まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわ♪
さてさて、今回、よーやく、エリスの再登場v
・・・結局、昨日、無印・・見なかったからな・・・。
でも、見ないでも全部内容というか、会話の一部にいたるまで。
・・そらでいえる私って一体・・・(汗)
んではでは・・・・。
#####################################スレイヤーズフォエバー 第23話 ~異世界黙示録の写本~
「ここなんですか?」
アメリアが首をかしげる。
「はい。この魔法陣が、移動法陣となってまして」
そういってくる鶏姿のディーバの言葉に。
「ありがとうございます!鶏さん!」
お礼をいっているこちらの世界のアメリア。
「だからァ!私は、鶏なんかじゃありません!」
「まあ、ディーバさんくらいの実力だと。人間形態をとることは無理ですからねぇ」
しみじみいっているゼロスに。
「いくら、下級でも。それくらい根性があれば、どうにかなるものよ!情けないわねぇ。本当に」
あたしが一言いって、そちらをみると。
……この、人間風情が……
などと、思っていたりするディーバだし。
「あら、誰に向かって、そんなことを思っているのかしら♡」
にこ。
「……え゛?」
どうして、考えていることが?
などと思いつつ、あたしの言葉になぜかうろたえているディーバ。
「……ディーバさん……エル様の前で……何思ったんですか……」
そんなディーバに冷や汗を流して聞きつつ、
「まあ、僕としては、ここの世界の魔族がどうなろうとしったことではないですけど。
僕達のほうに、矛先がこなければね♡」
あっさり、きっぱりいいきるゼロスに。
「……ゼロスさん。それって、自分以外はどうでもいい。というように聞こえますけど?」
こちらの世界のシルフィールが、そんなゼロスにと問いかける。
「そうですけど?」
さらりといったその言葉に。
「ゼロスさん!そんなの、正義じゃないです!」
「そうです!正義の仲良し四人組みのブラス一名ともいうべき人が!」
交互にそんなゼロスに突っかかってゆく、二人のアメリアの姿。
「いや……事実、僕は人でないですし」
アメリア達の台詞に困ったようにと頬をかいていたりする。
「??あの?『ここの世界』って……いったい?」
首をかしげるディーバの台詞に。
「ああ、エル達ね。こことは違う世界。
曰く、平行世界から、こっちに迷い込んできている人間なのよ。
約、一名。パシリ魔族もいるけど。」
そんなリナの台詞に。
「リナさぁぁぁぁぁん……」
何やら泣き声でいっているゼロスだし。
ほんと、芸が細かいわよねぇ。
こいつは♡
「……は?よくわかりませんが。ともかくいきますよ。転送!」
全員が魔法陣にと乗っているのを確認して。
ディーバが、その鶏の羽を広げると、床にかかれた魔法陣が輝きをまし。
そして。
次の瞬間。
ドササっ!
「……アメリア……重い……」
「……頼むから早くのいてくれ……」
ゼルの上にとアメリアが落ちて。
【ゼルガディス】の上にと、こちらの世界の【アメリア】がおっこちてゆく。
「ぐぇ!?」
『あ……あら』
ゼロスの上に二人のシルフィールが落っこちて、ゼロスをつぶしていたりするけども。
「はい、到着」
ストン。
飛べない羽をぱたぱたしつつディーバが一言。
「リナ、大丈夫か?」
「ななななな……!?////」
ガウリイはといえば、先に床にと足をつけ落ちてくるリナを手を広げて受け止め、
ちょうどリナをよこ抱きにと抱きかかえたような格好になっている。
「お……おろせぃぃぃぃ!!!!!!」
恥ずかしさで真っ赤になって叫んでいるリナ。
こいつは……人のこと、そこまで子供扱いするか!?
