まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわ。ようやくネクスト第9話~♪
というか…かなり時間かかってるよな~…続きうちこむの……
ま、とりあえず。誤字脱字。それら全てを確認して訂正しつつ。
ちなみに…HPにおいては以前の10話までの内容がいちぶかわってたりv
削除してくつもりがなぜかふえてく表現(笑
さてさて。
このたび魔力を封じられるのは誰でしょう?(笑
何はともあれ、数年(まていっ!)ぶりの続き、いっきま~す♪
#########################################スレイヤーズフォーエバーinNEXT ~宮廷魔道士?~
リナとフィルが値段の交渉をしているそんな中。
トントン。
ガチャリ。
あたし達がいる部屋の扉が開く音。
それと共に、
「兄上っ!」
白いローブを纏った男性が二人、部屋にと入ってくる。
そしてそのままあたし達のほうにと近づいてくる。
「おお。クリストファーにアルフレッドではないか」
あたしから聞いて多少の事態は飲み込めているがゆえに、だがしかし。
そんな二人にとにこやかに声をかけているフィル。
「兄上。ご無事だったのですか。ご無事のご帰還何よりです。
このクリストファー。心からお喜び申し上げます」
いってフィルの側にと近づいてきて、フィルの手を握っているクリストファー。
フィルとは似ても似てつかないけど、一応本当の弟だったりする。
ここ、白魔術都市セイルーンにはフィルを筆頭に三人の皇子がおり、
フィリオネル、クリストファー、ランディオーネ。
この三人が一応、国王エルドランの息子たち。
最も、ランディオーネに関しては、以前お家騒動を起こしかけて行方不明になってるけど。
「うむ。立て続く暗殺騒ぎに周りに被害が及んではとおもって、身を隠しておったのだ」
「それでしたら。せめて弟のわたくしだけにでも本当のことをおっしゃってくだされば」
「すまん。何しろ事情が事情なだけにな」
「しかし。そうは申しましても。我々二人の間には、何の隠し事も必要がないではないですか」
「そうとはおもったが。ことは儂の身のだけのことではないからな」
「そうかもしれませんが……」
そんな会話をしているフィル兄弟。
まあ、クリストファーは本気で心配してるからねぇ。
それに。
アルフレッドが黒幕だって暴露をすでにしてるしね♡
「だがもう安心せい。心強い味方がきてくれた。おぬしもしっておろう。あのリナ=インバースと、その一行じゃ。
ついでにこの前の異世界のリナ=インバース殿も来ていることじゃしな」
「おお。おぬしたちが兄を救ってくれたのか。心から感謝する。礼をいうぞ。
これからも兄をたすけてやってくれ。…って、またこの世界に迷い込まれたのですか。難儀ですな」
あたしのほうをみてそんなことをいってくるクリストファー。
まあ、以前。
あたしとこいつは話したことあるしねぇ。
そして。
「我が白魔術都市セイルーンは白魔術都市といわれるだけあって。
白魔術の使い手は多いのだが、白魔術だけではこのような事態には対応しかねるのだ」
すこし心配そうにあたし達を見渡しつつもいってくる。
そして、見覚えのない顔。
つまりは、ルークとミリーナの顔をみて多少首をかしげるものの。
あたしの仲間。
というので、おそらくまた別世界から以前の人々と同じく迷い込んできた人たちであろう。
そう一人納得していたりする。
そんなクリストファーに続き、
「じゃが。我がセイルーンが黒魔術や武力を蓄えはじめれば、
周りの国々に脅威を与えることになるであろう。セイルーンは今のままが一番いいのじゃ」
いって、しみじみとうなづいているフィル。
このあたり、フィルはわきまえてるからねぇ。
強い国力は、はからずとも正義にはならない。
ということを。
「いざとなれば、リナさんみたいな人もいますしね」
確認を込めてアルフレッドをみつつアメリアがいってるけど。
「そうですね」
自分が黒幕だ。
と知られているとは知らずにそのままうなづいているアルフレッド。
「そのお力。ぜひとも一度拝見させていただきたいものです」
そんな会話をしている最中。
開け放たれたドアから挨拶もせずに、入ってくる人影が二つ。
そしてそんなことを言ってくるけど。
緑の髪に紫の瞳。
ついでにその頬にはなぜか傷跡。
そしてまた、もう一人。
紅い髪に紫の瞳。
ついでにその唇も真っ赤に色とられているけども。
「控えぬか。カンヅェル」
そんな二人にむかい、ぴしゃりと言い放つクリストファー。
「これはご無礼を」
いって軽く会釈をしてるけど。
…誇りはどうしたのよ、誇りは……
「こちらは?」
おもいっきり怪しいんですけど……
そんなことを思いつつもリナがそんな彼らをみてクリストファーにと問いかける。
「申し送れました。
わたしたちはクリストファー様に使えております宮廷魔道士カンヅェルと申します。以後お見知りおきを」
「同じく、マゼンダと申します。あの有名なリナ=インバース殿とお会いできるとは。
あなた様のお名前は魔道士仲間の間にとどろいております。
ぜひともご教授願いたいものですね。そのお力」
などと二人していってくる。
どうでもいいけど……
あたしのことをそっくりだから、リナの姉だと思ってるようだけど。
情報収集がなってないわねぇ。
まったく……
「ご心配なさらずとも。その機会はすぐにあるとおもいます。ごく近いうちにね」
リナはリナで、彼らが人でない。
とすぐに気づいてるようだし。
というか…こいつら、気づかれてるのすら気づいてないし……
「?マゼンダ?マゼンダって確か……」
「たしか。以前邪教徒の集団の中で幹部職についてたとか聞いた名前ですわね」
マゼンダの名前をきいて、ルークとミリーナがそんなことをいってるけど。
「ああ、クロツの一件ね♡あのとき、マゼンダはザナッファーに情けないことに食べられてたけど♡」
そんな二人にとにこやかにあたしが言うと。
「って、ザナッファー…って。この前、コピーレゾさんがあの残留思念と合体したあのザナッファーですか?」
アメリアが以前のことを思い出しながらきいてくる。
「ああ。あれとは違うわよ。クロツが写本をつかって作り出した不完全なものよ♡」
「お~。あのときのあれか」
フィルもまた、あのときのことを思い出してそんなことをいってるけど。
「確かあのとき。父さんは素手で勝ってましたよね。さすが父さんですっ!」
そんなあたしたちの会話をききつつ。
「…あんたら。以前ここにきたときにいったい何にかかわったんだよ……」
なぜかじと目であたしを見ていってきているルーク。
「あら?聞きたい?」
「……何となくですけど。聞かないほうがいいとおもいますわ。ルーク。
何となくですけど。こちらの世界の魔王とかも出てきた。という可能性が高いですし……」
さらっと何気に図星をさすミリーナの言葉に。
「あら。よくわかったわねー。ミリーナさん。そのとおりよ?
