まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
よっしゃぁ!
ようやく、あとニページまでにこぎつけました!(まてまてまて)
・・・・こ、今月(11月)中にどうにかこの一巻分だけども・・・・。
それはそーと、十二国記…ビデオ、まじで録画しようかなぁ。
図南の翼やるんだったら問答無用で録画するが(まて
まあ、何はともあれ、いっきますv
2003年11月29日某日

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      エル様漫遊記  ~スレイヤーズ~


「…まさか、光の剣をお持ちだったとはね…」
声は建物の奥から聞こえてくる。
そして。
ゆっくりと。
闇をまといつつ、光の中にと歩みだす人影一つ。
ガウリイがゾロムを切り裂くと同時に。
「くっ。ひとまず引こう、ゼルガディス!覚えておけよ!?」
などとわめきつつ、この場から立ち去ったディルギアはまあおいとくとして。
そんな彼には目もくれずに。
ゆっくりとこちらに向かって歩いてくるその人物。
「…どういうつもりですか?ゼルガディス?その女性の味方をする、とは?」
そういいつつも、笑みを浮かべつつ、ゼルガディスに向かって言い放つ。
赤いローブとマントをその身にまとっているその男性。
特質すべきはそのしっかりと閉じられている両の瞳。
そんな彼-レゾの言葉に。
「黙れ!オレはもうあんたと一緒にやるのはたくさんなんだよ!」
そういいつつも、腰に挿している剣にと脂汗を流しつつ手にかけているゼルガディス。
そんなゼルガディスの言葉に深くため息をはきつつ。
「力を与えた恩を忘れ、あなたを造りだしたこの私に逆らおうというのですね?」
ちなみに。
今この時点でレゾの意識は半分Sのやつが支配しかけているので。
以前の、このゼルガディスの肉親、としての感情はも
今この時点ではこのレゾの言葉の中にはなかったりするようだけど。
まあ、そんなこと、別にこのゼルガディスに説明する必要もないから言わないけど。
そんなレゾの言葉に。
「なにが恩だ!誰が合成獣キメラにしてくれ、なんて頼んだ覚えはないぜ!」
そんな言い合いをしているこの二人。
ある意味、立派な肉親同士の喧嘩。
ま、事実、このレゾとこのゼルガディス、肉親同士だし。
「まったく、何が不満なんですか?その岩の体のおかげで丈夫になりましたし。
  以前よりもはるかに魔力も高まっているというのに。」
「ふざけるな!」
などとほのぼのとした言い合いをしているレゾとゼルガディス、この二人。
ぎゃいぎゃいぎゃい。
そんな言い合いを延々と繰り広げている二人の姿をみつつ。
「…なあ、リナ、で?どうするんだ?」
のんきにそんなことをあたしに聞いてくるガウリイ。
「そうねぇ。」
いいつつ、いまだに面白いまでに言い合いをしている二人をちらりとみつつ。
「あ~。はいはい。そこまで。」
とりあえず、区切りのいいあたりで二人の会話をさえぎりつつ。
「で?レゾ?まだあんたは目を開きたい、とおもってるわけ?」
にっこりと、そこにたたずむレゾにむかって問いかける。
そんなあたしの言葉に。
なぜかしばし絶句した後に。
「もちろんです。貴女のたわごとで気持ちを変えるわけにはいきませんよ。」
あんな馬鹿なことが事実のわけはないですしね。
などと思っているこのレゾだけど。
う~ん。
たわごとじゃなくて事実なんだけどねぇ。
ま、いっか。
別に説明してあげる義理もないし。
「あっそ。それじゃ、ついてきて♡」
にっこりと微笑みつつ、くるりと向きを変えるあたしに。
「おい!?どこへ?!」
いいつつ、どんどん歩いてゆくあたしの後ろから、
あわててついてきている、レゾ、ガウリイ、そしてゼルガディスのこの三人。
ついでにおまけにあと二人ついてきていたりするけど。
とりあえず、そんな彼らには目もくれず。
あたしはとりあえずとある場所にと向かって、どんどんと進んでゆく。

