まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

こんにちわ♪
やっぱ、小説と同じだったり・・・・(爆!)
というわけで、火山の虫の登場です♪

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  エル様漫遊記・聖王都動乱バトルオブセイルーン


あたし達がそんなほのぼのとした会話をしているその最中。
キィィィィィィィィィィィィン!!!
空気がきしんだ音を上げる。
あら♪
カンヅェルのやつ、案外早く復活してきたわね。
「……あら?」
ルナもそれに気づいてるけど。
ま、気づかないようだったらお仕置き決定だったんだけどねぇ。
でも、面白いわねぇ。
わざわざ結界を張っての登場にしてるし♡
「……この結界。……破りましょうか?」
ルナがあきれたように、ぽつりとあたしに聞いてくる。
「あら、いいじゃない♡あいつの動きみてみましょ♡面白そうだし♡」
あたしの言葉に。
「分かりました。」
素直にうなづくルナ。
聞き分けがよくてよろしいvv
『面白そうって……』
ナーガ、アメリア、フィル、そしてガウリイの声がハモル。
なぜか、全員額から少しばかり汗を流していたりするけども。
「何だぁぁぁぁ!?」
クロフェルが、わけが判らないらしく何やらパニックになって叫んでいるが。
そんな会話の最中、結界の中の光がかげる。
「!!!!違う!!上だ!」
ガウリイが剣を抜き放ち、先手の一閃を送り出していたりするけども。
ガウリイの叫びに、一同上を見上げる。
それとほぼ同時。
ぼとぼとぼととっ!
面白いことに、小さな塊が落ちてくる。
まあ人の基準からしたら、大きいほうに入るのだろうけど。
あたしにとっては、とっても小さなものである。
蜘蛛の子が散るように、一緒に閉じ込められている人々がその場から離れてゆくが。
ググォォォォォン……
鈍い地響きを立てながら、それは地面にと着地する。
ギィィィ。
かん高い声で一鳴き。
鳴いてから、触覚を張り巡らせていたりする
それは、数体の小さな些細な虫達。
あたしとルナには、当然のことながら、それが何であるか分かっているけど。
大きさは、小柄なドラゴン程度。
真っ黒なつややかな肌。
ゴキブリのようだと連想すれば分かりやすい。
左右四対、計八本のがっしりとした部類にはいるであろう足。
完結にいえば、コガネムシの巨大版を連想すればわかりやすいかと♡
背中の一対の羽。
体のあちこちにある紅い色のルビー色をした半球体。
どこぞの世界のオームを連想させる形態の虫なのよね♪
いきなりそれを見ただけで、なぜかパニックになっていたりする兵士達。
まあ逃げだすものがいなかったのが、せめてもの救いだけど……
しっかし…兵士のくせに度胸が小さいわよっ!!!
てんでばらばらに攻撃…というか、ただパニックになって闇雲に攻撃しかけていたりするし……
本当に情けないったら。
これでも正規の兵士なんだからねぇ……
剣をそんなふうに叩きつけても、些細な薄い甲羅にはじかれるだけに決まってるじゃないのよ。
人間にとってはあの程度の薄さで厚い、と感じるようだけど。
中には、関節の間に剣をもぐりこませている兵士もいたりする。
でも♡
そんな程度じゃ、これはびくともしないわよ♡
伊達に火山地帯のみに生息している種族じゃないし。
のんびりと何もせずにみていると、何やらあたしの方に向かってくるけど。
「あらあら♪へえ♡火山のマグマ地帯に生息しているクラヴェールをつれてきてるし♪」
くすくすくす♪
笑いつついうあたしの言葉に。
「でも、たったの十数匹ですよ?」
ルナがそれをみつつ平然という。
「リナ殿!ルナ殿!何をのんきに!」
なぜかフィルがいってくるけども。
ちなみに、これの外郭の強さは竜以上。
攻撃も、電撃や衝撃などといった些細なもの程度はもっている。
うぞうぞうぞ。
話している間にも、あたしの方に向かってくるクラヴェールたち。
「……げっ!?これ…無謀にも、リナさんを狙っているような……」
何やら硬直し、つぶやくルナの額になぜか一筋の汗。
「そりゃね♪カンヅェルのやつがあたしを狙うように命令してるし♡」
さらりというあたしの言葉に。
「き…きゃぁぁぁぁぁ!!何て恐れ多いことををををぉぉ!!」
なぜか絶叫するルナ。
「ルゥゥゥナ♪何を絶叫してるのかなぁ♡ん?」
あたしの言葉に。
「す……すいません。取り乱しました……」
だらだらだら。
そのまま、汗をだくだく流していたりするルナだったり。
まったく。
フィルの言葉には全然触れずに、淡々と話をしているあたしとルナ。
その間にも、うぞうぞとそれらは近づいてきていたりするが。
あたし達がそんな会話をしている最中。
「リナ!!」
ガウリイがあたしの方に、数匹が向かってくるのを認めて叫びつつ。
「光よ!!」
剣の柄を握って叫ぶ。
『え゛!?』
あたしとルナ以外の存在もの達。
つまり、フィル、ナーガ、アメリア、クロフェル、そして兵士達の間の抜けた。
それでいて驚愕した声が同時に発せられる。
ガウリイは、ゴルンノヴァを光の剣モードにして抜き放ち手にし。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
ガウリイの一声とともに、クラヴェールたちは一刀両断にされてゆく。
ガウリイのちょっとした行動であっさりと決着がついてたり。
…当然とはいえ…何か情けないわよね……
クラヴェールにしても兵士達にしても…ねぇ~……

