エル様漫遊記-プレミアム- ~魔族復活?~
『…食事中って…』
何やら起き上がりつつ、いまだに蛸語でそんなことをいっているゼル。
まあ、確かに。
いまだにナーガは食事中だしねぇ。
ふふ。
「お~ほっほっほっほっ!にょろどろな!お~ほっほっほっ!」
おかわりを持ってきて頂戴!
などといいつつ、高笑いしつつも、ジョッキ片手に。
食事に専念しているのは。
黒いマントにドクロのネックレス。
特徴的なのはとげつきのショルターガード。
というか、また道にまよって一人になって、でもって蛸達の話し完全に聞くまでもなく。
無理やり力づくでやってきて。
あれからずっと食事を続けていたりするこの女性。
いうまでもなく、あのフィルの長女であり、
しばらく前まであたしにくっついて旅をしていた、
ちなみにアメリアの姉でもあるけど。
それはそれ。
というか、ナーガにそんなに食事をかいがいしく出してたら、彼女は際限なく食べるわよ♪
何しろ、彼女、道に迷ってうろうろしていた間、ロクなもの食べてないからねぇ。
ふふふ♪
「くっ。蛸魔道士様の出番をまつもでもない。貴様らごときこの私が片付けてやる!」
何かそんなことをいってるけど。
こいつは。
そんなことをいいつつ、八本ある足の二つを高々と掲げ。
「いでよ!救世主蛸ぉぉ!」
などといいつつ、それらにむかって語りかける。
それと同時に。
四方の壁と、足元にある水面から、数匹の青と赤の蛸が出現する。
ちなみに大きさとすれば、ちょっとした人間よりふた周りほど大きいくらい。
「あ、あんたたち。あれも一応魔力もってるから。がんばってねv
でないと、あたし、この場でギガスレでも唱えちゃう♪」
ずざっ!
あ、面白い。
あたしの言葉になぜだか顔面蒼白になっているアメリア、ガウリイ、ゼルの三人の姿が。
「さって。まさか蛸語になってるから、呪文がつかえない。
なんて、あんたたち、情けないことをいうわけじゃないでしょ♪
そもそも、カオスワーズというか、
魔力の仕組み、わかってたらどんな言葉でもできるのはわかってるわ・よ・ねvv」
なぜか顔面蒼白になっているアメリアたちにと話しかけるあたしの言葉に。
『リナ(ぽろぉぉん)』
リナぁぁぁ。
リナさぁぁぁん。
などとなんかおびえたような声を出してきているアメリアたち。
そんな彼らの叫びと同時。
『うにゅらぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
などといいつつ、同時にあたしたちにと襲い掛かってくる出現した、たったの四匹の蛸達。
にゅるにゅる、と音を立てつつ、あたしたちにと向かってくるし。
「あ、ゴルvそんな程度のやつに負けたら、わかってるわよねぇv」
『??』
くすくすわらい、ガウリイが手にしているそれにむかってとりあえずいっておく。
そんなあたしの言葉に首をかしげているアメリアたち。
びくっ。
なぜかあたしの言葉に面白いまでに反応しているガウリイが手にしている剣だけど。
『お?何か勝手に自分からこれ、刃がすぽ抜けたぞ?ラッキー。』
手にしている剣の刃がガウリイが手をかけることもなくすっぽぬける。
向かい来る蛸達を相手に。
『と、とにかく、正義の心をもってして!』
などといいつつ、精神集中を施し、力をこぶしにとためているアメリア。
魔法、というものは。
つまりは、その身に眠る力を引き出すものと。
精神世界から、その力を借り受けるもの。
人間などが使っているカオスワーズというものは、それらを呼び出すキッカケに過ぎない。
その気になれば、そんなものはなくても、それらの力は簡単に利用できるのもまた事実。
ズリュ!
あたしたちのそんな会話の最中。
あたしたちにと向かってくるそれら蛸達。
「さってと焼き蛸が出来上がるわねvこれはv」
『……げげっ!?』
はじめの一陣の四匹とは別に。
さらに出現した蛸達が。
一番あたしがやっかいだと見て取り、一気にこのあたしに向かってくる。
それをみて、面白いまでに一気に顔色を変えているガウリイ、アメリア、ゼル。
「ってことで♪えいv」
パチンv
あたしを取り囲むようにと向かってきたそれらを交わすこともなく、くすくすと笑いながら。
軽く、指を顔の横で鳴らしておく。
それと同時。
ドゴガァァァァン!!!!
