エル様漫遊記 ~サイラーグの妖魔編~
「は?」
思わず、そんな彼の言葉に間の抜けた声を出しているガウリイ。
つうかあいつ…リナに何か言われて、
というか、なんでか肩に、魔の気配がものすっごく強い鳥をのせて、
放浪の人助けの旅にでていったんじゃあ?
そんなことを思っていたりするガウリイだし。
あらあら。
さすがねぇ。
あれが、いったい『何』なのか。
ガウリイ、何となくわかってるし。
ま、あいつが、まさか魔王、とまではおもってないようだけど。
ま、あの程度の力で、あれでも一応は、この世界の魔王やってるのよねぇ。
Sのやつは。
まったく、お母さん、そんなに弱く育てた覚えはないわよ♡
くすくすくすくす。
そんなフリードの言葉をきき、思わず笑いをこらえつつ。
「あら♡そんなことはないわよ♡フリード。第一、あたしは、あのレゾの目は治してるしv
それに、この【あたし】に賞金をかけるなんて。
そんな根性、あいつらにあるわけないじゃない♪」
くすくすくす。
ま、そんな真似ができるはずもないしね。
というか、今あいつ、ゼフィーリアに向かってるし。
どうでもいいけど。
なぜかレゾのやつは、あたしの正体を調べにいってたりするのよねぇ。
ま、それはそれとして…っと♡
本当にこのあたしにそんな賞金をかけるようなことなんてしたらどうなるか。
そんなこと十分に彼らはわかってるはずだしね♡
そうなったら、世界すべてに全体責任としてスペシャルお仕置きコースよねv
ふふふふふ♪
そんなあたしの言葉に。
「は?お前さん…先ほどの口ぶりといい…もしかして、赤法師殿を知っておられるのか?
その口ぶりだと…レゾ殿の盲目を治したような口ぶりじゃが…」
首をかしげ、あたしにいってきているフリード。
「ええ。二ヶ月ほど前に。」
苦笑しつつもとりあえず、うそではない返事を返しておいて…っと。
そんなあたしの言葉に。
「?それならば、おかしいのぉ?
役人がこの手配書をもってきたのが、ほんの一週間ほど前のこと。
聞くところによれば、この手配のおふれが出たのは、ほんの半月ほど前のことらしいからのぉ?
そのとき、そういった話はしてはおらんかったが…」
何やらそんな当たり前のことをつぶやいてるし。
「あら、それは当然じゃないの。だって、あいつは、偽者…というか、コピーだし♡」
「…は?」
コピー、という意味すらわかっていないこのフリード。
ま、説明するのも面倒だし。
「とにかく、偽者だっていうことよ。」
あたしの言葉に。
ぽん。
かるく手をうちつつも。
「おお。なるほど、そうなのかぁ。それで?どうすんだ?リナ?」
あたしにと問いかけてきているガウリイ。
「まったく、ちょっとは自分で考えなさいよね。ま、ところで?フリード。
偽者コピーレゾはどこにいる、とか。もちろん、聞いてるわよね?」
にっこりと。
いまだに首をかしげているフリードにと微笑みかけ、問いかける。
そんなあたしの言葉に、多少顔を赤くそめつつ。
ふるふると、軽く首を横にとふり。
「すまんが…そこまでは…じゃがしかし。
あんたらが、本当に世の中に対して何恥じることなく生きているのなら、
西にある、クリムゾンの町にでもいきなされ。
賞金の支払い所がある町じゃから。何かと詳しい話も聞けようて。
そして、赤法師殿と話し合い、誤解を解くがよかろうて。」
何やらそんなことを言ってきていたりするけど。
そして、しばしふと遠くをみつめ、自らの過去を振り返り。
「誤解からは、ただ、悲しみしかうまれん…」
などと、そんなことをつぶやいているフリードだし。
ま、面白い誤解があってこの村は、しばらくの間は閉鎖的になってたりしたんだけど。
今はそれは関係ないし。
つぶやきつつ、深くため息をついているフリード。
ま、彼の息子が、彼の誤解が元で命落としてたりするしね。
ついでにいえば、村人も幾人かv
それはそれとして、そんなフリードの言葉をききつつ。
「それでは…ご老人。」
そんな彼の言葉をききつつ、静かな口調で問いかけているガウリイ。
まあ、相手に敵意もまったくないがゆえに。
それでも、警戒はといてなかったりするけども。
静かにそういっているガウリイは、かなりの好青年に見えたりするから、これがまた面白かったり。
ま、ガウリイも、いろいろと裏の世界とかでもやってるんだけどねぇ。
ある意味、ガウリイのその通りな、知らないヤツははっきりいってモグリだし。
どうでもいいことだけどね。
「あまり長居をするわけにもいきませぬゆえ、我々はこれにて失礼させていただきます。」
そういいつつ、軽くお辞儀をし丁寧に挨拶しているガウリイだけど。
とりあえずっ…っと♡
「あ、ちょっとまって。ガウリイ。フリード。その前に奥の部屋を借りてもいいかしら♪
こんなのがでまわっているのに、この格好だと、『はい。捕まえてください。』
といっているようなものですし。」
にっこり微笑み話しかけるあたしのそんな言葉に。
「それはそうじゃが…」
じゃが、いったい?
