まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

はっきりいって、忘れられてる存在。吸血鬼フレンズベルクの登場です。
でもって、ヘキサグラムのことをシルフィールたちが知るっと・・・・。
あと少しでこのロイヤル2編、完了ですv

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   エル様漫遊記


「やぁぁぁっとみつけたわよ!」
何やら、後ろから、聞こえてくる甲高い声。
「…あれ?誰ですか?この人?」
それをみて、きょん、としているアメリアに。
「お~、何だ。吸血鬼ヴァンパイアの姉ちゃんじゃないか。」
などとのんびりと手を上げて挨拶しているガウリイ。
とりあえず、オーブを手にいれて、外にではたいいものの。
すでに周りは完全に夜の帳が下りており。
ついでにとりあえずドルトハウトに戻るために、中央街道の南街道を歩いているあたしたち。
「ああ。アメリアは初めてだったかしら?
  この子、この国の特別天然記念物に指定されてる、吸血鬼のフレンズベルクよ。」
とりあえず、さらりと、首をかしげているアメリアとシルフィールにと説明しておくあたし。
「もう少しで下手したら死ぬところだったじゃない!気づいたら瓦礫の下に埋まってるし!?
  ようやく瓦礫の下から出かけたら、時刻は昼間だし!?どうしてくれるのよ!?」
何やら叫んできているこの金色の髪の女性。
「ええ!?この人、吸血鬼なんですか!?」
そんな彼女をみて、何やら驚きの声を上げているアメリア。
「まあ、あの面白いことに、国を挙げての特別天然記念物に指定されてる?!」
「確か以前、この国で動物園を作る、という動きがあったときに。
  吸血鬼さんにこうもりになってもらってはどうか?という動きがあったという、あの!?」
などと、二人して、面白い会話をしているアメリアとシルフィール。
「ちょっと!そんな昔のことをいわないでよ!
  というか!よくもこの私を洞窟なんかに生き埋めにしてくれたわね!」
などと叫んでるし。
「あら、フレンズベルク、あなたを生き埋めにしたのは、あたしではなくナーガだし♡
  それに、いくら天然記念物に指定されてるからって、
  ここから出ないあなたもあなたたなんだしね♡」
くすくすくす。
そんな彼女にたいして微笑みかけつつ、語りかけておくあたし。
「それとこれとは話が別よ!
  ちょっと眠ってた間になんでかここから出れなくなってたのよ!
  いわば、私はこの地にとらわれているようなものだし!」
何やら涙交じりにそんなことをいってきているこのフレンズベルク。
「まあ、そりゃ一応は。あまり長く人の魂の中に封印されてるままのSのやつが。
  このままだと、ヤバイ。とか今さらながらに思って。
  ちょっとここの過去、自らが作った塔に干渉して。
  それでもって、地震起こしてたりしたけど、その程度のことじゃない♡
  S程度の干渉なんか、自力でどうにかあがけばどうにかなるって♡」
にこやかに話しかけるあたしの言葉に。
「…確かリナさんがS…とかよんでるのって、魔王シャブラニグドゥのことでしたよね?
  普通、魔王の干渉とかあったら、どうにもならないと思うんですけど…」
などと、ぽつり、とつぶやいているアメリアに。
「いやまて、というか、何だって、今ここに【魔王】の言葉がでてくるんだ!?」
何かそんなことをいっているゼル。
あら♡
「あら?いってなかったかしら?この塔を封印したという、魔道士ベルナレス。
  Sのやつの欠片のひとつ宿したまま、
  ミクロス封印するために、その魂ごと、自ら封じてる、というの♡」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
なぜかあたしのごく当たり前な説明に、
しばし沈黙しているあたしとガウリイ以外の存在ものたちの姿。
そんなあたしの言葉に、ぽん、と手をたたき。
「そうか、わかった。あの湖から感じてたの、確かレゾと一緒にいた、鳥と同じ気配なんだ。
  シャブ何とかっとかいうやつと。」
そういえば、ガウリイはあれが、一応Sだと気づいてたからねぇ。
誰からも何もいわれないし聞かれないからいわないだけで。
にこやかにそんなことをいっているガウリイの台詞に。
「ちょっとまて!?ガウリイ!?レゾといっしょにいた…鳥、だと!?」
「…鳥さん…って、あの鳥さん…ですか?」
そんなガウリイの言葉に何やら叫んでいるゼルに。
目を丸くしているアメリアとシルフィール。
「あら?いってなかったっけ?何でも簡単に滅ぼされたりしたら情けないからって。
  なんでかその姿を鳥にと固定して、レゾと一緒に慈善活動してるのよ。あいつは。
  元、レゾの中にと封印されてたSのやつは。」
あたしのさらりとした説明に。
「ちょっとまて!?リナ、たしかあれは倒した!とかいってなかったか!?」
何やら叫んでいるゼルだし。
「倒したわよ。鳥になってるのはだからじゃない♡」
当然、といえば当然のお仕置きだし♡
何しろあいつは、このあたしに攻撃とかしかけてこようとしたんだしねぇ。
ふふ。
いつも、神殿とか宮殿とか、庭掃除、とかいうのだったら芸がないし。
かといって、別にただ、気まぐれにとやらしてる、書類提出の整理とかやらしたら。
何か数億年ほど根性がないことに動けなくなってたし…
まったくもって情けないったら…
そんなあたしの説明に。
「…え、ええと、ゼルガディスさん。
  これ以上詳しく聞くのは何か怖いですし。とりあえず、今のはきかなかったことにして。
  それで?リナさん?ベルナレスさんが封印した、というその内容は?」
さらりと、なぜか今の話はきかなかったことにして。
話を元にともどしているアメリア。
なぜかあたしの説明をききつつも、
くちをばくばくとさせているフレンズベルクが横にいたりはするけども。
まあ、関係ないし。
「まあ、今からいくベルナレスの隠れ研究所でもわかるけど。
  まあ、せっかくだし。道々説明してもいいけど?それとも、一気にいく?」
くすっ。
パチン♪
その言葉と同時に、軽く指を鳴らしておく。
と。
『うきゃぁぁぁぁぁぁぁあ!?』
『うどわぁぁぁぁぁ!?』
『え・・・・ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!?』
その刹那、あたしの指の合図をきっかけに。
全員の体はそのまま瞬間的にと、
とりあえずただいま向かっている洞窟のある場所にとむけて移動してゆく。
何でかアメリアたちの悲鳴と、そしてまた。
巻き込まれてるフレンズベルクの悲鳴とかも聞こえてるような気がするけど。
ま、気のせいよね♡