リナは今だに。
ガウリイの行為の数々を自分を子ども扱いしているため。
と勘違いしまくっているのだが。
「どうやら。ここがレゾの研究で創られたものや、魔法がかかっている品物らの物置のようだな」
いいつつ。
「あら♡ゼルガディスさん?顔が紅いわよ♡」
くすくす笑っているユニットに対して。
「ほっとけっ!」
こちらの世界の【アメリア】に下敷きにされて、少し顔を赤らめている【ゼルガディス】。
「確か、こっちにありましたわよね?」
いいつつも、すたすたと歩いてゆくシルフィール。
この場の棚に無造作に置かれている品物は、全て何らかの力が含まれているもの。
中には。
「これ、何でしょうか?」
そんなことをいいつつも、アメリアが棚にある一つの箱を開くと。
ピョョョョオン……
箱の中から、飛び出してくるちょっとしたもの。
曰く、ビックリ箱。
それに思わず目を丸くするアメリアに対し。
「……そ~いえば、レゾはこういった人を驚かす玩具をよく作ってたからな……」
それをみて、しみじみといっている【ゼルガディス】。
『……赤法師って……一体……』
ゼルガディスの言葉に。
こちらの世界の住人、全ての言葉が一致してるし。
「あ…あの?ゼロス様?どうして、あのような人間なんかとご一緒に行動しているのですか?」
歩きつつ、ゼロスにと素朴な疑問を投げかけているディーバ。
「ディーバさん♡世の中には、知らないでいいこともあるんです♡
それより、ここのレゾさんはもう滅んでいるのに。今だに、ゼラス様のところに戻らないつもりですか?
何年間、音信普通でしたかねぇ?はっはっはっ。」
ゼロスの言葉に。
「ヒィッ!」
小さく悲鳴を一つ上げ、そして恐る恐る。
「滅んでいるって……」
「リナさんが、あの『御方』の呪文で、滅ぼしちゃいましたからねぇ。いやはや♡」
そう言っているゼロスの言葉に。
「…あ……あの?あの御方って……?」
首をかしげるディーバ。
「とりあえず。早いところ魔力を取り戻しておいてくださいね。
まあ僕は、ディーバさんが滅びようが消滅しようがどうでもいいことですけど♡」
そんなゼロスの言葉に。
「……あの?それは、一体……どういう?」
「それは―秘密です♡」
そんな会話をしているゼロスとディーバの姿があったりするけど。
「確か、この辺りにあったはずだが……」
ゼルのつぶやきに。
「任せて!魔風!!」
ゴウっ!!!
いきなり、リナが部屋の中にと風の呪文を唱え。
その影響で、棚においてある品物などが棚から崩れ舞い散りてゆく。
「……むちゃくちゃするやつだな……」
そんなリナをみて、汗を流して突っ込みを入れているこちらの世界の【ゼルガディス】。
それと同時。
コツン。
「いて!……お、この石、何だ?」
ガウリイの頭に一つの石版が落ちてくる。
「……げっ!!?それは!?」
ディーバが、ガウリイが手にしている石版をみて小さく叫んでいたりするけど。
「封印の石版ね♡」
あたしの言葉に。
「へえ?これが?」
いいつつ。
ガウリイの手からそれを受け取り、しみじみと見ているリナ。
「なるほど。確かに。
これは、残留思念を封印した異界黙示録の写本の内容の一部を抜粋したものですねぇ。
これがあれば。ある程度の力があれば、自我のない残留思念を操ることは可能ですねぇ。
いやぁ♡あのレゾさんも。けっこう考えてはいたんですねぇ♡」
完全に人事口調のゼロス。
事実、人事だけども♡
あたし達がその石版を囲んでいろいろと話し合っていると、
その場からそっと抜け出るディーバの姿。
「……あら?鶏……さん?」
それに気付いて。
たたた。
その後を追いかけてゆく【シルフィール】。
やがて。
そこの隠し部屋の奥の壁にかけられている一つのお面を手にとって自分の顔にとつけてゆくディーバ。
ググゥ……
それと同時にディーバの姿が変化してゆく。
「き……きゃぁぁぁぁ!?」
それを目の当たりにして【シルフィール】が悲鳴を上げ。
「どうしたの!?シル!?」
リナがそんな悲鳴に驚いて、【シルフィール】の元にと走ってゆくが。
「に……ににに鶏さんが……」
走りよってきたリナに対し、震えつつシルフィールが指を指差す。
その指先にいるのは、先ほどまでの姿とは異なる。
といっても、姿は鳥のままだし、チョッキすら着たまま。
色は、灰色にと変化しているけども。
チョッキの下にある腹筋が、無意味に割れていたりする。
そんなディーバの姿。
ちなみに、大きさも先ほどまでの鶏の姿とは異なり、多少大きくなっているけども。
…もうすこしきちんと具現化しなさいっ!
