まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
こんにちわ♪
ついに、登場!!アメリア!!
もう少しで、アメリア、ガウリイ、ゼルガディス、の合流です♪
といっても、ゼルは、白銀の魔獣の巻からですが・・・
ではでは♪いくのです♪
#####################################
エル様漫遊記・
その日の夜。
ほぅほぅほぅ。
梟の鳴き声がかぼそく響き渡る深夜。
あたしとルナは、城の中にと侵入を開始する。
ガウリイとシルフィールは、つれてきていない。
一応、ナーガをフィルに押し付けて、ルナがよろしくお願いします。
と断ってから、あたしとルナだけでグレイの家を出かけていたりする。
「本当に大丈夫か?」
などと、ガウリイが何やら心配そうに聞いてはいたが。
ガウリイがいたら、このたびだけは、はっきりいって足手まといになりかねないし。
だってまだ、あたしの正体…というか、ここで遊んでいる以上、知られるわけにはいかないし。
だって、面白くなくなるしね♡
「エル様。この町、一応中位魔族が一人、入り込んでいるようですわね。それも宮殿に。」
ルナが上空からぽつりとつぶやく。
今はあたしとルナの二人っきりだから、呼び方をもどしているらしいけど。
案外マメなのよね…ルナは♡
「あら♡ルナも気づいてるのね。
まあ、仮にも、竜神まかせてるんだから、気づかないとお仕置きだったんだけどvv」
ずざああああっ!
なぜかあたしの台詞に、一気に顔色を悪くしているルナ。
くすくすくす。
「しっかし、ガーヴ配下の一人がこんな所で何をしているのかしらねぇ~♪
アクアのかけた中途半端な術で、ガーヴはSから離反したって聞いてたけどね♡」
くすくすとおもわず忍び笑いがもれてしまう。
しっかし、やるからには、本格的に、術をかければよかったのにねv
ね♡アクア♪
なぜか、あたしの言葉に、顔面蒼白にルナはなりつつ。
「…すいません。本人に確認…といっても、
まだ完全に復活してない、意識の方に確認したところ。
何でも力を大半失っていたので、術が不完全なものになった。
と本人は言っておりましたが……」
それは分かってるって♡
ルナが言葉を選びながら言ってくるが。
「と、ところで、エル様?どうやって入ります?空間移動でいきますか??」
…ルナ、話題をさらりと変えたわね?
「ふっ。まあ、いいわ。その件は、また今度よぉぉぉくね♡」
だらだらだら。
あたしの言葉に硬直し汗を流しているルナだけど。
だからどうして、そこまで汗をかく必要があるのよ?
「あら。入るのは、堂々と正面からに決まっているでしょうが♡姿を見えなくすればいいのよ♪」
そんなこと造作もないことだし。
「姿を消して…ですか?」
ルナが聞き返してくる。
「そ♡人に見られないようにするくらい、簡単すぎるでしょ?
