まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。



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過去と現在、未来が交錯するその場所は、その島そのものが時空の狭間に漂っている。
そして、それは島の意思によりそうなっている何よりの証拠。
そして……
……一年前……
「へっ。なぜかあの時からここ誰も侵入したことがなかったようだが!
  まったく代わりがねえじゃねえかよ!また楽しませてもらうぜ!」
緑色の物体をしたそれは島の中ほどにある、山のふもとの遺跡にとその身をおいてゆく。
この島は。
かつての、降魔戦争のときに海王群の拠点となり、
それゆえに魔力を拡大する魔法陣や魔をたたえる神殿がここ、
エルンゴージュの遺跡。
と呼ばれている場所だけ。
今現在も残っている状況……

再び進入された島と。
そして……

「……のお、メリルーン?あれは、あってはならない過去なのじゃ……
  儂は……過去を変えるつもりじゃ……見守っていてくれ?……な?」
長い、いく千、いく万の昼と夜を経験し。
死ぬこともできず。
ただ。
愛するものの魂と共に島とともに生きてきた彼は。
再びのジョイロックの襲撃とともにその覚悟を決めてゆく。
「長き、時を生きていると……多少のさきみはできるからな……」
本来あるべき姿。
そして。
「……母なる存在よ、この老いぼれの全てをささげましょう。何とぞ……この島に安らぎを……」
空に向かって、祈りを捧げてゆく。

エル様漫遊記 ~完全無欠版スレイヤーズ!~其の四~

ぱさり。
「ちょ……リナ!?あんた!?」
なぜか、ナーガが目を見開く。
「何よ?」
大浴場のその脱衣所。
それぞれに個室が設けられ。
脱衣所は、一応、男女が別々となり。
といっても。
このホテル・ジュエリィ・フィッシュの目玉である大浴場は、男女混浴。
それゆえに。
温泉の効能などが布をつけていると効果が薄れるが。
女性や男性は、水着をつけるのが一般的。
中には、チャレンジャーで何もつけずに入る存在もいたりするけど。
シュルル。
パサリ。
ユニットもまた個室にと入り。
ルンルンルン♪
かるく歌などを歌いつつ、水着にと着替えているまっ最中。
あたしはといえば。
着がえ終え、
ついでに荷物は手にブレスレットを出現させてそのブレスレットの中の水晶にと入れておく。
どうやらユニットも同じようにして、荷物の安全を確保しているようだけど。
そんなこんなで。
水着に着替えて個室から出たあたしをなぜかナーガが驚いて、しばし見つめてくるし。
水着の上にと纏っていたバスタオルを外すと、ナーガがしばしあたしの全身をじっと見つめてくる。
ちなみに。
あたしの姿はといえば、白いビキニ♪
ついでにいえば、スタイルなどもナーガよりもかなりいい。
当然だけど。
ユニットの方はといえば十歳の姿だというのに、きっちりと胸などもかなりあるので。
これまたビキニを着込んでいるものの。
その、胸元には赤いリボン。
そして、腰にはスカート形式の水着の一部。
ついでにいうと。
色は薄いピンクで、それがユニットの愛らしさをさらに引き立てている。
あたしとユニットが並ぶと。
なぜか。
しばし周りの視線が、あたし達にと釘付けになってゆく。
水着で覆われてない場所は透き通るほどに抜けている白い肌。
長い栗色の髪がその胸元などを覆い。
ユニットはといえば。
頭のリボンを温泉に入るのでとりあえず外して。
その、腰よりも長い髪をさらりと伸ばしている。
その胸元には。
いつもの、というか、ナーガは初めて見るはずだけど。
不可思議に輝く色をした、一つの石をその中心にと細工がされているネックレス。
『おおおおお!?』
はっきりいって、このあたしとユニットだけでも目立つのに。
それでいて、ナーガもまた。
トップで留め置く、ビキニタイプを着込んでいる。
つまりは、肩紐がない状態の水着。
周りのどよめきが、あたし達にと釘付けとなってゆく。
「リナ……あんた、スタイルよかったのね……今さらだけど……」
しみじみいっているナーガ。
……平原胸っていつもいってるけど、歳の割には、リナ……あるのよね。
かなりスタイルいいし。
というか。
この、スミレちゃんも、まだどう見ても十歳くらいなのに、結構スタイルいいし。
などと思っているナーガだけど。
「だから。いつも言ってるじゃない。
  旅をするのに、いろいろと邪魔だから。いつもはコルセットで抑えているってv」
「まあ、それはそうなんだけど……」
口ごもるナーガ。
「そんなことより早く温泉に入りましょ
にっこりと。
片手にバスタオルを持ちユニットが言ってくる。
その、艶やかな長い黒い髪が白い肌にとかかり、歳格好に似合わずに魅力を引き立てていたりする。
まあ、それをいうならあたしもだけど。
まあ、あたしもユニットも、気配や魅力というか気配は完全に人のそれにしているから。
気後れする人間などは、あまりいないけど。
とはいえ。
なぜか、多少、勘のいい人間などは、あたし達に対して気後れを多少していたりするけど。
まあ、それはそれ。