というか、そっちでもエルってやっぱり魔王とかと関わってるの?」
『…ぶっ!?』
そんなあたしたちの会話をきいて、何やら噴出しているカンヅェルとマゼンダ。
そんな二人をおいといて。
「というか。ちょくちょくよびだしてたぞー?エルは。異世界の魔王とかいうやつも」
「そこっ!ガウリイ!何を暴露してるのかしらねぇ♡」
「まあ、事実だけど♡」
『ごふごふごふっ!』
さらっと暴露するガウリイにとりあえず制しておくとして。
そんなガウリイに続いてユニットまでがいってるけど。
そんなあたしたちの会話をきいてなぜかむせこんでいるあたし達以外の全員。
「…いやあの。冗談がどうやらお好きな人たちのようですね」
などと、マゼンダと名乗ったそれがあたし達にいってくるけど。
「というか。事実だぞ。今のは」
「ですよねぇ。事実。私たちもよく呼び出された獣王ゼラス=メタリオムや。
海王ダルフィンにもあってますし」
じと目であたし達をみつつ、しみじみと何やらいっているルークとミリーナ。
「そうなんですか?さすがですねっ!エルさんっ!」
「……エルって……まあ、郷里の姉ちゃんが恐れてるくらいだからありえないことでも……」
そんな会話をききつつも、目をキラキラさせていってくるアメリアに。
そしてしみじみとつぶやきながらも、そんなことをいっているリナ。
「……まあ、何しろ。滅んだはずの魔王をあっさりと一時復活させて。
何やらお仕置きとかいって、しかけてたからなぁ。こいつは……」
なぜかコメカミに手をあてながらも、レゾのときのことを思い出し、そんなことをいっているゼル。
「あら。Sのことなんかどうでもいいのよ」
『……Sって……』
そんなあたしたちの会話に、なぜかか細い声で突っ込みをいれてきているマゼンダとカンヅェル。
そして。
「まあ。エルだしな~。それはそうと。魔族も大変なんだな~。宮廷で働かないといきてかれないのか?」
……ぴしっ。
ガウリイの言葉に面白いまでにその場に硬直している二人だし。
「ガァウゥリィっ!どうみてもあからさまにわかっても、あっさりといわないのっ!」
あっさりといったガウリイの襟首をつかんでリナが何やら叫んでるけど。
そんなガウリイの言葉をうけ。
「……やっぱしか」
「そうではないか。とはおもってましたけど。ガウリイさんの勘はすごいですからね」
ため息とともにいっているルークとミリーナ。
一方で、そんなガウリイの言葉に驚愕しつつ。
「ま…!?」
なぜか一人絶句しているクリストファー。
そして。
「どういうことですか!?というか、お前たち!?」
背後にいる二人をみてそんなことを叫んでるけど。
「何をいってるのかわかりませんが?それよりご冗談の好きなお方たちみたいですね」
「わたくしたちは、用事がありますので、これにて。それではまたのちほど……」
どうにか話題を変えようとしている二人だし。
「冗談じゃないんだけどな~♡」
そんな二人ににっこりと微笑みかけているユニット。
「まあ、場を和ませる冗談のお上手なことで。でも時と場合がありますけどね。ところで?アメリア?叔父様?
この異世界からきたとかいうもうひとりのリナさんはわかりますけど。
たしか…エルさんとか呼んでた人ですよね?それで…あとのお二人は?」
『異世界…って……』
我々はそんな話は聞いてないぞ?
アルフレッドの台詞に思わずぽつりとつぶやいているマゼンダとカンヅェル。
そんな二人のつぶやきは無視し。
「おお。そうであったな。とりあえず。このものたちの自己紹介をしておこう」
いって、改めてあたしたちを見渡してくるフィル。
「そういえば。二人とも。仕事の途中だったのではないの?」
このままだと分が悪い。
そう判断し、どうにか二人をこの場から退けようとしているアルフレッド。
そんなアルフレッドの言葉をうけ。
「そうですね。それでは。お話の途中ですが。これにて」
「それでは。また」
いって、何やらそそくさと逃げるようにしてこの場を立ち去ってゆく二人の姿が。
そんな二人の姿を見送りつつも。
「根性ないわね~」
「というか……いきなり暴露されたら誰でもあせるとおもうぞ……」
正直な感想をつぶやくあたしに、なぜか突っ込みをいれてきているゼル。
そして、二人が立ちさった後。
「あの?ところで…今の……」
なぜか戸惑いつつもあたし達にと聞いてくるクリストファーの姿が。
さってと。
とりあえず、一部省いて説明しておきますか♡
「何なんですか!?あのカンヅェルとかいう人は。あからさまな態度で挑発してきて!