とりあえず、ちまちま歩いてゆくのも何だし。
そのまま直接にと研究所のある場所にむけて移動しておくあたし。
時間は有効に使わないとね♡
ふふふふふ♡


「リナさん、ですから、いきなりこれはやめてくださいませ。」
などと何やらいってきているシルフィールに。
「ところで、リナさん?ここは?」
さすがに幾度も経験しているからか、だいぶ免疫ができているアメリア。
そして。
「ちょっと!?今のなに!?というか、どうして人間に空間移動なんかができるわけ!?」
何やら叫んでいるフレンズベルク。
ちなみに、ゼロスのやつは、なぜかあわてて精神世界において気を取り戻したその後に。
ゼラスのところに提示報告を兼ねて、
ベルナレスの中にあいつが封印されていた、という事実とかを報告にいっていたりするけど。
まあ、ゼロスはいてもいなくても関係ないし。
定時報告は一応、用がない限りあたしも許してるからねぇ。
ゼロスがいないほうが面白くなることもよくあることだしね♡
「あら、誰でもできるわよ。ここは中央街道南の道が、本来できる予定だった道筋より、
  ちょっと離れた場所にある山の中の洞窟の中よ。アメリア。
  何しろ、このレイナード王国って、面白いからねぇ。
  道を作って、そして国を作るのとか、道を新たに切り開くのが予算がないからって。
  場所かえたし。つまりは、街道になりそこねた道のそばにある洞窟よ。」
とりあえず、フレンズベルクとアメリアの質問にと答えておくあたし。
そんなあたしの言葉をうけ。
「って、んきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そんなあたしたちの会話を切り裂くように。
フレンズベルクの悲鳴が、洞窟の中にと響き渡る。
「というか、リナぁ。
  わざわざ、このガーディアンとかいう奴がひしめいているど真ん中に移動しただろ…」
ため息をつきつつも、剣を抜き放ち戦闘態勢にと入っているガウリイ。
あたしたちの周りにいるのは。
ちょぴっといびつな形をしている塔の中にいたガーディアンたちの姿と。
そして、塔の中では見ていないタイブのガーディアンなど。
その数、たったの数十ダースほど。
「あら?そうでもないわよ?ガウリイ。
  ここは、とりあえず、ベルナレスが研究で失敗した、
  または、実験で作り出した実験体のガーディアンたちが、
  たかが一万五百二十二体ほどいるだけだし。
  まあ、初期はとりあえず三万二千二百十二ほど失敗作がいたんだけど。
  ちょっとした年月の間に勝手に消滅していったり、滅んでいったりしてるから。
  今ではたったの一万ちょっとしかいないんだし♡」
「……ちょっとまて。」
何やら片手をつきだして、もう片方は頭を抱えて何やらつぶやいているゼルに。
「というか!?どうして、塔の周りにしかいないはずのこれがこんなところにいるのよ!?」
何やらわめいているフレンズベルク。
そんな彼女の言葉に。
「まあ、これをご存知なんですの?」
となぜか冷や汗をかきつつも問いかけているシルフィール。
まあ、リナさんが変わっておられるのですから、これくらい…
…というか何があっても不思議ではないですけど。
何やらそんなことをこのシルフィールは思ってるし…
「知ってるも何も!これって、生半可な術とかでは倒れないし!?」
何やら涙まじりに叫んでいるフレンズベルク。