虫たちをあっさりと駆逐して、しばらく後。
「けど、まさか、ガウリイさんが、光の剣をもっていたとは、意外ですぅぅう!」
アメリアが目をきらきらさせて、ガウリイをみていたり。
「いやあ、これ、代々オレの家に伝わる家宝の剣なんだよ。」
ガウリイがぽりぽりと頭をかきつつ説明していたり。
「まったく。ま。ともあれ無事で何よりじゃ!!がっはっはっはっ!!」
ばしばしとガウリイの背中を叩きながら言っているフィル。
周りでは情けないことに、クラヴェールに傷つけられた人々が
ナーガやルナに復活させてもらっていたりするという、些細な光景もあるようだが。
「それはそうと……父さん、この空間、どうやって出ますか?」
アメリアがここが結界の中であるのを心配し、ちょっと心配そうにいってくるけど。
「あら♪きればいいじゃないvv」
あたしはそういいつつ、腰に刺しているショートソードを抜いて、虚空を斬る。
キンっ!!
かすかな金属音をたて。
次の瞬間。
あたし達は、元の王宮の庭に……つまりは、元の位置に戻ってゆく。

「くぅ!?」
何やら、精神世界で、カンヅェルがうなっているけど。
しっかし、些細な攻撃よねぇ♡
しばらく、ルナがなぜかあたしに謝りとおしていたりしてけど。
別に気にしてるから♪
後で、『躾がなってない♡という理由で、カタートにでもいくから♪』
というと、顔面蒼白になってたルナ。
まったく、いい加減に慣れなさいよね♡
あたしがここにきてから、すでにここの時間でいうと十五年になるのにね♡


