフィールたち他三名。
くすくすくす。
「この手配かけたの、そこのエリシエル=ヴルムグンと、レゾ。
あんたが以前作った、あのコビーなのよねぇ♡」
くすっ。
いまだに固まっているルナたち三人を見渡して。
にっこりと。
「も・ち・ろ・ん♡自分でカタをつけるわよねぇ?あんたたち♡」
あたしのそんな言葉に。
「「も、もちろんでございます!」」
こくこくこく。
何かかなり恐怖を感じつつも即座にうなづいているレゾ、ルナ、そして…鳥もどき。
あらあら。
何をそんなに恐れてるのかしらねぇ。
んふふふふ♡
「あらそう?それじゃあ、できたら、さっさとこの手配といてほしいんだけど♡
何かと不便だしね。それかあたしが正体ここの存在にすべて教えて解いても、別にいいわよ♡」
あたしのそんな言葉に。
「私たちが急いで解除させていただきます!」
何かルナは顔色が悪いけど、ま、気のせいよね♡
「あら、そう?それじゃ、ルナ、手配とくの手伝ってくれるのね♡
あ、当然、レゾ、それと、S?あんたたちもね♡」
あたしの問いかけに。
なぜか顔面蒼白になっている、レゾと鳥もどきとなっているSだし。
あらあら。
そんなに怖がらなくてもいいじゃないのよ。
ふふふふふv
「あ、あの?リナ様?…でなかった、リナさん?ということは、ちょっと時間がかかりますよね?
あの…私、できたら、店主にしばらく休みます、と伝えてきたいんですけど…いいですか?」
なぜか恐れつつも問いかけてきているルナだし。
くすっ。
ま、別にかまわないか。
「あら、別にいいわよ。それじゃ、いってらっしゃい♡」
あたしの言葉に、深々と、頭を下げ。
「それでは、即効で戻ってきますので!」
などといいつつ、この場から瞬時に掻き消えているルナ。
「「な゛!?」」
なぜか姿が消えたルナをみて。
叫んでいるゼルガディスたち。
「あら♡ただ、空間を渡って瞬間的にゼフィーリアに移動しただけよ♡」
にっこりと微笑みつつ説明するあたしの言葉に。
なぜか。
「…さすがリナの姉だな・・・」
と関心しているゼルガディスに。
なぜか口をばくばくさせているランツ。
そして。
「でも、店主に休みをもらう…とは、いったい?」
などといいつつ、首をかしげているシルフィール。
「あら♡何てことはないわよ。ただ、ルナは、今、ゼフィーリアのリアランサー。
というお店でウェイトレスのアルバイトをやってるのよ♡
それのお休みの許可をもらいにいっただけよ♡」
あたしのそんな説明に。
「……スィーフィード・ナイトが…か?」
何やら、しばし無言の後に、そんなことをいっているゼルガディス。
あら、何か目を点にしてたりするけど、別にどうってことないでしょうにねぇ♡
ふふ♡
「そ♡」
「・・・・・・・・・・」
なぜかあたしの答えに無言になってるし、ゼルガディスは。
「でも、やはり、あのお人は、スィーフィード・ナイト様。ご本人様なんですね。
ああ、会えるなんて夢のよう、神よ、感謝いたします。」
などといいつつ、祈りをささげているシルフィール。
ルナ本人に感謝してどうするのかしらねぇ。
それか、あたしの場合は、まあ、神、という立場とかではないし。
「ま。とりあえず、ルナが戻ってくるまで、互いにいろいろと話とかもあるでしょうし。