というか、叔父様までだましてたなんて!魔族の風上にもおけませんっ!」
クリストファーに、彼らがガーヴ配下の魔族であることをひとまず完結に説明し。
初め、信じられない面持ちであったクリストファーであるが。
面白いので精神世界面に連れて行って、そちら側から姿をみせたところあっさりと納得し。
なぜか戸惑い気味のクリストファー。
そしてまた、まさかこうもあっさりと彼らの正体がばれるとは。
と一人顔色のわるいアルフレッド。
口を開けば分が悪くなる。
そう判っているがゆえに、口を閉じてだまって話しをきいていたりしたけども。
とりあえず、そんな話を完結にし終わり。
まだ執務などが残っている、ということと。
フィルもまたやることがあるから。
というのであたしたちは、ひとまず体を休めることにしている今現在。
セイルーン城内にとあるテラスにて、飲み物を飲んでいるあたし達。
「まあ、普通はあの反応だよな~」
「ですわね。あっさりと暴露されるとは誰もおもわないでしょうしね」
そんなアメリアの言葉にぽつりといっている、ルークとミリーナ。
「ともかく。魔族が絡んでいるのは確実とみた。
やっかいだな。二匹も魔族か……そういえば、ゼロスたちはどうした?」
あいつらがいれば、すこしは牽制になるかもしれないが。
そんなことを思いつつ、ふとあたしに聞いてきているゼル。
「あら?ゼロスがついてきたら楽しくないじゃない♡」
「ゼロスさん達には別な用事をお願いしてるのよ♡
とりあえず、フィルさんの護衛も必要だろうから。私やってもい~い?」
あたしに続いてにこやかに、ユニットがいってくるけど。
「別にいいけど。でもあまり派手にしないのよ?」
「あら?大丈夫よ。町が消滅しても再生させとくし♡」
「それなら問題ないわね♡」
『おおありだっ!!』
『おおありですっ!!』
そんなあたしとユニットの会話に即座になぜか突っ込みをいれてくる、ルークとゼル。
そしてアメリアとリナの四人。
ガウリイにいたっては、のんびりとジュースを飲んでいたりするけども。
いっても無駄だしな~……
と内心悟ってるし。
どういう意味かしらねぇ~♡
「しかし。セイルーンとはよくよく騒動のおおい国だな。今回のフィル王子暗殺未遂といい。
その第一皇女。つまりおまえの姉さんの失踪事件といい。
聞けば第三王子ランディの謀反もあったそうじゃないか」
あたし達に抗議の声をだしつつも、腕を組んで話を変えようといわなくていいことを言っているゼル。
「ちょっとゼルっ!」
そんなゼルガディスにとリナが抗議の声をあげ、心配そうにアメリアをみてるけど。
「…アメリア……」
そんなゼルガディスの言葉をうけ、うつむき下をむいて震えるアメリア。
そして、きっと顔をあげ。
「だから、絶対の正義が必要なんですっ!
どんな悪の魔の手をもはねのける燃える正義が!炎の正義が、最強の正義がぁぁ!」
意を決するように、机の上に足をのせて力説してるけど。
そんなアメリアの様子をみて、失敗した…とおもいつつ、指をあわせていじけているゼルガディス。
確かに。
言わなくていいことをいってるんだしね~。
というか、アメリアの姉。
つまりナーガの場合は失踪。
というよりは道に迷ってる。
というのが正解なんだけど♪
そんなゼルガディスに対し。
「……今のは失言だったな。あんた。」
などとため息とともにいっているルークに。
「たしか。セイルーンのフィリオネル殿下の第一皇女って…あの人ですわよね?」
ナーガと面識があるがゆえに、顔を多少曇らせていっているミリーナ。
そして、
もしかしてここでもあの格好なんでしょうか?
などとおもっていたりするけど。
「というか。セイルーン王家の人たちって楽しいひとが多いからねぇ♪」
そんなミリーナの考えを肯定するかのように、にこやかにいっているユニット。
ま、あたしがここも多少干渉してるし…ね♪
そんな中、無言でゼルガディスの頭をこつんと叩いているガウリイ。
あたし達がテラスにてそんな会話をしているそんな中。
「あ…あのぉ……」
建物の中よりあたし達にと声をかけてくる女性が一人。
茶色い長い髪を後ろでたばね、みつ網にして一つにまとめている女性。
白い巫女服をきこみ、そのふちにはピンクの色がついている。
そして、その手には何やら小さな紙のようなものをもち。
そして。
「あのぉ……リナ=インバース様は……」
か細い声で言ってくる。
「?リナに何か?」
そんな女性にガウリイが声をかけてるけど。
「あの。これをリナ様に渡すように…と……」
なぜかあたしたちの会話を聞いて、話を挟むタイミングを見計らっていたがゆえに、多少震えていたりする。
ガウリイの声をうけて、ほっとしつつ。
手にもっていた紙をガウリイにと手渡しているその女性。
ちなみに名前をアリスというけど♡
「何ですか?それ?あ。まさかラブレターだったりして!」
「何!?ラブレター!?リナにそんなものよこすやつは殺すっ!」
「あら?エルにならありえるわよ♡」
それをみてアメリアが覗き込み、そんなことをいい。
アメリアの言葉をうけてガウリイが殺気を思いっきりふりまき、
にこやかにユニットがさらっとそんなことをいってるけど。
「…そんな怖いもの知らずのやついるのか?」
「外見だけだと。わかりませんからね……」
そんな会話になぜか突っ込みをいれてきているルークとミリーナ。
「どちらにしても。これは破棄だな。」
いって、それを破り捨てようとするガウリイに対し。
「こらこらっ!今後の展開を無視したようなまねをするなっ!」
そんなことをいっているゼル。
「でもゼル?あたしも。知らない人とかからのラブレターなんかいらないし」
そんなゼルにとさらっといっているリナ。
「とにかく。中身を見てみないことには意味ないだろうがっ!」
一人、なぜか叫んでいるゼル。
くすっ♡
「まあ、そこまでいうんならみてみますか♡」
内容は開かずともわかってるけど…ね♡
そんな会話をしている最中。
「で…では、私はこれで」
なぜか後ろに下がりつつもこの場から立ち去ろうとしている手紙を持ってきた女性、アリス。
そして、そのまま。
「き…きゃぁぁっ……」
なぜかそのままテラスの柵を乗り越えて落っこちていたりするし。
「あ。おい。ここ二階っ!」
そんなアリスに思わず叫んでいるルーク。
「大丈夫よ♡彼女、浮遊使えるし♡」
ユニットの言葉を肯定するがごとくに。
ふわっと浮き上がり、上手に地面に着地し。
そのまま走り去っているアリスの姿が眼下にあったりするけども。
「さってと♪」
かさり。
リナ達の手前ということもあり手紙を開く。