「ふっ。それもそうね!お~ほっほっほ!夢にまでみた温泉よ!お~ほっほっほっ!」
とりあえず、あたし達のスタイルには、それ以上突っ込まずに。
高笑いしつつ。
部屋の先にある、大浴場の入り口に向かってシャカシャカと手を振りながら走ってゆくナーガの姿。
そして、
バッシャァァン!
「う~ん、これこれ。この肌触り……って……ん?」
お湯に浸かり、肌触りの感触ですぐさまに見抜いているナーガ。
「……この匂い……肌触り……そして……この味は……」
温泉の水をひとなめ手に掬いつつそんなことをいってるし。
ま、ナーガはわかるわよね。
ふふv

ざわっ!
なぜか、あたしとユニットが、浴場にと入ってゆくと。
そこにいた全員の視線が釘付けになってゆく。
「ほう。これは、まるで絵のような美少女たちですなぁ」
「目の保養とはこのことですな。」
「いやはや。二人とも歳のわりに、スタイルもよくて」
「まあ、かわいい女の子と少女だこと」
「綺麗ねぇ。うらやましいわ」
などと。
すでに温泉にとつかっていた人々が。
一斉に、しばらくあたし達に見とれたあと、口々にそんなことをつぶやいていたりするし。
この姿。
つまり、栗色の髪に紅の瞳のリナの姿で。
この反応なら。
あたしがよくとっている絶世の美女の形態。
凄烈までな金の髪に金色の瞳、それをみたらどう反応するのかしらね
まあ、大概。
あたしの姿を見た場合。
言葉もなく、ぼ~と見とれているのが今までの普通なんだけど。
とりあえず。
不満足の感情を撒き散らしながら、ぶくぶくと温泉のお湯にと浸かっているナーガ。
パシャ。
そんなナーガを無視して。
あたし達も、バスタオルを片手に温泉にとつかってゆく。