やがて、協会の廃墟がようよう見える位置にとたどり着く。
そこはちょっとした開けた空間にとなっている。
そこにたたずみ、足をとめ。
そして、追ってくるレゾの方にと向き直り。
「さって、ここら辺でいいでしょ?本当に後悔しない?」
追ってきて、あたしが足を止めたことに対して首をかしげているレゾにと問いかける。
ちなみに、攻撃しようかどうしようか、いまだにこのレゾは迷っていたりするし。
ま、そんなことしてきたら、問答無用で少しばかりお灸が必要だけどね。
そんなあたしの言葉に。
「…何のことです?」
いったい、この女性は何をいいたいんでしょうか?
などと思っているレゾだけど。
くす。
そんな彼に向かって苦笑しつつ。
「こういうことよ♡」
にこやかに笑いつつ、手の平にと光の玉を出現させ。
そのまま、レゾにと向かって投げるあたし。
「「―な゛!?」」
なぜか術も唱えずに、あたしが光の玉を出現したことに驚いているもの数名。
そしてまた、いきなりレゾにそれを投げたのに驚いているのがまた数名。
そのどっちかに分かれている驚きの声を上げている、この場にいる五人だけど。
そんな全員の声が重なると同時に。
その光の玉は当然のことながら。
そのまま、レゾを直撃し…。
そのまま、光はその両目にむかって収縮し、
そしてそのまま閉じられた瞳の中にと吸い込まれてゆく。

…と。

「おおおお!見える、見えるぞぉぉぉ!!?」
突如としてレゾの嘲笑が響き渡る。
ゆっくりと開いてゆくその瞳。
「くふっ。くはははは!開いた!目が開いたぞぉぉお!」
かなり興奮してるし。
今あたしがやったのは、Sのやつの干渉をなくし、
とりあえず、その本来は見えるはずであったそれを元にと戻しただけのこと。
う~ん、だけど。
だけど、…ねぇ。
…気づきなさい!本気で情けなすぎるわよS!!!
しっかし、レゾはレゾで、目が開いたことに気を奪われすぎてるし。
まあ、別にいいけどねぇ。
この調子というか様子だったら、…面白いことになるしね♡

ゴウっ!

そんなレゾの嘲笑が響く中。
ガウリイ達にとっては突然と感じていたりするようだけど。
とりあえず、ちょっとした風が辺りを吹き抜ける。
というか、実際にはレゾからその風は吹き荒れていたりするんだけども。
一応、この程度で人間いわく、強い風、の部類に入る、そんな風力。
ちなみに、とある世界でいうところのレベル5程度。
そんな風はやがて瘴気の渦となり、レゾを中心として渦を巻きはじめる。
「……くっ。」
どうやらさすがにやばいと気づいたらしく。
というかどうしてこの程度でやばい、となるのか、本当に人間って貧弱。
まあ、それはそれでいいとして。
短く叫びつつも。
とある呪文の詠唱を始めているゼルガディス。
そして。
崩霊裂ラ・ティルト!」
そのままレゾにむかって唱えた術を解き放つ。
ゼルガディスが仕掛けた青い火柱がレゾを包み込む。
―が。
それだけの出来事。
「なに!?」
驚愕の声をあげているゼルガディス。
まあ、世間一般では、この術で大体のものはいっそうできるからねぇ。
もっとも、この程度でどうにかなるような部下なんか、しっかりそれはそれで、
お仕置きとか特訓をしなおさないといけないけどね。
絶句しているロディマスたちの目の前で。
やがて。
レゾの体がゆっくりと変化してゆく。
レゾの開かれた、その両の瞳の色は……真紅。
「…まさ…か…」
そうつぶやくゼルガディスの声は震えていたりする。
「あらあら。だからいったのにねぇ。封印がとけるって♡」
にこやかにいうあたしのそんな言葉に。
「な゛!?リナ、そういう問題か!?」
こちらはこちらで、かなりやばいと感じつつ。
あたしにむかって叫んできているガウリイがいたりするけど。
「そういう問題よ。だからあたしはレゾに教えたわよ?
  目を開いたら封印とけるって♡でもそれを信じなかったのはレゾだもの♡」
にこやかにいうそんなあたしの言葉に。
「というか、そんな問題じゃないだろうが!?あれは!?あれっ…」
そういうゼルガディスの声はほとんど絶句状態。
う~ん。
これはこれで面白いわv


