エル様漫遊記


「しかし、塔の中にオーブと本がひとつ……か。」
とりあえず、夕食をかねて、ドルトハウトに戻るあたしたち。
塔に入ったときはちょうど昼時であったけど、すでに日は傾きかけ。
ちょうど夕飯を食べるのにはいい時間帯となっていたりする。
夕焼け色にあたりが染まる中、そんなことをつぶやいているゼル。
「あら、でもこの本、かなり興味を引かれるわよ。
  何しろ古代エルフ文字と神聖文字が両方使われてるし。ここの一文なんか…」
そんなことをいいつつ、それをみて、さらっといっているこのナーガ。
ま、一応このナーガ、このあたりの知識は博識だからねぇ。
「しかし、何だってゼル。あんな場所にいたんだ?」
いまさらながらにゼルガディスにと問いかけているガウリイに。
「ああ、何でも、あの塔を封印した人物が、合成獣の研究をしていた。
  という話を聞いたからな。何か手がかりでも。と思ってな。」
そんなことをいっていたりするけども。
「あら♡ゼル、あなたは、異界黙示録クレアバイブルの知識で、すでに元に戻る方法。知ってるでしょうに♡」
くすくすくす。
あたしの言葉に。
「…かなり珍しい植物とかが必要だがな。というかあんな代物。この時代まで残ってるのか?」
「何なら創りましょうか♡」
あたしの言葉に。
「いや、それは遠慮する。
  とりあえず、あれにて得た知識の代物も探しつつ。ほかの方法も探究する。
  何事もやりすぎる、ということはないからな。」
そんなことをいいつつも、なぜか即座に断ってきているし、このゼルガディスは。
「まあ、確かに。何事も追求する、というのはいいことですよ。ええ♡
  あ、でも、リナさんに関してはそれはやめてくださいね♡」
ぐしゃ!
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
にこやかに、何やら言いかけたゼロスだけど。
なぜかその場にて、地面の中にとのめりこんで、多少つぶれていたりするし。
それをみて、何でか無言になっているガウリイたち。
「あらあら♡何遊んでるのかしらね♡こいつは♡」
そんなゼロスをちらりとみて、くすくす笑うあたしに。
…というか、相変わらず、ゼロスのやつ、リナにいろいろされてるようだな…
なぜか冷や汗を流しつつもそんなことを思っているゼル。
そしてまた。
「う~ん、ゼロスのやつもこりないなぁ。」
などとのんきにいっているガウリイ。
「ま、とりあえず報告がてらにロベルトのところに戻って。それからつぎの塔に行きましょ♡」
あたしの言葉に。
「そういえば、リナ、塔の場所は知ってるのか?」
あたしにと問いかけてきているゼルガディス。
「あら♡そんなの、知ってるけど簡単にわかったら楽しくないでしょ♡
  こういうイベントは人の話をききつつも、それで移動してゆく、というのが楽しいのよ♡」
「……何で『イベント』になるんだ……」
あたしのもっともな意見に、なぜか額を押さえてうめくようにいっていたりするこのゼル。
「あら♡イベントじゃない♡とりあえず、とっとと戻りましょ。暗くなっても何だしね♡」
一言のうちにすませ。
とりあえず、ゼルを含めたあたしたちは、そのまま、再びドルトハウトにと向かってゆく。