たまには、歩いてみる無駄もいいものよ?」
このほうが、忍び込むっていう感覚があるしvv
やっぱり、やるからには楽しまないと♡
あたしの言葉に。
「わかりました。」
素直にうなづいているルナ。
あら、素直ね♡
正面から、城の中にと進んでゆくあたし達。
でも、見張りの兵士の姿もない。
何て無用心……
しばらく進むと、ちょっとした広場にでる。
向かって右が神官たちの、左が巫女たちの詰め所。
ナーガの妹でもあるアメリアは、その巫女頭をやっている。
そして、真ん中にあるのが神殿。
公式行事などは、ほとんどがここで行われている。
神殿の後ろにそびえるのが本宮。
他にもいろいろあるけど、あたしの別荘や神殿に比べたら、かなり小さい。
まあ部下達などは、そのただの別荘に近いこの場所のあたしの宮殿を、あたしの本殿。
と思っているようだけど。
まあ、それぞれの混沌の空間に一つづつ、あたしは、自分の宮殿を構えているからねぇ。
それに、ここにいる存在達は、ここから出ることは不可能。
だって、あたしがそうしてるしね♡
出れるとすればあたしの許可がいるしvv
かなり、似たり寄ったりの世界を創って、あたしも遊んでいるからねぇ♡
まあ、些細なことだけど♡
とりあえず、フィルは、一人でいい。
といってはいたが、当然二人にコンタクトをとることにしている。
何しろ、姿を消しているあたし達。
はっきりいって、存在自体、感じられるはずもなく。
だから、別にこのまま歩き回っても、二人に伝言しようが一切、関係なかったりするものね♡
ちなみにかなりの余談だけど、このセイルーンの名前の由来。
セイルーンは、町全体が巨大な…あたしにとっては、小さな六績星の結界になっている。
ゆえに、白魔法とか神聖呪文の威力が結界の大きさにしたがって、威力が上がっている。
まあ、使っているのは、今のところすべて精霊呪文なんだけど。
本当の神聖呪文、千年前から廃れているのよね……情けないことに。
たかが、あの程度の魔族の結界で、使えなくなるなんて…ねぇ♡
そのまま、風をそよそよとうけつつ、あたしとルナは進んでゆく。
あたし達の姿が見えてない兵士たちをからかうのも面白い。
目の前にいる兵士の前を通り過ぎても、気づかないし♡
とりあえず面白いので、ちょっと兵士をからかいつつ。
目的の部屋にとあたしは進んでゆく。
「え…エル様?」
あたしがまっすぐに部屋に進むのをみつつ、ルナが何かいってくるけども。
「何?あたしに分からないことがあると思って?」
「……そうでした。」
わざわざ捜す必要なんて、あたしにはないし。
知ろうと思えば全ての事柄は、あたしにはすぐにわかる。
面倒なので、常に知ろうというか、気にしてないだけだからして。
二間続きの奥の部屋。
外の月明かりが差し込み、部屋をほのかに照らし出す。
その部屋の一角にあるベットに、一人の老人が眠っている。
人相は、フィルが言ったとおり。
あたしは、分かっているけども。
とりあえず、こういうことは、のりが必要だしvv
「ルナ♡一応、分かってるけど、確認♡お願いね♡」
「……はい。」
あたしの言葉に、ルナは黙って、男性の頭の中の意識を覗き込む。
「はい。どうやら本人に間違いがありません。」
ルナが傍らでつぶやくのをうけ。
「あっそ♪」
パチン♪
指を鳴らす。
そのとたん、実体化…というか、あたし達の姿が誰にでも見えるように浮かび上がる。
「な……お前たちは?」
気配を察し、目を覚ました老人が、いぶかしげな表情でこちらを見てくる。
ちなみに、姿を現したときに、あたしはこの部屋に結界を張っていたりする。
出て行くときに解けるようにしてるけど。
「お主たち…一体?」
とまどっているクロフェル。
なぜか、気配すらも感じさせないあたし達に、少々驚いているようだし。
「クロフェルさんですね。フィリオネル殿下からの伝言を預かってきました。」
ルナがいう。
「…殿下の!?」
ルナの言葉に。
あわてて、ベットから身を起こすクロフェル。
「お静かに。ただ、自分は無事だからと。心配するな…と。