赤眼の魔王ルビーアイシャブラニグドゥがこの地に再臨した。

そんな単語が今ここにいる全員の脳裏にと浮かんでいたりするし。


しばらく静寂が辺りを支配し。
あたしの忍び笑いの声が多少響いていたりするけども。
悠然と立たずむ先ほどまでレゾだったもの。
レゾ=シャブラニグドゥがゆっくりと目を開く。
そして。
「選ばせてやろう。好きな道を。このわしに再び正を与えてくれたそのささやかな礼として。
  このわしに従うならば天寿をまっとうすることもできよう。
  しかし、もしそれがどうしてもいやだというのなら、仕方がない。
  水竜王に動きを封じられた『北の魔王』もう一人のわしを解き放つ前に、
  相手をしてやろう。……選ぶがいい。」
……こらこらこら。
悠然とそんな馬鹿なことをいってくるし。
「あんた、確か今情けないことにも一時休戦にしてなかった?」
あきれつつもつぶやくあたしの言葉に首を傾げつつも。
何をいってるんだ?この人間は?
などとしか捕らえてないこのSだし。
「…なあ、リナ?何なんだ?その一時休戦、というのは?」
そんなあたしの横でそのことを聞いてくるガウリイに。
「え?ああ。今なんか、SとR…つまり、シャブラニグドゥとスィーフィードのやつらね。
  何か情けないことに一時休戦条約結んでたりしたのよ。まえ。」
「…というか、どうしてあんたはそんなことをしってる?(汗)」
などと、あたしの言葉になぜか脂汗をかきつつも問いかけてくるゼルガディス。
「それは、内緒v」
にこやかに、とりあえずその質問はかわしておく。
何でもその理由は、あたしがここに降臨して人間やっているから。
とかいう理由と、それで何かあってあたしに怒られるのが怖いから。
という理由でそんな条約をあいつらは結んでいたようなんだけど…
…まったく、情けないったら。
しっかし、そんなあたしの言葉にも。
いまだにこのSは、このあたしが誰かわかってないし。
…情けなすぎるわよ!いくらなんでも!
そんなレゾ=シャブラニグトゥの言葉にびくりと眉をつりあげ反応し。
ずぃっと一歩足を前にと進みだしているゾルフ。
面白いことに状況を完全に理解してなかったりするのがまたこれはこれで面白い。
「何をたわけたことを!」
そういいつつ、まったく事態を理解してないゾルフが声を張り上げる。
というか、こいつ、魔王が何たるか、まったく正確に理解してないのよね。
情けないったら。
そういいつつ、足を一歩踏み出して。
「おごるな!お前が時間の裏側に封印されていた間、人間も進歩している!
  旧時代の魔王など、このゾルフが片付けてくれるわ!」
などと面白いことをいってるこのゾルフ。
というか、理解してない。というのが面白いわよねぇ。
一応魔道士やってくるくせに。
きちんと、まあ間違いまくっている知識でも、その辺りのことは、魔道士協会で習うのにね。
ふふ♡
そういいつつも呪文を唱え始めているこのゾルフ。
「黄昏よりも暗きもの 血の流れよりも紅きもの…」
あら。
竜破斬ドラグスレイブか!?」
思わず声を張り上げているロディマス。
一応、この呪文、人間の世界の中では、黒魔法の攻撃呪文の中では最強。
とされている、あまりにポピュラーすぎる攻撃魔術。
以前、今は氷に閉じ込められているSこと、彼がまだ人間やってたときに開発した術で。
その名前が示すとおりに、元は対ドラゴン用にと開発、作られた魔法。
小さな城や町、そして山や国程度くらいは軽くけしさることができる。
これを使える魔道士を二人、三人、も抱えていれば、その国は大きな顔ができる。
と、この程度の術でいわれていたりする術ではあるけど。
まあ、馬鹿の一つ覚えというか、何というか。
完全にその力の性質を理解しないで力を使う。
こういった存在って結構いるのよねぇ。
そうしてよく暴走させて面白いことになったりするし♡
でも、ま。
当然、この術でこいつことSを倒すどころか傷つけることなどはっきりいって不可能。