まったく……
「おや?ディーバさん。魔力が復活しましたか?」
そんなディーバに対して、のほほんといっているゼロス。
その言葉に続き、
「う~ん。あまりおいしそうじゃなくなったわね……」
ディーバの全身をみて、そんなことをいっているリナ。
「……リナさん。本気でこれ、食べる気ですか?」
アメリアの言葉に。
「以前、うちの姉ちゃんが、ちょっとした魔族を料理したとき。結構おいしかったのよね」
あっさりいうリナに。
「……あの?リナさん?それって……」
おそるおそる聞いているゼロス。
「何でも、ヒュレイカーとかいう魔族だったけど?姉ちゃん曰く、海神官らしいけど。」
『……お゛い゛(汗)』
リナの言葉に突っ込んでいる二人のゼルガディス。
「さ……さすがですね(汗)こちらの世界の『赤の竜神の騎士』……」
なぜか、汗をかいているゼロス。
「・・・・・・・・え゛?」
その言葉に、しばし、沈黙するディーバ。
「でぇぇぇ!?ゼロス様!?この娘。魔王様が『人間とは、みなすな!』と勅令を出している、
あの!赤の竜神の騎士の妹なんですか!?」
なぜか悲鳴をあげているし。
「そうですよ?」
あっさりいうゼロスの言葉にしばし沈黙。
ぴく。
「あたしは、あたしよ」
その言葉に不機嫌になっているリナ。
自分は自分なのに。
どうしても、ルナの妹。
としてしか見られない自分が嫌いなリナだからねぇ。
まあ、人というものは、どうしても比べたがる生き物だからね。
何かしらにつけて。
「それはそうと。リナさん、これ、かなり強い魔力を秘めてますね」
リナからこちらの世界の【アメリア】に手渡り、石版は今は【アメリア】の手の中にとあるんだけど。
そんな会話をしていると。
「ほほ。それは、彼方たちが持っていても必要のないものよ」
入り口から聞こえてくる別の声。
「その声は……!?」
リナが声と共に振り向くと。
そこにいるのは。
『エリス(さん)!!とコピーレゾ(さん)!!』
「れ……レゾ様!?」
リナ達の声と、ディーバの声が一致してゆく。
入り口にいたのは。
いうまでもなくエリスと、その横にはコピーのレゾの姿。
「これは、こういう用途で使うのよ。手間が省けたわ。
いくら私でも、この作品や品物の中からそれを探し出すの、手間がかかるからね」
エリスの言葉に続いて。
「それでは、舞台にでも案内しましょうか?」
そう言ってくるコピー。
そして。
こちらに向かって手をかざしてくる。
と。
ふわっ……
「ああ!石版が!?」
その魔力によって石版は、アメリアの手からレゾの手の中にと移動してゆく。
「ふ…ふはは!ついに、手に入れたわ!レゾ様の遺産!異界黙示録の写本!」
エリスの言葉に。
「……な゛!?異界黙示録だと!?」
ゼルガディスの目が見開かれる。
シャラン……
その直後。
レゾの姿をしているコピーレゾが、その手に持っている杖を振りかざし。
その杖にとついている飾りがシャランと揺れる。
その音とともに。
リナ達は光にと包まれ。
刹那。
あたし達は、違う場所にと転移する。
「……ええと?とりあえず、私はお役ゴメンですよね……逃げましょ……」
いって。
あたし達の姿が消えた刹那。
この場所から逃げているディーバの姿が。
まあ、どうでもいいけど。
べつに♡
あとでお仕置きは必要だけどね♡
「……ここは?」
アメリアがつぶやく。
周囲に石碑が立ち並ぶ、とある部屋。
「ちょっと!エリス!それをどうする気よ!」
リナが、エリスに向かって叫ぶが。
「レゾ様が残した遺産で、レゾ様を倒した貴様たちを倒す!それが私の使命!」
いいつつ石版を高々と掲げるエリス。
「ふっ。冥土の土産に教えてあげる。ここには、かつての魔獣ザナッファーを封印した遺跡があるのよ。
そして、この石版こそ。その封印をとく鍵!
