エル様漫遊記-プレミアム- ~白魔道士ルーマ~
「チューチュー!胸なしぃぃい!」
などといいつつ、頭を抱えているガウリイ。
「それはそうと、ガウリイちゃぁん?誰にいってるのかしら?」
当然のことながらあたしにはガウリイが言いたいことはわかるけど。
ここはやっぱりその場ののり。
「このあたしに対してそんな言葉遣い、というわけで、吹っ飛んでねv」
にっこりと、ガウリイにと微笑みかける。
「っ!?」
「というわけで、とんでこ~い!」
ドゴガァァン!
なぜか頭を抱えているガウリイをそのままに。
とりあえず、お約束にも吹き飛ばしておく。
「…あ、あのぉ?話…きいてます?」
そんなあたしたちをみて、ぽつりとつぶやいているルーマ。
「聞いてるわよ。それはそうと、ルーマ。今日、とめてくれるんでしょ?」
「…え?…あ、はい…」
あたしの言葉になぜか目を丸くしているルーマだし。
「…あの?私、今日はうちにお泊りください。ってまだってませんよね?」
目を丸くして、首を傾げつつあたしに聞いてくるけど。
「あら、雰囲気が物語ってたわよ。あたしたちを家にとめてくれるって。
ガウリイ、この町での宿代、浮いたわよv」
くるりと向き直り、ガウリイにと話しかけるが。
「…あ、あのぉ?今さきほどあなたがあの男性吹き飛ばしたのでは…」
いいつつ、なぜか瓦礫の下に落下して埋まっているガウリイを指差し。
そんなことをいっているルーマ。
「あら、気にしない、気にしない。」
なぜかあたしの横では。
空から落ちてきたガウリイが。
ピクピクと痙攣していたりするけど。
それはそれ。
とりあえず、なぜか崩れたあたしたちのいた場所を瞬時にと元通りにしておいて。
店の主人から、感謝料を微々たる金額ではあるがもらっておいて。
そんなこんなをしているうちにと、すでに空は暗くなり、
ルーマにつれられて、彼女の家にと向かうあたしたち。
「あ、そういえば、あなたたちの名前をまだお聞きしていませんでしたわね?」
ふと、いまだにあたしたちの名前を聞いていないことに気づき。
町から少し離れたルーマの家。
そこに向かう町の路地の中。
振り向きつつも聞いてくるルーマ。
すでに空は暗くなり、夜空に星が輝いている。
「リナよ。リナ=インバース。
で、あの程度の魔力蛸のウィルスに感染してるこっちが、ガウリイ=ガブリエフよ。」
「リナ、クリュダリュノピッチン。」
リナ…あの程度って…(汗)
あたしの言葉にそんなことを言葉にしているガウリイだけど。
その言葉はいまだに蛸語のまま。
あたしの言葉になぜかいじけているガウリイ。
「ええ!?あなたがあの『リナ=インバース』さんなんですか!?」
これは天のお導き!?
あたしの言葉を聞いて面白いまでに目を輝かせているルーマ。
「そうよ。」
「噂には聞いたことがあります!」
あたしの言葉に目をきらきらと輝かせ。
「どらまたぁ!」
などとそんなことをいっているルーマだけど。
…どうして『ドラマタ』、つまりドラゴンもまたいで通る。
という通り名でそこまでこの子、目を輝かせてるんだ?
そんなルーマをみてそんなことを思っているガウリイ。
「すばらしいですよね。ドラゴンも瞬く間に倒すほどに強いって。」
手をくみつつ、目をきらきらさせてそんなことをいってるけど。
「リナどらっきゅ。ルレルレロン。」
リナはどちらかというと、瞬く間、というか瞬間的だよな。
そんなことを思いつつ、何か言っているガウリイ。
ちなみに、ガウリイとしては。
― リナは絶対。それだけじゃないがな…。
そういっているつもりだったりするんだけど。
「ほぉぉぉう、どういう意味かしらねぇ?ん?」
「ルギュ!?」
うげっ!?
あたしの手の中に生まれた魔力の光をみて、なぜか冷や汗流しているガウリイ。
「お空の星の仲間になってきなさいねぇ~v」
チュドゴォン!
とりあえず、このあたしにたいして不可解な発言をしたガウリイは。
そのまま夜空に飛ばしておく。
「…あのぉ?いいんですか?」
「いいのよ。ガウリイだし。」
空高くに舞い飛んでゆくガウリイをみつつ、そんな会話を交わすあたしとルーマ。
「それはともかく。リナさん!」
このあたりの切り替え、さすが、あいつの弟子だけのことはあるけど。
「リナさんはこの町を救うために運命に導かれてやってきたんですよね!
そうですよね!絶対に!」
勝手に自分の中で結論付けて、あたしの手を握り締めつつ話しかけてくるルーマ。
ドガシャアン!
そんなあたしたちの横で何かが落ちてくる音がしていたりするけど。
関係ないし♡
「リナ、うにゃらほげっ!」
リナ、ひどいぞ!
あたしに抗議の声を上げてきているガウリイはとりあえずほうっておく。
「運命、というか、ここの名物の蛸目当てなんだけど。」
あと、ここで面白いことが起こるから。
ちょっとぱかりちょっかい…もとい、ひっきかまわしにここによったまでだし。
「タコ?」
いつものことながら抗議の声を上げてもあっさりと無視されるので。
何やらいまだにぶつぶついいつつも。
それでも、ここの名物『蛸』の言葉に反応し。
…そういえば、腹減ったな…
そんなことを思いつつ。
「リナ。」
とりあえず、リナにいってみるか。
どこかの食堂にでもよってくれるかもしれないし。
そんなことを思いつつ、あたしの名前を呼んでくるガウリイ。
でも、その前に…
「リナ、あいらぶゆ~?」
リナ、金は払えないぞ?とりあえず、今オレ、お金もってないし。
そのあたりはきちんといっとかないとなぁ。
そんなことを思っているガウリイだし。
そして。
「みぎゅ!?」
ん!?