「やめなさい!無駄よ!」
スパバァァン!
そのまま手にしたスリッパで、
いまだに呪文の詠唱をしているゾルフの頭をとりあえずしばいておく。
「あらvいい音v」
こぎみよい音が周辺にと響き渡る。
「な゛!?」
頭をスリッバでたたかれて頭を抑えつつ、驚いた表情をして目をまるくしているゾルフ。
「…ほう。」
そして、それとはうって変わり。
あたしをみて、関心した声をだしているS。
というか…いい加減に気づきなさい!S!
ちなみに、Sのやつが関心した声をあげているのは人間が万物の洞察をもっている。
という辺りに対してなんだけど。
「な゛!?何をするんだ!?」
などと頭を抑えつつわめいてくるゾルフに。
ちなみにちょっぴし頭から紅いものが流れているのは、とりあえずおいとして。
ちなみに、特製、針つきスリッパv
そんなゾルフに向かって、にこやに。
「あのねぇ。ゾルフ。あんた、三流以下にしてもほどがあるわよ?
   魔王を攻撃するのに、何でどうしてその魔王のちからを借りた術を使うわけ?
  せめて、あいつの同僚の白霧の王とか蒼穹の王とか闇を撒くものとかの力ならまだしも。
  それっていってみたら、自分で自分を攻撃してください。そういってるのと同じよ?
  普通赤ん坊でもそんなことくらいわかるわよ?」
あきれつつ、それでいて面白いので苦笑まじりに言い放つそんなあたしの台詞に。
「何をいっている!?俺はただ、竜破斬ドラグスレイブでやつを攻撃しようとしているだけだ!」
などとわめき、まぁだ理解してないこのゾルフ。
…まったく。
こういうやつがいるから、まあそれはそれで面白いんだけど。
「それじゃあ、聞くけど?そのドラグスレイブの力はどいつの力を借りた術かしらねぇ?」
あたしの言葉に。
「それはもちろん赤瞳の魔王の力にきまってる!そんなの当たり前だろうが!」
などといいつつも、…まだ理解してないし、このゾルフは。
「…お前、そこまでいっててもまだ気づかないのか?」
そんなゾルフをあきれた視線でみつつつぶやいているゼルガディス。
「何を。ゼルガディス殿まで…」
そういいかけ。
ようやく。
「あ゛!」
ようやくそのことに思い当たり、声をあげているゾルフだし。
「…馬鹿。」
「本当に、あんた魔道士なのかしらねぇ♪」
ゼルガディスとあたしの声が重なる。
とりあえず、無言なっているゾルフはそのままに。
「しっかし、お前さん、よくあのドラグスレイブの詠唱の魔力障壁が平気だったな。」
感心しつつ、あたしにといってくるゼルガディスだけど。
「関係ないわよ。そんなのなんて。
  というか、術を人間などが唱えているときに、何もできないのがおかしいんだから。」
「…いや、おかしい…とまで…」
何やらぶつぶついっていたりするけど。
「…おい、関係ないって!?」
などとわめきつつたわごとをいっているゾルフはとりあえず無視。
「しっかし、どうするんだ?やつに対抗するのは…」
そういいつつも、はたりとガウリイにと視線をとめ。
「そうだ。あんたの光の剣で!」
いいつつ、ガウリイのもっている剣を指差すゼルガディス。
まあ、ゴルンノヴァのやつでも、少しは役に立つかもねぇv
  何なら全部の力、引き出してあげましょうか?」
にこやかにそんな会話をしているあたしたち、あたし、ガウリイ、ゼルガディス。
そんな三人で話し込んでいると。
「…いい加減に無視するのはやめてもらおうか。」
律儀にまってるし。Sのやつは。
…どうもあたしの誠意ある訓練によって、このあたりの律儀さは身についてるみたいなのよね。
う~ん、感心、感心♡
でも、いまだにこのあたしに気づかないとは…Sぅぅぅ…
いいつつ、ゆっくりと足を一歩踏み出し。
「…長い間封じられていたからか。いまいち物質世界ではしっくりこなくてな。
  トレーニングに付き合ってもらおうか。肩慣らし程度に…な。」
そういつつ、口をにやりと吊り上げているS。
…おいこら。
