エル様漫遊記


「なぁ?リナ?オレたちどこに向かってるんだ?」
山間の道を歩きつつ、そんなことを聞いてきているこのガウリイ。
「ガウリイさぁん……人の話はきちんとききましょうよぉ……」
なぜか顔色のわるいゼロス。
というか、少しばかり姿が透けかけているのが、ちょっぴり楽しいけど♡
「あら、ガウリイ、人の話はきちんと聞くものよ。あたしたちは、今、ドルトハウトの魔道士協会に向かってるのよ♡」
あたしのそんな説明に。
「でも、何だって、そんなところにむかってるんだ?」
再びまたまた聞いているガウリイだし。
「ええと、それはですねぇ。ガウリイさん。
  魔道士協会からリナさんに、そこの魔道士協会にむかってくれ。
  と話があったからですよ。ちなみに旅費まできちんとあちらもち。
  ……でも何か、かなりいやぁぁな予感がするのは、僕の気のせいでしょうかねぇ?」
などとそんなことをいっているけど、このゼロスは。
くすっ。
「あら、ゼロス。ひょっとして、レイ=マグナスが作った、というか、
   北で氷付けになってるSのやつがつくった、あれのことを気にしてるわけ?」
くすくすくす。
あたしのその言葉に。
「リナさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!いきなり確信、というか、そんなこと。
  もし人に聞かれたらどうなさるんですかぁぁ!?」
何やら泣き叫びつつも、抗議の声を上げてきているし。
「あら♡別にどうもしないわよ♡」
そ・れ・に♡
ロベルトが、すでに計画、というか実行始めてるしね♡
ふふ♡
「ま、とりあえず。ドルトハウトはすぐ目の前だし。ともかく、いくわよ♡」
あたしのその言葉に。
「……何か、あれに関係があるような気がひしひしと……」
何やらぶつぶつとつぶやいているゼロスは、ひとまず無視。
あたしたちがむかっているのは、とある国の中にと位置する山にと囲まれた、とある町。
ドルトハウト、という町のそこにある、魔道士協会。
ちょっと暇なので、カタート山脈にいって、それとなく魔族たちに根性を入れなおし。
なぜかガウリイとゼロスが泣いていたりしたのは、情けないけど。
まあ、それはそれとして。
ディルスの魔道士協会にて。
あたしたちに【ここにむかってほしい。】という依頼というか話があったのは、数日前。
とりあえず、暇つぶしをかねて、のんびりと歩きながらそこにむかっているあたし達。
「しっかし、今までここに来たことはなかったよなぁ?」
などとのほほんとそんなことをいっているガウリイに。
「まあね。」
「というか、僕たちとしては、ここにはあまりかかわってほしくないんですけど…」
せっかく千年余りの時間を得て、あれがようやく起動しかけてるのに…
そんなことを思いつつつぶやいていたりするゼロスだし。
「というか、気づかれて、三百年前に封印されたのが、そもそも情けないのよ。
  普通なら、人目に触れないようにする、とかいろいろとあったでしょうに。」
くすっ。
あたしのその言葉に。
「……してましたよ。あの方は……
  ですが、地震によって、塔が姿を現してしまったんですから…」
何やらぶつぶつといってるゼロスはひとまず無視。
「ま、とりあえず、町についたことだし。魔道士協会にいきましょ。」
この町、面白いことに、魔道士協会の人員…一人しかいないのよねぇ♡
そんなほのぼのとした会話をしつつ。
ひとまずあたしたちは依頼を果たすためにと、ドルトハウトの魔道士協会にと向かってゆく。


「すいませ~ん。リナ=インバースですけど、こちらに出向くようにいわれたんですが…」
とりあえず、ゼロスにそのあたりを歩いている町の人に協会の場所を聞かせ。
ここ、ドルトハウトの魔道士協会にとやってきているあたし達。
あたしの言葉に、すこし丸みを帯びた、一人の男性が、協会の奥から出て。
「おお、あなたがリナ=インバース殿ですか。なるほど…金髪の剣士どのも一緒か。」
何やらつぶやき。
そして。
「あのぉ?ところで?リナさんに何の御用なんでしょうか?」
にこやかな笑みを浮かべたままに問いかけているゼロス。