なぜか巻き起こる盛大な爆発音。
「何っ!?」
何かあわてて、結界を纏っている知恵蛸だし。
『うどわぁぁぁ!?』
しかも、なぜか叫んでいるガウリイたち。
ただ、ちょっと、この部屋全体が、炎につつまれているだけだというのに。
ちなみに温度的にはそんなに高くはないし。
部屋全体を橙色の炎が包み込んでいたりするけども。
その中で、ものの見事に姿焼きにとなっている蛸達が数匹。
さすが、人間。
生死が絡むと必死になるわねぇ。
ふふ。
蛸語でも、あわてて、結界を張っているアメリアとゼルだし。
ガウリイはといえば、手にしたゴルンノヴァを応用して、自分の周りに結界を張ってるし。
というか、ゴルが勝手に張った、というのもあるんだけど。
『…リナに襲い掛かるとは無謀な…』
そんなことをしみじみいっているゼルガディスに。
『正義をなせば何とかなるものです!』
などとガッツポーズを結界を張りつつそんなことをいっているアメリア。
「というか、この程度の炎で丸焼きにならないのよ。
まったく。根性がないわねぇ。最近の蛸はv」
あたしの至極当然なそんなつぶやきに。
『それはいつの時代でも無理だと思うぞ…』
なぜかそんな突込みを入れてきているゼルガディス。
「お、おのれぃぃい!だが、まだまだ!」
炎が消えたころを見計らい。
なぜかその顔に冷や汗を流しつつも、さらに次なる蛸達を呼び出している知恵蛸だし。
というか。
今、あの女魔道士…呪文も使わずに炎を出現させなかったか?
そんな当たり前のこと思ってるし。
こいつは。
「さって。ガウリイ、アメリア、ゼル。がんばってねvv」
あたしの言葉に。
なぜか。
― こ、これは、がんばらないと何か後が怖い(です)(な)
などとなぜか同時に同じことを思っている三人だし。
「はぁっ!」
掛け声ひとつ。
?何かいつもより、光の剣の調子がいいような気がするなぁ?
そんなことを思いつつ、剣を振り回しているガウリイ。
それとともに。
新たに出現した蛸達をきれいにみじん切りにしていたりするけども。
あたしたちの周りに、蛸足を回転させつつ、
まるで竹とんぼのようにと飛んでいる蛸達がいたりするけど。
『正義のためです!』
などといいつつ、それらにむかって。魔力を込めたこぶしを叩き込んでいるアメリアに。
『ちっ。きりがないぞ!!』
などといいつつも、剣に自力で
同じく切りかかっているゼル。
「ほらほら、あんたたち、がんばらないと。また、炎、炸裂させちゃうわよv」
あたしの言葉に。
『あのなぁぁぁぁ!!!!!』
『リナさぁぁぁぁぁぁん!』
なぜか抗議の声を上げている三人だし。
その間も、随時たまっているとある力。
やがて。
パチパチッ。
ピリパリ。
あたりに広がる魔力の帯。
『何ですか!?』
『何!?』
『これは!?』
いまだに蛸達をあいてにしていたアメリアたちが、
知恵蛸の後ろの壷より湧き出るその光を具間みて、そんな声を出していたりするけども。
「あらあらvどうやらあまりのんびりしてたから。ブラシオの封印が解けたみたいねぇv」
くすくす笑いつつ、説明するあたしのその言葉に。
『何ですってぇぇぇ!?』
『何だとぉぉぉぉ?!』
なぜか面白いまでに、ガウリイ・アメリア、ゼルガディス。
彼ら三人の声が重なっていたりするし。
う~ん。
楽しい♪
バチバチバチ!
