エル様漫遊記
ミリアム=ユニット。
ユニットが彼らにと名乗っているその名前。
ゆえに。
アメリアたちなどは、ユニットのことをユニット、またはミリーと呼んでいたりする。
まあ、名前は確かにうそではないけどね…
一応彼女、初対面のとき、愛称が【スミレ】である、と名乗ってはいるんだけど……
「あなたが領主カドヴェル公ですね!あなたの悪事はすべて暴かれてます!
さあ、今こそ正義の裁きを受けるとこなのです!」
何がどうなっているのかまったくいまだに理解することなく。
ただただ、あたしたちをみて。
ついでに自分が今、兵士たちにすら隠していた地下室にといることにすら気づくこともなく。
いまだにわめき散らしている目の前にいるとある男性。
肩の辺りまで伸ばしているストレートの黒い髪。
見た目の年齢は二十歳そこそこ。
実際は三十を超えているのだけども、外見上はそうはたいていのものたちは捕らえない。
黒いマントをその身にと羽織り。瞳の色は藍色。
身長はそれほど高いわけでなく。
見た限り、どこにでもいる、何か人当たりのいい青年。
ユニットのとある行為により、瞬時に謁見室よりこの地下室にとやってきているこの男性。
そんなカドヴェルにびしっと指をつきつけて。
高らかに言い放っているのはいうまでもなくアメリア。
「いや、というか、問題はそこではないような気がするのは私の気のせいか?
本来はいきなりこの人間が出現したことに対して何かいうべきなのではないのか??」
そんなアメリアの言葉に。
ぽつりと。
表情ひとつかえないまま、そんなことをつぶやいているミルガズィアに。
「……いったいリナさんって……」
そしていまだにそんなことをつぶやいているメフィ。
そんな二人の言葉にまったく気にもとめず。
「さあ!観念して今すぐに、正義の心に目覚めるのです!
ほかにも何かたくらんでいるんではないでしょうね!?
悪はこの世にはびこる道理はなし!
あなたの悪事もこれまでと知りなさい!さあ、観念しなさい!」
「何だ!?何だ!?いったい、何だというんだ!?貴様らはいったい!?」
いいつつ。
そして、ようやく。
はたり。
少し後ろにと控えている兵士たちの姿にようやく気づき。
「何をしている!!?貴様ら!?こいつら侵入者だろうが!?」
何はともあれ。
あたしたち。
つまり不法侵入にとあたるあたしたちにと対して後ろにいる兵士達にと、
【とにかく捕らえろ】と命令を出していたりするこのカドヴェル。
だがしかし。
こいつはいまだに気づいていないようだけど
兵士全員が固まっている、というその事実に。
彼らの目の前にといるのは。
にこやかに、笑っていない笑みを浮かべているルナと。
…どうでもいいけど。
どうにかしないとこのあたしにお仕置きされる!
と思っているルナとそしてレイスだったり…
……ほぉう。
「あんたたち、そんなにお仕置きしてほしいわけ?」
にっこりと。
兵士たちの目の前にと立ちふさがっている二人にと話しかけるあたしの言葉に。
ずざっ!
なぜか瞬時に顔色を変えている二人だし…
「さあ!観念なさい!あなたの悪事はそこにいる兵士たちも。
すべてその目でみているのでもはや言い逃れはできません!
今こそすべての罪を悔い改めて、悪事をすべて暴露なさい!」
一人、自分の世界に浸りきり、いまだに口上を言い募っているアメリア。
「…まあ、いつものこととはいえ…それはそうと、リナ?どうする気なんだ?」
そんなアメリアの行動をみてため息をつきつつも、あたしに聞いてきているゼル。
くすっ。
「あら、きまってるじゃない。」
くすりと笑うあたしにと続き。
「さっき分離させたものたちをそのまま彼にむける、という手もありますけど?」
にこにこにこ。
にこにこ笑いつつもさらり、とそんなことをいっているユニット。
「?あれって何だ?」
そんなユニットの言葉に首をかしげてといかけているガウリイに対し。
「ああ。さっき分離させた存在たち…
つまりは、ケースに入ってた存在達にと融合されてた存在達のことですけど?」
にこやかに答えるユニットの言葉に。
「…いやな予感がするのは俺の気のせいだろうか?」
何やらぼそりと、そんなつぶやきをもらしているゼル。
そんなあたしたちの会話は何のその。
「何をしている!貴様ら!とっととこの侵入者たちをどうにかしないか!」
一人わめきつらしつつ。
立ち上がり、そばの壁をダン!とたたいているカドヴェル公。
そんな自分たちの上司の言葉に対し。
「というか、さっきのアレ…何だったんだ?」
「いや、それより、今この女性…スィーフィードナイトって……」
さきほど目にした異形のもの。
それもさることながら目の前にいる二人に対し、
どうすればいいのか対応がわからずに。
かといって。
ルナたちの気迫に押され動けないでいる兵士たち。
まったく、情けないったら。
「あら、ゼルガディスさん。そんなにたいしたことじゃないですよ?