そんなゼロスの言葉に。
ここ、魔道士協会、会長であり、唯一の魔道士協会員でもある、このグレッグ。
ちなみに、彼のローブの色、というか魔道士の称号たる色は緑。
まあ、そんなどうでもいいことは、とりあえず、おいとくとして。
ゼロスと同じくにこやかに笑みを浮かべたまま。
「いや、なぁに、たいしたことはない。
  五日ほどまえにね盗賊から奪ったものを返してほしいだけじゃ。」
にこやかなまでの笑みを浮かべてあたし達にといってくる、このグレッグ。
「……は?」
ゼロスのやつ、目が点になってるし。
「もし売ってしまったのなら、どこの道具やか教えていただきたい。
  いや、先方は、その品物…まあ、いってもかまわんじゃろう。
  アミュレットを盗まれたのは、自分の落ち度だからと、礼金を払う。
  といわれておるのじゃ。」
にこやかな笑みを浮かべたままに、あたしたちにいってくる。
「というか、ここ一ヶ月ばかり、そんなことしてないよな?オレたち?」
などと首をかしげているガウリイに。
「……というか、ここしばらく……リナさん…カタート山脈で遊んでおられましたからねぇ…
  なぜか、そのため、魔王様がたが嘆いておられます…」
なぜかガウリイの言葉にしみじみといっていたりするゼロスだし…
そんな二人の会話はひとまず無視し。
「あら、それはあたし達じゃありませんよ。
  あたし達、このあたりにきたのは、依頼をうけてからですし。
  五日まえなら、まだディルスにいましたしね♡
  依頼うけて、この近くまで、瞬間移動してきただけですし♡」
「……?瞬間移動?……まあ、そのあたりは何か詳しく聞かないことにする、としても…
  本当にしてないのかね?」
ガウリイと、ゼロスの会話を耳にして。
何やら顔をゆがめつつも、あたしにと聞いてきているこのグレッグ。
「してませんよ。」
誰がやったかは、あたしはしってるけどね♡
あたしの言葉に。
「ううむ、それはこまったのぉ…いや、何。本当にしとらんのかね?
  いや、盗賊をつきとめて、アジトにいってみると。そこはもう、もぬけの殻。
  というか、すでにみんなやられていての。
  で、一人を捕まえて聞いたところによると、
  『リナ=インバース』を名乗る魔道士が全部奪っていった…と。
  金髪の剣士と髪の長い女性とが一緒だったらしいが……
  そこの剣士はそうじゃないのかね?」
いいつつ、ガウリイを視線で指差すグレッグ。
くすっ。
「なあ?リナ?何だかわからんが、返してやったらどうだ?」
スバコォン!
とりあえず、ぼけをかますガウリイをスリッパでたたいておく。
う~ん♡いい音♡
「あのねぇ?何ボケをかましてるのかしらねぇ?
  最近あたし達は、あんたと、ゼロス、そしてあたし。この三人でしょ?
  それに、五日前、といったら、あんたも一緒に。
  氷のオブジェのあいつにちょっと活をいれてたでしょうが♡」
「……そのため、またまたルビーアイ様は精神世界で目を回されて気絶してますけど…」
あたしの言葉に、何やらぽつり、といってるゼロスは、まあおいといて。
「そういや、あれ。誰なんだ?」
「だから、何度も説明したでしょ♡氷のオブジェとなってる、レイ=マグナスだってば♡」
「……、いやあの、レイ=マグナスとか、カタートとか……
  何か聞きたくないような、知りたくないような単語がでてきてるんじゃが…
  …じゃが……レイ=マグナス?」
あたしの言葉に何やら首をかしげているグレッグ。
「あら、細かいことは気にしないのよ。ともかく、それはあたしたちじゃないわよ♡」
あたしの言葉に。
「こ…細かくないような気もするんじゃが…
  ……じゃが…困った、ロベルトさんに、何といえばいいのか…」
などとそんなことをつぶやき始めているこのグレッグ。
「ロベルトさん…ですか?」
そんな彼の言葉に問いかけているゼロス。
「ああ、アミュレットの本当の持ち主じゃよ。
  このドルトハウトの神父で町外れの教会におるな。」
くすっ。
丁寧にゼロスやそしてあたしたちにもわかるように説明してくるし。
あたしは、わかってるんだけどねぇ♡