レゾ様のコピーの出来損ないのそいつを操って。全てはレゾ様の仇をうつため!」
そういうエリスの言葉に。
「ちょっとまちなさい!それって誤解よ!」
リナが叫ぶが。
「ふん。誤解なものですか!風の噂で『レゾ様が死んだ』……
そう聞かされたときの、私の絶望!貴様たちにはわかるまい!」
いって、涙を浮かべているエリス。
「私は……レゾ様が…好きだった……あの御方に、光を取り戻して差し上げたかった……」
そういって、過去を懐かしんでいるエリス。
「だからって、罪もないサイラーグの町を破壊することはないじゃないですか!」
アメリアの糾弾に。
「五月蝿い!レゾ様を殺した奴等のいうことなんか、知らない!」
「こういうのを、自分勝手というんですよねぇ。やれやれ♡」
いって、首を横に振っているゼロス。
「魔族の貴様がいうな、ゼロス。」
そんなゼロスに突っ込んでいるゼル。
「それこそ、逆恨みでしょうがぁぁ!レゾを倒さなかったら、この世界が滅んでたわよ!?」
リナの叫びに。
「レゾさんは、最後は魔王に意識を乗っ取られてました!復讐するなら、赤瞳の魔王にしてください!」
きっぱりと言い切っているアメリアに。
「だからって…逆恨みの復讐のためだけに。サイラーグの町を…人々を殺したのですか!?」
エリスに向かって叫んでいるシルフィール。
「わたくしは、貴女をゆるせません!」
そして、叫びつつも、ついっと前に一歩でている【シルフィール】。
「目的のためには、手段を選ばないわ。私にとっての全ては……レゾ様が中心だった……」
いいつつ、過去を回想してゆくエリス。
レゾと一緒に、魔法を学んだ毎日。
そして。
白魔法、黒魔法を極めても。
その目は決して開かれることがないレゾ。
神聖呪文に気がつかないレゾもレゾだけどね。
使えない。
と信じ込んでいたし。
ちなみに。
ここの空間、つまりは、子供だましのような結界の中。
獣王、冥王、覇王、海王が張っている神封じの結界の中でも。
ここにいる、赤の竜神と水竜王の力は使えるのだけど。
まあ、結界のために多少の魔力を必要とするけど。
使えない。
と信じ込んで、はや千年と少し。
思い込みってこわいわねぇ♡
目を開かすために。
その実験として、各村や町などを練り歩き。
目の前で、レゾが起こした、人曰く、『奇跡』を目の当たりにしてきたエリス。
だけど、当然のことながら。
Sが干渉していたレゾの目は開くことはなく。
次第に、そのことだけに捕らわれて。
レゾの心はSにとじわじわと乗っ取られてゆき。
そして。
曾孫である、ゼルガディスを合成獣にと仕立て上げ、自分の意思のままにと扱える駒をふやしてゆき。
そして。
迎えた終末。
あたし達がここにこなかったら。
本来はリナの呪文と、ルナが出て始末したんだけど♡
「くっ!何とか、あの石版を奪い返さないと!大変なことになるような気がします!」
アメリアの言葉に。
「言われなくても分かってる!魔獣の復活などはさせない!」
いって。
ゼルが先にと仕掛けてゆこうとするが。
「ゼルガディス、彼方の相手は、この私です。」
いいつつ。
一歩前にと踏み出してゆく【コピーレゾ】。
「それで?コピーをルビーで操って?あたし達を殺して、そしてどうする気?」
リナが冷ややかに、そんなエリスにといってゆくが。
「どうするもなにも!ともかく!レゾさまの仇!覚悟!」
いって。
あたし達にと向かってゆくようにと【レゾ】に指示を出す。
「くっ。コピーのくせに、結構やるな」
【ゼルガディス】のつぶやきに。
「おや?コピーがオリジナルに勝てない。超えられない。誰がそう決めましたか?」
そういって。
ドン!