まあ、塔の中で生活しようとして、それでもって。
塔に近づいて、アリシアにと忠告されて。
それでも塔の周りをうろうろしてたら、幾度かこれと合間見えたことがあるからねぇ。
彼女は。
それでもって、しばらく、ちょっとした怪我して、動けなくなってたりしたりしてたのは。
つい百年くらい前のことだし。
「まあ、大丈夫よ。これらほとんど失敗作だから。通常攻撃なんて全部通用しないから。
  まあ、通用するのは、精神世界面に直接的にダメージを与えることのみ。
  といっても、実験的に精神体が普通の精神世界よりちょこっと隔離されてたりするので。
  まずその壁を破壊してから攻撃しないと倒せないけど。
  ま、この程度赤ん坊でもできるってば♡というわけでがんばってね♡
  こいつらを倒さないとこの先には進めないし、かといって戻ることもできないわよ♡」
『リナさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん………』
「……おい、リナ……」
何やら涙声であたしの名前をいっているアメリアとシルフィールに。
そして、なぜか脂汗を流しつつもあたしをみてきているゼル。
「つまり、よくわからんが、とにかく、根性を出せばいい、ということだよな?」
などとのんびりといっているガウリイ。
そんなガウリイに。
「…というか!?どうして私までこんな場所に巻き込まれないといけないのよぉぉぉお!」
何やら叫んでいるフレンズベルク。
「あら♡せっかくなんだし、付き合いなさいよ♡
  けっこう、これら倒すのもストレス解消にはいいわよ♡
  あ、何なら、一体倒したら、それがもってる魔力。あなたにあげるけど?」
くすり。
何やらわめくフレンズベルクに簡単な提案をするあたし。
そんなあたしの言葉に。
「できもしないことをいわないでよ!」
何か抗議の声を上げてくるし。
「簡単よ。そんなことなんて、母なるの元の…混沌の力を使うまでもないことだし♡」
「……え?」
母なる元って…こ……こんとんって……(汗)
あたしの言葉になぜかしばし絶句しているフレンズベルクに。
「リナさん。ですから、その金色の魔王の力はあまり使ってはほしくないんですけど…」
ぴしっ。
そんなあたしの言葉をきいて、横からぼそり、といっているシルフィール。
その言葉になぜか固まっているフレンズベルク。
「あら、だから使うまでもないっていってるじゃないv
  他の存在の魔力とか、能力とかを他に移動することなんて、歩くより簡単よ。
  やろうとおもえば誰でもできるってば♡」
『でき(ません)(ないとおもうぞ)(ないとおもうなぁ)』
なぜか至極当たり前なあたしの言葉に、
即座に突っ込みをいれてきている、アメリア・ゼル・ガウリイ達
横ではなぜか完全にフレンズベルクが石化してたりするけども。
「ま、どうでもいい話はおいといて。さっ。これら倒して、先にすすみましょ♡」
あたしの言葉に。
「ああ!もう、やけです!」
「…ま、まあ、確かにこれ程度に苦戦しているようでは…何だしな。」
「すべての光を司り われらが暁の光の神よ 
  その暁よりもまぶしき力にてわれらにその汝の光をてらしたもう…」
横では、この前、ルナから教えてもらった神聖魔法を唱えているシルフィール。
さって。
しばらく、彼らと『ガーディアン試作体』との戦いぶりをみて楽しみますとしますかね♡