そして。
「あら♪面白いことが書かれてるわよ♡」
にっこりとリナ達を見渡しつつ話しかける。
「何なに…あ、ほんとだ♡」
ユニットも判っているのに、のぞきこみそんなことをいってるけど。
「何がかいてあるの?…えっと……
『暗殺事件の首謀者について情報あり。先の場所にこれらたし。』って…差出人は……」
「…って…ええぇ!?」
リナが覗き込み、そこに書かれている内容を読み上げ。
続いて覗き込んできたアメリアが、そこに書かれている名前をみて何やら叫んでいるけども。
くすっ♡
「動き出したみたいね♡どうする?」
にっこりと微笑み聞き返すあたしに対し。
「面白いじゃない。この罠。のってあげようじゃないのよっ!」
「そうですね。話し合えばきっとアルもわかってくれますっ!」
同時にいってくるリナとアメリア。
そんな二人に対し。
「……あっさり決めてもい~のか?」
「いっても無駄ですわ。間違いなく」
なぜかいいつつも二人してため息をついているルークとミリーナ。
そして。
「まあ、いくにしても。…どうするんだ?このミリーちゃんたちを残していったら。
絶対に何をしでかすかわかんないぞ?」
ルークがあたしとユニットをみつつそんなことをリナ達にといってるし。
「あら?どういう意味かしらねぇ♡ルーク♡」
「そんな…ルークさん。ひどい……。ただちょっと。遊ぼうとおもっただけなのに~……」
「それが問題なんだっ!それがっ!あんたらの遊びは洒落になんないだろうがっ!」
あたしとユニットに対し、そんなことをいってくるし。
そんなあたしたちのやり取りをききつつも。
「……何か、そっちのリナのほうはかなり無茶してるんだな……」
などとため息をつきつついっているゼル。
まあ、以前。
一緒に旅をしたときに何となくは理解はしているが……
などと思ってるようだし。
「……まあ、話をきくだけならあたしとアメリアだけで十分よ。エルたちは、ガウリイ達とフィルさんをお願い」
「ええ!?リナ。オレはおいてきぼりか!?」
「あんたがきたら、またあっさりと暴露しかねないでしょうがっ!」
そんなリナの言葉にガウリイが抗議の声をあげ、リナがそんなガウリイにとピシャリと言い放つ。
「それじゃ。そういうことで♡あたしたちは神殿でまってるわね♡」
どちらにしろ。
リナ達、このセイルーンの神殿にと来るはずだし…ね♡
とりあえず。
なぜかいじけるガウリイをそのままに。
リナとアメリアの二人で話しを聞くためにひとまず外出し。
あたし達はあたし達で、しばらくリナ達の帰りを宮殿内部で待つことに。
さってと♡
ミリーナたちつれて、神殿に移動しておきますか♡
ふふ♡
「リナさん。でも本当に二人でいくんですか?」
「何いってるのよ。相手が誘ってるのよ。そういうのにはのらないと。
郷里の姉ちゃんの口癖にもあるし。売られた喧嘩は倍にして買えってね」
「それとこれとは別のような気も……」
手紙に記されていたのは夕刻。
それゆえに、夕方になり指定された場所。
つまりは、王宮の敷地内部にとあるクリストファーの自宅にと向かっているリナとアメリア。
あたし達はといえばお留守番♡
それゆえに、リナとアメリアの二人で指定された場所に歩いていっているこの二人。
すでに周囲は夕刻がせまり、黄昏の気配が濃くなり始めていたりする。
青い屋根の、ちょっとしたとある世界でいうところの洋式の建物。
その中にと進んでゆく。
「失礼しま~す。どなたかいらっしゃいませんか~?」
扉をくぐり、声をかけながら建物の中にと入ってゆく二人。
「返事がありませんね」
人気のない建物の中。
そんな会話をしてるけど。
「やだ。人を呼び出しておいて留守じゃないんでしょうね」
きょろきょろと周りを見渡しつついうリナの言葉に。
「ですから。罠だとしたら彼が呼び出したとは限りませんって」
そんなリナにといっているアメリア。
そんな会話をしていると、こつこつと足音がし。
「ようこそ。リナ=インバースさん。お待ちしてました」
奥からいいつつでてくる青年が一人。
「これはどういうことなんですか?アルフレッド殿下」
手紙を手にして、そんな出てきた青年。
つまりはクリストファーの一人息子であるアルフレッドにと問いかけているリナ。
「書かれているとおりですよ。あなたがたに事件の情報をお伝えしたかったんです」
いって、悪びれもなくしれっといっているアルフレッド。
「じゃあアルフレッド。あなたが本当に…?」
まさかこのまま、『自分が契約してます。』とかいうんでしょうか?
そんなことを思いつつも、従兄弟である彼にと問いかけているアメリア。
「まあ、立ち話も何ですから。こちらに」
「何があったんでしょうか?」
「ま。話をききましょう」
いいつつも、ちょっとした廊下を屋敷の奥にと向かってすすんでゆく。
カチャ。
テーブルにつき、運ばれてくる紅茶が三つ。
「さあどうぞ。毒なんかははいってませんから」
紅茶を運んできた女性が遠ざかるのをうけてリナ達にいっているアルフレッド。
そして、いって自分が率先して紅茶に口をつける。
「話は単刀直入にお願いしたいんですけど。殿下」
何か絶対に裏がある。
そう警戒しつつも問いかけるリナの言葉に。
「もっとざっくばらんにいきましょう。リナさん。アルフレッドと呼んでください」
にこやかに、そんなリナにといっているアルフレッド。
「じゃあ、アルフレッドさん。この手紙にかかれている情報。というのはどういうこと?」
アルフレッドの言葉をうけて、手紙をひらつかせて再度といかける。
「その前に一つだけ条件があります。
その情報をお伝えするかわりに。僕のほうのお願いを一つきいてほしいんです」
そんなリナの言葉に、真剣な面差しで机にひざをつきつつも、
ひたり、と二人を見つめつつ言っているアルフレッド。
「まあ、聞けるものなら」
アメリアと顔を見合わせ答えるリナ。
そんな二人をみて、こくりとうなづき。
「それでけっこうです」
「それで。その情報というのは?」
問いかけるアメリアの言葉に戸惑いの表情を浮かべ、
「実は、僕もどうしたらいいか困ってるんです。わが親のしでかしたことながら……」
「ええ!?」
突拍子もないアルフレッドの台詞に面白いことに叫んでいるアメリアに。
「それって、今おこっている暗殺騒ぎのことですよね?」
確認の意味を込めていっているリナ。
「そうです」
あたし達から内情を知らされている。
とは夢にも思わずに、さらっといっているアルフレッド。
「つまり。あんたはあのクリストファーさんがフィルさんの命を狙っている…と」
こいつ…父親に罪をなすりつける気?