ふふふ♡
「ならとりあえず、あたしたちがそこにいって、説明したほうが話しははやくないかしら?」
にっこり微笑み話を進めるあたしの言葉に。
「おお、そうしてくれるか、それだと助かるわい。
  何しろ、誰かを説明させにいこうにも、人手がないものでな。」
そんなことをいっているグレッグにたいし。
「?ほかの魔道士協会の人たちはいないんですか?」
首をかしげて問いかけているゼロス。
そんなゼロスの言葉に。
「何をいう、ここの魔道士協会のメンバーは、わしひとりじゃよ。
  じゃから、わしが、ここのドルトハウト魔道士協会長もしないといけないんじゃよ。」
「ひ…ひとりって…」
何やらその言葉に、突っ込みをいれているゼロスだけど。
「ま、とりあえず、あたしたち、その教会にいってみますね。
  ということで、いくわよ♡ガウリイ、ゼロス♡」
「すまんのぉ。リナ=インバース殿。」
そんなほのぼのとしたやり取りを終え。
とりあえず、町外れにある教会に出かけるあたしたち。
教会は、このドルトハウトの外れ、といっても、ちょっとした草原のようにとなっている。
いかにも、盗賊などが活動しやすそうな、人通りもない、そんな道。
ちなみに、ここにあるのは、酒場と教会、この二つのみ。
氷の矢フリーズ・アロー!!!!」
道を歩くことしばし。
面白いことに、横手から、氷の矢が飛んでくる。
そして。
「おっと。」
すぃっ。
すいっと、その手にしている錫杖を前にとふりかざし。
バキィン……
術がこちらに届く前にとかき消しているゼロス。
「い……いったい?」
ゼロスがつぶやきかけるその刹那。
「お~ほっほっほっほっほっほ!見つけたわよ!リナ=インバース!!
  さあ観念して、さっさと分け前をよこしなさい!」
高笑いしつつ、あたしたちの行く手をさえぎるようにと出てくる一人の女性。
「あら♡ナーガじゃない♡まぁたセイルーンから抜け出して♡」
くすくすくす。
あたしたちの行く手を立ちふさがるようにして、道をふさいでいるのは。
いうまでもなく…
そんなあたしのことばに。
「ふっ。お~ほっほっほっ!愚問ね!リナ!
  アメリアといっしょにちょっと親戚を尋ねてきてるだけのことよ!」
「で♡町をみてくる、といって、また道に迷ってるのね♡」
「うっぐ!リナちゃん、それはいわないで…」
あたしに図星をさされ、一瞬気弱になっているこのナーガ。
そして、ふと。
「はっ!あやうく騙されるところだったわ!
  さあリナ!それよりこの前の分け前をよこすのよ!」
いいつつ、構えているナーガだし。
「…あ、あのぉ?つかぬことをお伺いしますが…あなた、ナーガさん、でしたよね?
  五日前、あなた、何をなされてましたか?」
そんなナーガに向かって問いかけているゼロス。
「ふっ!愚問ね!そこのリナと一緒にいたにきまってるじゃないのよ!
  そのときの盗賊退治の分け前はきっちりともらうわよ!」
言い放ち、呪文を唱え始めているこのナーガ。
「それ、リナさんじゃないと思うんですけど…」
何やらつぶやいているゼロスに。
「あら♡ナーガ、それあたじゃないわよ♡じゃ、聞くけど、そのとき、このゼロスもいた?」
「ふっ、見苦しい言い訳を…そういえば、見なかったような気もするわね。
  そこの金の髪の剣士の髪も短かったような…」
いいつつ、考え込んでいたりするナーガだし。
そして。
「そういえば、ちょっとからかったり、
  貧弱な胸をからかったりしたらすぐないたりしたけど、ぜんぜん気にならなかったし。
  あたしがお金を貸して、といったら、素直に貸してくれてたし。
  そぉんな些細なこと、全然気にもならなかったわ。お~ほっほっほっほ!」
などといいつつ高笑い。
「あら♡ナーガ。
  あんたはこのあたしがコルセットとかでスタイルをかなり抑えてるというのは、
  幾度も一緒に温泉とか風呂とかにはいってるんだし♡知ってるでしょうに♡」
くすくす笑いつつ、とりあえずも話をあわすあたしの言葉に。
「…そういえば、あの子、外見どおりのそのまんまのスタイルだったわね……」
あたしにいろいろと言われ、ようやく、おかしいな?