そんなことをいいつつ思っているフリード。
くす。
「なので、ちょっと着替えてくるわね。あ、ガウリイはちょっとまっててね。」
それだけ言い放ち。
フリードが返事をするよりも先に、そのまま、奥の部屋にと、とりあえず引っ込んでゆく。
ま、その場でいきなりやってもいいけど。
やっぱ、その場の雰囲気、というのも大切だもんね♡
バタン。
静かに扉が閉まる。
部屋には、あたし以外は当然誰もいなかったり。
とりあえず、あたりの空間に誰からも視られないように、ちょっとばかり細工をしてっ…っと。
「ま、とりあえず。このコルセット、はずしますか♪」
そのまま、スタイルを抑えて肉体を作っておいてもまあいいんだけど。
それはそれで、面白くないし、何より、あたしらしくないし。
それゆえに、コルセットで体型を抑えていたりするあたし。
このほうが何かと、人間のふりして遊んでいる、という実感もまた湧くしね。
そのまま、意識するだけで、あたしが身につけているコルセットをはずし。
そして。
服装は、よく部下たちのところに遊びに…
…もとい、様子をみに降臨するときに、着ている服装にしてみたり♡
しいて表現するならば、全身くろずくめ、といっても過言ではなく。
腕と腰の辺りには、レースに見せかけているとある布に見せかけたとある物質。
ちなみに、腕も服で覆い。
さらには。
手首にも、特殊な多い布をあてがい、指先だけが出ている、といったようなそんな服。
ちなみに、この服。
当然、どんな力をもってしても、これを身に着けているだけで。
誰からも、『視られる』ことができなくなったりする、オブションつきv
ま、別にその気になれば、ちょっと意識するだけで、簡単にその程度、できるけど。
やっぱり、物質化というか、創り出してる服などにそういった機能をつけるのが、
無駄のようだけど、それがそれで結構楽しいし♡
ま、そんなどうでもいいことは、とりあえず、おいとくとして。
髪の色も、栗色から、金色にと変えることにして。
あたしがよく姿をとっている、その金色とは違う色だけど。
すこし、淡い色彩の色にと変えて♪
瞳の色は、ま、そのままでもいいわね。
そして、そのまま、バンダナをはずし。
といっても、意識しただけで頭につけているそれは、瞬時に掻き消えていたりするけども。
その代わりに軽いサークレットを額にとつけておく。
ま、こんなものかしらね♪
見る人…というか、存在がみれば。
何となく、【あたし!?】と気づくか気づかない程度の容貌程度にしておいて…っと。
でも、当然、容姿などは、リナ=インバースとしての人間のままだけど♡
さってと。
ま、こんなものかしらね♪
「おっまたせ♪」
ばたん。
静かに扉を開き。
ガウリイとフリードが待っている部屋にと出てゆくあたし。
なぜか、しばし。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
あ、固まってるv
あたしの声に振り向き。
そして、そのままの姿勢で、無言となり、完全に固まっているガウリイとフリード。
これはこれは!?絶世の美女!?