彼方と、アメリア姫に、そのように伝えてくれ…と。」
ルナが話しを続ける。
「おお!」
なぜか歓喜の声を漏らしつつ、涙を流しているクロフェル。
フィルがそう簡単にやられる。
とでも思っているのかしらねぇ♡
「そうか…ご無事で。よかった……よかった……」
ほとんどすでに涙声。
「それで殿下は……いやよそう。居場所聞かないほうがよいな。」
聞きかけて止めるクロフェル。
「じゃ、あたし達はアメリアの方にも伝言があるから♡いくわよ。ルナ♡」
「では、私達は、これで、失礼いたします。」
あたしの言葉に続けて、ルナがぺこりとお辞儀をしていたりする。
けっこう律儀よね…ルナってばvv
さって♪
あたしは、再び姿をかき消しておく。
といっても、姿を見えないようにしているだけで、ここにいるのは間違いがないのであるが。
「!!!!?一体…あなた方は!?」
何やらこのクロフェルは、いきなりあたしとルナの姿が見えなくなったのに驚いているようだけど。
何、こんな些細なことで驚いているのかしら♡
「ご心配なく。ただ姿を見えないように、術をかけているだけですので。」
嘘でもなければ真実でもないことを説明しているルナ。
「スィーフィード!次、いくわよ♡」
「あ、まってください!!では、失礼します!」
あたしの言葉に応じて。
ルナもあわてて、あたしの後に続いてくる。
声はすれども姿は見えず。
おまけに、何の気配もなく。
――が。
「……スィーフィード??」
あたしの言葉に、しばしそのま、ベットの上で考え込むクロフェルの姿がみうけられてたり♡
「さってと♪」
次の移動は、少しばかり空間移動を兼ねて、瞬間移動を…っと♡
「ふふ。そろそろ、あいつが気づくから♪アメリアの方には、神託って形で伝えましょうか♡」
くすくすくす。
ようやく気づいたらしいあいつをみつつ、くすくすと笑うと。
「あ、では。私の方から伝えておきます。」
ふとルナが、アメリアに向けて、神託の形で、夢の中で啓示する。
「――すみました。本人も理解していたようです。」
ルナが言い終わる刹那。
と、そのとき。
ドグォォォォン!!
外の庭から人にとっては巨大な…あたしにとっては、些細なほどの爆発音が響いてくる。
それに応じて、一気にざわめいている辺りの空気。
面白いほどの気配が、一気にこの宮殿に膨れ上がってゆく。
「何だ!?今のは!?」
「何があった!?」
「騒ぐな!持ち場に戻れ!!あれは、外の連中にまかせろ!」
城のいたるところから、詰めていた兵士たちの怒号が行きかっている。
くすくすくすv
「出てきたみたいね♪例のやつvv」
あたしがルナにくすくすと笑いながらいうと。
「……エル様……」
お願いですから、無茶はしないでくださいね……
そんなことを思っているルナの心情は、あたしには丸分かり。
「……そうですね。」
しばらくして、ルナは空中を見上げ、ぽつりとつぶやく。
なぜか、額に冷や汗をかきながら。
気の毒に…まさか、エル様がいるとは、夢にも知らないでしょうにね……
ルナが、親切にも、相手の心配をしていたりはするけども。
どういう意味かしらねぇ。
ん?ルナ♡
空中に、一人の男性が佇んでいる。
正確にいうなれば、男性の格好をしている輩。
彼らは、どちらにでも姿を変化させることができるのであるからして。
ま、本質的には、その特性は、こいつは男であるけども。
あたしは面白いので、一応精神生命体等に対しても、本質的に性別、というものを与えていたりする。
まあ、例外もあるけど♡
だって、その方が面白いし♡
奥深い本質なので、それに気づくのは、滅多といないけども。
長いマントを夜風にはためかせ、星を背に向けて空に浮いている。
人間の中でいうと、一応ハンサムな部門に入る容姿のつもりであるらしいけど。
右の頬に、大きな刀傷を付けていたりする。
別にそんなもの、わざわざつけなくても……ねぇ♡
「…ちっ。話し声がしたんで、仕掛けたのに……誰も出てくる気配がないっていうのは……な。」
舌打ちしているそれ。
