まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわぁ♪
さて・・・・・。最後までいけるでしょーか?
というか、前回、自分で打ち込んでおいて何だけど・・・。
感想。フィルさん・・・・あーた、本当に人ですか?(爆!)
アニメでは、あっさりと、弾き飛ばされてましたけど・・。
しかし、足をくじいただけだったし・・・・(笑)
フィルさんの、頑丈さ・・どこまですばらしいのか(爆!)
気になる私ですv
それでは、いっきます!
ついに(多分)コピーとの決着!んではでは!!!
#####################################スレイヤーズフォエバー 第25話 ~(多分)決着~
ごぅ……
「出てきなさい。出てこないのなら、全てを焼き尽くしますよ?」
いいつつ、両の手と口と額にある三つ目の口にて、
四つの呪文を操りながら『レゾ』がいいつつ、神聖樹・フラグーンを焼き払ってゆく。
焼き払われつつもそれでいて、『レゾ』から発せられる瘴気にて。
焼き払われつつも成長しているフラグーン。
ミシミシミシ……
木が軋む音が、静かに樹の洞の中にいるあたし達にときこえてくる。
「何ですか?この音?」
こちらの世界の【アメリア】の疑問に。
「僕が説明しましょう。これはフラグーンが、瘴気を吸って成長している証です。
つまり、攻撃をうけつつ成長している。そういうことですね♡」
にこにこと、にこ目のまま説明しているゼロスに対して。
「フラグーンの力の源は瘴気ですからね。」
うなづいて、壁といか、樹の幹に手を当てているシルフィール。
「そういえば。どうしてゼロスさんは栄養にならないんですの?」
最もな疑問を投げかけるシルフィールに。
「いやですねぇ。シルフィールさん。
僕クラスの瘴気を吸ったりしたら、あっさりと神聖樹ははぜ割れちゃうじゃないですか♡」
はっはっはっ。
笑いつつ答えているゼロス。
「というか。ゼロスさんは今。そうならないように。自分に結界かけてるしね」
今だに目覚めないアメリアとゼルの額に、
濡れたタオルを置いているのを取り替えつついっているユニット。
「そういえば、ゼロスは、この樹にとってはいいご馳走だよなぁ」
のほほんというガウリイに。
「パシリ魔族のくせにね♡」
「エル様ぁ……ガウリィさぁぁぁぁん」
情けない声を出しているゼロス。
「でも、アメリアもゼルも無茶するわよね。ただの人間で攻撃を直接に受けるなんて」
あたしの言葉に。
『・・・・リナ(さん)、それって、リナ(さん)が人間でないような言い方(です)(なんだが)(汗)』
きっちりと、声を重ねているシルフィールと、こちらの世界の【アメリア】と【ゼルガディス】。
「だって、エルだし」
それで済ましているガウリイ。
「……エル様ですもんね……」
つぶやくゼロスに。
「まあ、あの程度なら霧散させないと♡あの威力程度だったら。あとは術の発動をその前に防ぐか♡」
にっこりと微笑みつつ、会話に参加したユニットの言葉に。
『無理(です)(だろ)それは(人には)』
同時に。
ゼロス、ガウリイ、【アメリア】、【ゼルガディス】、シルフィールの声が一致する。
『う……』
そんなほのぼのとした会話をしていると。
アメリア達がうめき声を上げて、うっすらと目を開けてゆく。
「おおお!アメリア!大丈夫じゃったか!?」
がしっ!
いきなり、目が覚めたアメリアに抱きついているフィル。
「あ…あれ?私……一体?」
自分に何が起こったのか、理解がよくできてないアメリア。
と。
「う…う……はっ!?アメリア!?」
「はいっ!」
目が覚めると同時に、アメリアの名前を呼ぶゼル。
その言葉に思わず返事しているアメリア。
「…よかった!どこも怪我は!?体は何ともないか?」
フィルから、開放されていたアメリアは。
今度は、ゼルにと抱きつかれて真っ赤になってゆく。
「ゼゼゼ////」
「……ま、まあ、無事で何よりだな」
その様子をみて、照れつついっている【ゼルガディス】。
「アメリアさん!」
がしっ!