そんなこんなで数日後。
フィル達とたわいのない話をしている最中アメリアがやってくる。
あら♪
今度は面白いことを考え付いてるじゃないのよ♡
「リナさぁぁぁぁん!!ガウリイさぁぁぁぁん!ルナさぁぁぁぁんんん!」
ぶんぶん手を振りながらやってくるアメリア。
「おお!!アメリア!!!」
「父さぁぁん!」
がしっ!!
そのまま抱きついているアメリアとフィル。
親子のスキンシップらしいけど。
あたしは平気だけど…
あ。
ルナなんかは、ちょっぴり精神ダメージ受けてたりするみたい♡
「それでは。公務があるのでまたな。」
「はい!!いってらっしゃぃ!!父さん!!」
ぶんぶん手をふってフィルを見送るアメリア。
何ともほのぼのとした風景であるけども。
「あ、リナさん、ガウリイさん。お二人にお話があるんですが?いいですか?」
アメリアがにっこりという。
「何?」
分かってるけど一応聞いてみる。
「何かあったのか?」
ガウリイがアメリアに聞いている。
「まあ、そんなにたいしたことじゃないんですけど。」
いいつつ、ポケットから紙切れを取り出していたりするが。
「昨日、爺…クロフェル候がちょっとお使いで、町にでたんですけど。
  どおもこの手紙の内容だと、誘拐されちゃったみたいなんですよね。」
にこにこにこと笑いつつ説明するアメリアの言葉に。
「おおおおおい!」
思わず叫んでいるガウリイ。
「十分に大事だとオレは思うぞ……」
などとつぶやいていたりするが。
「まあ、爺のことだから大丈夫ですよ。ともかく、昨日、私のところに手紙が届いたんです。
  本当なら、私がすぐにでもいくのですけど。正義を広めるために!」
アメリアが握りこぶしを高々と上げつつも。
「でも今日は、久しぶりに姉さんと一緒にご公務の仕事があるんですよ。」
いいつつ、手紙をひらひらとさせる。
それはいわゆる脅迫状。
『クロフェルの命が惜しければ、フィル一人でここまでこい。』
というないようのものであるのだが。
「父さんの性格からして、こんな手紙を見せた日には、そのまますぐに行くでしょうし。」
「アメリアもね♡」
あたしの言葉に。
「あ……あははは…一応…いってみたんですけど…道に迷っちゃって…あははははは♪」
アメリアも、少なからず方向音痴だからねぇ♡
手紙を受け取ったその日に、アメリアは指定の場所に向かっていたりするのだが。
道に迷って、断念していたりするというのが現実。
しかも、その最中に、アメリア曰く別の悪人。
つまりは、ひったくりを見つけたものだから、そちらを優先し。
そして時間が時間なので、そのまま城に戻っていたアメリア。
今日になって、手紙を思い出した。
というわけであったりする。
「つまりは、クロフェルさんを救助すればいいんだな?」
ガウリイの問いに。
「当たりです!!さすがは、ガウリイさん!!
  とりあえずこの手紙。明日には、父さんにいくらなんでも渡さないと正義ではないですから。
  それまでにお願いしますね!!」
しゅたっ!
と元気よく手を掲げているアメリア。
本当にあきないし♡
ちなみに、ルナは、赤の竜神騎士スィーフィードナイトとして、いろいろと連れまわされていたりするしね♡
「面白そうだから、いいけど。」
「いいけど…何ですか?リナさん?」
あたしの言葉に首をかしげるアメリアに。
「クロフェルの身の回りのもの何かない?あったらてっとり早いんだけど♡」
知っているけど、何ごとも形というものは大切だし♡
「あ。それなら爺の部屋にいってみてください。あ!時間が!!それじゃ!!!」
いいつつ、アメリアはそのままばたぱたと走ってゆく。
「それじゃ、ま♪いきますか♪」
「…何かリナ…おまえたのしんでないか?」
「きのせいよ♡」
ガウリイの言葉をきっぱりと一言のもとに切り捨てて、ひとまずあたし達は出発すること。
本当は、あたし一人でもよかったんだけど、ガウリイが強引に、自分もついてくる。
とかいうので一緒にいくことになったんだけど。
……ま、いいけどね。
別に。
一人の方が、一瞬で終わるのにねぇ~……
ガウリイがいたら、正体がばれる可能性から、あまり派手にはできないし。