復活に必要な力がたまり、壷の中より、あふれる魔力。
というか、自力でそれくらいの封印ときなさいってば。
まあ、ダルフィンも軽く封印かけてたからねぇ。
そこいらにいる、小動物に憑依しただけのレッサーデーモンたちですら。
簡単に解ける封印、というのにもかかわらず。
しばらくの間、その中で、ずっと蛸に当たった苦しんでいたこいつだし。
というか。
こいつも、ある意味、レッサーデーモンと代わり映えがないのよねぇ。
何しろ、こいつが地上にでたその当時。
地上をのし歩いていたとある生命を題材にあの姿を形成してるんだし。
ちなみに。
わざわざ、それの肉体を手にいれて。
という、面白いことをしていたりするし。
ある意味、半魔に近い、ともいえるしね。
このプラシオはvv
当時、なぜか、魔族の間で、肉体もつのがはやってたからねぇ…
部下Sたちは、違う星でちょっとばかり仕事してたから。
もっとも、こいつらのような下っ端は。
そんな上のことなんか知らないままに、行動していた、というのもあるんだけど。
それはそれ。
部屋の中に満ちてゆく、魔力を帯びた光の帯。
そして、壷の中にと完全にと封印されていた、精神体。
あまり壷の中にいたがために、壷の中で発酵し、光を放つようになってたりするんたけど。
こいつの精神は。
ちなみに、食べたら少しすっぱく、かといっておいしくはない。
まあ、好き好んでこいつなんかを食べようなどとは思わないけど。
それと同時に。
この封印の神殿の耐久性が、その力に耐え切れず、みしみしと音を立て始め。
辺りから崩れる前触れの音が響いてきていたりするけども。
『リナ(さん)!!!!』
さすがに、周りの柱や壁が、みしみしと音を立て始めたのをみて。
攻撃の手を休めることもなく、あたしにと言ってきているアメリアたち三人。
「あらあら♪ついに復活ね♪」
にこにこ笑いつついうそんなあたしの言葉に。
『そういう問題かぁぁぁ!?』
『うきゃぁ!?封印の神殿が崩れますぅぅ!?』
『お、何か出てくるやつ、食べられるのか?』
それぞれ、そんなことをいっていたりする、ゼル・アメリア・ガウリイ、この三人。
「あら、ガウリイ、あれは食べてもまずいわよ?」
『そうなのか?』
『そ~いう問題(ですか)(かぁぁぁ)!?』
あたしとガウリイの会話になぜかそんな突っ込みを入れてきているゼルとアメリア。
そんなあたしたちほのぼのと会話をしているそんな中。
バチバチバチ!!!!
壷からあふれる魔力を込めた光の帯。
それと同時に。
光が空にと突き抜けて行き。
同時に。
ドン!
『うどわぁぁぁぁぁあ!?』
なぜかそれによって生じた衝撃派に。
ものの見事につかまって。
頭上に見える外にと続く水面の鏡より。
空高く、舞い上がってゆくアメリアたちだし。
しかも、なぜか叫び声もあげてるし。
「あらあら、この程度の衝撃派につかまってどうするのよv」
くすくすくす。
そんな彼らの横を飛びつつも。
なぜか叫んでいる彼らにと話しかけるあたしの言葉に。
『リナさぁぁぁぁぁん!』
『というか、むちゃいうなぁぁぁあ!!』
なんか交互に叫んでるアメリアとゼルガディス。
そして。
『お~。やっぱり、何かでっかいトカゲみたいなやつがでできたぞ~。』
空を飛びつつも。
今まで自分たちがいた場所から出てくるそれをみて。
そんなことをいっているガウリイ。
う~ん。面白い♪
空を飛んでゆくあたしたちの下にとある海面から。
さらに突き抜けてくるとある力。
『うにゅぅぅぅぅぅぅう!?』
それによって生じた風にのり。
一人、飛ばされてゆくアメリアだったりするけども。
「アメリア!?」
何かゼルガディスは顔色を変えてそれをみて叫んでるし。
そんなあたしたちとは裏腹に。
今まであたしたちがいたあの場所では。
知恵蛸の背後にとあった茶色い壷の内部から。
いまだに光が満ち溢れ。
両面の壁や四方の壁、そして石柱。
それらを壊しつつ、その光というか精神体はやがて、だんだんと形を成してゆく。
「おおおお!いよいよ守護神様の復活だ!人間どもよ!滅びるがよい!」
知恵蛸の声が辺りにとこだまする。
それと同時に。
やがて、光が、形を成してゆき。
そのまま、その力の波は。
そこの神殿もろともに。
やがて、ひとつの固体をなし。
海底よりその姿を物質世界にと現してゆく。
それと同時に。
そこにあった神殿もろとも。
物質化したその肉体によって辺りが壊されていき。
それと同時に。
海面がゆっくりと盛り上がってゆく。
ヒュルルル…
なぜかいまだに自力で衝撃派によって吹き飛ばされ、吹き飛んでいる状態から。
持ち直せないゼルとガウリイ。
ちなみにアメリアは先に別な場所にと飛ばされていたりするけども。
ま、あの場所は小高い丘の上だから、問題はないけどね。
ズボシャ!