真っ赤になってゼルから離れたアメリアに、今度はシルフィールが抱きついてゆく。
「おまたせぃ!」
「あら。お二人とも、目が覚めましたのですわね!」
その手に見慣れない剣をもち。
あたし達の元にと戻ってくるリナと、こちらの世界の【シルフィール】。
「おや。祝福の剣ですねぇ♡」
にっこりと、それをみていうゼロスに。
「へえ。さすがは、腐ってても。いくら便利なアイテムとなってても魔族なのね」
「リィィナァァサァァン」
「そうですわね。いくら、そちらのリナさんにこきつかわれて。
魔族ともいえないような人だとしても。知識は豊富ですのね」
これまたとどめをさしている、こちらの世界の【シルフィール】。
「うう……どうせ……どうせ……」
その言葉に空間の隅にいき、人魂オプションつけて地面にのの字をかいていじけ始めるゼロス。
「ゼロス、何を今さら。最もなことでいじけていてどうする?」
にこにこと、慰めているつもりのガウリイ。
「そうですよね。いつも、リナさんに使いっパシリにされてますけど。ゼロスさんって、一応魔族なんですよね」
ぐさっ。
アメリアの言葉に、さらに傷ついているゼロスに。
「アメリア。それをいうなら。今は、ゼロスは完全にリナのアイテムだぞ?」
きっぱりと言い切っているゼル。
「しくしくしくし……」
その言葉に、さらにどんよりといじけているゼロスの姿。
「ええい!うっとうしい!」
どすっ!
虚空から取り出したスコップで、そんなゼロスの頭を勝ち割っておく心優しいあたし♡
『・・・・・・・・』
それをみて、なぜか汗をかいているユニット以外の全員。
「と……とりあえず。これから、どうしますか?リナさん?」
見なかったことにして。
横でだくだくと血を丁寧に流して転がっている物体を無視して、あたしに聞いてくるアメリア。
「そうねぇ。リナはどうしたい?」
あたしの言葉に。
「ききまってるじゃないのよ!このあたしに、喧嘩をふっかけてきた以上!みっちりと、後悔させてやる!
姉ちゃんもいってるし!やられたことは未遂だとしても、最低でも千倍にしてやり返せって!」
拳を握り締めて、言い切るリナの言葉に。
『・・・・・・・・・・・・・・・・。』
しばし無言になっているシルフィールたち。
「それに。一応、エル達はここの住人じゃないし。
こっちの世界のことは、自分達で決着をつける!それが道理でしょ?」
にこり。
にっこりと笑ったリナに。
約一名、その笑顔に見とれているガウリイの姿。
「そうです!リナさん!今こそ、正義のこちらの世界の仲良し四人組みで、悪を叩きのめしましょう!」
目をきらきらとさせていうこちらの世界の【アメリア】の言葉に。
「……ちょっとまて……誰のことだ……それは(汗)」
その台詞にいやな予感がしたらしく。
汗を流して、つっこんでいるゼルガディス。
「決まってます!リナさん、ゼルガディスさん。私。それに、ガウリイさんです!」
「ちょっとまてぃ!ガウリイは、こっちの世界の住人じゃないでしょうが!」
違うところを突っ込んでいるリナ。
「大丈夫です!きっと、絶対にこちらの世界の住人になりますから!リナさんがいる限り!」
「おう。オレはすでにそのつもりだぞ♡」
言い切るアメリアの言葉に、同意しているガウリイ。
「それこそまて!何であたしがいる限りなのよ!」
「……リナさん、本気でいってるんですか?」
リナの言葉に、つっこみを入れるシルフィール。
「だから、何で?」
『……鈍っ!』
「あたしのどこが鈍いのよぉぉぉ!!」
声を重ねて、全員の声が一致するので。
リナがそれに抗議してくるし。