「そういえば、リナ。
  お前ら依頼を受けて動いている、といってたな。その依頼主は誰なんだ?」
ドルトハウトの入り口。
ふと思い出してあたしにと聞いてきているゼル。
「あら、町はずれの教会のロベルトよ。」
あたしの言葉に。
「でも、よく塔を調べる、なんて地味な依頼。リナ、お前ら受けたな。」
ふっと軽く笑みを浮かべてそんなことをいっているゼルに。
「お~ほっほっほっ!だからいいんじゃないのよ!
  何しろ塔を六つ調べるだけで、金貨一万枚!
  こんなおいしい依頼はないわ!お~ほっほっほっほ!」
「い……いちまんまいだぁぁぁぁぁぁ!?」
さらりと暴露しているナーガの声に、面白いまでに叫んでいるゼル。
「まあ、彼は道楽で塔のことを調べてるからねぇ♡」
ま、嘘ではないし。
表向きはそうだしね。
あのロベルトは♡
あたしの言葉に。
「……道楽で一万枚・・・何考えてるんだ?その依頼主は…」
などとぶつぶつつぶやいているゼル。
「あら?何なら、ゼルもあってみる?そのロベルトに。
  どうせとりあえず、塔の中の様子を報告に戻るし♡」
あたしのその言葉に。
「いいのか?」
「あら♡別にかまわないわよ♡ついでに話も聞けばいいじゃないのよ♡」
くすくすくす。
「なら、頼む。」
あたしの言葉にそんなことをいってきているこのゼルガディス。
とりあえずしばらく時が満ちるまでは、ひっかきまわし…もとい、傍観しつつ楽しみますか♡
そんな会話をしつつも。
あたしたちは表通りを進み、その町外れにある、教会にと、足を進めてゆく。


「おや?リナさんじゃないですか?どうでしたか?」
教会に入ると、あたしたちに気づきあたしたちにと話しかけてきているのは。
先ほどまで、今回のツメの段階を計画してたりしていたりする、ロベルト当人。
まあ、彼はあたしがすべてを知っている、とまではいまだに気づいてなかったりするけど。
パタン。
読んでいた本を閉じつつも。
教会にと入っていったあたしたちにと話しかけてきているこのロベルト。
「とりあえず西の塔は調べてきました。あ、この男性はあたしたちの仲間でゼルガディスです。」
いいつつも、後ろにいるゼルガディスを視線でさしつつとりあえず紹介しておくあたし。
う~ん、何て親切なのかしら♡
そんなあたしの言葉に。
「…ゼルガディス…ああ、ひょっとして、あなた、白のゼルガディスさんですか?」
その言葉にふと思い出したようにつぶやいているロベルト。
そんな彼の言葉に。
「…どうして俺の通り名をしっている?あんた…何者だ?」
警戒しつつ問いかけているゼルガディスだし。
「あら♡ゼルの通り名なんて、誰でもしってるってば♡」
にこやかに答えるあたしに。
「まあ、白のゼルガディスさん、といえば有名ですからねぇ。
  これもでも一応は聖職者なので、いろいろと情報などは入ってくるんですよ。」
にっこり微笑み、さらりと交わしているし、このロベルトは。
「…まあ、深くは問いたださないが。あんたに聞きたいことがある。」
などと、話を切り出しているゼルガディスに対し。
「それはそうと、なぁリナ?オレ腹が減ったんだが?」
すべっ!
あ、面白い♪
ガウリイのさらりとしたその言葉に、
思わずロベルトの前にと歩み寄っていたゼルガディスが、そのまま机にとつっぷしてるし。
「……ま、まあ、時間も時間ですしね。そうですね。どうです?
  話は酒場で食事をしながらでも?あ、もちろん、おごらせてもらいますよ?」
にこやかに、あたしたちにいってきているロベルトの言葉に。
「お~ほっほっほっほっ!気がきくじゃない!
  おごられてあげようじゃないのよ!お~ほっほっほっほっほっ!」
などと高笑いしているナーガ。
「ま、まあ、それでは、ちょっとまっててくださいね。とりあえず、片付けなどもありますから。
  あ、魔道士教会前の酒場でまっていてもらえますか?すぐにいきますから。」
いいつつも、がたがたと、本などを片付けているこのロベルト。
まあ、一応、彼なりに、やれることはやってるんだけど。
その方法が、何とも面白いのよねぇ。
たかが、魔族とかと自らを合成したからって、この国全体を包み込んでいる、
あのヘキサグラムの魔力、扱えるほど、こいつ、魔力容量もない、というのにね♡
というか、それらすらもない、というのが情けないのよねぇ。
あの程度は、かるく扱える技量を持たないと…ね♪
「ま、そういうことなら。とりあえず、それじゃあたしたちは酒場でまってましょ。話はそこで。
  それでいいわね?ゼル?ナーガ?」
あたしの問いかけに。
「お~ほっほっほっ!これも人徳のなせる業ね!
  食事、ありがたくおごられてあげようじゃないのよ!お~ほっほっほっほっ!」
いまだに高笑いを続けているナーガに。
「…それじゃ、酒場でまっているとしよう。あ、リナ、その前に。
  ついでに、道具やとかで必要なものを購入しておいたほうがいいんじゃないのか?」
ふとそんなことをいってきているゼル。
「あら♡そんなの、作り出せばいいのよ♡教えたでしょ♡創り方♡
  ちょっとあたりにある空気の原子構造とかを変換して、
  粒子レベルあたりをちょっといじれば、大概のものはつくれるって♡」
あたしの言葉に。
「…いや、というか、それできるの、あんたくらいなものだとおもうぞ…」
なぜか冷や汗を流しつつぼつりとつぶやいてるゼルだし。
「…あ、あの?その、原子…とかいうのは、一体??」
あたしの説明をきき、首をかしげているロベルト。
「気にしないでください。というか、考えないでください。ロベルトさん。」
なぜかそんなロベルトに対して懇願していたりするゼロス。
「とにかく!リナ!早く酒場にいきましょう!
  あ、先に食べててもいいのよね?当然、あなたのおごりよね?」
などと問いかけるナーガの質問に。
「え、ええ、それはかまいませんけど……」
「いくわよ!リナ!お~ほっほっほっほ!お~ほっほっほっ!」
いいつつも、あたしの服をつかんで、そのまま出口にむかって走り出しているナーガの姿。
う~ん、楽しいわ♡
「ま、とりあえず。それじゃ、話はまた後でね♡」
簡単な会話を済ませ。
とりあえず、後から酒場で合流することを決め、教会を出てゆくあたしたち。
「お~ほっほっほっほ!お~ほっほっほっ!
  まっていなさいよ!私のご飯!お~ほっほっほっほ!」
あたりにナーガの高笑いの声が響き渡ってゆく。