と思い始めているこのナーガ。
だから、このナーガって、面白いから好きよ♡
そんなナーガの言葉に、何やら顔を曇らせつつ。
「あ?あの?それで、その人、どのような人だったんですか?」
何やら聞いていたりするゼロスだし。
「ふっ。いいわ、教えてあげるわ。外見上はまったく同じよ。
  まあ、少し違う、といえば、今のリナの容姿よりも、胸がちょっと大きいってだけで。
  お~ほっほっほっほっ!あとは、なぜか気が弱かったりしたわね!
  お~ほっほっほっ!お~ほっほっほっほっほっほ!」
そんなナーガの説明に。
「……え゛?外見がまったくいっしょ?
  そ……それで、もしかしなくても、その人…リナさんの名前をかたってるんですか?」
あ、面白い。
ゼロスのやつ、声が震えてるし。
「お~い、ゼロス、声がうわずってるぞ~。」
ガウリイにまで指摘されてたりするし。
そんなゼロスの言葉に。
「あら、当然じゃない。私もリナと信じて疑わなかったわ。
  でも…考えたら、本当に、リナ、あなた本人でなかったわけ?」
きょとんとさせつつ、あたしに聞いてきているこのナーガ。
くすっ。
「あら、だから違ってるってば♡」
くすくすくす。
くすくすと笑うあたしの横では。
「…リナさんと容姿がまったく一緒で名前をかたってる…
  それって……おもいっきり、危ない…というか危険だと思うんですけど…」
というか、エル様がここにこられた一番の理由……それもありますね……きっと…
何かそんなことを思っているこのゼロス。
「ま、そんな細かいエレナのことなんかおいといて。
  とにかく、協会のロベルトのところにいくわよ♡」
あたしの言葉に。
「ということは、あの偽者、この白蛇のナーガさまをだました!ということなのね!
  こうしてはいられないわ!
  …とはいうものの、リナ?何なのよ?そのロベルト、というのは?それにエレナ?
  ロベルトって…たしか、ここの町の教会を道楽でやってるロベルトのこと?
  その先祖は、確か、以前この国で危険人物扱いにされた…」
何かそんなことをいってきているナーガだし。
「そ♡そのロベルトよ。
  ナーガ、あなたたちが盗賊から奪ったものの中に、アミュレットがあったでしょぅ?
  あれは、もともと、ロベルトのところから盗まれたものなのよ。
  で、ロベルトはそれを取り戻したがってるわけ♡」
あたしの説明に。
「ふっ。そういうこと。なら、この白蛇のナーガ様も一枚かませてもらうわ!
  お~ほっほっほっほっほっほっほ!」
一人勝手に納得し。
高笑いを再び始めているこのナーガ。
「……このナーガさんといい、アメリアさんといい…
  ……フィルさんの娘さんたちはかわってますねぇ…」
そんなナーガをみつつ、ぽそりとつぶやいているゼロス。
「ま、どうでもいいけど、とりあえずいくわよ。」
そのままナーガを引き連れて。
とりあえずは、協会にいる、ロベルトのところに話にいくあたしたち。

さって。
楽しくなってきたわよね♡
                            -続くー

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あとがきもどき:
薫:このロイヤル2で、何といっても、リナのそっくりさん。
  エレナと、あと、ナーガが召喚するゴーレム、ピコピコリナちゃん(しかも色違い)ですね(笑
   さてさて、次回、ロベルト登場です。
   でも、彼の決意・・・・・・何だかなぁ?と思いませんでした?
   何しろ最後なんて、ラグナブレード一発で終わるし・・・・・
   はじめから、リナに任せて依頼しましょうね♡(こらまてや!
   何はともあれ、しばらく今度は、ロイヤル2のゲーム内容にお付き合いくださいなv
   これがおわったら、ちょこっとオリジナルやって。それからようやく二部突入なのです!
   んではではvまた次回にてvv
2004年4月27日某日

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