本当、楽しいわ♡
「俺は、そんなものになったつもりはないが……」
つぶやいている【ゼルガディス】の意見も聞かずに。
一人、盛り上がっているこちらの世界の【アメリア】をみつつ。
ぽん。
そんな彼の肩に手を置くゼル。
「……あきらめろ。どう転んでもアメリアだ。言っても無駄だ」
「………ずいぶん変ったタイプだな……あれで、本当にセイルーンの王女か?」
つぶやく【ゼルガディス】に。
「…それをいうな。アメリアの姉はもっと、とんでもないぞ?」
溜息をつき言っているゼル。
「?」
「まあ、そのうちに分かるさ。ま、がんばれ」
首をかしげる【ゼルガディス】に、声援を送っているゼルだし。
その傍らというか、視線の先では。
「だから、何で、あんたはここに残るとかいってるのよ!」
「だから、リナの側にいたい♡から♡」
「だから何でよ!あ、それとも。それをあたしにくれる♡んで、残ってくれるとか♡」
いまだに諦めてないリナの台詞に。
「ま、同じようなものだな♡おまけもついているがな♡」
「?おまけ?」
「おう!オレ!♡」
「おまけはいいから、それだけちょうだい♡」
「オレとセットでないと却下♡」
「……だから、何でよ?」
何やら言い合っている、リナとガウリイ。
「……ここまで、鈍いとは…………」
そんなリナをみつつ、つぶやくこちらの世界の【シルフィール】に。
「シルフィールさん、知らなかったんですか?」
問いかけているアメリア。
「ええ。今まで、リナちゃんに言い寄る男性とかはいましたけど。
ここまでいろいろとアプローチされても気付かないリナちゃんって……ま、リナちゃんらしいですけど……」
リナをみつつ言っている、こちらの世界の【シルフィール】。
大概。
それとなく告白とかしても。
リナってば、気付かずに。
そのまま、友達として付き合うというか知り合いのまま。
というのが今までの成り行きだったからね。
面白いことに、リナに言い寄る男性には。
ルナの見定めの実験とか。
リナの父の品定めとかあったりして。
大概の男は、それで挫折してるのが現状なんだけど。
かなり大切にしているからねぇ。
ここの世界のルナ。
リナを♡
リナがらみだと、どこまでも暴走するしね。
まあ、リナの父もそうだけど。
それは、リナの母が押し止めるし。
……ピクリ。
シルフィールの台詞を捕らえたガウリイはといえば。
……そいつら殺す。
今までにリナに好意を持った異性に対して、嫉妬を燃やしているけども。
まあそこはそれ♡
結局、まあ、おまけも一緒で。
そのうちにくれるっていうんだから。
まあ、いっか。
一応、こいつ、剣の腕、かなりいいみたいだし♡
無料のボディーガードと思えばいいわよね♡
それで済ましているリナ。
その意味をまったく理解してないけども。
それこそ、ガウリイの思う壺なんだけど♡
「とりあえず。あたしは、この祝福の剣であいつに立ち向かうわ。
エルとユニットちゃんは。フィルさんを安全な場所にお願い!
んで、ガウリイはアメリア達の呪文をその光の剣で増幅して、あのコピーのやつにとぶつける!
シル!サイラーグの仇…とらせてあげるわ!」
リナが、着々と指示をだし。
それに伴い作戦が練られてゆく。
「い~い!?ガウリイは、ともかくあいつを樹の懐にまで追い込んで!」
リナから、直接に言われたので、かなり顔が綻んでいるガウリイ。
「……みてられないな。その顔……」
「ガウリイさん、頑張ってくださいね。どうやら道のりは遠そうですから。」
「大丈夫です!テスラ姉さん!テスラ姉さんたちが元の世界に戻っても!