つうか、これ、リナかぁ!?
むちゃくちゃに綺麗じゃないかぁ!?
なんか、似たりよったりのことを思っているフリードとガウリイだけど。
そして。
しばらく、あたしの姿に見惚れつつも。
やがて。
「…こ…これは…」
ここまで、綺麗な方には、これまで、お目にかかったことなどはありませんわい…
などと言いかけて、なんでかあたしを拝んできつつ。
こころの中で、ありがたや、ありがたや、目の保養、というか、まさに女神様じゃわい。
などとそんなことを思っているフリードに。
「…リ…リナ?…お前、本当にリナか?にしては…スリーサイズが全然…」
つうか、かなりスタイルいいし!?胸とかでも、かなり大きいし、それに…
なんか、とてつもなく、失礼なことを思いつつ、そんなことをいってくるガウリイ。
「あら。何当たり前のことをいってるのよvガウリイvそれにね。
いつもの【アレ】は、ただ旅していると何かと面倒だから。
だからコルセットでいつもは抑えてるのよ。
このままだと、数秒単位、もしくは分単位で人間とかが言い寄ってくるからねぇ。
うっとうしいから。」
まったく。
本当に、あれって、鬱陶しいのよねぇ。
面白いことなら、まあ暇つぶしをかねてもいいんだけど。
あまりに頻繁すぎると、あきてくるし。
「…そりゃなぁ…」
なんか、いまだに目を大きく見開いて、何やらつぶやいているガウリイだけど。
「ま、とりあえず。この、元々のスタイルと、この格好ならv
あの手配書じゃ、あたしとはわからないでしょ♪」
にっこりと微笑み、話しかけるあたしの言葉に。
「…オレ、あれだけ、リナと一緒にいて、リナの本当のスタイル…知らなかったのかぁ…
はぁぁぁ~……」
何やら、ため息まじりにそんなことをいいつつも、
たしかに、これだと男がほうっておかないよなぁ…
などと、あたしをちらりとみて、そんなことを思っているガウリイがいたりするし。
「あら♪あたしは別に秘密になんてはしてなかったわよv
ま、そんなどうでもいいことはおいといて。」
なぜかいまだに何やらつぶやいているガウリイはひとまず無視。
そして、いまだにあたしに視線を釘付けにして、何やら拝んでいるフリードにと向き直る。
「あ、そうそう。フリード。これ、一応迷惑かけた、お詫びね。
あとは、部屋を貸してくれたお礼もかねてね♪」
そういいつつ、皮袋を今まさに、懐から取り出したようにみせかけて。
瞬時にと創り出し、それをそのまま、机の上に置くあたし。
「?」
あたしの言葉に、何気なくその袋の中身を紐らほどいて、中をのぞき。
…ぴしっ。
あ、固まったし。
驚愕の表情のまま目を大きく見開いて、口をぱくぱくとあけていたりするけども。
「―!?」
何やら、言葉にならない叫びをあげてるし、このフリードは。
ちなみに、袋の中身は、すべてオリハルコン。
ちなみに、純度は100%のまじりっけのなし、純粋ものv
これひとつで、なぜかこのあたりでは、
町ひとつくらいはまるまるかえるくらいの金額になったりするけど。
たかだか、この程度で…
別にホワイトオリハルコンでもよかったんだけど。
あれ、あまり世間には、このあたり、知られてないし。
しかも、こんな人との交流すらももっていない村などで。
あれを創り出しても、はっきりいって、猫に小判v
ゆえに、誰でも、一般的に、赤ん坊でも知っている、ポビュラーな品物にとしてみたり♡
当然、あたしたちにかけられている懸賞金の、数倍以上は軽く超えてたり♪
「こ…こんなものをもらっては!?」
何やら、いまだに驚愕しつつも、丁寧にあたしにそれを戻そうとしているフリード。
「あら、いいのよ。そんなもの、いくらでも【作れる】し。それに、話教えてくれたし。
一応、あたしたちを助けようとしていた、という心意気もあることだしね。」
というか、これ渡してからの、この村が、この使い道において。
ちょっとした面白いことになるのが、楽しいから、渡すんだけど。
それは、今は言わないでおくとして♡
そういいつつ、にっこりとそんなフリードにと微笑みかける。
あたしのその言葉に。
しばし、ぽうっとなりつつ、呆然としているフリードがそこにいたりするけども。
ま、とりあえず、まあ、彼は彼で、おいとくとして。
いまだに、袋をもったまま、固まっているフリードをそのままに。
「さって。それじゃ、ガウリイ、いきましょうか?
