まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
のんびりまったりと。今回は遺跡に出発v
やっぱおやくそくのあのかわいいスライムさん三匹はいれないとねv
というわけで、いくのですv
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エル様漫遊記・完全無欠版スレイヤーズ! ~其の六~
「とりあえず、ご依頼された品物はこの中にと入っております」
兵士の一人が皮袋を手渡してくる。
なぜか、昨夜から今朝方にかけて。
町や、城全体がばたばたと騒がしかったりしたりしたけど。
そこはそれ。
次の日の昼近く。
あたし達は、魔物が住みついた。
という、この島の中心にある、山間の麓にある。
エルンゴージュの遺跡にと出発してゆくことにと決定し。
『兵士などをつけようか?』
という国王の言葉はとりあえず、
邪魔になるから。
という理由で断って。
あたしとナーガ、ユニット。
この三人にて一路、目指すは、エルンゴージュの遺跡と呼ばれている人里はなれた山間の麓。
「こんなものでいいかしら?」
パチパチパチ……
辺りの枯れ木を炭と化し、森の中で焚き火をしているあたし達。
「ふっ。でも、遺跡というからには。お宝も眠っているんでしょうね?」
ナーガが、国王から配給されているブランデーをごくごくと飲み干しつつ、いっているけど。
「まあ、あるんじゃない?話によると、あの遺跡。降魔戦争よりも前からあるらしいから」
ユニットが沸かしたお湯で、ホットココアを作りつつ。
コップをスプーンでかき混ぜつつ、ナーガの問いにと答えている。
バチバチバチ……
少し薄暗くなった森の中。
炎の灯りで、あたし達がほのかに暗闇に照らし出されている。
「ふっ。それは、期待できそうじゃない!お~ほっほっほっほっ!」
くびくびぐび。
高笑いしつつ。
一気にジョッキを飲み干してゆくナーガ。
ピキュ?
そんなナーガを不思議そうに茂みの奥から、のぞいている生き物三つ。
じっとナーガの方をみているので。
「ん?何か用?」
ずいっ。
顔を彼等の前にと突き出して話しかけているナーガ。
『ピキュュュ!』
ぽよん、よよんよん……
ナーガにいきなり顔を近づけられて。
あわてて、ぽよぽよと、はねつつ、飛びのいているのは。
ピンク、青、赤の、スライム三匹。
「ふっ。かわいくないわねぇ」
いいつつ。
再び、ブランデーの次の瓶を開けているナーガ。
「とりあえず、私、もう寝るわ。お休みぃ」
いいつつ。
パチンv
指を軽くならして。
その森の中の一角に、小さなベットを出現させているユニット。
「あら、それ便利な技ねぇ」
感心しているナーガ。
こんな術私も使えたら、犬小屋とかで寝る必要がなくなるんだけどね。
などと、思っているようだけど。
「それじゃ、あたしもそろそろ寝るわ」
いって。
地面の上に、ちょっとした細工を施して、軽いまでの簡易ベットを一瞬で作り出すあたしに。
「……リナちゃぁん、こんど、その呪文おしえて♡」
あたしに懇願してくるナーガだし。
「別に呪文じゃないから。これ」
いって、もそもそと布団にもぐりこむ。
「ぴみゅぴみゅぴみゅ」
ぽんぽんぽてむ。
交互に重なりあいつつ、それでいてダンスを踊っているスライム達。
「お~ほっほっほっ!そんな面白いものをみせられても。何もでないわよ!」
ナーガになついて。
ナーガに芸を見せているスライム三匹。
それをみて楽しんでいるナーガ。
やがて。
とりあえず、ナーガ用にと作り出している簡易ベットに。
スライムと一緒にナーガも横になってゆく。
チチ……
見渡せば、辺りは夜のはずなのに昼間。
「……何よ?ここ?」
ナーガが、つぶやく。
「ああ、ここ?ラウディの記憶の中というか。ついでだからナーガの夢v利用させてもらってるのよv」
ナーガが寝付いて、夢を見始めるのを確認し。
ナーガをアンテナとして、ラウディの語りをこちらで受けることにと決定し。
そんなこんなで。
今、あたし達がいるのは、ナーガの夢の中。
そんなあたし達の目の前で。
青い髪の少年とエルフの少女の、会話は幻のごとくに続いているけど。
「ほっほっほっ。さすがじゃの。人の夢の中にも自由に入り込めるのか?」
いって。
声とともに出現する、白いひげを伸ばし髪を伸ばしている老人一人。
「ちょっと、何よ?あなたは?」
ナーガの問いかけに。
「儂か?儂はラウディ。国王達にリナ殿たちを魔物退治に向かわせてくれ。と頼んだ賢者じゃ」
杖をつきつつ、答えているラウディ。
「ちょっと、これ、私の夢なのよね?