そんなことをいいつつ、わらわらと駆けずり回っている兵士を冷酷に見下していたりする。
「……こっちに気づいていないのでしょうか?エル様??」
ルナがあきれたようにつぶやく。
「気づくとおもう?あんな下っ端が?ルナ。
あなたそんなに簡単に姿を見えなくしているわけでもないでしょ?」
あたしの言葉に。
「まあ……でもちょっと、上位のものであれば分かる程度にしていますが。そういう指示でしたし。」
「確かにね♡」
完全に気配などは遮断しているわけでもない。
近くにいれば、分かる程度に気配を隠している。
ま、あたしの気配は、完全に人のそれにしているけどねvv
あたしの気配を感じただけで、空気が世界が、全てがなぜか震え上がるから…
あたしが創り出したんだから、そんなに怯えなくてもいいでしょうに……
「…それはそうと、やはり、あの下っ端。ガーヴの配下のものですね。どうします?エル様?」
捕まえますか。
そういうルナの言葉を察し。
「今はまだ♡止めときましょ♡面白いことを思いついたから♡
とりあえず、今はグレイの家に戻りましょ♡」
「分かりました。」
「ちっ…やはり、気のせいなのか……」
ぶつぶつ言いながら、その場から闇に解け消えてゆく魔族。
あたしとルナは、それを端にみつつ。
その場を空間を渡って、瞬間移動で後にしてゆく。
「一応、こんな所でしたが。」
戻ってフィルに一応、報告をひとまずしているあたし達。
その方が、面白いしvv
あたしとルナが一応、フィルに経過を説明している最中。
「……その男。顔に刀傷…とかいったな。では、おそらくカンヅェルとかいう男であろう。
クリスのやつは、『古い友人』などといっておったが。むろんそうではあるまい。
現に、クリスがあの男客として招いたころから、この騒ぎは始まったのだからな。」
「…その時点で気づけよ……フィルさん……」
ガウリイが珍しくあきれた声を上げてるけど。
「ということは。刺客達に直接命令を下しているのはその男。
…というところなのかしらね?お父様?」
ナーガがフィルにと話しかけてるけど。
夜なので、あたしとルナ以外は全員寝巻姿だったりするけど。
フィル…いくら、アメリアのプレゼントだからって…熊さん柄のバジャマは止めましょう♪
シルフィールなどは、それをみて、一瞬気を失ってたけど。
面白いから、よし♡
「おそらく。しかし、自らの野望のために、あのようなものを客と偽って王宮に招きいれ。
あまつさえ儂だけを狙うならまだしも、
儂に信頼を置いてくれておるもの達を暗殺させるなど!許しがたい!!」
フィルが憤慨するが。
「…あ…あの?殿下?それはちょっと違うと思いますけど?だって、あのカンヅェルって……」
ルナが言いかける。
「ル・ナ♡別に今、それ言わなくてもいいと思うけど♡」
「すっ…すいません!」
あたしの言葉に、平謝りになっているルナ。
だから、そんなに怯えなくても……
「どういうことだ?ルナ殿!?リナ殿!?はっきり言ってくださらんか??」
強い口調でフィルが問いかけつつ、それでいて、ルナの目前にずいっと迫っていたりする。
「あら♡どうする?教える?」
楽しんでいるあたしの口調とは裏腹に。
「でも、教えたらパニックを起こすのでは?」
などといらない心配をしているルナ。
「あら、ナーガなら大丈夫よ♪前に、ジョイロックなどといった魔族にも会ってるし♪
フィブにもあったことがあるし♡」
まあ、フィブに関しては、魔族って気づいてなかったけどね♡
「それに、ガウリイの方も、S…もとい、シャブラニグドゥのやつに会ってるし♡」
あたしとルナが話しこんでいると。
「ね…ねぇ?リナ?どうして、あのジョイロックの名前が出てくるの?
第一あれ、魔族だったじゃない。」
ナーガが突っ込んでくる。
「あ…あの?ガウリイ様?今のシャブラニグドゥって…まさか魔王のことでは…ないですよね?」
シルフィールがなぜか青くなりつつ、ガウリイに問いかけている。
シルフィールはゼルガディスから聞いてるでしょうにね♡
「シャブ何とかっていう魔王になら、あったことがあるぞ?