洞窟内部に、様々な呪文と剣が繰り出される音とが響き渡ってゆく。


一時後…

バタン!
「ど、どうにか、たどり着きましたね…」
なぜか扉をしめつつ、息をきらしながらそんなことをいっているアメリア。
「というか、あれはキリがないぞ…」
なぜかそんなことをいいつつもこちらもまた息を切らしているゼル。
「どうやらこの扉の中にはいないようですけど…でも、ここはいったい?」
とりあえず、ガーディアンもどきを倒しつつ。
洞窟の奥にと進んでいったあたしたち。
その先にとあった扉をくぐり。
そんな会話をしていたりする今現在。
ちなみに、この扉の先には、ガーディアンもどきの姿は見えなかったりするんだけど。
「お~、何かここ、本ばっかりだなぁ。」
などと、のんびりと周りを見渡してそんなことをいっていたりするガウリイ。
みれば。
周りにあるのは、ぎっしりと壁にそっと存在する本棚、数、数、数。
まあ、数的にはそれほどではないにしろ。
ちなみに、この奥にガーディアン製造プラントがあったんだけど。
塔を封印するときにあたり、そこはすでに破壊してたりするし。
ゆえに、ここにあるのは、様々な資料などをまとめた文献のみ。
「…誰です?」
そんな会話をしているさなか。
あたしたちのくぐった扉の中から、聞こえてくる女性の声。
『アリシア(さん)!?』
その声に聞き覚えのあるゼルたちが、後ろを振り向きつつも同時に叫んでいたりするけども。
「…あなた方…ついにここまできてしまったのですね…」
じっとあたしたちをみつめ、深くため息をついているアリシア。
「アリシア。聞きたいことがある。」
多少驚いたものの、いつもの殺気があいてにはないのを悟り。
一歩前に足を踏み出しつつも問いかけているゼルガディス。
そんな彼の言葉に淡く微笑み。
「…どうして、六つの塔がヘキサグラムの形をしていたか…ですか?」
その言葉に、はっとなっているシルフィールたち。
「わかりました。塔の封印がとかれた以上。もはや私に存在意味はありません。
  塔の封印をといたあなた方には、真実を知ってもらう権利があります。」
そういいつつ、すっとその手を前にとかざす。
と。
空中に浮かび上がる、この国、レイナードの全体地図。
「レイナード北部。南部。東部。西部山脈。ドルトハウト西部。アモルファス山。
  このレイナード王国には、この国のシンボルでもある、中心地帯にあるレグニア湖。
  それを取り囲むように六つの塔が、いつの時代からなのか立てられています。
  ですが…問題なのは、それではなく。」
その言葉とどうじに、今アリシアが言葉にした地点に光がともり。
それはゆっくりと光の線を空中の地図上にと浮かび上がらせてゆく。
「問題なのは、この六つの塔が巨大な……
  …国ひとつを取り囲むヘキサグラムを形成している、ということです。
  本来、ヘキサグラムはその場の均衡を整えるためのものですが、
  ですが、これだけ巨大なものになると、その特性は変わってきます…
  それに気づいた、オリジナル・アリシアの父でもあったベルナレスは。
  ヘキサグラムの中心地帯、と思われるレグニア湖を調査しました。
  ですが…そのときには、すでに湖は…
  ヘキサグラムの影響で、生物がすめない死の湖、と化していました。
  そして…それは確実に、この国全体を蝕んでいっていたんです。」
そういいつつ、瞳をつむり。
さらに言葉をつづけてゆく。
「ベルナレスは、塔を壊すことも考えましたが、これだけ巨大なヘキサグラムです。
  下手をすると、国どころか大陸ごと消滅させるエネルギーが発生するのは見えています。
  ゆえに、封印する、という方法を考え出し…
  ……そして、その研究に手をつけはじめたその刹那。」
「そこに現れたのが、国王を殺して成り代わったミクロスね。」
あたしの言葉に。
「ええ。その魔族もやはり気づいていたのでしょう。このヘキサグラムの存在に。
  ベルナレスは、そのことに気づき、国王を暗殺、つまり魔族を退治しようとしましたが。
  ですが、相手が国王の振りをしている魔とは気づかぬ重臣などの手により。
  反逆者として逆に追われる立場と成り果てました。
  ですが、この国をほうってはおけません。そして……逆にヘキサグラムを利用して、