魔力の塊を放ってくる【レゾ】に対して。
「おやおや♡これはこれは♡確かに、面白そうですねぇ♡」
エル様が、あまり干渉せずに成り行きを見守っていた理由が僕にもようやく分かりましたよ♡
すとんと。
その辺りの石碑の上にと腰掛けて、完全に見物を決めこんでいるゼロスに。
「うきゃぁぁ!?ゴーレムとか、ゴーストの大群ですぅ!」
「任せてください!浄化結界!」
【アメリア】の言葉に、反応している【シルフィール】。
「あたし達の相手は、どうやら、これらしいわね♡」
「そうね♡」
グヂョ……
あたし達の目の前に出現したのは。
実験に失敗したりしている生命の数々。
中には、その顔立ちは人のまま。
体は、十本の黒い毛むくじゃらの手が生えて。
そして、その体は蛇。
そういった、合成獣の姿なども見られるけど。
ついでにいえば。
その自我が亡くなったところに、そのあたりに漂っていた精神体を捕まえて。
その器に閉じ込めて、一つの使い捨ての戦士としていたりするけども。
「まあ、ここまで舞台を作ってくれたんだし♡それに応じて少し遊びますか♡」
ふわ。
あたしが手を伸ばすと。
そこに出現する、銀色の縁取りの大きな鎌。
「それじゃ♡私も♡」
いいつつ。
ユニットもまた。
今回は、柄などの色を虹色にと設定し。
スティッキ程度の大きさにしているロッドを、ふわり、と手の中にと出現させてゆく。
「……げっ!?ちょっとまてぃ!エル!!?ユニットちゃんっ!!それは!」
ガウリイが何やらあせったように叫んでくるけど。
『それじゃ♡いってみましょう♡』
ドドドドゴォォォォン!!!
対峙する、リナ達、リナ、ゼル、ゼルガディス。
そして、シルフィール二人達と、ガウリイ達とは裏腹に。
少し、そんなリナ達から放れて、
なぜか、あたしとユニットが少し道具を振り下ろしたたけで、爆音がとどろいてゆく。
「……なぬ!?それは……まことか!?グレイ?」
報告を城の王座で受けているのは。
見た目は、どうみても……
『彼は何に見える?』
と、誰かに聞いたら。
まず、百人の中で、九十九人は間違いなく、『盗賊のおやぶん』か、または『少し小柄なドワーフ』。
と答えること間違いなしのその容姿の男性。
ここ。
セイルーン王国、セイルーンの第一王子でもある、
『フィリオネル=エル=ディ=セイルーン』その当人。
「はい。間違いないです。先刻下りました神託の内容は…サイラーグの壊滅…という形で……」
その報告をうけ。
「各自、何がおこったのか、至急原因の究明を!儂は、娘が心配だから先にいく!」
いいつつ。
ぱさり。
白いマントを羽織りつつ。
がたん。
席をたってゆくフィルの姿がここセイルーンの一室でみうけられていたりする。
くすっ。
一応楽しいから神託として下しておいたのよね。
ふふ♡
……アメリア!
儂ににて、華奢でか弱い娘だから。
何か、危ないことに巻き込まれていなければいいが……
そんなことをおもいつつ。
馬を走らせてサイラーグにと向かっているフィル。
硬い岩をも素手でと粉々に粉砕するアメリアのことを知っている存在が聞いたら。
まず、なぜか、間違いなく突っ込むであろう言葉をつぶやきつつ。
休むまもなく馬をはしらせていたりする。
まあ、『華奢でか弱い。』というのは、わかるけどね。
だって、このあたし達だって、かよわいんだし♡
「くっ!かなり、力もってるわね!コピーの分際で!」
「コピーが、オリジナルを超えることもあるんですよ!」
いいつつ力を込めてゆくコピーレゾ。
「悪いけど。あたしだって!伊達に小さいころから、姉ちゃんにしごかれているわけじゃないからね!」
いいつつ、繰り出されてくるその力を押し戻していっているリナ。
「ほう……やりますね?」
【コピーレゾ】の口元が歪み。
「こうでなくては、面白くありません。
完全なる体調で戦って、そして勝利する。それこそがこの私がオリジナルを超えた証っ!」
そういいつつ。
さらに、リナ達と対峙する魔力を高めてゆく姿がそこには見受けられていたりするけど。
「ふん。雑魚の相手は、お前に任せた。」
いって。
石版をもったまま浮かんでゆくエリスに。
「いけない!あのまま、エリスさんをいかせては!」
何やら叫んでいる【シルフィール】。
ザワッ。
フラグーンがざわめきたつ。
バチバチバチバチ……
周囲に満ちるちょっとした魔力の電撃。
「くっ!止めるわよ!あれを!」
いって、リナがそんなエリスに向かって飛んでゆくが。
「……ふん。邪魔をしないでよね。」
いいつつ。
ピシッ!