ただ、仮にも魔ともあろうものが、こんな人間などにいいように扱われて、
そして、そこにいるシャブラニグドゥさんの雷が落ちるのが当たり前。
とわかってて何もしないわけにはいかないでしょうに?と私はいっているだけで♡」
にこやかに。
そんなゼルガディスの考えをよみ、説明しているユニットだったり。
「それか上司責任。ということで、しかも連帯責任、という手もあるわねぇ♡」
にっこりとにこやかに微笑みつつ、
兵士たちの前にと立ちふさがっているルナたちを見つめるあたしの言葉に。
なぜか。
ずざざざざっ!
面白いまでに後退し。
そして。
なぜか顔面蒼白となり。
「あなたたち、このままその人間にいいようにされたまま、というままにしませんよね?」
そのあたりの
ケースの中にといた数多の生き物より分離され気絶しているソレらに対し、
低い声で少しばかり声を震わせていっているS。
ぴくっ。
そんなSの声にと反応し、あたりの空気が面白いまでにと少しばかり振動する。
まあ、これでも一応はここの魔王を任せてるやつだし、こんな使いっぱしりでも。
「命を冒涜するやからに対して、そのままにしておく。というわけにはいかないでしょう?」
こちらはこちらで。
なぜか少しばかり体を震わせつつも、そのあたりにといる精霊にと話しかけているルナ。
まあ、カドヴェルがやっていた実験は。
魔との合成だけでなく、精霊とかとの融合も実験してたことだし。
その中には実体をもたない神族も少しばかりいたりするし。
やっぱりこれは、神魔、両サイドの責任問題よね♡当然♡
ルナたちの言葉にと反応するかのように、
瞬時にして、部屋全体の空気がまったく異なるものにと変化していたりするけど。
それはそれ。
「何だ!?この瘴気は!?」
いきなり、というか当然のことながら強くなった瘴気に対し、
何やら喚き声を上げているミルガズィアに。
「というか、何か精霊の気配も濃くなったぞ?」
のほほんと。
さらりと、的確なことをいっているガウリイ。
そんなガウリイに対し。
「というか、旦那はそんなことまで普通わかるか!?」
思わず目を丸くして問いを投げかけているゼル。
そして。
「さあ!観念なさい!あなたの悪事はすべて日の元にとさらされました!
あなたがすべきは罪を悔い改め、そして、その罪を償うことです!」
いまだに一人、自分の世界に浸りきっているアメリア。
ま、いいけどね。
別に。
そしてまた。
「何ですの!?いったいこれは!?」
何がどうなっているのかわからずに、何やらパニックになりかけているメフィ。
あたしたちが今いる、この地下室のとある部屋。
この部屋を中心として。
この場所そのものが、ちょっとぱかり精神世界面にと近くなり。
つまり、物質世界面でではなく、二次元的な面から精神世界。
つまりは
それゆえに。
あたりに漂っている、先ほどまで数多の生き物たちにと融合されていた、様々なモノ。
それらが一気にあたりにと姿を現していたりする。
まあ、あまり力のないモノたちばかりであるがゆえに。
自力で具現化などができない、というのと。
あとは。
少しばかり自らがいったい何をしようとしていたのか。
というのを、自覚させるためにとルナとレイスが同時に何やらしてるようだけど。
まあ、何もしなければしないで、当然、彼ら、そしてついでに。
同期であるほかの三つの世界の部下たちも同罪、ということで連帯責任だったんだけど。
人々の視界に映るのは、見たこともない風景。
そこは確かに地下室であるにもかかわらず。
常に周りに何かモヤのような、それでいて、何かただのモヤではなく。
生き物だ、とわかる、【それら】が無数にとあたりに漂っていたりする。
あるものは、
まるで光の触手のようなものをいくつももち、うねうねとうごめきながら兵士などの肩にのり。
そしてあるものなどは。
黒きモヤのような形をしつつも、そこに百程度の白くちょっとぱかり崩れかけたような目玉。
それらをその全身にと貼り付けていたり。
また、あるものは。
ちょっとぱかり腐乱したような匂いを放ちつつ、
どろりと、まるでどこかの世界の産業廃棄物のひとつのヘドロのように、
歩くたびにちょっとした濡れた音を響かせていたりする。
『うどぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!?』
なぜかそれを目の当たりにし。
思いっきり叫んでいる兵士たち。
そしてまた。
面白いことに、何がどうなっているのかまったく理解せずに。
その場にて腰を抜かしているカドヴェル公。
そして。