何で、人の夢の中に無断で入り込んでいるのよ?当然、入室料、払ってくれるでしょうね?」
あっさりと、夢の中だと見抜いているナーガ。
「ナーガvあたしにそれをいうんだったらv
あたしが今まで、あんたに立て替えているお金v耳をそろえて利子つけて戻してねv」
「……・い…いゃぁねぇ。リナ、私と貴方の仲じゃない。そんなことはいわないわよ」
いって一筋汗を流しているナーガの姿。
「……あ…あのお?こほん。話をしてもよろしいかのぉ?」
まったく無視されているので。
気まずそうにいっているラウディ。
「ふっ。人にものを頼むのには、それなりの報酬が必要なのよ?」
ナーガの言葉に。
「ふぅむ。報酬といえるかどうか……確か遺跡の奥には。
昔からの金銀が、今だに残っているはずじゃが……」
「ふっ。わかったわ。それで、話というのは?」
「・・・・・」
ラウディの言葉に。
すぐに話題を切り替えているナーガ。
しばし、その切り替えの早さに無言になっているラウディだし。
「お前さんにも夢に侵入を試みたんじゃが。なかなか、入り込めなくてのぉ。
これが初めてじゃがゆえに。意味が分からないじゃろうが……
ともあれ、早く、エルンゴージュの遺跡に向かうがいい。
そうすれば、おのずと。全てがわかろうて……」
声と同時に姿が掻き消え。
「でやぁぁぁ!!」
場面が代わり。
青い光の刃で。
レッサーデーモンをなぎ倒している、少年の姿があたし達の目の前で映像として繰り広げられてゆく。
「ち…ちょっと!あれ、光の剣じゃないのよ!」
ナーガがそれをみて手を伸ばすが。
夢の中の映像に過ぎないので、そのまま体を素通りしてゆく。
チチ……
小鳥のさえずりが、辺りにと広がってゆく。
「う……う~ん、よくねたぁ!」
「う~ん……父様…もう少し……」
ラウディの夢の後に、王宮での日常の夢をみているナーガ。
ユニットがおきあがり、かるく桶を取り出して顔などを洗っているけど。
あたしも、とりあえず、身支度を整えて、いまだスライム達と仲良く寝ているナーガをみつつ。
「ほらほら、ナーガ。いつまで寝てるのよ!」
いって。
布団を剥ぎ取りベットも無と化すが。
それでも起きないナーガ。
「まったく。
ドゴガァァン!
朝焼けの静かな森の中、目覚ましの爆発音が鳴り響く。
ガラガラガラ……
やがて。
緑も生えていない、岩肌の場所にとでてゆくあたし達。
なぜか。
少々こげたナーガが文句を言ってきたりもしたけれど。
それは完全に無視。
「どうやら、ここのようね」
ぴたり。
あたし達が足を止めたのは。
いかにも。
何か出ますよ。
といった雰囲気の遺跡の入り口。
というか。
こんな所を住みかにしているなんて、趣味がわるいわよねぇ。
周りには切り立った岩肌にむき出しの岩の数々。
島の中央に位置している、その山の麓。
といっても。
山自体が、ごつごつとした岩で覆われている山の様式なのだけど。
それゆえに。
この遺跡も、そんな山間の麓に作られているだけのことはあり。
その雨風の侵食でできた空洞を利用して、かつて作られた建物の名残。
かろうじて入り口がまだ崩れずに残っているのは。
こんな場所まで人が入り込むことがない、というのを案に指し示している。
まあその辺りが、多少最近壊れた様子に見て取れるのは。
先だっての討伐隊の戦いの名残でもあるのだが。
「とりあえず、先にすすみましょ」
「お~ほっほほっほっ!お宝、お宝ぁ!」
「あ、ナーガ。そんなに走ったらv」
ダダダ!
お宝を目当てに。
入り口にと走って入り。
しばし。
どがしゃ!