「はぁい、温泉シスターズでぇす!」
「シャンプーでぇすv」
「ヘチマでぇすv」
「リンスでぇすv」
それぞれに、いいつつ。
ぴょん。
と、出で来たのは三人の女性。
それぞれの名前はというと。
髪がはねている女性がヘチマ。
長い髪の女性がシャンプー。
短く髪をまとめている女性がリンス。
ヘチマは、茶色い髪に緑のビキニタイプを着込み。
その下の方の水着のその横に、フリルのレースが施されている。
リンスは、青い髪に、そしてくすみが深い赤い水着。
こちらは、ワンピースタイプ。
そして、黄色い髪を長く伸ばしている、シャンプーと名乗った女性は。
スパッツタイプのワンピース形式のピンクの水着を着込み。
特質すべきは、その胸のところが谷間をはさんで、紐でつながれている。
というような状態の水着をそれぞれにと着込んでいる。
「当日は、このホテル・ジュエリィ・フィッシュの目玉であるミプロス島名物、温泉にようこそ!」
「それでは、この温泉の説明をいたしまぁす!」
「まず、この温泉の効能は打ち身に火傷に切り傷、万能の元!温泉に浸かるだけで肌はつるつる!」
「別名、美人の湯とももうしまぁす!」
「なぜ、そのように効果がいろいろあるかといえば」
「絶妙なバランスで、温泉の成分が取れているからでぇす!」
ポーズをつけつつ。
温泉に浸かっている客たちにと説明を開始しているこの三人。
『おおっ!』
その説明を聞いて、うんうんうなづいているほかの客達。
まあ、嘘はいってはないわねぇ。
ある意味。
三人が、なぜか、おき楽に温泉の成分の説明をしていると。
ぷくぷくぷく……
それを湯にと顔までつけ。
泳いで、彼女達の近くまでいって、それを聞いていたナーガ。
ザバァ!
「お~ほっほっほっほっ!絶妙なバランスとは良くぞいったものね!語るに落ちるとはこのことね!」
高笑いしつつお湯の中から立ち上がる。
『どきっ!』
三人が三人ともどきりとして、一箇所にと固まってゆく。
「ふっ。いいこと?この温泉は天然の温泉とは呼べなくてよ!」
びしっと指を指したナーガの指摘に。
どきどきどき!
さらに、どきりとしている三人。
「まずこの鼻につくような、かすかに香るこの香りは……
  これは、確か、北のトランバーニャ地方の、北国の湯の素」
いって。
手のひらに、お湯を巣くって香りをかぐナーガ。
どきどきどき!
さらに、その言葉に反応している温泉シスターズの三人娘。
「そして。この肌にまとわりつくこの感じは。ミランダ地方の、飲んでおいしい薬湯ミランダの素。
  それらを六対四でブレンドして、ミックスしてある。どう?違うかしら?」
ナーガの指摘に。
ふにやぁ……
その場にへたり込んでゆく三人娘。
「よっ!姉ちゃん!すごいぞ!」
「よ!温泉博士!」
ぱちぱちぱち!
周りから、ナーガのその指摘に、歓声が巻き起こる。
「ふっ。たとえ素人は、騙せても。このナーガ様の肌は騙せないわ!」
いって。
パン!
と軽く自分の腕を叩き。
軽く手を上げて、温泉に入っているほかの客にと返事を返すナーガの姿。
そんな、ナーガに歓声が飛んでゆく。
「まあ、確かに。普通のお湯に素を入れているだけだもんねぇ。これ」
ぱしゃり。
手で軽く温泉の水面をなでるユニット。
「まあね」
足を軽くつけているあたし。
パシャパシャとしつつ。
ナーガの方を見ていたりする。
ぷくぷくぷく……
ザバァァ!!
そんな、ナーガの目の前の水面がぶくぶくとあわ立ち。
それとともに。
ざばりと水面から出てくる一人の人影。
……ど~でもいいけど……その胸とへその星マーク・・やめてほしいんだけど……
温泉なのに、シルクハットをかぶっているのは、まだよしとしても。
ビキニタイプの黒い水着。
しかも、ハイレグ……
それでいて。
がりがりにとやせて、肋骨が皮の上からも見えていたりするし。
何を考えているのか。
胸のポチポチと。
へそに、星マークのシールを貼り付けて。
上半身裸のその上に、温泉の中なのにマントを羽織り。
首のところで、リボンでそのマントを止めていたりする。
ナーガの目と鼻の先にと、ずいっと顔を寄せ。
はっきりいって普通なら、すぐに引きたくなるのが普通だけど。
ナーガは驚きもせずに。
「ずいぶんと、こった出現のしかたね」
腰に手をあてて、目と鼻の先の男性にと言い放っていたりする。
まず、この二人でなく。
美男、美女なら周りから、キスしろ!
などの野次が飛ぶのが当然の距離であるが。
「お褒めに預かりまして光栄です。私は、当ホテルの支配人、ジュリアーノ=ディビビエと申します。
  私どもは、お客さまに夢と満足をお届けするのが。役目でありまして」
いって。
手を胸にあて、軽く会釈をするジュリアーノ。
「それより、この始末、どう付けてくれるのかしら?」
ナーガの問いかけに。
「温泉が偽者でも。お客様に満足頂いていただけましたら。それでいいかと」
その言葉に。
「あら、私は満足してないわよ」
「一人のお客様の不満足より、大勢の満足。分かっていただけますでしょうか?」
「ふっ。それなら、このあたしの不満足分。戻してくれるんでしょうね?」
「そういわれましても。お客様のチケットは。ディスカウント。しかも、それをお使いにはならずに。
  そこのお連れの方に便乗してということですので。お支払いは貴女にはする義務はないですし」
「ふっ。ずいぶんとせこいのね。」
「いえいえ。お客様ほどでも。他人のチケット……まあ、そのチケットがチケットだけに。
  それはそれでいいですが。他人が払った金額を自分に戻せなどとは」
どうでもいいけど。
目と鼻の先で、顔をくっつけつつの会話はやめなさい。
ナーガも、ジュリアーノも……
「まあ、終わりそうにないけど?どうする?」
ユニットの問いかけに。
「そうねぇ」
いって、温泉から足をのけ温泉から出ようとするあたし。
すると。
「おや、お楽しみはこれから。で、ございますよ?リナ=インバース様?」
いって。
あたしを呼び止めるジュリアーノ。
「あらvそれじゃ、不満足分は。その体で払ってもらうvというわけでv」
にっこり。
ユニットがにっこりと笑い。
「そういうことね。それじゃv軽く。火炎球ファイアーボール♪」
バシュ!
本当に軽くやっただけなのに。
なぜか。
結界を張っていたジュリアーノに直撃している炎。
「一番!ミリアム=ユニット!いっきます!」
ユニットが元気よく手を上げる。
「いよっ!まってましたぁ!」
ちゃっかりと。
温泉の横の岩などにと避難して、これもイベントと捕らえて見物を決め込んでいる他の客。
「それでは!エターニアフレイル!」
キュドドド!
ユニットがふっ。
と、手を上空に掲げると、その手にと出現する虹色に輝く柄のロッド。
まあ、このロッドの柄は、ユニットの気分次第で、色……毎回異なるからねぇ。
そして。
その先についている、水晶のようなオーブを、ジュリアーノに向け言葉を紡ぎだす。
「うわわわっ!?」 
あわてて水竜を召喚しているものの。
なぜか。
バシャ。
たった、かすっただけで、水竜は霧散してゆくし。
「ふっ。あなた……何者?」
髪を掻きあげつつ言うナーガ。
というか。
いきなりのユニットのこの攻撃。
何とも思ってないのが面白いわねぇ
気にしてないしv
ナーガはv
「な……何だ?!この呪文は!?」
なぜか狼狽しているジュリアーノ。
そして。
ナーガが自分にと問いかけているのにようやく気付き。
「ただの温泉好きのマスターでございますよ。
  観光客から、ぼったくったお金で、シンジケートを広げて。
  やがては、世界制覇をたくらんでいる。という、ただの温泉好きのマスターですよ」
そういいつつ。
水柱にと乗って、浮かび上がってゆく、ジュリアーノ。
面白いことに水柱にのったまま。
ユニットが今放った、虹色の球体の舞いを、踊りつつ何とか交わしていたりする。