「ふぅぅぅん、トレーニングねぇ?だったらスィーフィードのやつでもつれてきましょうか?」
にこやかにいうあたしの言葉に。
「「な゛!?」」
S、ゼルガディス、ゾルフ、ロディマスの声が重なる。
ちなみにガウリイはいまだにのんびりとしていたりする。
というか、その手にもっている剣もとい、ゴルンノヴァが震えているのを感じ取り。
首を傾げていたりするんだけども。
な、なぜ、この小娘、スィーフィードが実は滅びてないことをしっている!?
などと思いっきり驚愕しているこのS。
「あら、誰でも知ってるわよvそんな当たり前のことv」
にこやかにいうあたしの言葉にさらに絶句。
「な゛!?なぜ、なぜ、貴様!?この我の心がよめる!?」
ぷち。
「…あんた、誰にむかってそんな口の聞き方してるわけ?」
そんな会話をしているあたしとSの横で、ふといち早く正気にもどり。
「ガウリイ!いまだ!」
「おうさ!」
いいつつ、ゴルンノヴァモードにした光の剣を掲げ、
そのまま魔王もといSにとむかって突っ込んでゆくガウリイの姿が。
そのまま。
「滅びろ!魔王!」
などといいつつ、切りかかっていってるけど。
というか、あんた、本気を出してないばかりか。
ゴルンノヴァの力を引き出してもいないのに、傷ひとつつけられるわけないでしょうが……
まあ、その場ののりでそのまま向かっていってるようだし、このガウリイは。
本当に、面白い人間たちだわ♡
当然、それがわかっているがゆえに、小さく笑っているS。
「光の剣…か。確か魔道都市サイラーグを一瞬にして死の都と化した、
  魔獣ザナッファーを倒した剣…だったな。
  しかし、衰えたとはいえ、この魔王と魔獣風情と一緒になどにはしないでいただきたいな。」
いいつつ、ガウリイが繰り出したその剣を、そのまま片手で握り締めていたりする。
そして笑みを浮かべつつ。
「まあ、さすがに少し厚いが、まあがまんできない程度ではないな。」
ぷちち。
「…少し、熱いですって?あんた…いくらなんでも情けなすぎるわよ!」
叫ぶあたしの言葉に。
「「…お゛い゛。」」
なぜか突っ込みを入れてくるゼルガディス、ゾルフ、そしてロディマスだけど。
「くっ!」
いいつつ、どうにか、Sがもっている剣を押したり引いたりしつつ、その手より開放させ、
すたっとあたしたちの元にと戻ってきているガウリイに。
「…とんでもない化け物だな。」
とりあえず、今のリナの台詞は聞かなかったことにしよう。
などとおもいつつ、Sにむかってそんなことをつぶやいていたりするゼルガディス。
そんな彼らをみて、少しばかり口をゆがめ。
「若いの、件の腕は達者のようだが。このわしを倒すには武器の器が小さすぎたようだな。
  …しかし、こんなものか、人間、というのは…なら…」
いいつつ、その手をゆっくりと上げてくる。
…いい加減に気づけ…こいつは…。
面白いことに、この程度で完全に硬直しているゾルフやロディマス。
この程度の瘴気で面白いまでに動揺してるけど。
「くっ!」
小さくうめき声をあげているゼルガディス。
その直後。
すっとレゾ=シャブラニグドゥが手を少し動かすと同時。
ドン!
ちょっとした小規模な爆発があたりにと巻き起こる。
「「ぐわっ!」」
これしきの衝撃と、そして爆風で吹き飛んでいっているガウリイたち。
そよそよと、あたしの髪が爆風にとそよいでゆく。
ちなみにあたしはその場に腕を組んだままそこにたたずんだまま。
「安心しろ、すぐにはとどめはささん。」
いいつつ、吹き飛んだゼルガディスをみつつ、そんなことをいってるし。
「…ちっ。」
いいつつ、再び呪文を唱えようとするゼルガディスの体は次の瞬間。
その体全体が炎にと包まれる。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?」
炎に包まれて叫んでいるゼルガディスに。
そんなゼルガディスをあわてて消化しているゾルフたち。
そんな彼の様子をちらりと垣間見つつ。