この私が責任をもって、きっと二人をくっつけてみせます!」
一人、やる気になってるこちらの世界のアメリア。
そして。
くるりと向きを変えて。
「ということで♡ゼルガディスさんも手伝ってくださいね♡」
「……何で俺がぁぁ!」
完全に、アメリアのペースに巻き込まれている【ゼルガディ】ス。
「……なし崩しに惚れるな。このペースだと……」
そんなこちらの自分の姿をみつつ。
自分の経験から、ふとそんなことを漏らしているゼルの姿。
「やっとでてきましたね?」
樹から離れた場所で呪文を放っていた『レゾ』は。
ようやく、樹から出てきたリナ達をみてうれしそうにと声を上げる。
「なあ、本当にいいのか?かわいい、儂ににてか弱いアメリア達に何かあったら。儂はじっとしておられん!」
今にも飛び出そうとするフィルを。
「まあまあ♡ここはリナ達を信じましょ♡大丈夫。死ぬようなことはないですから♡」
にっこりと。
やんわりと押し止めているユニット。
少し離れたその一角というか。
安全な場所。
というので。
様子を水晶にと映し出しつつ、フィルにもみせているあたし達。
「それはそうと・・・フィルさん?どうして、こちらにこられたのですか?」
今だに頭にスコップをなぜか突き刺しているままのゼロスが、
疑問に思っていたらしくフィルにと聞いてるけど。
「おお。そのことか。実はな。サイラーグが消滅した。と聞いてな。
かわいい娘たちに何かあってはと、急いで駆けつけたしだいじゃ」
そういうフィルの台詞に。
「あら、ちょっと、今。セイルーン。少しばかり混乱してるのに?」
くす。
軽く笑ってあたしがいうと。
「ほう。エル殿は、我がセイルーンで何が起こっているのかご存知なのか?離れているのに?」
感心しているフィル。
「そりゃねぇ♡」
ユニットがそういい。
互いに、あたしと顔を見合わせてくすりと小さく笑う。
「ほう。やっとその気になってくれましたか?どうです?重破斬を放ってくれるのですか?」
にこにこと。
目を閉じたままでリナ達にと言っている『レゾ』に対して。
「冗談。あんたなんかに、『金色の王』の力の呪文はもったいないわよ。あんたにはこれで十分!」
いって。
すちゃりと、祝福の剣を構えるリナ。
「困りましたねぇ。ならば全員。この場で殺してさしあげましょう。
そうすれば、いくらなんでも唱えてくださるでしょうしね♡」
リナの言葉に薄く目を見開いて。
「では……次は誰にしましょうか?」
いって、次に攻撃を仕掛ける相手を選んでゆく。
「ふん。今度は、そうはいかないわよ!各自、作戦通りに散って!」
リナの言葉と同時に。
ババっ!
作戦を立てたとおりに。
それぞれにその場から飛びのいて、各自作戦を実行してゆく。
「行くぞ!ガウリイ!」
「おう!」
ゼルの言葉に応じて。
ガウリイが、走りつつゴルンノヴァの形態にし。
ぽつりと。
「いいか?かなり増幅しないと。金色の王……つりまはエルに何かされても、オレは知らないからな♡」
剣に向かって走りつつ、つぶやくガウリイ。
……ヒィィィィ!
そのガウリイの言葉に。
なぜか、かなり恐怖の感情を撒き散らしているゴルンノヴァ。
――ままままままままままさか(汗)――
テレパスで、ガウリイにとその台詞が入ってゆくが。
「何だ?気付いてなかったのか?」
――いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!―
ガウリイの台詞に。
なぜか、パニックになって、一応魔族なのに死に物狂いになっているゴルンノヴァ。
そんなに驚かなくてもいいじゃないのよ!
ゼルガディス二人と、アメリア二人が放った崩霊裂を、烈光の剣を媒介にして。
威力を数千倍にまで押し上げて。
そのまま、『レゾ』にと叩き込んだその直後。
ガウリイが、『レゾ』の懐にもぐりこんでゆく。
「……ぐわっ!」
バシュッ!
ガウリイが投げた崩霊裂によって。
その身にまとっていた残留思念の殆どを、消滅させていたりする『レゾ』は。
その衝撃波で、額から血を流しつつ。
きっと、向かってくるガウリイを見据えてゆく。
「き…貴様ら!」
すでに、ゆとりがなくなってきている『レゾ』。
ともかく今の彼には、勝つことしか頭になく。
カンカンカン!
ガウリイに押されて、フラグーンの根元に誘導されていっている。
ということには、微塵も気付いていない。
……かなり情けないわね。
ゴルンノヴァもゴルンノヴァで、もてる力の全てをガウリイにゆだねているし。
しかも、あたしに対して恐怖をもちつつ。
だからどうして、そんなにこの心優しいあたしを恐れる必要があるのよ!