紅いルビーを自分に向かって飛んでくるリナにと投げつける。
が。
パキィン……
「…何!?」
リナの額に埋まり、リナを操れる、と確信していたエリスの口から驚愕の声が漏れてゆく。
リナの額のバンダナにあたり、そのまま砕け散るルビー。
「残念でした。このバンダナは特別仕様なの♡さあ!エリス!石版をこっちによこしなさい!」
リナがバンダナを指差しつついい、そのままエリスにと掴みかかる。
だがしかし。
「ふん。貴様では無理でも……」
いいつつ。
ピシピシピシシっ!
続けざまに、ルビーを足元。
つまりは、レゾや合成獣と対峙している、あたし達の方にと投げつけてくる。
フラグーンの根の近くというか、根元にある、ちょっとした空洞の中に儲けられている一室。
ここには約百年前、ザナッファーの実験体が発生していた瘴気の源を封印した場所であり。
封印したからには、解除する方法もまたあるのもまた事実。
エリスが持っている石版は、そんな封印を解くための品物。
「……きゃぁっ!」
「シル!!!」
心に隙間が出来ていたこちらの世界の【シルフィール】は、交わしたつもりが交わしきれなくて。
そのまま、その額にと、そのルビーを受けてゆく。
「シル!しっかりして!」
リナが上から叫ぶが。
次に目を見開いた【シルフィール】の目は、完全にエリスの操り人形と化していたりする。
「くっ!卑怯ですよ!シルフィールさんを操るなんて!」
そんなシルフィールの様子をみて、どなっているアメリア。
「ふふ。そこで、仲間とたわむれつつ見ているがいい!魔獣が復活する様子を!
さあっ!今こそ復活のときだ!魔獣ザナッファーよ!」
百数十年前の。
あたしにとっては、ほんの先日のその残留思念が。
今、エリスの手により蘇えろうとしているけど。
まあ、本当にただの思念体だからねぇ♡
しっかし。
何処をどう失敗したら。
そこまで、違った代物が出来上がるのかしらね♡
本当♡
だから、写本とかと呼ばれている品物から出来たものとか伝承って面白いのよね♡
絶対、どこかが違って伝わっているから♡
エリスの言葉に応じて。
フラグーンがざわざわと梢を鳴らし。
その地下から瘴気の渦が巻き起こってゆく。
パッキィィン……
石で、覆われていた壁の一角の瓦礫が崩れ落ち。
そこに出現する石版を治める台座。
そこに、『石版をはめ込むことで封印解除。』という設定にと当時作っていたレゾ、ラウリィたち。
人にその石版を守らせたのは。
二度と、かつてのような過ちを犯させないための処置のつもりだったのだが。
その前に。
彼等は、『世界に仇をなすもの。』として、迫害をうけ、表世界から姿を消していたもので。
ここに、『こういった代物がある。』というのは。
神官長を引き継いだ存在。
つまりは門外不出事項、超秘密事項としてその存在だけにと語られていた。
フラグーンだけでは抑え切れなかった。
残留思念の封印の、その解除の方法。
今。
エリスの力によって。
かつて、レゾも共に封印をほどこしたそれは解かれようとしているけども。
「おお!?これは!?こうしちゃおられん!アメリアぁぁぁ!」
ドドドドド!