思いっきりこける音と。
ガラガガララ・・・・
ドオオオン・・・・
その振動にて。
ナーガの上にと瓦礫が落ちてゆく音が。
入り口の前でまだ遺跡にと足を踏み入れてない、あたしとユニットの耳にと届いてきていたりもするけど。
「ミュゥゥゥゥ……」
一匹はナーガ、一つはあたし、一つはユニット。
それぞれの肩にのって、ここまでついてきていたスライム達は遺跡から感じる気配に怯え。
体をぷるぷると震わせつつ肩から飛び降り、名残惜しそうに小さく鳴いてその場から立ち去ってゆく。
あたし達が、中に入ると。
「お~ほっほっほっ!これぞ、人徳の賜物ね!お~ほっほっほっ!」
瓦礫に埋まりつつも、無傷のナーガ。
「まるで瓦礫のほうがナーガさんをよけたみたいねぇ」
くすくすくす。
笑っているユニット。
まあ事実、避けたんだけどねv
ナーガの高笑いのその空気の振動で、ナーガの周りに空気の渦ができて。
それで、瓦礫を粉砕していたという事実があるのだけど。
ナーガ、気づいてなくて、人徳の一言で済ませているし。
楽しいv
「しかし、遺跡というものは。どうしてこうも、薄暗いのが当たり前なのかしら?」
いいつつ。
すたすたと歩いてゆくあたし達。
道の途中。
瓦礫などで道がふさがれたりしている瓦礫は。
そのまま形もなく、塵と化してゆき。
障害物などもなく。
やがて。
メインの通りである、遺跡の中の一本道にと、出てゆくあたし達。
ナーガのつぶやきと同時に。
ポ……ポポポポポ!
整地された通路の両方の壁に、一斉に奥にと誘うかのように灯りがともされてゆく。
「あら。どうやら歓迎されているみたいよ?リナ?」
それをみて。
くすくす笑っているユニット。
「みたいねぇ。トラップもしっかり装備されてるわねv」
視たところトラップに。
まず一番目がレッサーデーモンの三ダースの来襲部屋に。
次に、落とし穴に針の底板。
定番すぎる罠よね……
その次に、空間をねじっているループの部屋に落ちてくる天井。
いかにも、どこにでもあります。
といった罠の数々。
罠のうちにも入らないけど。
「ふっ。どうやら歓迎されているみたいね。でもまさか、そう、罠にと飛び込むほど甘くはないわよ」
さらり。
髪をかきあげて、床にと手をついているナーガ。
「リナ!最短距離で行くわよ!」
「あら、面白いのに罠で遊ばないの?」
くすりと笑うあたしに。
「冗談!早く、それよりお宝を拝みましょうよ!」
すでに頭の中はこの遺跡にあるという宝で占められているナーガ。
ここに住みついた、と聞かされた魔物のことなど完全に忘れているし。
「ま、いっか」
「そね」
とりあえず。
どうでもいい罠もどきは、うけないことにして。
最短距離で、遺跡の最深部を目指すことに決定し。
『
三人で、床にと手をつけて地精霊にと干渉し。
地下に、地下にと、穴を開けてゆくあたし達。
地下五階までこの術にて、一気に縦に穴を開けてそのまま飛び降りてゆく。
別に瞬間移動とかでも早いんだけど。
やっぱり遺跡やダンジョンは、こういった細かい作業をするのも楽しいしねv
遺跡の最下層のその奥に、頑丈な扉が一つ。
「どうやら、ここが最深部のようね」
ナーガが言って。
扉にと手をかけると。
ギギィ。
「ぎゃっはっはっはっ!」
ナーガが開けるよりも早く中から扉が開き。
ナーガの目前に顔を突き出してくる。
緑色の物体もどきというか、蛙の姿。
しかも緑色の体に、にごった色の斑点をつけ。
それでいて、二本しかない歯に頭に、茶色い髪の毛を縦にと生やし。
からかうようにと笑っている、一つの物体もどきの姿。
ギギィ……
扉をあけて部屋の中にはいると。
「ぎゃははっ!はっ!」
ピョンピョンピョン。
耳障りな笑い声を上げつつ、部屋の中を飛び回っているそれ。
「……ひょっとして、これが魔物?」
それをみて、怪訝な表情をしているナーガ。
「そうみたいね。ジュリアーノが言ってたあの御方というのも、こいつのことみたいね」
コイツ程度をそんなふうに呼ぶ必要、人間にもないと思うけどねぇ。
本当に。
「……とても、そうは見えないけど」
ずいっ。
それの前に顔を突き出して。
「ちよっと!それより、お宝は、どうしたのよ!」
ナーガが顔をその蛙の前にともっていき問い詰めると。
「ン」
それが視線を横に向けると。
バタバタバタタ!