  魔をヘキサグラムの中にと封じ込めることを計画したんです。
  封印することにより、ヘキサグラムの機能は防げますし、何よりも。
  魔にいいように国がされてしまうのが、ベルナレスは許せなかったんだと思います。
  そして…それは、実行されました。
  オリジナル・アリシアは、父であるベルナレスが共に、
  中心地帯であるレグニア湖の中の古代遺跡の広間にある、
  ヘキサグラムの心臓部でもある魔方陣の中に、魔と共に封印されたことをうけ、
  自らの体と魂をつかい、塔の封印を守ることを決めました。
  もともとは、アリシアと、そしてベルナレスが、同時にそれぞれの役目を行い。
  完全にとこのヘキサグラムを無効化させることが目的だったのですが。
  彼女一人ではどうすることもできずに。結果。
  とりあえず、塔を封印するだけに収まり…そして、時代は流れ。
  今、また、塔の封印が弱まっていたところに…
  …あなた方がすべての塔の封印をといてしましました。
  封印がとかれた今、今まで封印されていたがゆえに。
  ヘキサグラムの影響力は、より早く進行してゆくでしょう。
  再び塔を封印する力は私たちにはありません…これを……」
そういいつつ、すっと。
奥の部屋より、一冊の本を魔力の力にて浮かび上がらせ。
それをそのまま、シルフィールの手にと渡すアリシア。
「これに、オリジナル・アリシアとベルナレスの塔に関する研究がのっています。
  もはや私には時間はのこされてはいません…
  ……後は塔の封印をといたあなた方に託すしか方法は……」
そういいつつも、だんだんと姿が薄れてゆくアリシア。
「アリシアさん!?」
そんなアリシアをみて思わず叫んでいるアメリアに。
「規則は規則です。すべてを話してしまった今。そして塔の封印が解かれた以上。
  私はもはや存在理由がありません。……後は、たのみます…」
すぅぅぅぅ…
その言葉とともに、その場から完全にと掻き消えてゆくアリシア。
もともと、制約により、その姿を保っていただけのことはあり。
姿ごと、完全にと消滅しているこのアリシア。
といっても、分かれた心は、一箇所にと集まり。
深層意識から、父であるベルナレスを助けたい。
その一心から、あそこに集まって、元通りの魂にもどりかけてはいたりするけど。
まあ、別にそれはアメリアたちに説明することでもないし。
そして。
一冊の本をその場に残し、姿を消し始めてゆくアリシアと同時に。
がらっ!
あたしたちの今いる洞窟全体が瞬時に揺れ始め。
そして、がらがらと崩れ始めてゆく。
「ここは完全に消滅します。ヘキサグラムの資料とともに…
  これは誰もが知るべきではないことなのです…国を守るために…
  ……あなた方も早くここから脱出してください…」
消え行くアリシアの口から、あたしたちにと語られるその言葉。
「ちょっとまて!?」
何やらそんなアリシアに向かい叫んでいるゼルだけど。
「ちょっとぉぉぉお!そんなことより、早くしないと、生き埋めになっちゃうわよ!?」
何か叫んでいるフレンズベルク。
「あら♡出口は遠いんだし、ならば作るだけよ♡
  まあ、ここ。周りにオリハルコンが多量に含まれてるから、
  人間とかヴァンパイアの魔力程度では壊すことなどは情けないことにできないでしょうし。
  というわけで♪」
くすっ。
にっこり微笑み、手に軽く、一本のちょっとした淡い金色の光を放つ矢を出現させ。
そして、そのまま、それを天井にむかって解き放つ。
と。
ぽっしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!
なぜかあっさりと天井に穴があき、約一キロほどさきにと見える夜空の星星。
「さ♡ここから脱出しましょ♡」
なぜか目をばちくりさせているフレンズベルクと。
そして。
「…ま、まあ、リナさんですし、私たちの知らない術があってももう驚きませんけど。
  とにかく、ここを脱出して!すぐにでもヘキサグラムをどうにかしましょう!」
「まて、その前にロベルトさんは知っているのか?一応報告はしておいたほうが…」
何やらそんな会話をしているアメリアとゼル。
くすくすくす。
「とりあえず、ここから出ることが先決よ♡」