自分のいった声を聞き、思わず口元を押さえているガウリイがとっても面白い。
というか、まさかタコ語のカネははらえないぞっていうことば!?
こういう言葉になるのかぁぁあ!?
面白いまでに狼狽しているガウリイの姿がそこにあったり。
う~ん、結構ガウリイのこの戸惑いの感情、おいしい…もとい、面白いわv
「?」
何かこのリナさん、タコ語…理解してるんじゃ?
ガウリイのそんな狼狽している様をみて、くすくすと笑っているあたしをみつつ。
首をかしげそんなことを思っているルーマだけど。
「あら、ルーマ、誰でもタコ語くらい、理解できるってv」
「――へ!?」
いえ、あの…私、何もいってないのに?!
…気のせいかしら?
そんなことを思いつつ、目を白黒させているルーマ。
あ、面白い。
あたしの指摘に面白いまでに驚いているし。
「ま、とりあえず、夜も遅くなるから急ぎましょv」
なぜか面白いまでに首をかしげるルーマと、
そしてまた、いまだに狼狽しているガウリイとともに。
すたすたと町から少し離れた小高い丘の上にとあるルーマの家にと向かってゆく。
「――あ、あのぉ?私…家がどこか…おしえましたっけ?」
迷わずに進んでゆくあたしにそんなことを聞いてくるルーマだけど。
「あら、ルーマの家って、あの丘の上でしょ?」
少し先に見えている小高い丘の上を指差すあたし。
「…え、ええまあ、そうですけど…」
きっと、町の人にでも聞いたのかしら?
自分の中の疑問をそれで納得させ。
「と、ともかく、家に戻ってから。
――ガウリイさん…といいましたよね?彼がかかった病気の詳しいことをお話します。」
???
首を傾げつつも、とりあえず、すべては家に戻ってからですわよね。
そんなことを思いつつ。
あたしたちを先導して先を進み始めてゆくルーマ。
う~ん、楽しくなってきてるわよねv
あたしたちがルーマの家にと向かっているそんな最中。
夜の浜辺で面白いまでに黒いマントに身を包んでいる三つの影。
「人間め。凶悪な魔道士を味方につけたか。」
報告をうけ、そんなことをいっているそれ。
ちなみに、こいつ、あたしたちと一度面識があったりするんだけど。
それはそれ。
「どうするつもりだ?知恵蛸よ?」
そんな彼にむかって。話しかけているのは。
ここの一帯のタコの種族の王。
ちなみに、地域によって、
タコもまた、人間のように集団というか国を作っていることは、なぜかあまり知られていない。
「王よ。ご心配なく。こちらに策がございます。」
話しかけてきた、彼らの王たるタコにと返事を返し。
それはそうとして、今話しているこの辺りのタコ一族の王。
はっきりいって、その王冠が似合っていない。
というか、王冠とマントをつけてないと【王】に見えないから。
という理由でつけているんだけど。
どちらかというと、つけていたほうがかなりわざとらしい。
当の、当蛸は気づいてないけど。
「まもなく、われらが守護神様もお目覚めになるでしょう。
守護神様の魔力にて人間語とタコ語を話せるようになったこの知恵蛸めにおまかせを。」
軽く敬礼し。
そして。
水晶の向こうに移っている仲間にむかい。
「お前たちは今までどおり、いやこれまで以上に…」
そんなことを支持しているこの知恵蛸。
そんな彼と反対側には。
仰々しく安置されている、ひとつのつぼが。
辺りに立ち並ぶ石柱の間に祭られていたりするけども。
さってと。
まだ、ゼロスには気づかれないようにちょっどはかり細工をしておきますかv
「おしえて、あなたの愛~♪・・・・・蛸くってバ~♪そんでもってぷー~♪」
とりあえず、ルーマの家にとたどり着き。
ひとまず、飲み物を出され。
くつろいでいるときにわざわざテラスに出て、歌い始めていたりするルーマ。
ちなみに、この歌。
面白いことにわらべ歌だったりするんだけど。
過去の出来事をわらべ歌にしたもの。
「あら、何それ?」
わかっているけど、とりあえず、ルーマにと質問するふりをするあたしのそんな言葉に。
「お気に召しましたか?これは、この町に伝わるわらべ歌の一つです。
この町はタコが名産、ということもあり。
いろいろとタコにまつわるいろいろなものがあるんですが。これはその中のひとつです。」
あたしの質問に丁寧に答えてくるルーマ。
「伝説の中に魔族によって力を得たタコを食べたものたちが、
魔の病気にかかってしまう、というものがありまして…」
とりあえず、歌で気を紛らわせ。
それから、詳しい内容を。
そんなことを思いつつ、今回の出来事を自分なりの考えを含め。
あたしたちにと説明してきているルーマ。
そのまま、しばらくルーマの説明を聞くとしますかねv
-続くー
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あとがきもどき:
薫:あはははは。ようやくルーマさん登場ですな。
というか、今回の内容というか騒ぎをルーマが説明する場所だ。
さって、この調子だと。このブレミアム…何話になるのかなぁ?
タダイマのチャプター、ルーマオンステージ(笑
何はともあれ、のんびりといくのですvんではではv
次回でゼロス君…登場にいっけるかな?んではv
2004年2月29日某日
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