……後で、お仕置き決定♡
ついでに、上司にも責任がある♡
ということで。
今晩にでも、ユニットと一緒に部下Dのところにでもいきますか♡
う~ん、我ながらナイスアイデア♡
数分もたたないうちに、あっという間に『レゾ』は。
樹の根元にとガウリイによって追い詰められてゆく。
「な゛!?力が!?」
樹の幹に体が触れると、その体に取り込まれている魔族の瘴気と。
ザナッファーの瘴気がフラグーンにと吸収されてゆき。
思うようにと動けなくなってゆく、『レゾ』の姿。
「あんたは二つの間違いをおかした!一つは命を何とも思ってないということ。
そしてもう一つは、このあたしに喧嘩を売ったことよ!」
いって。
ドスッ!
リナが戸惑っている、『レゾ』の胸に祝福の剣を突き立ててゆく。
ドッ!
そのまま勢いよく神聖樹にと貼り付けになる『レゾ』。
「くっ!こんなもの!」
それを手で抜き取ろうとするが。
「シル!シルフィール!今よ!」
リナの声とともに。
「はい!」
『復活!』
二人同時に、待機していた、シルフィールたちが。
フラグーンにと向かって復活の呪文をとなえてゆく。
ザワ!
樹が瞬く間に、その力を得て再生しようとして活動を活発化する。
樹の糧はといえば瘴気。
そして。
手近にあり、しかも自らの分身でもある祝福の剣が貫いている、てっとりばやい栄養確保の源は…『レゾ』。
「……これは……」
【ゼルガディス】のつぶやきに。
「樹が瘴気を吸って生長しているのよ」
淡々と話すリナの前で。
体から瘴気を抜かれてゆきながら、瞳を恐怖に見開いて。
「ねえ。私は、オリジナルを超えたでしょぅ?そうでしょう!?」
狂ったようにと叫んでいるその姿に。
「……貴方は、オリジナルのレゾを超えて。何がしたかったのですか?」
そんな彼の横にいき、目線を同じにして聞いているこちらの世界の【シルフィール】。
そこにあるのは哀れみの感情。
「……何をしたかったのか?」
その言葉に、今更ながら。
自分がオリジナルを超えることしか考えてなかったことに気付き。
そして……
「……私は…そうか……オリジナルを超える。ただそれだけしか考えてなかったから…負けるのですね……」
いって。
初めての涙を流してゆく『レゾ』。
ザワ!
やがて、『レゾ』の体の中から瘴気を全て吸い尽くし。
今まで以上に緑の木々と葉をたたずまえ。
今や、廃墟と化し湖となっているサイラーグの町に。
ただ一つ。
ここに、サイラーグがあった。
というのを示すようにと、でんと神聖樹がそびえたってゆく。
ザワザワザワ……
キラキラキラ……
太陽の光が木の葉にあたり煌いて、その影を地面にと落としてゆく。
「……私は……まけたのですか?……どうして……」
樹の根元に動かない一人の男性の姿。
こつ。
そんな彼にと近づいていっているリナ達。
「私の存在意義とは……何だったんでしょうか……」
つぶやくその言葉に。
「それは、お前が決めることだったな。
俺だって、レゾに合成獣にされた口だが。自分の道は自分で決める。」
【ゼルガディス】は、魔族との合成獣ではなかったものの。
もしかしたら、自分がそれになっていたかもしれない。
という概念が捨てきれずに。
なぜか同情していたりするけど。
「貴方は、オリジナルを超えた先に道を見つけることができなかった。それが全ての原因です」
そっと手を握るシルフィール。
「……そう…か……私は……すでに……
オリジナルにこだわっていた時点で……コピーはコピーでしかなかったのですね……」
すでに自分の死期が近いのを悟り、口から血を吐きつつ、つぶやき続けてゆく『レゾ』。
そして。
「一つ…質問していいですか?あなた方は……遥か先に、何をみているのですか?」
その言葉に。
「それは言わぬが華ってやつね♡」
かるくいって、リナはウィンク一つ。
「……墓標には何と刻む?」
傍らにと座り聞いているゼル。
「…そんなものはいまりせん。できれば…この樹の根元に埋めてください……この樹が…私の墓標です……」
それだけいって『レゾ』の意識は閉じられてゆく。
後には。
静かに神聖樹が佇むのみ。
「全てが終わっても……サイラーグが元に戻るというわけではないんですよね…」
水にと浸かって、遺跡と成り果てている町並みをみつつ。
つぶやく、こちらの世界【シルフィール】。
「シル?やっぱ、あれやってみる?」
リナの言葉に。
「いけません!軽々しく、時間を戻して歴史を変えるようなことは!」
そんなリナにと突っ込んでいるシルの言葉に。