目の前で復活して。でも、リナが倒したけど。」
さらりと、何でもないように言い放つガウリイ。
『な゛!?』
そんなガウリイの言葉に、なぜかシルフィール、フィル、ナーガ、グレイ、マリア達が石化する。
別にどうでもいいことでしょうに♡
「何あんたたち。そんな些細なことで石化してるのよ♡」
あたしの言葉に。
”いや…些細って……”
なぜか、全員の思考が一致していたりする。
まったく…肝が小さいわねぇ♡
「ね…ねぇ?リナちゃん?今の…冗談よね♡」
ナーガが猫なで声できいてくるけど。
「別に?冗談でも何でもないけど。」
倒したというか、『そのまま鳥の姿に固定した。』というのが正解なんだけどね♡
「けど、本当にフィル。あのカンヅェルの正体♡知りたいの?」
にっこりと、笑みを浮かべつついうあたしの言葉に。
フィルはいまだに固まったまま冷や汗を流していたりする。
まあ彼らにとっては、魔王なんて伝説の中に存在する生き物だからねぇ。
真実なのにね♪
でも、魔族も素手でどつけるようなフィルがそんなに驚く必要もないと思うけど♡
「ゼルガディスさんに、魔族を倒したとは聞いてはいましたが…。…まさか…」
シルフィールはどうやら、未だに半信半疑であったらしいけど。
確かに、ゼルは彼女にあたしが魔王を倒したということは話しはしたけども。
あんまり突拍子もないことなので、シルフィールは半信半疑であったみたいなのよね。
というか、意識的にその部分だけ、彼女は記憶から抹消してたし。
「今のこれは、それとは関係ありませんわ。」
すみやかに、話を元の路線に戻しているルナ。
これ以上つっこまれて、あたしの正体が露見してしまうのを恐れているためらしいけど。
この程度でわかるはずもないってば♡
「そそそそそんなことが、本当に出来るんですか!?人間が!?魔王相手に!?」
何やら、わめいているグレイ。
あたし、人間じゃないし♡
「…ま、リナさんですから。それに、それくらい私でも出来ますし。」
さらりと言い放つルナ。
「い…いや、とにかく。その話はおいておこう。それで?今の話の流れからすると…もしや?」
ある考えが浮かんだフィルが問いかけてくるけど。
「そうです。あのカンヅェルは、ガーヴ配下の中位魔族ですわ。」
これまた、ルナがさらりと説明する。
と。
びしりっ!!
フィルとあたしとルナとガウリイを除く、その他の人間が石化していたりする。
「あんたたち…情けないわよ?それくらいのことで……」
「…リナさん。これが人間の普通の反応だとおもうのですが……」
あたしのつぶやきに、何やら横でいってくるルナがいたりするけど。
「それにしても情けないわよっ!」
そんなあたし達の会話の最中。
「り…リナ?一応聞くけど。中位魔族って…どれくらい上?」
ナーガがあたしに聞いてくる。
あんたは、腹心ですらも、どつけるでしょうが♡
「魔王のやつの、腹心のした野下の下ってところ。」
完結なあたしの説明。
「ジョイロックと比べてどのくらい?」
「蚊と像くらい。」
完結な表現で当てはめるあたし。
「ふっ。相手に不足はないってことね!!