「なぁに、やつの体は岩の体さ。これくらいで死にはせん。それよりお嬢ちゃん…」
ぴくっ。
んっんっんっ?
こいつは誰にむかってそんな口調をきいてるのかしらねぇ?ん?
あたしのそんな思いを知ってかしらしらずか。
というか、まったく気づかずに。
「ずいぶんと勝手な、いや、びっくりするようなこととかもいってくれたが。
  …この礼はしてもらわねばなぁ…」
いいつつ、ゆっくりとこちらにと向きを変えてるし。
「…あんた馬鹿?誰にむかってそんな口の聞き方してるわけ?」
かるくそんなSの言葉を受け流す。
そんなあたしの言葉に、それでもいまだに気づかずに。
「ずいぶんと威勢がいいお嬢ちゃんだな。
  どうやら、われの…魔王の怖さがわかってないようだな。」
などといってくるし。
「…あのねぇ。あんたみたいなのを怖がってどうするのよ?無能中間管理職のくせして。」
ぴくっ。
あたしの言葉に一瞬体を震わせていたりするけど。
それでもまだこいつは気づいてないし。
「…本気でこいつ、魔王からさしかえようかしら…
  あ、それかはじめから全部初期化して、まっさらに戻して創りなおす。
  っていうのも悪くないわねぇ…」
そんなつぶやきをあたしが漏らしていると。
ブン。
あたしの目の前にと飛んでくる、とある物体ひとつ。
みれば、あたしの目の前に飛んできているのは、
先ほどまでガウリイがもっていたゴルンノヴァ。
それと同時に。
「使え!リナ!剣の力にお前の黒魔術の力を乗せるんだ!」
などと叫んできていたりするけど。
ちなみに、ガウリイもまた、先ほどのSの炎でちょっぴり、焦げていたりするけど。
ま、あれはいわゆる飛び火だし。
というか、ガウリイという人間、
本能的に炎の分子すべてから全部直撃してくるそれを、すべてかわしたのよねぇ。
ほんっとうに面白い人間よね♡
そんなガウリイの言葉をきき。
「…愚かな。」
完全に馬鹿にした口調で高らかに言い放つレゾ=S。
「光の力に闇の力が上乗せできるのもか。」
などといってるけど。
「…あのねぇ。誰も上乗せする、とはいってないでしょうが…
  融合っていう便利なものを与えてるでしょうに…」
ため息まじりにつぶやくあたし。
そんなあたしの言葉に少しばかり表情を一瞬曇らせつつも。
いまだに気づいてない…
とりあえず…っと。
「ゼルガディス、ガウリイの方にいって、ほかの二人も。」
あたしの言葉に。
「…何のつもりだ?お嬢ちゃん?」
むかっ。
…むかむかむかっ。
…ちょっとやっばりこいつ、お仕置き決定♡
ここまでいまだにこのあたしに気づかないどころか。
このあたしに対してそんな口の聞き方を…んっふっふっ。
まあ、とりあえず。
とはいえ、まだこれからも遊ぶんだし。
ガウリイやゼルガディスなどに見られたら今後が面白くないし。
「ゴルンノヴァ。われの命に従い、彼らの周りに結界を…」
びくっ。
あたしのその言葉に、面白いまでにあたしの手の中で震えているゴルンノヴァ。
ちょっとあたしが力を加えたことにより、なぜか震えてるし。
そういいつつ、そのまま。
一箇所に固まったガウリイたちの方にとゴルンノヴァをそのまま投げる。
「…な゛!?」
あたしの言葉に素直に結界を張り巡らせ。
そのまま、ガウリイたちの周りには、
ちょっとやそっとの衝撃などではびくともしないようにと結界を張り巡らせているゴルンノヴァ。
何か。
……ルビーアイ様…本気でいまだに気づかれてないとは…気の毒に…
などと、そんなことを思っていたりするけど、あいつは。
「あら?ゴルンノヴァ?どういう意味かしらねぇ?」
にこやかに、そんな彼にむかって言い放つあたしの言葉に。
思いっきり、剣の状態のまま震えているゴルンノヴァ。
「な゛!?馬鹿な!?」
あれに…ゴルンノヴァに命令できるのは、デュグくらいであろうが!?
どうしてたかが人間風情の言い分をすんなりと聞く?!
などとそんなことをおもいつつ、そんな叫びを上げているこのSだし。