「お~ほっほっほっ!おじさん、ジョッキのおかわりね!」
すでに、ここ、魔道士教会の前にと位置する酒場にきて。
ビールジョッキ、十二杯目のお代わりをしているこのナーガ。
がやがやがや。
あたりはちょうど夕飯時。
というのもあり、ちょっとした賑わいを見せていたりするけども。
「しかし、あんたらも物好きだねぇ。」
支払いは、後からくるロベルトがする、というのは話してあるし。
というか、さすがに小さな町のこと。
あたしたちがロベルトの表向きは道楽で調べているこの国の伝説。
それの調査にあたっている、というのはすでに情報は行き届いていたりする。
あたしたちに食事を運んできつつも。
そんなことをいっているのは、この酒場の主人。
「そうでもないですよ?というか、面白いし♡」
あたしの言葉に。
「お~ほっほっほっ。あんなガーディアンごとき。
  この白蛇のナーガ様の相手ではないわよ!お~ほっほっほっほっ!」
などと高笑いしているナーガ。
幾人かは、ナーガの高笑いに耐えられず、店を出ていたりするけど、それはそれ。
そんなあたしたちの姿をみつつも。
「まあ、ロベルトさんはいい人だよ。
  ただちょっと。何事にも熱中しすぎる、というのがあるけどね。
  何しろ、教会ですら自分のポケットマネーで維持しているような人だからねぇ。
  あ、そうそう、今日のお勧めは、この料理だよ。」
いいつつも、あたしたちにメニューの説明をしてきているこの男性。
「あら、いいわね。それじゃ、」
メニューにない品を注文し。
とりあえずはロベルトがくるまで待つことにしたあたしたち。
まあ、ナーガは一人でビールやワインを飲み干していたりするけど、関係ないし。
しばらく、どうしてここにきたのか。
などという経緯をゼルにと説明しつつもテーブルについているあたしたち。
と。
「あんたたち、魔道士だよね?ちょっと依頼をうけてもらえないか?」
あたしたちにと話しかけてくる男性一人。
「依頼?」
思わず問いかけているゼロスに。
「うん、実はね。僕はこの町で道具屋を営んでいるんだけど。
  この町の北に、ミルンハイムに抜ける裏街道があるんだけど。
  そこの森の中にラマン草が生えてるんだよ。
  それをとってきてもらえないかな?と思ってね。
  そうだねぇ。ラマン草の葉っぱ、一枚につき、金貨一枚。どうだろう?」
などとあたしたちに話しかけてきているこの男性。
「どうして自分である場所とかがわかっているのにとりにいかないんだ?」
ラマン草。
別に珍しい草、というわけでもなく。
大概は、清流が流れている場所ならばどこにでも生えている。
それがわかっているがゆえに、当然の質問をしているゼルに対し。
「いや、というか、その森に生えてるラマン草がいいんだよ。水の関係でね。
  でもどういうわけかここ最近、その森にレッサーデーモンが出る。という話で。
  自分でいくのも、どうか、というか、もし出会ったりでもしたら対処法なんかないし。」
何か根性のないことをいってるし、こいつは。
「レッサーデーモンが、こんな町の近くでか?」
その言葉に何やら顔をしかめているゼル。
「あら、当然よ。ま、いても不思議じゃないわよねぇ♡」
「ということは、野良デーモンでも住み着いてる、ということなのか?」
何か検討違いなことをいっているゼルに。
「というか、このあたりの空気に関係があるんじゃないのか?」
のほほんと、さらりと指摘しているガウリイ。
「が、ガウリイさん!?」
あ、面白い。
ゼロスが、今のガウリイの台詞にかなりびっくりしてるけど。
「いやぁ、だって今のこのあたりって。
  ヘル何とかってやつとか。シャブ何とかってやつとかのときとか。
  あとは、ダーク何とかってやつのときと。何か雰囲気が似てるぞ?」
まあ、似てる、といえば似てるわよねぇ♡
ふふ♡
「まあ、別にいいわよ。どうせ急がないんでしょう?それに通り道でもあるしね♡」
にっこりと笑い、返事をするあたしの言葉に。
「あ、ありがとうございます!それでは、できれば、十枚以上はほしいので…
  …時間は問いませんから。よろしくおねがいします。あ、私の店は、この町の…」
いいつつも、自分の店がどこにあるのか、あたしたちに教え。
そのまま、この場を立ち去っているこの男性。
それとちょうど入れ違いに。
「お待たせしました。リナさんたち。
  あ、すいません。マスター。いつものあれ、お願いしますね。」
入れ違いにと入ってくるロベルトの姿が。
「おや、もうはじめられていたのですね。
  あ、マスター、この人たちの支払いは私がしますから。どんどんと持ってきてくださいね♡」
あたしたちと同じテーブルにとつき、そんなことをいっているこのロベルト。
「さって、ロベルトもやってきたことだし。話を始めるとしますか♡」
とりあえず、メンバーもそろったことだし。
簡単な話し合いとでもいきますかね♡