そんなことを思いつつも、問いかけるリナ。
そんなリナの思いを知る由もなく、
「はい。みなさんもお気づきでしょうけど、間違いなく僕の父が首謀者です」
きっぱりはっきりといいきっているアルフレッド。
「……もしもし?」
「残念ながら事実ですからね」
事実じゃないってば。
リナが知っているとは知らずにいっているアルフレッドの行動が何とも笑えるけど。
「でも。どうしてそれを私達に?」
「それで。さっきいったお願いがあるんです」
「お願い?」
アルフレッドの言葉に続けざまに問いかけているアメリアとリナ。
そんな二人にと、
「僕は…僕はもう耐えられない。父さんを説得する時間がほしいんだ。
このままではいずれ、父とフィリオネル叔父さんの間でいさかいがおこる。
すでに重臣たちの間では、クリストファー派とフィリオネル派とにわかれ、
王位をめぐっての対立がおころうとしています。そんなことになれば、父のためにも。
このセイルーンの為にも決してよい事態にはならないでしょう。
僕がもう一度父さんを説得してみます。その時間がほしいんです。
じっくりと説得すればきっと父さんもわかってくれるはずなんだ」
まあ、彼の説得。
というのは、王位をフィルからクリストファーが勝ち取る。
という説得なんだけど。
そんな会話をしている最中。
「ところが。そうはいかないんだよね」
部屋にとこもった声が響き渡る。
「誰!?」
その声をうけリナが叫び、
「姿を隠すなんて卑怯きわまりないわ。姿をみせなさいっ!」
カタン、と席を立ち上がり、何やらいっているアメリア。
そんな二人の声をうけ、
「ならお言葉にあまえて」
いいつつも、リナの後ろにあった絵の中から出現してくる人影一つ。
どうでもいいけど、もったいぶって腕からゆっくりと出現させ。
上半身だけ絵から抜け出たようにでなくても……
「魔族」
「以前のやつと違いますよ。」
壁からでてきた異様に長い手をしたそれをみて何やらいっているリナとアメリア。
「ってことはこの事件に絡んでいる魔族は少なくとも二体以上はいる。ということね。
…やっぱエルのいうとおり…かぁ。…だぁぁ!何でこう面倒なことにっ!」
わかってはいたけど。
そんなことを思いつつも、何やら叫ぶリナに。
「一人でもやっかいですのに、二人以上ですか?」
なぜか泣き言をいっているアメリア。
別にどうってことないでしょうにね♡
「お前たちにうろちょろされると目障りなのよ」
いうなり、その攻撃をアルフレッドにとむける。
まあ、こいつは契約を交わした相手じゃないから。
それに、彼を殺すことにより契約は無効になるからねぇ。
「危ない!アルッ!」
攻撃の手がアルフレッドに向かっているのにきづいて、アルフレッドをかばっているアメリア。
ドンッ!
放たれた攻撃により、部屋がちょっとばかり焦げてるけど。
「アメリア。ここじゃ戦えないわ。いったん逃げるわよ」
「はい。振動弾!」
アメリアの言葉に応じ、壁にと開く穴。
「リナさん。こっちですっ!」
「いったん逃げるわよ!」
「アルっ!早くっ!」
アメリアはといえば、出現した魔族…いうくまでもなくマゼンダがアルフレッドを攻撃しようとした。
というので、もしかしたらアルフレッドも利用されている口かも。
そんなことを思いつつ、アルフレッドを心配していってるし。
というか。
これもすべてアルフレッドが提案した余興なんだけどねぇ。
ふふ♡
壊れた壁からその場から逃げ出すリナ、アメリア、アルフレッドの三人。
そのまま、駆け出してゆくものの。
扉をくぐるとともに、ぐにゃりと空間が揺らいでゆく。
「ま…まずいっ!」
リナがそれに気づいて足を止めようとするものの、すでに遅し。
そのまま三人はちょっとした面白い空間にと入り込んでゆく。
周囲はなぜか空に窓が浮かんでいるようなちょっとした空間。
どうみても、建物の中ではない。
というのは一目瞭然。
「何なんですか?ここ?」
周りをみてつぶやくアメリアに、
「ふふ。このセイルーンの聖なる結界は我々魔族にとってはやっかいなものでね。
少々場所をかえさせてもらったわ」
姿を見せずに何やらいってるし。
「どうやら。異空間にひきずりこまれたみたいね」
瞬時んに状況を判断しつぶやくリナに。
「異空間?」
首をかしげて問いかけているアメリア。
「魔力でつくった結界の中。つまり普通とは違う空間をつなげたのよ」
そんなリナの説明をうけ、
「僕達はその中に閉じ込められた。というわけですね」
納得したようにいっているアルフレッド。
まあ、彼は自分には攻撃はこない。
そう信じきってるからねぇ。
相手が本当に自分を殺してもかまわない。
と思ってるとは知らないで。
「あたしたちの動きは相手につつぬけだったみたいね」
リナの言葉と同時。
ドバシャ……
足元の大地らしき場所から何かが飛び出してくる。
その音にリナ達がそちらを振り向けば。
なぜか色豊かなとある物体が一つほど。
目はぎょろりとうごき、とある世界のカメレオンもどき。
ついでに体はひらべったいような、そうでないような。
ちょっとばかり楽しい体つきをしていたりするけども。
「何なんですか!?これはっ!?」
「つ~か!これも魔族じゃないのよぉぉ!」
アメリアの叫びとリナの叫びが同時に重なり。
そしてまた。
「ここなら私が相手をするまでもないわ。あなたたちの相手はこの子で十分」
いって、それの肩にと出現しつつ、虚空に浮かんでいる先ほど出現した魔族。
まあ、どうみても。
その赤い髪からして、自分は先刻マゼンダと名乗った本人だ。
と自分から言ってるようなものだけど。
マゼンダの声とともに、それがリナたちに攻撃をしかけてきそうになるけども。
「ああもうっ!いちいちこんなのを相手にしてられますかってのっ!」
相手にこちらの手のうちを見せるのはまだ早い。
そんなことを思いつつも、
「天を翔ける闇夜の星々よ。大地を束ねる古の契約よ。
我が命に従いて 彼の者を呼び寄せ給へ!フェアリス・ブリードっ!」
「その呪文は召喚呪文?」
「こっちもあの魔獣に対抗できる魔物を召喚するんですね」
だがしかし、アメリアの言葉とは裏腹に。
パキィン……
鏡がわれるかのごとくに空間の一部が割れ、
パタパタパタ……