一方では。
「何だこれ?」
「わからん。」
「いったい…」
口々に叫んでいたりするガウリイたち。
見えない壁のようなものが、彼らの周りを取り囲み。
自由はきくものの、周りから完全に遮断されているのは、いくら鈍い人間でも理解ができる。
とりあえず、まあ、ガウリイたちはあのままでいいとして。

「んっんっんっ?Sぅ?ずいぶんと勝手なことをいってくれたわねぇ?」
そういうあたしの瞳が金色にと光る。
でもま、人間たち、つまりはガウリイたちの目もあることなので、
とりあえず、一応、形だけの呪文を唱えるあたし。
後で記憶操作とかするのも面倒だし。
見えないで何かが起こる、というのもそれはそれで人間の心理って面白いし。
「……闇よりも暗きもの 夜よりもなお深きもの 
  混沌の海  全ての混沌を生み出せしもの ……」
あたしの言葉に。
「な゛!?なぜお前ごとき小娘風情があの御方のことをしっている!?」
動揺しつつもそんなことをいってくるし。
「ほぉぉぉぉぉぅ、このあたしを『小娘』…ねぇ?
  あんたはいったいいつからそんなに偉くなったのかしらねぇ?んっ?部下S?」
そんな会話をしている間にもあたしとSの周りには闇が生まれ、
完全に周りの視界を奪ってゆく。
あたしの一部でもあり、あたし自身でもある、混沌の闇が。
「…ま、まままままままま?!」
……ようやくわかったようだし。
あたしがいったい『誰』なのか。
「…んっふふふ♪ただ、滅ぼしたんじゃあ、面白くないから♪
  当然、あたしの中でも、お仕置きだけど♪
  物質的にも、別な方法でプレゼントしてあげるわね♡部下S♪」
「な゛…だ……だぁぁぁあ!!!!!ま……まさか…そ……そんなぁぁ!!?」
あ、ようやく気づいた♡
面白いまでにうろたえてるけど。
「……あんた……部下の分際で……今ごろ気づく?」
あたしの周りには、無限の混沌。
あたしの身体が金色に輝く。
「ど、どうしてあなた様がこんなところにいらっしゃるんですかぁぁぁあ!?」
なんか叫んでるけど。
「連絡をきちんとしてなかったあんたが悪いv」
あっさりとそんな台詞を却下する。
さってと。
「さあって、覚悟はいいわよねぇ?
  ずいぶんとこのあたしに対して好き勝手なことをいってくれたわよねぇ?ん?」
手を伸ばすあたしの手のひらに出現する大鎌と。
ついでによく北のSのやつをこれで突き刺しているスコップと。
あとはとある世界の電動のこぎりとかv
様々な物質を作り出し、にこやかに、そのままSにむかって突きつける。
「んっふふふふ♪覚悟はいいわよねぇ♡」
「だ…す……すいませぇぇんんんん!!!!!!!!!」
なさけない……
土下座しているSだし。
「今さら謝っても…ねぇ♡あんた、あたしのこと、たかが、人間とか。
  小娘とか、お嬢ちゃんとか、好き勝手いってくれたわよねぇ♡」
ずざぁ……
あ、面白い。
見事に色をなくし、具現化も出来なくなってるし。
……Sの分際で、結構いい、負の感情…出してるじゃないvv
「まあ、彼ら、人間の目もあるから♪ってことで♪
  重破斬ギガスレイブ♪―感謝ないな♪力抑えてるから♪」
あたしは、手の中に無を出現させて、それをSの本体に叩き込む。
当然、物質的と、精神世界的には、鎌でざくざくと切り刻みながらvv
「エエエエエエエル様ぁぁぁ~!!!!!
  なんで、またゼフィーリアから出られているのですかぁ~!!!(涙)」
Sがなぜか涙をながしていっている。
「あらvv決まってるじゃないvv暇だから♪何のために、人間のフリしてると思ってるのよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!」
声になってない悲鳴を上げるS。
あ、この程度で、消滅…しかけてるし。
そうは問屋が卸さないのよねぇ♡
「ふふ♪これからが本番よ♪」
「うぎゃぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!」
なぜか悲鳴を上げるS。
あたしは、嬉々揚々として、Sを切り刻む。
けっこう、斬りごたえがないのよねぇ。
一回斬っただけで、消滅しかけてるSだし……
「仮にも、魔王の位にしてるんだから、もうちょっと根性ないと…ねぇS♪」
「あぅっ!!??」
こんな程度で泣き叫ぶんじゃないぃぃぃ!!!