部屋の四方にある扉が開いてゆく。
そこにあるのは。
何を考えてるのか、この島名物となっているお土産グッズの数々や。
後は。
操るために必要なくらげの作成ケースなど。
変なところでマメよね。
こいつは。
魔族がコントロールアイテム等といった、魔道を利用して作り出してどうするのよ♡
お土産ものに混じって間違えのない、その輝きは、宝石や金銀財宝の数々。
「お…お宝ぁ……」
ふらふらふら。
それに引かれて、ふらふらと近寄っているナーガ。
そんなナーガをみつつ。
「きゃははははは!はははははは!」
ぴょぉぉん、ぴょぉぉん、びょぉぉぉん。
面白がって、部屋の中を飛び跳ね回る蛙もどき。
「ふっ。五月蝿いわよ!」
カッ!
ナーガが。
とりあえず、耳障りだという理由で、腰に挿していた短剣を抜きつつ。
「
言って。
蛙もどきの影を縛って行く。
この術。
アストラル・サイドから相手の影を使って、相手の動きを封じる技、なんだけど。
こいつにそれが通用するわけないじゃないv
「はい、少しだまってなさいね。さぁて、おーほっほほっ!このお宝、全て私のものよぉ!」
目を輝かせて、言っているナーガだし。
そんなナーガをみつつ。
にやり。
蛙もどきはにやりと笑い。
フワ……
カラン……
空中に浮かび上がり。
それと同時に。
カララン……
音とともに、ナーガが縛った影にさしてある剣も床にと落ちてゆく。
「あらあら、ナーガさん。いくらどうってことない実力を持ってない魔族だといっても。
そんなナーガにと、にっこりと微笑むユニット。
「……な゛!?これ…魔族!?」
その言葉に、なぜか多少驚いているナーガ。
「これとは何だ!これとは!」
なぜかその言葉にむっときて、怒鳴り返している蛙もどき。
「この俺様はジョイロックっていう立派な名前があるんだよ!
人間ごときに、【これ】よばわりされる筋合いはないってものだ!」
いって。
ぎろりとナーガを睨み。
「それより、楽しませてくれそうじゃないかい?え?リナ=インバースさんよ?」
いって。
あたしの方を向いてくる蛙もどきの物体こと、ジョイロック。
「まあ、身から出た錆。というわけで、観念してもらうけどねぇ」
魔族の本質からも、かけ離れている行動をとっているし。
こいつは♡
ま、それはそれでいいとしても。
このあたしに対して、喧嘩を吹っかけてきた事実は!
当然、多少のお仕置き程度では、済まさないからね♡
あたしの言葉に。
「へ。貴様ら人間に何ができる?」
小さな蛙の姿のまま、言っているそれに。
「ふっ。なめてもらっては困るわ!
「……な゛!?」
ナーガの突如と放った呪文に、あわてて精神世界の中にと逃げ込んでいるし。
な…情けない!
『ぼ……・防御くらいしなさい!』
その、あまりの退却のよさに思わず叫ぶあたしとユニット。
まったく、情けないったら……
「あ…あぶねぇ、あぶねぇ。」
いって、次の空間から出てきたそれに。
すかさず。
「
ナーガの呪文が、ジョイロックを捕らえるが。
「お~ほっほっほっ!油断大敵なのよ!!お~ほっほっほっ!!!」
氷付けになっているジョイロックをみて高笑いをあげているナーガ。
「……さぁて、それはどうかな?」
一瞬にして、氷から逃れているジョイロック。
「……ナーガ。あんたねぇ。あれでも一応、力がなくても。いくら、最下級でも。
くさっても純魔族のあいつに精霊魔法が通用するとでも?」
あたしの、しごく的を得ている説明の言葉に
「だ…誰が最下級だぁ!人間のくせに俺を侮辱するとは!その償い血であがなってもらおう!」
叫んでいるジョイロック。
「……それ、どっちかというと、エルの台詞……v」
小さく、つぶやいているユニット。
そんなこんなで。
遺跡の奥の最深部にて。
何でも、これでも、Sをかたどっているという邪心像を視界の端に。
あたし達とジョイロッグの戦いは、今、始まりを告げてゆく。
-続くー
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あとがきもどき:
・・・・・・・・むちゃくちゃに眠いです・・・・。
・・・・ということで、短いです(こらこら・・・)
・・・・・やっぱ、事務&店番&仕入れ・・・一気にやったら・・疲れるな・・・・。
というわけで・・・・おやすみなさい・・・・・・・。
明日は・・・・余力があったら・・・。
まともに戦闘シーン・・・・。
いくのです・・・・・。
多分ラウディとの合流・・のはず(こらこら)
んでは・・・・・。
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