何はともあれ、あたしたちは食事をしつつ簡単な話し合いをしてゆくことに。
今ここで、大本の一件、ばらしたら、面白いかしらねぇ♡
ふふ♡


                           -続くー

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あとがきもどき:
薫:とりあえずは、次回、ラマン草の森ですね
  うまくかけるかなぁ?何しろ生物の気配がまったくしない、ある意味、死の森(汗
  つうか、気づけよ・・・・・そこにすんでる国の人たち・・・・・・・・
  まあ、Sが作った結界、というかヘキサグラムの中に国を作った。
  というのがそもそもの間違いだよなぁ・・・・・うん・・・・・(汗
  おそらくは、レイ=マグナスの恩恵がうけれる、といったところなんだろうけどね・・・・
  別の意味の恩恵がありますってば・・・・・
  まあ、何はともあれ、ラマン草の探索中のデーモン退治と。お約束、盗賊さん。
  で、またまた登場、フランベルグ(笑
  ミルンハイムでフィリップにクロガネの剣、作ってもらうか。
  そーいや、ロイヤル2で、なぜかブラスト・ソードが手に入るのは・・なぜ?(笑
  まあ、偽者もどき、なんでしょうけどねぇ(爆!
  さてさて、このロイヤル2。いったい何話になるのかな?
  何はともあれ、それでは、また次回にてv
  んではでは♡
2004年5月4日某日


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