あたしがそんなSに対してちょっとしたお仕置きをしている最中。

「……!!!?」
「何だ!?何がどうなっているんだ!?」
「俺が知るか!?」
「あの娘一人で立ち向かっているようですが…あ…あの闇……は!?」
「くそっ!!!!闇しかみえないじゃないか!?状況はどうなっているんだ!?」
口々に、わめきたてているガウリイ・ゼルガディス・ロディマス・ゾルフの四人。
なぜか、ゴルンノヴァが気絶寸前になっているけど……。
んっふふ♡
今、結界解いたら……分かってるわよねvv
あたしが伝えた言葉に、そのまま硬直しているゴルンノヴァ。

そんなガウリイたちの様子と、あたしの周りを取り囲む混沌が。
しばし、その場にと見受けられてゆく。


                                   -続くー


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あとがき:
薫:ふふふふふ。あれ?これってどこかで?と思った人。
  ですから無修正ですってば(笑)
  一部、すでにアップしてるのと同じ箇所、当然ありますよ(まて)
  何はともあれ、…情けなすぎるのはやっぱりSでしょう・・・・。
  ・・・・きづきましょうね(汗)
  ・・・・無理でも、ええ、切実に(滝汗)
  まあ、何はともあれ。次回でこの第一巻分の無修正もおわりですv
  ではでは、またv

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