『……は?』
目を点にしている、アメリアふたりに、ゼル二人。
そして、シルフィールの姿。
「あ…あの?こちらの世界のわたくし?いったいどういう意味なのですの?」
疑問に思ったことを問いかけるシルフィールの言葉に。
「神聖魔法の一種なんですけど。リナちゃん、時間を元に戻したり進ませたりする呪文を使えるんですの。
でも、それは。あまり望ましくはありませんし。少なからず、どこかにその代償がうまれますから」
あっさりと説明する【シルフィール】のその言葉に。
『・・・・・・』
しばし沈黙が舞い降り。
そして。
『え……えええええええええええ!!!!!?』
なぜか、驚いているアメリア達の姿が見受けられてたりするけど。
「だって、姉ちゃんから教わってるし」
これまたあっさりいうリナ。
ちなみに。
一応、魔王とか竜神クラスには。
時間を自由に行き来できる能力と。
その時間を戻したり進めたりする能力も、当然のことながら与えていたりする。
あまり、乱用しないのは。
たとえば、今、十分前に戻るとすれば。
その、十分後に起こるそれからの世界は消滅し。
多少の歪みなどが発生する。
つまり、歴史をかえるようなものなので、禁止能力にと自らを戒めているのが今の現状。
「でも、リナさん。それをやったらかなりの魔力使うわよ♡だって、あの一瞬にフレアオーブが発動してるし♡」
樹の根元に、『レゾ』をその希望通りに埋めつつ。
ついでに、あたしとユニットもリナ達にと合流し。
そんなリナの言葉にユニットがにっこりと話しかける。
「?発動?」
そんなユニットの言葉に、首をかしげているアメリア。
「というか、何だ?その、フレアオーブというのは?」
聞いたことのない名前なので眉を潜めているゼル。
「ああ、ルナ…もとい。ここの世界の神。赤の竜神の力が封印されている球よ。
ここ、サイラーグの神殿に、祭られていたのよ」
あたしの言葉に。
「……よく、リナさん。短期間にそこまで調べましたわね」
感心していたりするシルフィール。
「だって、町に入ったときに分かるでしょ♡」
「そうそう♡空気の気配からして分かるわよね♡誰にでも♡」
にっこりと、断言するあたし達に。
なぜか、しばし無言になっている皆だし。
そんな会話をしていると。
グルキュウ……
「なぁ?それはそうと。何か食べないか?」
お腹を盛大に鳴らし頭をかきつつ、笑いながらいうガウリイに。
――ゴゲ!!!
面白いことに。
その場にいた、全員が地面にと突っ伏していたりする。
ま、ガウリイらしいけどね♡
一方。
「……はい?」
「はい。あんたも手伝うのよ!」
いきなり、気がついたら。
いつのまにかその手に箒とモップとバケツを持たされているのに戸惑いの声をあげているコピー。
「……って……あの?」
私は……死んだはず……では?
呆然と理解ができないままにその場にと立ち尽くしてゆく。
「ああ!早くしないと、お仕置きがまってるぅ!」
叫んでいる黒い髪の男性。
その瞳の色は鮮やかなまでの紅一色。
ほぉぉう。
そんなにお仕置きがしてほしいのかしらねぇ♡
「ようこそ♡はい。貴方も頑張ってくださいね。」
割烹着を着込み、はたきと箒をもってにこにこといっている男性の言葉に。
「……れ…レゾ?」
「はい?何ですか?コピーの私。あ、名前がないと不便ですね。何がいですか?」
にこにこと彼に聞いているレゾ。
「……え……えと……」
一体、何がどうなって……
混乱しているコピーに向かって。
「つまり。我らはエル様…つまりは。金色の王に知らずとはいえに、喧嘩を売ったので。
こうして、混沌の海の掃除を命令されているわけだ。
これがすむまで、魂は輪廻にはのれないぞ?まあ、私は輪廻とかは関係ないが…な……」
冷や汗かきつつ、てきぱきと雑巾をかけながら。
空間に雑巾かけしてど~するのよ?(笑)
マメねぇ♡
説明している、レゾの中にと封印されていたSの言葉に。
「……はい?」
目をかなり大きく見開いて、ただただ呆然とするコピーレゾの姿がしばし見受けられているし。
ま、頑張って掃除してね♡
トンテンカン……
余波で、とりあえず吹き飛んでいた建物を。
そこに残っていた人々が辺りにある材木で復興作業を開始しはじめてゆく。
とはいえ。
市街地、中心地帯は完全に水没しているので。
フラグーンを囲むように、円形にと作業を開始していっているけど。
そんな、今だに枠組みすらも出来ていないその一角で。
ガツガツガツ。
ムシャムシャムシャ。
バクっ!