…って、あんたは、何いまだにぶつぶついってるのよぉぉ!?」
スパパァンv
子気味よい音が、部屋いっぱいにと鳴り響く。
いまだに、あたしのスタイルを知らなかったことに対して。
ぶつぶつと独り言をいってたりするガウリイにとりあえず。
ふいと、横に手を伸ばしたその手に、瞬時にスリッパを出現させ。
そのままの勢いで、そんなガウリイをはたいておく。
う~ん。いい音♡
「ぐぎゃ!?」
あ、何か床に伸びてるし。
しかも、何か小さく叫んで。
何か赤いものが多少流れているのは気のせいよねv
「あらあら。ガウリイ、何寝てるのかしら?
おきないと、あたし、ちょっと、お茶目にもこの物体をお見舞いしちゃおうかしら♡」
いいつつ、右手にとある光の球を出現させる。
「うどわっ!?」
あ。
何か飛び起きてるし。
何か、額から赤いものが流れてるのは気のせいよね♪
「さって。フリード。ガウリイもこうしておきたことだし。あたしたちはこれで失礼するわね。」
「リナぁ!その、何だ!?あのスリッパの先についてた、とげはぁ!?」
何か額を押さえて叫んでいるガウリイは、とりあえず無視。
「ほら、ガウリイ、いくわよ♪」
「あ…あのなぁぁぁぁ……」
そんのほのぼのとしたガウリイとあたしの会話をききつつも。
「う…ううむ…」
ひょっとして、わしらは…何もなくて、運がよかったんじゃぁ?
悪人ではないにしろ、どうやらかなりの実力者のようじゃし…このお人は…
そんなことを思いつつ。
あたしをみているフリード。
とりあえず。
そんな会話をしばし繰り広げ。
あたしとガウリイは、寝静まった村を後にしてゆく。
さってと。
今回もすこぉし遊ばしてもらいましょっと♡
-続くー
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あとがき:
薫:みゅぅ。うちの子(ルナ)もしもし?といった感じですねぇ。
例にもれず、またまたうちの父が猫たち、出しました・・・
「勝手にでていった。」ではないだろうが?!
誰でも、玄関あけ広げてたら、でていくわぁぁぁぃ!(絶叫!
ぜいぜい・・・ま、そんな絶叫もあることながら。
呼んでも戻ってこないので、探しにいったら。
面白いまでに、隣の家の庭先で、固まってました。
その視線の先にいるのは、別の猫v
毛をさかだてて、「ふー!」とはいってるけど。そのままの姿勢で動く気配なし。
つーか、かなり距離がはなれてるよぉ?(笑
当の他猫は、しらんぶりで、そのまま、ねそべってるし(笑
完全に馬鹿にされてる、というか相手にされてない(笑
面白いのが、かなぁぁり離れてるところで、ぺしぺしと地面たたいている、うちのルなです(笑
それじゃ、意味ないってば(笑
ま、私が近づいたら、他猫、逃げたんですけどね。
で、逃げたそれを少し(イチメートル)くらいだけ追いかけてるうちのルナ・・・
・・・・・・・・・・・もしもし?
で、逃げられてるし。当然にも。
向かってこられたら、これれたで。すぐさまに逃げる子なんですけどねぇ・・・・
まあ、よそさまの猫に相手にされてないのかぁ・・・
と、苦笑してしまった、2004年4月11日の午後九時現在・・・・
あはははは♪
ま、近況ほうこくは、とりあえず、おいといて。では、次回。コピーレゾ登場ですv
ではではv
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