あたしの言葉に。
とりあえず、洞窟から出てゆくあたしたち。
あたしたちが出るのと同時に、洞窟は跡形もなく掻き消えてゆく。

「え、ええと、あ、私用事を思い出したわ。それじゃ…」
何かこの人にかかわってたら、もっととんでもないことに巻き込まれそう…
何かそんなことを思いつつも、瞬時にその姿をこうもりと変えて。
そのまま、ぱたぱたと飛び立ってゆくフレンズベルクの姿があったりするけど。
「まったく根性がないわねぇ。せっかくなんだから、アレが目覚めるまでまてばいいのに。」
「いや、普通無理だとおもうぞ~。」
飛んでゆくそれをみつつ、つぶやくあたしになぜか即座にいってきているガウリイ。
「とりあえず、今回、確かに塔の封印をといてしまったのは事実なんですし。
  依頼主であるという、ドルトハウトのロベルトさん、彼に説明して、それから。
  どうにかしてヘキサグラムの活動を停止させましょう。」
なぜか顔色の悪いシルフィール。
「ま、説明するまでもないんだけどね。
  それじゃ、一応はそういうことで、ドルトハウトにいきますか♡」
にっこりと。
なぜかいまだに顔色の悪いアメリア・ゼル・シルフィールを見渡し。
ガウリイはさすがに慣れているので別にのほほんとしているけど。
軽く再び指を鳴らすあたし。
次にあたしたちが出現したのは、ドルトハウトの魔道士協会の目の前。
さってと。
そろそろ彼らにも真実、教えても楽しいころかしら♡


                           -続くー

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あとがきもどき:
薫:あと二回くらいで完了・・・かな?
   次回で真実しって、んでもって、レグニア湖に突入ですねぇ。
   このレイナードの一件が終わったら。先に番外編で打ち込みしてるSとかと旅したり。
   といろいろあるんだけど、それはそれ。
   オリジナルからなんかは、スミレちゃんが加わるしねv
   まあ、何はともあれ、いくのですv
  ではでは。また次回にてv
2004年5月19日某日


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