月明かりがほのかに光る夜道。
二人並んで歩いているあたしとガウリイ。
「で?リナ、何処にいくんだ?」
ガウリイが聞いてくる。
「クロフェルがいるアパートよ♪」
あたしがいうと。
「何でそんなこと、わかるんだ?」
不思議そうなガウリイ。
「あら♪クロフェルの持ち物を何のために借りていると思ってるの?」
とりあえず形だけでもと、クロフェルの部屋から小物を一つ、借りてきていたりする。
「分からん!」
はっきりきっぱり言い切るガウリイ。
「あのね、アストラルサイドから探査ができるのよvv」
まあ、別に品物がなくても、あたしは知ろうと思ったら、すぐにわかる。
という事実があったりするけども。
それはこの際関係ないし♡
「……??どういうことだ?」
「つまり、クロフェル自身が目印になるから見つけられるの♪
  気配をたどる。こういえば分かるかしら♡」
あたしの説明に。
「何だ。それならそうと早くいってくれればいいのに。」
のんびりというガウリイ。
…ま。
ガウリイも国の一つや二つくらい離れていても、その野生の勘で気配をたどることできるからねぇ♡
それで納得するガウリイ。
そんな会話をしつつも、あたし達はとりあえずちょっとした広場にとたどりつく。
と。
街頭の下。
蒼くうずくまる霧に巻かれて一人の男が佇んでいる。
「あら♪もう復活したの?」
ころころと笑いながら話しかける声に、顔をしかめつらにして。
「…久しぶりだな。…といったところで、それほど日はたってないが……」
にじりと、そのまま足踏みしているのは、いうまでもなくカンヅェルだったりするけど。
くすくす。
「そんなところで何をしてるのよ?ようやく、スィーフィードのダメージから回復したようね♡
  あの程度でダメージ受けるなんて♡それに、まだ完全に回復もしてないじゃないのよ♡」
くすくすすくす♪
笑いながらいうあたしの言葉に。
「……黙れ!」
なぜか怒り出すカンヅェル。
この程度で怒るなんて…本当に楽しいわ♡
「それで?何の用なんだ?」
いいつつ、ガウリイがゴルンノヴァを抜き放ってゆく。
「何の用か…だと!?決まってる!リナ=インバース!!お前を殺す!!そのためだ!」
カンヅェルは、淡い笑みを浮かべているが。
…本気であたしの実力がわかってないようねぇ。
いくら、あたしが気配を完全に人間のそれにしているとはいえ……
…情けないにもほどがあるわよっ!!
こんな下っ端が、あたしのことを通り名くらいしか知らない、という現状もあるにしても…よ!!
はぁ~…
思わずため息とともにあまりに面白すぎて噴出してしまうけど。
…どうしてここまで最近の魔族って…根性がないの!?
お母さん、悲しいわっ!
悲しすぎてわらえちゃうっ!!
「なぜ!?」
そんなカンヅェルにと聞き返しているガウリイ。
「答える必要はない。」
淡々とカンヅェルが言い放つと同時に、その姿を揺らめかせその場からかき消している。
と、あたし達のすぐ目の前にカンヅェルの姿が出現し。
「死ね!」
ヴァンッ…
青白い魔力光を蓄えたカンヅェルの手からエネルギー塊が解き放たれる。
が。
あたしたちにたどり着く前に、すべて霧散していたりする。
その次には雨となって、魔力弾が降り注いでくるけど。
それも、あたしとガウリイに当たるはずもなく。
それを目の当たりにして、なぜかこの程度で驚愕の表情に陥っているカンヅェル。
「な゛……馬鹿な!!」
声にあせりと、怯えの色が見え隠れ。
「あんたは。ひょっとしなくても♡ルナ♡
  つまりスィーフィードがいなかったら、簡単にこのあたしを倒せるって思ってたようね♪」
くすくすくす♪」
くすくすと笑いながらあたしは意地悪く言い放つ。
本当に楽しい♡
からかうあたしの口調に。
「あの時は、俺の油断だったんだ。まさか、あんな手でくるとは……」
ぎりっと歯ぎしりしていたり。
「ルナに気づかないあんたが悪いのよ。それで?くすくすくす♪で?ガーヴは何て?」
にっこりと微笑み、さらっというあたしの言葉に。
なぜか目を見開くカンヅェル。
「な゛!!!!!!!!!!?」
あらあら。
何この程度で、まともに動揺してるのよ?
面白いほどに動揺し、そのまま後ずさりを始めているカンヅェル。
あらあら♡
逃がすとでも思ってるのかしら?
ま、このあたしからは、逃げられるわけもないけどね♡
誰がみても一目瞭然なほどに驚愕し、うろたえているカンヅェルの姿があったりするんだけど。
「さってと♪」
ガウリイの手前上、数本の糸を魔力の力で作り出し、それをカンヅェルに投げつける。
ぴしっ!
「ふん…こんな攻撃でっ!…って!?…何ぃぃぃぃぃい!!!!!?」
面白いほどにうろたえ始めるカンヅェル。
形だけ、というか。
面白そうなので今放った糸で、カンヅェルを囲むようにして、六芒星を描いてみたり♡
ちょっぴりお遊びで、カンヅェルの魔力を封じてみたりして♡
ついでに、精神世界面アストラル・サイドからも隔離してみたりしてるけどvv
「ば…馬鹿な!!人間にこんな真似がっ!?」
何やらかなり狼狽しているカンヅェル。
楽しいったら♪
霊縛符ラファス・シード♡」
あたしの言葉に、あっけなくカンヅェルは束縛される。
「おおおい、リナぁ、何か見もふたもなくないかぁ?」
ガウリイが出番がなくて、多少いじけたりしていたりするが。
これはとりあえず無視するとにして。
さて…♪
「ルゥゥゥナ♡」
あたしが呼ぶと、空間を一瞬で渡ってきてルナが姿を現す。
ルナも案外結構、呼んでからくる時間がほとんどかからないのよね♡
「……お呼びですか?」
なぜか顔色がわるいけど。
「はい♪これ一応渡しておくわ♡」
「いや……リナ…これって…物みたいに…」
つぶやいているガウリイはとりあえず無視。
ぽんっ。
ボールのように、カンヅェルをルナに投げ渡す。
そのまま、その場にごろりと転がるカンヅェル。
「じゃ♡あとよろしく♡いぃぃ?さぼらないようにね♡」
にっこりと、ルナに一応釘をさしておく。
「は…はい!」
そのまま、何やら深くお辞儀をしてくるルナ。
「さて。あたしたちはあたし達で。さっさと用事をすませましょ♪」
あたしは、いって、ルナをその場に残し。
そのまま、再び目的の場所にむけて歩き出す。
あたし達のそんな姿を見送りつつも。
「まったく……あんたも、とんでもない御方にちょっかいかけたものね……」
ルナのため息が、疲れた声が後ろからしたかと思うと。
そのままルナは、カンヅェルをつれて、再び空間に解け消えてゆく。