このナーガ様が直々に相手してあげるわっ!!お~ほっほっほっ!」
高笑いしつつ、汗を流しているナーガ。
目が泳いでいるし♡
「おお。そうであったのか。そうと分かればこちらも動くときが来たということだな。」
あまり動揺してないフィルの様子に。
「殿下ぁぁぁぁ!」
涙ながらに訴えているグレイ。
まあ、フィルだからねぇ♡
シルフィールはというと、もはや完全に卒倒していたりする。
……楽しいし♪
やがて、フィルが立ち上がるのと同時に。
「では、私達も一緒に行きますね。」
ルナがいい。
あたしとガウリイも席を立つ。
「そうか、すまんな。」
フィルはそんなあたし達をみつつ、鷹揚にうなづいていたりするけど。
人柄はいいからねぇ。
フィルは♡
そ~いえば……
「あ、そうだ♪」
ぽんと手を叩き。
「ナーガ。服、着替えてねvv」
いいつつもナーガの服を指差す。
「え?」
「そんな格好で王宮に戻る気?♡」
あたしの言葉に。
「それもそうね。ここからは公務にも等しいんだから。…わ…わかったわよ。」
ぶつぶついいつつ。
ナーガが、それ用に持ち歩いている、黒いワンピースにと服装を整える。
これでとりあえず準備は完璧ね♡
「門をあけろぅ!!フィリオネル=エル=ディ=セイルーンが今帰ったぞぉ!」
高々とフィルの声がこだまする。
歩哨にたった兵士の一人が、あわてて通常門から中に飛び込んでゆく。
『殿下だ、殿下がお戻りになったぞぉ!』
歓喜の声が響き渡り、そして…
やや、しばらく後。
ギギィ……
重い音をたてて。
王宮へと続く門は奥にと開かれ、そんな中を堂々とした足どりでまっすぐに進むフィル。
その後ろに、しずしずと、いかにも王女らしくナーガが続き。
そんな彼らのその後ろにつき従うようにしてあたしとルナとガウリイは歩いてゆく。
シルフィールはというと、とうとう昨夜から寝込んでしまい、今この場にはいなかったり。
現実と空想と想像とのギャップに苦しみながら、精神の糸がきれてしまったために、
昨夜卒倒してしまったようだけど。
どうやらさすがに、あのフィルの熊さんパジャマがきいたようなのよね♪
フィルは今、一応まったく似合ってないが、
王家の正装の一つである真っ白いタキシードを着ていたりするが。
「こ……この四人は?」
あたし達を見咎めて、兵士の一人がフィルに聞いてるけど。
「何じゃ?お主、グレイシアを知らないのか?あとのものは儂のつれだ。」
『な゛!?』
ナーガをまともに見てなかった兵士たちや、会ったことのない兵士たちは。
一瞬呆気にとられているが。
噂どおりの、美人麗容なそのナーガの姿に見惚れていたりする。
彼らはナーガの本質を知らないからねぇ。
面白いったら♪
「殿下だ!殿下がお戻りになったぞ!!」
「グレイシア様もお戻りになったぞ!」
まっすぐに道をすすむことしばし。
伝令の声が王宮中を駆け巡る。
兵士たちなどが、口々に呼ばわりながら集まってきていたりする。
一応、フィルは人望厚いからねぇ。
どうでもいいけども。
「……む?」
正面の神殿から出てくる人影を認め、フィルの足取りがぴたりと止まる。
それは巫女姿の一人の少女。
「やっほ~!!!!お帰り!!!グレイシア姉さん!!!!!と、と~さん!」
普通ならば、感激の再会シーン。
というところが世間一般でいう常識であるのであろうが。
軽い口調の声に、フィル同様に、あたし達も足取りを止める。
歳のころは、十三歳。
今、あたしが十五だからして、あたしよりは二歳年下。
人間として生活している時間からいうとそうなるけど…本当の年齢なんて…ねぇ♡
あまりに長すぎて、ここの表現というか数などの表示などにおいては該当するものもないし。
それほどに長いまでの、退屈な時が過ぎ去っているこの現状。
だからこうして、たまには暇つぶしが大切なのよ♡
肩で切りそろえた、つややかな黒い髪。
やや童顔で、ぱっちりとした大きな瞳。
子供のような愛らしいその顔立ち。
「おお!!アメリア!!元気だったか!!」
「お帰り!姉さん!!」
すかっ。
手を差し伸べていたフィルを素通りして、その後ろのナーガに抱きついている。
くすくすくす。
思わず、あっけにとられるルナに。
苦笑しているあたしとガウリイ。
フィルの行き場の失った手は、やがてぽりぽりと頭をかき始める。
「ふっ。元気そうね。アメリア。」
ナーガがアメリアの頭をなでつつ、笑う。
「そりゃあ、もう!!」
「おいおい、アメリア……。こちらの心配はなしか?