「お!あの足裁きが絶妙ですなぁ!」
「まま。どうです?一杯?」
「おね~ちゃん!お酒!追加ぁ!」 
「はぁぃ!208号室のお客様、お酒追加ですぅ!」
ちゃっかりと。
あたし達の戦いをイベントと化して、お金を儲けている温泉シスターズに。
これまた、粋なイベントと信じ込んでいる客の姿がまた楽しいv

「くっ!こうなったら!」
いって。
辺り構わずに、水竜を召喚しているジュリアーノ。
そんなに創り出していると、温泉の水がなくなるわよ?
「それで?あんたは、この島で何番目に強いのかしらv」
わざと聞くあたし。
「ふ…不本意ながら、二番目……というところでしょうか。
  まあ、あの御方に比べたら、どうってことはないですけどね。
  まあ、貴方たちには関係ありませんけどね。ここで死ぬんですから」
いいつつ。
額に冷や汗流しての台詞では、説得力なんてないんだけどねぇ?
ふふv
「それじゃ、二番!天才美少女魔道士!リナ=インバース!いきます!」
パン!
ユニットと手を軽く叩いて、バトンタッチをし、今度はあたしからの攻撃の番
「ということで!カルティク・ランス!」
シュドドドド……
あたしの呼びかけにしたがって。
オーロラ色に輝く無数の槍が、ジュリアーノめがけて降り注ぐ。

……ぽろ……
なぜか。
その様子をお酒を飲みながら、
木の上で温泉の様子を眺めていた緑色の物体が、お酒の瓶を手から取り落としているけども。
……何だ?あの術は?
この俺でも知らない術だぞ??
などと、思っているけど。
どうして知らないのかしらねぇ。
ただこれ。
電磁波と、重力と引力と水圧と真空。
それらを組み合わせている魔力の槍なのに。

「うわったた!!!!!!?」
あ。
面白いv
足場のない空中で、踊り狂っているジュリアーノ。
「ふっ。なら、私の出番ね!」
ナーガが高らかに言い放ち。
霊呪法ヴ・ヴライマー!」
ナーガの言葉に従って、周りの岩が人形となしてゆく。
ナーガが唱えたのは、石人形ゴーレム作成の呪文。
……何だけど
「おお、これはまた。ずいぶんと変わった人形ですなぁ」
「最新式のデザインですかね!」
やんややんやと。
その出現したゴーレムをみて盛り上がっている観客達。
頭と手と胴体は申し分なく、がっちりと体格もよく作成されてはいるが。
バタバタバタタ!
手を大きく仰ぎつつ、ばたばたとし始めてゆくゴーレムの姿。
問題は……足v
はっきりいって、爪楊枝程度の細さしかなかったりする。
当然のことながら。
バシャァァァァン!!!
「う……あわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?」
―――ぶち。
そのまま温泉にと、ナーガの創り出したゴーレムは倒れ付し、
その先にいたジュリアーノごと押しつぶしてゆく。