話でもしとかない?」
くすっ。
あたしのそんな言葉に。
誰ともなくうなづき。
ルナが戻ってくるまで、あたしたちはちょっとした雑談をかねて話しをすることに。
「レゾ様…どうして、いきていらっしゃるのでしたら、連絡くらいなさってくださらなかったのですか?」
レゾに食って掛かっているエリス。
そんなエリスに対して。
「すいません。エリシエル。理由はどうあれ、私は一度死んだ身です。
リナ様のお力がなかったら、私はあの時、
シャブラニグドゥにこの心と肉体、そして精神をのっとられ、死んでいたでしょう。」
エリスの頭をなでつつそんな説明をしているレゾ。
「な゛!?あ、あの?いったいそれはどういう…」
二人の会話を聞いて、問い返していたりするシルフィール。
あらあら。
「あら、シルフィール、ゼルガディスから話を聞いてないの?♡」
くすっ。
あたしの言葉に。
「…ゼルガディスさんからは、多少の話しか…お聞きしてないのですが…」
何やらそんなことをつぶやいているシルフィールだし。
「でも、レゾ様。あなたはこうして、今、私の目の前に生きてらっしゃる!」
などといいつつ、なみだ目になっているエリス。
というか、勘違いで手配なんてかけないでよねぇ。
ま、面白いからわかっててもほうっておいたのもまた事実なんだけど♡
レゾとエリスがそんな話をしている最中。
しばし、考え込みつつ。
そして、あたしにゆっくりと視線をむけ。
「と、ところで、リナさん?」
ゆっくりとあたしの横にと近づいてきて、決意したようにと質問してくるシルフィール。
「ゼルガディスさんからお聞きしたんですけど…あなた、あの、【
強力な術を使えるとか…」
神妙な主もちであたしに言ってきているこのシルフィール。
あらあら。
別に、あれは強力、でも何でもないんだけどねぇ。
「あら、シャブラニグドゥの力を借りたあれが、術の中では力のないやつに入るだけよ♡
それに、あたしがあれを使う場合は、
精神世界のあいつの一部を切り取って、使ってるだけだから、問題はないわよ♡」
「…?切り取って??い、いえ、私がいいたいのはそこではなく・・」
あたしが言いたいことの意味を理解できずに首をかしげ。
何か、だから、力が戻らない、とか心で嘆いている鳥もどきがいたりするけど、ま、関係ないし♡
「あら、まあ、確かに、この世界、というか、人間世界の中では。今のところ。
無能極まりない、あれでも一応はこの世界の魔王をやってる、
赤瞳の魔王、シャブラニグドゥの力を借りて使う術が、そのドラグスレイブだけど。
それよりも高度の術って、そこいらにころがっているものよ♡」
「・・・・・・・・・」
あ、なぜか無言になってるし。
「い、いえ、そうではなくて…私がいいたいのは…あれは…」
いいつつ、言葉を詰まらせているシルフィール。
「あら、別にあれは使い方によっては、【すべてのものを無に還す】という力でもあるけど。
でも、逆を言えば、【無なるものすべてを有なるものに】という使い道もあるのよ♡」
もっとも、あたしの力というか、あたしの意思ひとつでそんなことは簡単にできるけど。
「…え?あ、あの?意味がよくわからないんですけど…と、とにかく!