健康的に食事にありついているリナ達の姿。
「あらら。よっぽど、お腹がすいてたのねぇ♡」
いいつつ。
あたしはケーキを一口、口にと運んでゆく。
ゼロスはといえば。
ちょっと、お茶目に一瞬で材木などを再構成し見せたところ。
ちょっとした便利なアイテムとして、町の人達にとこき使われていたりするし。
そんな理由で。
頭にハチマキを巻いて。
片手に、トンカチもっているゼロスの姿が見られているけど。
まあ、そこはそれ♡
「そういえば、これからどうするんですか?」
アメリアの素朴な疑問に。
「何いってんのよ。あんた達が元の世界に戻る方法。
シャザードグランディが創ったという。例の、鏡の装置!
ここの世界で見つけないと帰れないんでしょ?つまり、これからはそれの情報集めね」
リナが、びしっと、フォークにウィンナをつきたてたまま、アメリアにとそれを突き出す。
「おっ、いっただき♡」
ぱくり。
突き出されたウィンナを。
一言いって、にっこりと笑い、
ばくり。
と、それを食べているガウリイの姿。
「あ…あああっ!あたしの…あたしの、多胡さんウィンナぁがぁっ!!!ガウリイ…許さぁぁん!」
パパパパッ!
「ああ!リナっ!それ全部はせこいぞ!」
食事の取り合いバトルになってる、リナとガウリイはまあいいとして。
「あれ?そ~いえば父さんは?」
ふと。
今さらながら、フィルがいないことに気付いているこちらの世界の【アメリア】。
ドドトド……
「おおおおいっ!アメリアぁぁぁ!」
白い馬にまたがり。
食事をしているその最中。
人のことわざでいうと。
『噂をすれば何とやら』
「あ!父さん!」
手をぶんぶんと振る【アメリア】に。
「……え?アメリアさんの……お父様……って…まさか……あの……り…リナちゃん?」
こちらに近づいてくるその姿を目にし、顔色を真っ青にして言っているこちらの世界の【シルフィール】。
「……シル。世の中って……理不尽よね……」
ふっ。
軽く溜息をつきつつも、ちゃっかりとガウリイの分のお皿の中身を全て奪い取っているリナ。
「確か……アメリアさんは…セイルーンの……」
「そう。フィルさんが、セイルーンの第一王子だ」
そう淡々というゼルの言葉に。
「だって…だって、王子様って…気品があって…ハンサムで……」
よろよろとよろけるこちらの世界の【シルフィール】に向かって。
「現実は甘くない」
断言している【ゼルガディス】。
「……はぅ!」
パタン!
そのまま。
こちらの世界の【シルフィール】は卒倒し。
そして。
ばきっ!