なぜか馬から下りて走っているフィル。
それに続いて、二本の足で立ち、
その後ろをあわてて走って追いかけているフィルが乗っていた白い馬の姿が、
サイラーグの入り口付近に程近い丘の上で見受けられていたりするのは。
あたしとユニット以外、気づいてない事実♡
「シル!こうなったら…シルの苦手攻撃!」
ぼそぼそといって。
その辺りにある手荷物の中から、カエルのゴムの置物を取り出しているリナ。
それを、【シルフィール】にと向かって投げつけてゆくリナだけど。
「か!?…かえっ!!……はぅっ!」
ビタンと、顔にと直撃したそれをみて気絶している【シルフィール】。
そ~いえば。
こっちの世界の【シルフィール】の苦手なものって……カエルなのよね♡
リナがナメクジが苦手なのと同じく♡
「あはは!今こそ、復活するとき!レゾ様。このエリスが、レゾ様の仇を!」
いいつつ。
「こい!でくの坊!」
エリスがいうと。
【レゾ】もまた、ゼルガディスたちと対峙していた手を止めて上空にと浮かんでゆく。
「あははははははは!!!」
完全に勝利を確信し高らかに笑っているエリス。
だがしかし、そんな彼女の胸元に。
―――――ドシュ……
鈍く突き刺されるちょっとした光の線が一つ。
『え!!!!?』
あたしとユニット以外の全員の目がその光景に目を見開き。
「おやおや♡」
いつものにこ目を少し開いて、のほほんと見ているゼロスはさておき。
鈍い音とともに、エリスの体を光の一筋が貫いてゆく。
そして、エリスに向かって片手を突き出した『レゾ』が。
「貴女の役目はもう終わったのです……こうなったら、貴女は邪魔なのですよ♡」
にこにことしつつ、一言エリスに向かって言い放つ。
「……な……なぜ……」
最後の言葉を発しつつも、コフッと血を吐き崩れ落ちる。
リナ達の目からみると。
スローモーションのように、エリスの体は床にと叩きつけられてゆく。
「コピーに自我が芽生えないとでも?貴女とレゾが私に施したあのときの実験。
あのとき。すでに私には自我が芽生えていたんですよ」
いいつつ、すっと額に手をあてて。
「ああ、もう、これは必要ありませんね」
にこにことしつつ。
操られていたふりをしていたルビーを外し、
パキィィィン……
その手の中でとそれを砕いてゆく。
「……所詮は……コピーは……コピーでしか……レ…ゾ…様……」
崩れてゆく、エリスの意識の中で。
エリスの脳裏に、レゾとの思い出が浮かんでは消えてゆく。
「……しっかりしてください!」
アメリアや、ふと、我に戻ったリナ達がエリスの元にと駆けつけると。
すでに胸を一撃にて貫かれ。
復活の呪文でも、命が助かるかどうなるか分からない様子。
それでも。
「今、呪文を!」
そういうシルフィールの言葉に。
「……命を……かろんじた…罰……なのかしら…ね……レ…ゾ…さ……ま……」
今だに、石版の前にと浮かんでいる【レゾ】にと手をのばしつつ。
エリスは涙を流しながら、そのまま呼吸を停止してゆく。
「ふはははは!死んだ…死んだぞ!ふはははははははははは!」
「……あんた…屑ね!仮にも、親の一人じゃなかったの!?」
きっと、そんな彼を睨みつけて言うリナの言葉に。
「そうですよ?そして、この私をこんな体にしたのも……そこのエリスと、レゾ」
そう言い放ち。
「さあ!ザナッファーよ!我に力を!」
その言葉とともに。
遺跡全体が輝きをましてゆく。
この遺跡のこの場所って実はちょっとした魔法陣を表してたのよねぇ。
遺跡全体が輝き、
ザワザワザワ……
木々を揺さぶる音とともに、地下から出てくる、とある力の波動。
「な゛!?」
「……失敗したのか!?」
「違いますわ!見てください!コピーレゾの周りに!どんどん力が集まって!」
シルフィールの指摘に全員がそちらをみると。
そこには。
白い霧のようなものがコピーレゾを覆い。
その霧が獣の姿にと形を変えつつ、彼の体にとまとわりついてゆく姿があったりする。
「……レゾ……様……」
「おや、エリス?どうしたのですか?」
信じられない声を聞いたような気がした。
そんなことを思いつつ、ふとエリスがつぶやいたあとに振り向くと。
「れ……レゾ様!?」
驚愕の表情のエリス。
「……貴様も、エル様に何かした口か……」
そしてまた、そんなレゾの横でなぜかため息をついている黒い髪の男性も。
どういう意味かしらねぇ♡
S♡
「魔王、そんなことをいうもんじゃないですよ。よくきてくれましたね。
実は、私と魔王の二人では広すぎましてね。ここの掃除全体は」
「……掃除って……はい?」
混沌の中にと還ってくるエリスを。
そのままレゾとSのところにと向かわせて、レゾたちと同じく掃除当番にとさせておく。
何て親切なのかしら、あたしってば♡
さってと♡
混沌の中の塵掃除♡
さあ、しっかりと働いてよね♡
そんなエリスの様子を知るはずもなく。
「……くるぞ!!!!」
ガウリイの言葉と同時に。
「ははははははははははははははは!!!!!!」
笑い声とともに。
ドン!!!!