そこからリナの召喚呪文に応じて出現するハト。
「…ハ…」
「……と?って、手品なんかやってる場合じゃないですよ」
現れたハトをみて、目を点にしてつぶやくアルフレッドに。
それをみてリナにといっているアメリア。
だがしかし、パンパンと手をたたき。
「さ。はやくあそこから」
いってそのまま浮かび上がるリナ。
「…え?あ。はい」
リナが浮かんでいくのをみて、横にいるアルフレッドをつかみ、
アメリアもまた術をつかって浮き上がる。
そしてそのまま、空間が割れた場所から出てゆく三人の姿が。
「…ここは?」
「…神殿?」
「どうなってるんですか?」
異空間。
というか結界の中から出たのをうけ、周りをみわたすとそこは見慣れた場所。
それゆえに、周りをみていっているアルフレッドとアメリア。
そしてリナに疑問の表情で問いかけてるけど。
「もともとあの手の空間は、バランスを保つのが難しいのよ。
つまりあたしは、ハトを召喚することによって、あの場所と神殿の空間をつなげたのよ」
そんなアメリアにと丁寧に説明しているリナ。
というか、リナはそんなことしなくても。
あれくらい自力でどうにかできるんだけどねぇ。
まあ、相手に手のうちを見せない。
というのは不意打ちとかにもよくきくし♡
「なるほど。さすがリナさん!リナさんってすっごぉい!」
「まあね。もっと褒めてもいいわよ」
そんなリナにと尊敬の眼差しをむけていっているアメリア。
そんな会話をしている最中。
大地からゆっくりと出現してくるマゼンダの姿が。
どうでもいいけど…こいつ、本当にあれでリナ達を閉じ込めたつもりだったのかしら……
まったく……
「なかなかこしゃくなまねをしてくれるじゃないの」
そんなことをいってるし。
こしゃくも何も…子供だましよねぇ。
まったく……
一方で。
「我が結界を破るとはなかなかやるようだな。マゼンダでは手にあまるやもしれん。ふふ」
マゼンダが使った結界を張ってたカンヅェルがとある場所でそんなことをいってるけど。
というか、あれは結界とはいえないんだけどねぇ……
「いくわよっ!封除っ!」
そのまま、神殿の扉を術であけ、神殿の中にとはいってゆくリナ。
そんなリナに続いてアメリアもまた中にとはいってゆく。
「どこへ逃げ込もうとおなじこと!」
そんなリナ達をマゼンダがおいかけてゆくけど。
というか…せめて、空間移動くらいしてからおいかけなさいっ!
「エルのいうとおりだったわね」
「ですね」
すでに打ち合わせで合流するのはこの場所と決めていたあたし達。
ゆえに、すでに神殿の中ではあたし達が待機していたりするんだけど。
それすらマゼンダは気づいてないし……
神殿の中心部にて待機するあたしたちのところにとアメリアとリナがやってくる。
そんな二人の姿をみて。
「お。リナ!大丈夫か?」
真っ先に声をかけているガウリイ。
「お客さんつきだけどね」
「みてぇだな」
リナの言葉に答えるかのように、ルークが出入り口のほうをみて何やらいってるし。
「さってと♪なら手はずどおりにいきましょ♡」
リナ達が出かける前に打ち合わせていたとおり。
あたし達はそのまま、陣営をとってゆく。
「…スィーフィードか。人間とは愚かなものだ。こんなものを祭り上げたところで何の役にはたたないのに」
リナとアメリアを追いかけて、そのまま神殿の中にと入ってきているマゼンダ。
神殿の中心部に飾られている神像をみてそんなことをいってるけど。
どうでもいいけど……
人型を成せるんだから、ずっとその人型のままでいればいいのにねぇ。
それに……
「そうでもないし。そっちの気をひくのには十分すぎるみたいだし」
「…というか。空間移動くらいしてからおいかけなさいよねぇ」
「つ~か。この魔族の姉ちゃん。俺たちにきづいてなかったのか?」
「たぶん。エルが何かしてたんじゃないのか?」
「ありえるな」
すでに部屋の四方にと散り、陣営を整えているあたし達。
アメリアは神像の上にて待機してるけど。
部屋の中に無造作にはいってきたそれにと口々にと話しかけるリナ、ゼルガディス。
そしてガウリイにルーク。
そんな声にようやくこちらに気づき。
「…なっ!?いつのまに!?待ち伏せ!?」
などといってるマゼンダ……
「ああもうっ!仮にも魔族なんだから気づきなさいっ!マゼンダっ!」
まったく情けないったら……
そんなあたしの言葉に。
「ええ!?この魔族の人。あのマゼンダって人なんですか!?」
などと叫ぶアメリアに。
「あら?アメリアさん。みればわかるじゃない♡」
あっさりといっているユニット。
「…やっぱり、魔族本人だったか……」
ため息とともに、何やらいっているゼルガディス。
「それより。さすがリナさんというか…絶対に先…よんでましたよね……」
なぜかあたしのほうをみてそんなことをいってきているミリーナ。
「…お前たち………」
ここにいたり、ようやく自分がこの場に誘い込まれたのに気づいてるけど。
だがしかし。
「ふっ。逃げ場のない場所に逃げ込んだとおもったら。
だがしかし。待ち伏せをしていたからといってこの私が倒せるとでも?」
完全に小馬鹿にした口調でいってくるし。
「それはどうかしら?アメリア!」
「はいっ!」
そんなマゼンダに対して、にっと笑い、神像の上にて待機しているアメリアにと声をかけているリナ。
そんなリナの声をうけ。
「崩魔陣!!」
アメリアが術を解き放つ。
「ふん。こんなもの……何!?」
アメリアの言葉とどうじに、マゼンダの周囲に六紡星が出現し。
そのままマゼンダを包み込むようにして光が発生し、簡単な即席結界が生み出される。
人間の使う術など……
と完全に見くびっていたがゆえに、あっさりと捕まってるし……
「というかっ!何でそんなにあっさりと術に捕らわれるのよっ!なさけないったら……」
「そうよね。せめて術を無効化させるくらいはしないと♪」
「…あんたらは、いったいどっちの味方なんだよ…おい……」
そんなあたしとユニットに対してなぜか突っ込みをいれてきているゼルガディス。
だって…ねぇ。
情けないにもほどがあるというか……
まったく……
そのままあっさりと術に捕らわれ身動きできなくなっているマゼンダ。
そんな彼女の姿を認め、