兵士たちなどの悲鳴を合図とし。
彼らが見ているそれらは。
一斉に、あたしたち以外。
つまりは。
あたしやユニットはともかくとして。
ルナ、Sことレイス、ミルガズィアにメフィ。
ゼルガディス・アメリア・ガウリイ。
あたしたち以外にそれらは一斉に襲い掛かっていたりするし。
まあ、襲っているように見えるようで、実際は少しばかり違うんだけどね。
事実は。
あるものは自分たちをもてあそんだ人間に対しての復讐などを考えてたり。
あるものは、人間に対してちょっとぱかり説教をしようとしていたり。
あるものは。
なぜかルナやレイス…つまりはスィーフィードやシャブラニグドゥが怖くて、
とにかく、生命をもてあそんでいたカドヴェルに対して何かしようとしていたり。
それらはとにかく一斉に、あたしたちをかるくかわしつつ、
そこにいるあたしたち以外の全員にと向かって言っていたりする。
そんな光景をみつつも。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
なぜか無言となり。
あたしをじっと見ているミルガズィア。
こんな光景をみてもまったく動じていないこのリナ殿はいったい……
……まさか、やはりアレに関係あるのか??
などとそんなことを思いつつ、冷や汗を流していたりするけども。
「…あ、あの?いったい本気でリナさんって何ものなんですの?」
その場にてなぜか硬直しているゼロスにと問いかけているメフィの言葉にたいし。
「すいません。追求しないでください。というか聞かないでください…
あ、それに、これは!ええ。確実に。
魔王様とスィーフィードさんの影響ですよ。ええ、間違いなく。」
なぜか懐からハンカチを取り出して。
流れ出ている汗をぬぐいつつもそんなことをいっているゼロス。
まあ、確かに嘘ではないけど。
「さすがです!リナさん!さあ!今こそ、悪は正義の裁きをうけるべきなのです!」
「…というか、この光景をみて何もおもわんのか…アメリア…貴様は…」
動じることもなく、今だに自分の世界に浸りきり。
そんなことをいっているアメリアに対して。
深くため息をつきつつもつぶやいているゼルガディス。
「何をいっるてんですか!?ゼルガディスさん!
正義の前にはどのような出来事も正当化されるのです!
さあ!観念しなさい!悪の根源!ロード・カドヴェル公!!!
あなたのたくらみはすべて天はお見通しです!」
「・・・・・・・・・・・・・」
そんなアメリアの即座の切り替えしの言葉に対し。
そのまま無言で頭を抱えているゼル。
「…おじ様…私たち、どうすればいいのでしようか?」
「……聞くな。メフィ…」
『うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!?』
なぜかしばし。
あたり全体にあたしたち以外の人間たちの叫びが響き渡っていたりするけど。
ま、自業自得よね♡
ついでに、ちょっぴし。
面白いのであたしも少しばかり干渉し
逃げ惑う人々に対してからかってみたりして♡
「……も、好きにしてくれ……」
なぜかぽ゛つり。
とそんなことをつぶやいているゼルがそこにいたりするけども。
「あら♡ゼル、楽しいんだからいいじゃない。」
「そうそう♡」
あたりにちよっとした力とそしてまた。
人のそれとは異なった存在たちがタムロしているそんな中。
にこやかに、そんなゼルガディスの言葉にと返事をしているあたしとユニット。
さってと。
すこぉぉぉしばかり、このままで遊ぶとしますかね。
う~ん。
少しはSたちも楽しいことをしてくれるわね♡
-続くー
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・地下室のこの部屋において
何が起こっているのかは・・・・・・・想像に難くないでしょう(滝汗・・
ちなみに、アメリアは、まったく動じてません。
・・・・・・・・・ま、今までにもこういったことは幾度か経験してるので(おひ)
一番気の毒なのは一体全体誰なのでしょうか?
・・・・・・・・・・・・案外、まったく無関係ともいえる兵士たちでしょうね(こらこら)
さてさて。次回。カドヴェル公、心神喪失&新たな出発ですね。
でもって話が一気に飛びますv
・・・・・さって、別れのシーンを詳しくかくか、さらりと書くか(こらこら)
それらが終われば、次は二部の話に突入なのですvんではではv
2004年7月23日某日
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