あたし達がいる場所が振動し崩れてゆく。
「あい…つっ!ザナッファーを取り込んだぞ!?」
ゼルの驚愕の叫びと、
「だぁぁぁぁ!何だって、こうややこしい事態になるのよぉ!」
リナの叫びが、むなしいまでにとこだましてゆく。
「別にややこしくないってば♡」
にこやかにいうユニットに続き、
「まあ、あまり干渉せずに。リナ達の行方を見守りますか♡」
にっこりというあたし。
「それもそ~ね。」
そんな会話をしながらも、完全に傍観を決め込んでいるあたしとユニット。
ちなみに、ゼロスもあたしから何の指示もないこともあり、傍観を決め込む気みたいだけど♡
「ここは、僕の世界じゃないですからね♡リナさんたちのお手並み拝見といきますか♡
まあ、エル様の命令があれば、別ですけどね♡」
いって。
完全に、手出しせずに。
ただ、にこにこと成り行きをみているゼロス。
ぶち。
そんなゼロスに対してコメカミに青筋をたて、
「こぉぉらぁ!ゼロスっ!あんたも、何かせんかいぃぃいい!」
リナの怒りの矛先がゼロスにと向かっているけど♡
さぁって♡
本来だったら、リナがあたしの呪文を唱えようとして。
そのまま止めようとしたシルフィールに向かって放たれた呪文を庇って大怪我して仮死状態になる。
というのが、本来の基本の世界なんだけど。
まあ、ここはここだからね♡
本当にやっぱり、ここにきてから退屈しないわ♡
リナに、神滅斬で切り刻まれているゼロスをほほえましくみつつ。
そんな光景をにこやかに眺めるあたし達。
リナ達が今から立ち向かうのは、魔族と合成されているレゾのコピー。
そして、プラス。
かつて、この地、サイラーグを滅ぼした魔獣ザナッファー。
その魔力と力を取り込んだコピーレゾ。
今、次なる戦いが幕を開けてゆく。
まだまだ楽しめそうよね♡
-続くー
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あとがき:
薫:・・・どこが、か弱い・・・・(ボグっ!)
・・・・な・・何でもないです・・・・(涙)
(頭に何か突き刺して、だくだくと血を流しつつ、答えている薫の姿)
姫:さて。
今回、無印の22話と23話がごっちゃになってます。
まあ、それはともかくとして。
何か、私達の出番がまったくなくなってきているし・・・。
やっぱり、薫の文章力の皆無のせいよね・・・・。
エル:そうよね・・・・。
あたし達が、手をだしたら、すぐに、一秒!もたたないうちに。
終わるから!と、こいつはいってるけど。
でも、活躍させないのは、いけないことよね♡
姫:そうよねぇ?♡
―ドガガっ!!
(ヒギャァァァァ・・・・・・)
エル:えー。何やら、オ見苦しい雑音が聞こえたかもしれませんが。
姫:風の音なので気にしないでねv
エル:それではv
姫:ようやく、ラストまで、あと数話v
エル&姫:それでは、まったねvv
(そういって、幕が下ろされてゆく・・・・・・)
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