いくら、グレイシアが数年ぶりに戻ったとはいえ……」
ちょっぴしフィルは多少いじけていたりする。
かわいいvv
すねてるし♡
「そりゃもう!!無事だと信じてたわ!!父さん!!正義は必ず勝利するものなのよ!!」
とあるどこかの世界の危ない反政府主義者のような台詞を言いながら、
ガッツポーズをとっている少女。
彼女がナーガの妹で、フィルの二番目の娘であるアメリア。
「くす。あいかわらずね。アメリア。」
ナーガがいうと。
「グレイシア姉さんこそ!!よく道に迷わなかったわね。姉さん。」
顔をナーガの胸に擦り付けながら、アメリアが問い返す。
「ふっ。迷ったわよ。」
そういうナーガの額には、一筋の汗。
「あ、やっぱり!!さすが、姉さん!」
…何がさすが何だか♡
その会話に目が点になっていたりするルナ。
「あ。それで父さん?こちら方たちは?
何か、一人は見覚えのあるような気がするんですが。」
アメリアがルナをみつつ首をかしげる。
「おお!!こちらは
で、こっちがルナ殿の妹のリナ殿。で、ガウリイ殿。儂の味方だ。」
とことんおおざっぱな説明だし。
フィルは、こちらに向かい、アメリアの肩をかるく抱きながら。
「これがこの儂の二番目の娘。アメリアだ。」
フィルの説明に。
「アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンです!!」
すちゃ!!
元気に手をあげているアメリア。
「リナ殿は、グレイシアを知っておるな。しばらく前に、娘は修行の旅に出ていたのだが。
ま、知り合いだったというのも何かの縁だろう。」
フィルががはがはと笑う。
フィルの二人の娘の名前が、
『アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン』と『グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン』。
ちなみに二人とも母親似♡
いいつつも、フィルは二人の娘を抱擁しつつ。
「親の儂がいうのも何だがなかなかの美人であろう。二人とも儂ににて。」
『似てない、似てない』
こっそりつぶやいているガウリイとルナ。
あたしもそう思うけどね♡
「どうぞ、よっろしくお願いします!!」
しゅたっ!
やたらに元気よく片手を挙げるアメリア。
「こっちこそよろしくな。アリルメ。」
「アメリアです!」
お約束に名前を間違えているガウリイ。
「アメリア…?えっと…オレはガウリイだ。」
「お久しぶりです。アメリアさん。」
ガウリイがいい、ルナがぺこりと会釈をする。
「そういえば。ルナは何度かここにきたことあるからねぇ。」
あたしがつぶやくと。
「ええ。前に公式行事に呼ばれたときに……」
ルナがそれに答えてくる。
と。
アメリアが視線をめぐらせて。
ガウリイが少ししかめっ面をする。
あら♡
ガウリイはみただけで魔族って分かってるじゃない♡
神殿の方から人影が三つほど、こちらに向かってやって来ていたりするし。
ふふ♪
さって、楽しみましょっと♪
-続くー
HOME TOP BACK NEXT
#####################################
あとがき:
薫:よっし・・・どうにか、アメリア登場までこぎつけたぞ!!
次回、発覚、カンヅェルの正体!!!ああ・・・・時間がかかりすぎ・・・(汗)
エル:確か、打ち込み始めたの・・・・九時よね?♡
姫:・・今、何時?(はあと)
薫:・・・・・十二時・・・・(涙)
エル&姫:遅すぎっていうか、かかりすぎ!!
薫:んひゃぁぁぁあ!!で・・・では!!!!
エル&姫:これは、お仕置き必要ね♪
薫:いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
遠くで、生々しい音が鳴り響く・・・・・・。
HOME TOP BACK NEXT