あの術だけは絶対に二度と使わないでください!」
などとあたしに言ってきているシルフィール。
「あら、失敗も何もそんなことあるわけないじゃない♡わざと失敗しない限り♡」
「「・・・いや、あの『わざと』って…」」
あたしの言葉になぜか突っ込みを入れてきているゼルガディスとランツとガウリイ。
そんな彼らの声は耳に入ってなどおらず。
真摯な表情を浮かべ。
「あの神託が本当ならば…多分この世界そのものが滅びます…」
そういえば、ルナのやつが、あたしがここにいるから、下手にちょっかいかけないように。
と神託以前下してたわねぇ…
私が当人だとわからないように♡
「あれは…【虚無】の端末をこの世界に引き込む術です。
ゆえにいかなる力も寄せ付けず、ほとんどの存在を無に還してしまう力があります。
が、もしあれが暴走することにでもなれば、虚無は術者…つまりは、リナさん。
あなたを【核】として。この世界に虚無は具現化し、…虚無が具現化する、
というのもおかしな表現ですが、ともかく、すべてを飲み込みます。」
などと顔色も悪く説明してきているこのシルフィール。
「あらあら。それ、解釈、かなり違ってるわよv
そもそも、虚無の力、とかあなたたちが呼んでいるそれは。
そもそも、すべては元の力はひとつなんだしv
そ・れ・に♡このあたしが失敗なんかするはずないじゃない♡
わざとするならともかくとして♡」
「な゛!?そんな気楽に!」
何やら言いかけているシルフィール。
というか、あたしがそう意識しない限り、失敗なんてするはずないじゃない。
もともとは、あたしの力なんだしね♡
それは、楽しくなくなるから、今はまだ秘密だけども♡
「あら、だってねぇ。そんな気楽にあの力、使えるはずもないし。
というか使っても、術者そのものが、力に負けてそのまま還るだけのことだし。
ま、気がむいたら、使ってもいい許可出すかもしれないけど。
あたしだからつかっるてわけだしね♡」
くすくすくす。
いまだに何かいいたげなシルフィールにととりあえず説明しておくあたし。
くすっ。
「あ、あの、それっていったい?」
何やら問いかけてきているシルフィールだけど。
「あら、それは、ひ・み・つ♡ま、大体は想像つくけどね♡シルフィール。
あなたスィーフィードが下した神託の意味をちょっと勘違いして捕らえてるのよ。それは♡」
そんなあたしの言葉に首をかしげ。
「??リ…ナ…さん?あなたって・・・いったい?」
ふと疑問に思い、あたしに問いかけてきているこのシルフィール。
さらに詳しく問いただそうとしているシルフィールの声をさえぎり。
というか、あわてて戻ってきてるし♡
今のあたしとシルフィールの会話を聞きつけて♡
「お、お待たせしました!!!!」
なぜか叫びつつも戻ってきているルナ。
そして、シルフィールの気を自分にと向け。
「あ、リナさま・…とと、リナさん、お休みが取れましたので。
とことんまでつき合わせていただきます!
ということで、シルフィールさん、皆さん、よろしくお願いいたします!」
何やらそんなことをいっているルナの姿が。
ちなみに、いきなり出現したルナにまたまた驚いているランツがいたりするけど。
いい加減に慣れなさいよね♡
そして、あたしにのみ、聞こえるように。
「エル様、人の目、というか周りの目もありますことですし。
エル様のご意見をもとにして、敬語はなるべく控えさせていただきますが、
どうかご了解くださいませ。」
などといって、何やら涙まじりにいってきているルナ。
ま、確かに。
あまり、敬語とか、使ったりしたら、正体がバレても面白くないから。
普通に人目とかがあるときは、特に普通に接するように。
というのは、昔から、あたし、ルナに言い聞かせてるしね♡
ここにて人間やり始めた当初から♡
ちなみに、ルナが戻ってきたことにより、話が途切れたシルフィールはといえば。
ただただ首を傾げていたりするけども。
「ま、とりあえず、ルナも戻ってきたことだし。それじゃ、作戦会議にでも入りますか♡」
あたしの言葉に。
それまでの雑談はひとまず終え。
今後の話し合いを、あたしたちはすることに。
パン♪
軽く手をたたき、そう言い放つあたしの声に。
全員が、とりあえず、輪になってその場にて座ってゆく。
さってと。
とりあえず、形、というものは大切だしね。
ふふふ♡
-続くー
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あとがき:
薫:ふぅ。何だかなぁ・・・・気力がのらない、というのがよく現れてる・・・
数時間以上けかても、終わらない私って・・・・
しばらく鬱状態が続きそうです・・・
ま、何はともあれ、暗い話はおいといて。
残り、あと4ページ!今日中にこのサイラーグ編は完了できるのか!?
などと自分自身に突っ込みをいれつつも・・・
とりあえず、いくのです。
んではでは・・・・
2004年4月21日某日・・
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