そのまま、ものの見事に。
砂浜に頭から突っ込んで着地しているガウリイとゼル。
あらあら。
ストン。
そんな二人の横にゆっくりと降り立つあたし。
くすくすくす。
「あのねぇ。あんたたち。あの程度は自力でどうにかしないとvどうにもなんないわよv」
ズボッ!
あたしの言葉をききつつも。
なぜか砂の中から頭を抜き出している二人だし。
しかも、お尻をふりつつ、頭を抜き様子がとってもプリティv
『あのなぁ…』
なぜかそんなことをいってくるガウリイに。
『アメリアは!?』
などといまだに顔色もわるいゼル。
「あら、アメリアなら、あそこに飛ばされていったわよv」
くすっ。
うろたえるゼルって結構面白いものがあるのよねぇ。
そんなことを思いつつ。
ルーマたちがいる場所を指差すあたし。
「テレスケホー!」
一生懸命、呪文を唱えているルーマと、教えているゼス。
「はい!」
そのゼスの言葉をうけ。
何度も、何度も呪文の練習をしているこのルーマ。
そして。
「真実の言葉よ、光となりて・・偽りの言葉を消し去り…」
ヒュルルル…
ドコッ!
ゴゲッ!
そのまま、空から飛んできたそれ。
ちなみに飛んできたのはアメリアなんだけど。
そのまま、アメリアはルーマにと直撃し。
そのままルーマは呪文を唱えつつも地面にと触れ付してゆく。
「偽りの言葉を消し去れ…むぎゅっ。」
呪文を唱えつつ、地面に倒れているルーマに。
さらにルーマにとぶつかり。
ルーマの家の裏手にと落ちていっているアメリアの姿がそこにあったりするけども。
面白いことに、飛んできたのがアメリアと気づかずに。
そのまま、呪文のことにしか頭のない二人だったりするし。
ルーマが倒れるその直後。
ルーマの術がゼスにと向かい。
今までは、体を包むこともなく、掻き消えていたその光が。
このたびはゼスの体を包み込むようにとほのかに全身にといきわたり。
『うん?何だ?』
ふと、海面が盛り上がっていることに気づき、そんな声を上げているガウリイ。
空にと広がる黒い渦。
それとともに、その下、つまりは元石柱のあった場所から。
海面が盛り上がり、空にと広がる黒い渦にとむかって。
やがて、黒い塊がゆっくりと海面下より姿を現してゆく。
盛り上がった海水は、逃れる場所を求め。
それは、当然のことながら、近くにあるこの町、アカッシにと向かい。
波もちょっとした高さとなり、こちらにむかって押し寄せてくる。
『うどわぁぁぁぁ!?』
何やら再び叫んでいるガウリイとゼル。
そしてまた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!やっぱり復活してます!というか!!!
何で、あの御方があんなところにいるんですかぁ!?
やっぱりすでに係わり合いになっておられますぅぅぅぅぅ!」
何か頭を抱えて、とある建物の屋上から。
それをみて叫んでいるこれまた黒い物体ひとつ。
さってと。
少しは楽しくなってきたわね♡
-続くー
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あとがきもどき:
薫:今日はお休みだった(いや、機能か?)
だったのに、まったく打ち込み進んでいない薫です。
さってと。ようやくゼロス君が気づきました。気の毒に(笑
まあ、彼の哀れさは今に始まったことではない。うん(こらこら!笑
ゼロスだからいーのさー(笑
さってと。ようやく次回で、魔族復活v
ちなみに、アメリアは。ドラマCDネタででてきますから。
しばらくでてきませんよー(こらこらこら!
何はともあれ、ではまた次回にてv
もう少しですね。このブレミアムもvv
んではではv
2004年3月18&19日某日
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