「よく、ここまで来たな。一応ほめておいてやろう。」
月並みな偉そうな台詞をほざいている人間。
男があたし達の前に立ち塞がったのは、目的のアパートの前。
クロフェルはこの地下にいるのよね♡
「月並みな台詞のお出迎え、ご苦労様♡さて。とっとと用件をすませてもらうから♪」
いいつつ、無視してそのまま建物の中にとはいってゆこうとする。
「な!!おい!!ちょっとまて!人質がどうなってもいいのか!?
  おかしなまねをしたら、こちらを覗いている奴が、あの爺さんの片手を切り落とすぞ!!」
まったく。
できもしないことをいうんじゃないわよ。
「な゛!?」
思わず声を上げているガウリイ。
「それでもいうことを聞いてくれないようならば、次はもう片方。
  もし逆に人質にとっても、俺達は金で雇われた身しらずの連中ばかり。
  中から覗いているやつはためらわずに爺さんを切り刻む。どうする?」
完全にとことん勘違いしているこの男。
優位を確信して、満面に陰険な笑みを浮かべていたりするが。
そのまま、笑みを浮かべたままで、あたし達にいってくる。
「……どうする?リナ?」
ガウリイがとりあえず、あたしに意見を聞いてくる。
「別に。どうにもしないわよ。見られなければいいのよ♡
  何かあんたら完全に勘違いしてるけど♡
  あたしは、クロフェルがこのアパートの何処にいるかくらい、分かってるのよ?
  歩いてきたのは、その方が楽しいから♪
  側にいる人間をどうにかするなんて、このあたしには造作もないことなんだけど?
  たとえ、どんなに離れていても♡」
事実だし。
「何?何を負け惜しみを……」
動揺しつつ、声を震わせる雑魚その一。
「それに。たとえ死んでも生き返らせればいいことだし♡蘇生なんて誰にでも簡単にできるのよ♡」
あたしの言葉に、絶句していたりするが。
いや……何をむちゃくちゃいって……
などと、心の動揺している様子が楽しいけども。
動揺し雑魚達がうろたえている隙に。
―ぽかり。
ガウリイが男をしばき倒す。
キュウ…
情けないにも、それだけで気絶しているごろつきたち。
…本気でこいつらは悪役になってないし……悪役なら悪役らしく、もうちょっと粘りなさい!!
「…けど、いいのか?リナ?本当に?」
ガウリイが再度問いかけてくるが。
「大丈夫よ♪さ、いきましょ♪」
いって、そのまま、建物の奥にとあたしたちはすすんでゆく。