「さてと。観念していただけますか?リナさんが何かしてくるまえに話したほうがいいとおもいますが?」
ゆっくりとマゼンダに対して間合いをとりつつも何やらいっているミリーナ。
「あら。ミリーナ。どういう意味かしらねぇ♡」
そんなミリーナににこやかに話しかけるあたしの言葉に。
「リナさんが何かしたら。下手したらこの国が消滅しかねませんし。
かといって、以前のように何かを呼び出されても困ります。
何となくですけど、こちらでもリナさん、ああいうことできそうですし。」
「あら♡ミリーナさん。さっすが~♡正解♡」
淡々というミリーナに、あっさりと認めているユニット。
「あら?別にいいじゃないのよ。どいつを呼び出しても♡」
「……問題あるとおもうな~。オレは……」
なぜかあたしの言葉にぽそりといっているガウリイ。
「?…くっ!…なぜに人間ごときにこんな…!?」
あっさりとアメリアの術を解くことができる。
そう思っていたものの、できずに何やらそんなことをいっているマゼンダ。
あたしたちの会話の意味は理解してないようだけど。
「あら。あたりまえじゃない。このセイルーンには聖なる結界が張られてるんだし。
さっきあんたもいってたじゃない。ましてやこの神殿はこの結界の中心部。
つまり、あんたたち魔族の力は弱められ、逆にアメリアの使った白魔術は強化される。
さって、話してもらいましょうか?あんたたち魔族が何をたくらんでいるのか」
いいつつも、腕をくんでマゼンダにちかづいてゆくリナ。
とりあえず部屋の隅々にと分かれていたゼルガディスたちもまたマゼンダに近寄って様子をみてるけど。
つまりは、神殿のまん前で術にて捕らわれた状態になっているマゼンダの前にと、
それぞれ固まりつつも、間合いをとりつつ固まっているリナ達の姿が。
目の前にいるリナ達をざっと見渡し、笑みを浮かべ。
「ふふふ。我々魔族を甘くみるな…って……くうっっっっっっっ!」
無理やり力づくでアメリアの張った結界を解こうとして力を発揮しているマゼンダ。
…どうでもいいけど。
何でそれくらいあっさりと解くことができないのかしらねぇ。
いくらルナの協力もあって、多少この国の結界が強化されてる。
といっても…ねぇ……
だがしかし、人間ごときにこのまま…という意地もあり。
力づくで術を解くために力を開放しているマゼンダだし。
「ああもうっ!そもそも。それくらいの術で捕らわれるほうがどうかしてるのよ。
まったく……ほんと。最近の魔族はなってないわよねぇ……」
思わずもれるあたしの本音に。
『……あのな……』
なぜか、ルークとゼルガディスの声が一致する。
「それはそうと♡そろそろくるわよ♡」
にっこり。
ユニットがにこやかに全員を見渡していうと同時。
バチバチバチッ!
ドグワァァン!!
力づくでどうにか束縛を打ち破り、なぜかそれとともに巻き起こる爆発。
あたりに爆発によって生じた煙りなどが発生するものの。
「消去♡」
パシュ。
あたしの言葉に従い、あっさりとそれらはいとも簡単に消滅する。
「…なっ!?」
そのことになぜか驚きを隠せないマゼンダ。
どうでもいいけど…今のでかなりの力を消耗してるし…こいつは……
「…ま、エルだし。それはそうと。そんな状態であたしたちに戦いを挑む気?
はっきりいってあんたに勝ち目ないわよ?」
「…たしかに。それは無理なようだけど…だけど、土産はもらっていくわっ!」
いって、固まっているリナ達。
すなわち、リナ、ガウリイ、ゼルガディス。
そしてルークとミリーナにむけて自らの具現化させている髪の毛を投げ放つ。
ちなみにアメリアはというと、神像の上にいまだにたったまま。
あたしとユニットも、リナ達と同じ場所にいるものの。
そんなあたし達を包み込むかのようにマゼンダの放った髪の毛が、
あたしたちを中心として逆五紡星に一瞬輝き。
そして。
術が発動したのを見届けてそのまま、神殿の上にとある窓から逃げてゆく。
どうでもいいけど…空間移動くらいしてにげなさいっ!
バリィン!
…窓ガラスを割って逃げてるし……
「あ!まちなさいっ!にがしませんっ!」
そんなマゼンダをみて、アメリアが浮き上がり追いかけようとし。
「逃がすかっ!」
同じく、ゼルガディスもまた叫んでその場から飛び上がろうとする。
……が。
ふわ……すとん。
多少浮いただけでそのまま床にと着地しているゼルガディス。
「…何!?」
「……って…これは……逆五紡星の形を……」
術が完全に発動しないのをうけて驚きの声をあげているゼルガディスに。
床にと突き刺さった髪の毛にきづき、かがみこんでそれを取り外しつついっているミリーナ。
ミリーナがそれを手にすると同時に、髪の毛は虚空にと溶け消える。
「…どういうこった?」
何か一瞬、何かが体に負担かかるような気がしなくもなかったが。
だが、その圧力はなぜかはじけとんだ。
その感覚がわかり、戸惑いの声をあげているルーク。
くすっ♡
「あらあら。どうやら私達を中心にして何やら逆五紡星の形に髪の毛が投げられてる♡
というか、こんなもので封じられるようだとまだまだよね♡」
いいつつも。
パチン♪
軽く指を鳴らしているユニット。
それとともに、
パシュ……
床にと突き刺さったままであったほかの四つの髪の毛がいともあっさりと消滅する。
「まあねぇ。って。どうやら。リナには術はかかってないわね。
あとガウリイは精神で断ち切ってるし。あとは…っと。あら。
ゼルとミリーナ。あんたたち、マゼンダの術にかかってるわよ♡」
「ってまて!俺のミリーナが何だって!?」
「ルーク。誰が誰のものだというんですか。…ふむ。…まさかとはおもいますが……明かり」
逆五紡星を使い相手にかける術。
その可能性にすぐさま思い当たり、確認をこめて術を唱えているミリーナ。
「お…おい!?ミリーナ?」
ミリーナが術を唱えたのにも関わらずに、明かりが発生しないのに驚き。
戸惑いの声をあげているルークだし。
「ふむ。どうやら。あの魔族に魔力を封じられたようですわね。
こういう場合は、相手の魔族を倒したら復活するか。もしくは一度死んだら復活するか。
そのどちらかですわね」
淡々と、一人状況を判断していうミリーナの言葉に。
「何だと!?あの魔族め!俺のミリーナにぃい!