「……死んでませんか?本当に?」
「いやぁねずいぶんとコッた趣向ですなぁ」
「温泉が偽者というのも。粋な演出でしたね。このイベントのためだけに偽者の温泉にしたんですかねぇ」
つぶされたジュリアーノの心配など、誰一人としてしていなかったり
「いやぁ、楽しかったですな。」
「でも、温泉が狭くなりましたなぁ」
とりあえず。
戦い、もといイベントと彼等が思いこんでいたものが、
それらが終わったのでまた再び温泉にと入ってくる客達が、そんな会話をしていたりするけども。
「まあ、遊び足りないけど。とりあえず、今は温泉を楽しみたいし」
「それもそ~ね。」
いって、顔を見合わせるあたしとユニット。
そして、互いに顔を見合わせて。
「なら、あたしがこっちをするわねv」
「それじゃ、あたしはお湯をv」
パチン♪
二人同時にと指を鳴らす。
その刹那。
カッ!
淡い、金色の光が温泉を包み込み。
『おおおおおお!!!!!!!』
なぜか。 
そこにいた全ての感嘆の悲鳴がとどろいてゆく。

……どでっ!
「……あ、あいつ、木の上からおっこちてるけど?」
「あら、そうみたいね。ま、いいじゃない」
ふと。
視線の先の木の上からおっこちている物体一つがあるけど。
とりあえず無視。

光が退いたその後には。
白い大理石の外観を思わせる整頓された、浴場にバランスのとれた岩肌。
それでいて。
今のナーガの創ったゴーレムを利用して、ちょっとした滝なども作り出し。
そして。
「……こ…これは!」
ナーガが目を輝かせているし。
お湯に足をつけたそのとたん。
そのまま
バシャン!
と、深く、お湯にと浸かってゆくナーガの姿。
「硫黄の成分も申し分ないし。鉄分、ミネラル、それぞれが申し分なく分配されて!
  俗にいう、どんな温泉の特質も兼ね備えているし!すごいわ!」
目を輝かせているナーガ。
「とりあえず。肌や健康にいい成分。それぞれ、バランスよく配分して。
  それでいて、肌からも飲んでも吸収力がいいように今、成分変えたから。」
にこにこというユニット。
ついでにいうと温泉の水の色も多少、虹色にと輝いていたりする。
どこにもない、どこにでもある、温泉の完成v
「おお!虹色の温泉!すばらしい!」
「これ、瓶に詰めてお土産にしたらいいかも!」
などと。
それをみて、喜んでいる客の姿。
誰も、一瞬で、このような温泉になったことを疑問になど思っていなく。
あらかじめ、何か、こういうイベントのための先ほどの戦いなんだろう。
それで全員が全員とも、すましているし。
ま、別にいいけどねv

「はぁい。瓶づめ温泉はこちら!虹色温泉はいかがですかぁ?」
ちゃっかりと。
いつのまにか小瓶を用意して、またまた営業している温泉シスターズ。
たくましいわねv

パシャ。
「う~ん、気持ちいいv」
とりあえず。
なぜか、つぶれているジュリアーノと、その頭の上にとのっていたくらげをそのままに。
魔力の紐で縛り上げ、ホテルの人達にと引渡し。
のんびりと、あたし達は、何事もなかったかのように温泉にと浸かってゆく。


最高級のスイートルーム。
その、柔らかな、ベットの上で。
「キャアキャアv」
ぽんぼんと飛び跳ねているユニット。
「……あのねぇ。何やってるのよ?ユニット?」
あたしが苦笑しつついうと。
「何って、いいじゃないv子供じみたことをしてもv」
そういうけど。
一体、もはや数え切れないくらい、生きてというか存在しているのに……何を今更。
……あ、でも、それもいいかもv
「んじゃvあたしもやろっと!」
いって。
二人で、トランポリンをしつつ、ベットで飛び跳ねてゆく。

「ふっ。まったく。子供何だから」
「ナーガさんも、やりましょv」
「ま……まあ、そこまでいうんだったら……」
久しぶりの柔らかなベットのせいかナーガも多少、大人しくなっているし。
さて。
今晩はぐっすりと休みますか。
たまには休息するのもいいからね。

                         -続くー

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あとがきもどき:
・・・・いいのか?!それで、温泉客!!!!?(汗)
と、一人、打ち込みながら、突っ込みいれている私でした(まて!)
うーん・・・・。エル様とスミレちゃんが・・活躍してない・・(実話)
それでは。次回。
ホテルをたちまして。ジュリアーノを国王にと引き渡しにいくシーンv
お約束のナーガの石竜、暴走シーンv
さて・・。 きちんと、文章にできるかな?(こらこら!)
それでは!
(さて・・正月最中に全ていけるか!?)

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