「こ…この人を王子だなんて呼ばないでください!」
そういったゼルに対して、思いっきり拳を顔にのめりこませているシルフィール。
「父さんっ!無事でしたか!」
「いやぁ。なぁに、復興に必要な人材をそろえてきたぞ!がはははは!」
いって、指を指した、その先には・・。
ゴーストやスケルトン…そして、レッサーデーモンなどの姿が。
「さあ。きびきび動いて、いい汗をながすのじゃ!がははっ!」
フィルの言葉に、びくっ!としつつ。
手伝い始めているし…それらは♡
『うわ!?』
『わぎゃ!?』
いきなりレッサーデーモンたちが、側に出現したもので。
パニックになっている町の人達の姿もみうけられてるけど。
「がはは!どうじゃ!全ての生き物は助け合えるという、いい例じゃろうが!」
『……何処がよ』
『わあきゃぁ!』
彼等が手伝おうとするたびに、周囲から巻き起こる悲鳴の数々。
う~ん面白い♡
一人笑っているフィルに対して、アメリア二人は目を輝かせ。
リナ、シルフィール、ゼル、ゼルガディスとガウリイにいたっては。
しばし、頭を抱えてうなっているけど。
楽しいのにね♡
「王子……王子ぃぃぃぃぃぃ!!!!」
そんな、ほのぼのとした光景の中。
伝令の兵士が叫びつつも、フィルに向かってやってくる。
「おお、こんな所におられましたか。フィリオネル王子。」
ごめっ!
そういう兵士の言葉に。
「……この人を王子だなんて呼ばないでっ!」
ようやく気絶から起きた【シルフィール】の拳が、まともに兵士の顔面をヒットしてゆく。
「どうかしたんですか?」
アメリアの問いかけに。
「おお!?あれ?どうして王女が二人も?まあ、いいとしましょう」
『……い~のか!?』
その言葉に、突っ込んでいるゼルと【ゼルガディス】。
「実はセイルーンが大変なんです!」
「なぬ!?こうしてはおられん!いくぞ!」
がしっ!
「ちょっとぉぉ!?何でフィルさん、あたしの手を掴むのよぉ!」
リナが叫ぶが。
「ちょうどいいから、リナ殿たちにも手伝ってもらおう。なぁに礼金は出すぞ?」
「んじゃ、金貨五千枚♡」
ズベッ!
にっこりいった、リナの言葉に。
なぜか。
全員が、そのまますべりこけてるけど。
「た…高い!せめて、これにまけてくれ!」
「ちっちっち。けちけちしない♡」
いきなり、交渉を始めている二人に対して。
「ゼルガディスさんはどうしますか?」
【ゼルガディス】に聞いている、こちらの世界の【アメリア】。
「俺は…そうだな。セイルーンは一度あたって、何も得るものがなかったしな……」
つぶやく【ゼルガディス】に。
「何だったら、王宮の中の図書館で調べてみますか?私や父さんの口利きで禁止区域にも入れますけど?」
「……俺も一緒にいこう。」
こちらの世界のアメリアの言葉に、一緒に行動することをあっさりと決めている【ゼルガディス】。
「……そ~いうのは、職権乱用というのではないでしょうか?」
いつのまにか横にきていたゼロスが、そんなことをつぶやいていたりするし。
「いいじゃない♡旅は多いほうが楽しいし♡」
「そうそう。それじゃ。次の目的地はセイルーンね♡」
「とりあえず……食事が済んでから♡」
ズベシャァァァァ!!!
リナが、フィルと値段交渉が終わり。
結局、金貨一人につき、二千枚で手を打って言ってくるけど。
さすがリナよねぇ♡
リナの言葉に。
「それもそ~ね♡」
「まあ、ゆっくりとしますか♡」
優雅にと食事をしているあたしとユニットに。
席につきなおしているリナとガウリイ。
それ以外は。
なぜか。
リナの今の一言で。
全員地面にと突っ伏していたりするし。
「あ。では、わたくしもセイルーンに参りますわ」
「シルも!?んじゃ決まりね♡」
よっしゃぁ!
シルのお金もあたしのもの!
一人、ガッツポーズを内心とっているリナの姿が。
戦いが終わったサイラーグの町の一角にて見受けられてゆく。
次に進むは、セイルーン。
この一件、少しは楽しめたわね♡
-続くー
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あとがき:
薫:・・・・・ちなみに。
次はエピローグとくっつける・・・・つもりです。
でも、つもりは、みもり(まて!)
長くなったら。エピローグだけになるし・・・。
つまり、エピローグは。エル様達が、元の世界に戻る所なんですけどね(笑)
一応、あの、最終回。セイルーンに向かってからの、イベントというか、話しを。ちょこっとやってからになりますv
・・・・さあ、このツリー(書き殴り)で、最後までいけるか!?
さすがに、冬休みに入れば、投稿が増えますねぇ♡
うれしい限りですvそれではvvv
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