というか、一度死んだら…って、ミリーナ。縁起でもないことをいうんじゃねぇっ!」
何やら戸惑い驚きつつも、そんなことをいってるルークだし。
「あたしは…っと。明かり」
ぽうっ。
リナがミリーナの術が発動しないのをうけて確認のために術を唱えると同時。
ほのかな光の球体がリナの手のひらにと出現する。
「何で俺のミリーナの術が発生しなくて。チビリナの術が発生するんだっ!」
「誰がチビですってぇ!」
「お前にきまってるだろうがっ!このチビっ!」
「あのねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「チビだろうがっ!得に胸っ!」
…ぷちり。
ルークの言葉をうけ。
「…闇よりも暗きもの、夜よりも深きもの……」
「って!リナっ!それは!!重破斬じゃないかっ!やめろって!」
低い声でうなり、あたしの力の召喚呪文の一つを唱え始めているリナ。
そんなリナの混沌の言語を聞いてあわてて止めているガウリイ。
「あら?別にかまわないわよ♡」
そんなガウリイに、にっこりというあたしの言葉に。
「かまうにきまってるだろうがっ!」
なぜか即座に突っ込みをいれてきているガウリイ。
「……あの?いったい??」
一人、よく理解できずに戸惑いの声をあげるアメリア。
ちなみに、アメリアはゆっくりと神像の上から降りてきて、そんなリナ達のよこに降り立ってるけども。
「ルーク。今はそんなことよりも。とにかく。この状況をどうにかするのが先決ですわ。
確か。私たちの世界では、魔法医ルナンとかいう人がいたはずです。
噂では彼は封じられた魔力を元に戻すことができる術を開発してるとか。
そういう人がいるかどうか。それを探すのが先決ではないですか?」
「うっ……ミリーナがそういうんだったら……
しっかし。あの魔族のやろうっ!今度あったらただじゃおかねえからなっ!」
ミリーナに冷静にいわれ、一瞬押し黙り。
なおかつ、その怒りの矛先をマゼンダに向けているルーク。
「あの?いったい何が…?」
未だに完全に理解していないアメリアの台詞に。
「だからね。アメリアさん。今のマゼンダさんの術によって。
ミリーナさんとゼルガディスさんの術が封じられちゃったのよ♡」
にっこりと、代わりに説明しているユニット。
そしてまた。
「まあ、リナに関しては、あたしとユニットが以前あげた道具があることだしね。
あれ身につけてたらほとんどの術無効化されるし♡」
にこやかに、ひとまず追加説明をしておくあたし。
「ともかく!あのマゼンダってやつをおいかけようぜっ!俺のミリーナに…俺のミリーナにぃぃぃ!!」
「…寝言をいってるルークはおいとくとして。…とりあえず。フィル殿下のところにもどりませんか?
たしか…ゼロス一号さんにまかせてたんでしたわよね?」
とりあえず、ゼロス一号のほうを呼び寄せてフィルの護衛もどきをさせているゆえに、
そんなことをいっているミリーナ。
ほんっと。
ミリーナって、どういう状況でも冷静に判断するから便利よねぇ。
それが楽しいんだけど♡
とりあえず未だにわめいているルークをそのままに。
あたし達は一度、フィルのまっている宮殿の中にと戻ることに。
さってと。
楽しくなってきたわね♡
-続くー
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あとがきもどき:
L:……二年……
薫:……ぎくっ(汗
姫:…二年たってるわねぇ。前回のこれの打ち込みから……
薫:あ…あははは……
L:つまり。それだけあんた。小説全体の編集作業…進んでないってことなんだけど?
薫:…あうあうあう……で、でも!漫遊のほうはどうにかすすめてますよっ!
L:あたしの活躍する話をうちこみしてないでしょうがっ!!
番外編もあのままぱったりだしっ!一日六時間以上ねてないでねずにやりなさいっ!
薫:……無理いわないでくださいよ~(涙
姫:あら?普通、ねなくても大丈夫よv
薫:・・・無理です(汗
L:と・も・か・くっ!とっとと仕上げなさいね?
それでなくても、これはじめてる最中に、すでにもう新たなボックス発売になってるんだし。
姫:そうよねぇ。せめてTRYのボックスがでる前までには今回のボックスの付録ドラマCD。
あれの話もうちこみしてからしあげないとね♪あ、あとネオアンジェの話もね♪
そ・れ・にv私の話もね♪
薫:……はひ……(汗
努力しますのです……
L&姫:努力…ねぇ?
薫:…あ?あの?おふたりとも、何をにっこりとわらって…って。
その手の大鎌とロッドは…って…
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
L:さってと。何かねないでやれ。といったのに寝てる薫はおいといて。
姫:それでは次回。NEXT10話。くせ者揃いの珍道中をお送りしますね♪
L:アニメのほうでは10話だけど、これだと12話になってるけどね。
姫:計画性がないのよ。この薫さんに。
L:そうねぇ。
L&姫:ともあれ、それではまた、次回でvまったね♪
あとには、なぜかどすぐろい染みの上に黒い人型がのこるのみ……
2006年9月5日某日
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