なぜか、老朽化がたかが百年程度で進んだアパート。
板の腐る特有のにおいが立ち込め、空気は一応重く湿っていたりする。
身を隠すには、一応、ベストテンに入る場所ではある。
そのまま、奥にすすみ、石造りの怪談を降りてゆく。
そのまま、空間移動で、その場所にいきなりいってもいいのだけど。
やっぱり、物事には、無駄も何よりも楽しいことがあるのよね♡
わざと時間をかける。
これって結構楽しいのよ♡
階段を下りている最中、数名の男達などに出会ったりもしていたりするが。
ことごとくに、あっさりと彼らは気絶していたりするし。
……本気で情けないわよ…あんたら……
しばらくして、やがて階段を降りきるとその先には一つの扉が存在していたりする。
ここが一応目的ポイントではあるけどね♡
「はい♪到着♪ここね♪」
いいつつも、うきうきしながら扉をひらく。
だって中には先客がいるし…ね♡

「まっていたぞ……」
扉をあけると同時、低い声があたりを支配してゆく。
ラドック…つまり裏世界での名前でいうとズーマは、静かに言い放つ。
「あら♪久しぶりね♪ズーマ♪」
ころころと笑いながら話しかけるあたしに。
ズーマが面白いことに苦い表情していたりするけども。
何か前回の、あたしの攻撃ともいえないお茶目な仕業に、多少なりとも驚いてるらしいのよねぇ。
根性が座ってないったら♡
がらんとした広い地下室。
奥にある椅子にクロフェルが縛り付けられている。
「おお!あなた方は!」
あたしたちの姿をみて、何やら喜びの声を上げているクロフェル。
「ガウリイ。ズーマは、あんたに任せるわ♪」
「お…おい!リナ!」
ガウリイが何かい言おうとするが。
そんなガウリイの言葉を無視して言い放ち、あたしはその場から掻き消える。
そして、次の一瞬。
あたしはクロフェルの真横に出現していたりする。
「どえっ!?」
何かこの程度のことで、クロフェルが驚いていたりするが。
「くっ…どけ!」
ズーマはガウリイに向かって、静かな口調で言い放つ。
その声には、なぜか怯えの色が混じっていたりするけども。
まったく。
誰でもできるのよ?瞬間移動は♡
「そういわれて、引くと思うか?」
ガウリイはいいつつもひとまず剣を構えていたりする。
さって♡
しばらく、ガウリイとズーマの戦いでも、のんびりと見学でも決め込みますか♡


                                         -続くー


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次回。
ガウリイVSズーマ=ラドック。
そして、ついに登場、黒幕、アルフレッド(爆!)
では・・・・・・・・・。
あ・・・・三時間・・かかってるし・・・・(汗)
しくしくしく・・・・・・・。


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