まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわ♪
ああ、間に合わないぃ・・間に合わないぃぃぃ♪(歌うな!)
クリスマス小説、頭で考えたものの!打ち込むのが間に合わないぃぃ♪
しかも、年賀の絵はどうなったぁぁ!?折角タブレット購入したのにまだ一度も使ってないぞぉ(爆!)
まあ、とにもかくにも。年内にこれは終わらせるのさぁ(そーか?)
ではでは!いっきます!
ふふ・・・・。仕事から戻って風呂に入ってたら・・・。もう十時・・・・。
ふっ。今日(22日)中に打ち込めるのか・・(汗)
(絶対に無理!)
(しかも、今からご飯を食べながらぁぁ・・(だからまてってば!)
##################################### スレイヤーズフォーエバー 第20話 ~サイラーグの悪夢~
『ガウリイ(さん)(様)そんなことまでわかるの(んですか)(ですの)!?』
なぜか。
あたしとユニット以外の全員の驚愕の叫びが、ガウリイに向かって放たれてゆく。
ま、ガウリイだし♡
「ちょっと……それまじ?」
リナがかすかに声を震えさせつつガウリイにと聞くと。
「おう。だって、気配でわかるだろ?」
さらっといっているガウリイ。
「絶対に分かりませんって」
「ガウリイの旦那の人間離れは相変わらずだな……」
ぱたぱたと手をふっているアメリアに。
ふっと、つぶやきつつ言っているゼル。
「魔族だなんて百害あって一理なし。そんなものが合成されているんですの?」
こちらの世界のシルフィールの言葉に。
「いや…その…そ~いわれましても。そんなに魔族を毛嫌いしなくても……」
多少いじけつつも、そんなシルフィールにと話しかけるゼロス。
「だって。知り合いから、『魔族にも悪人にも人権はない!』といわれてますし」
にっこりという【シルフィール】の言葉に。
「……一体どういう知り合いですか?」
頭を軽く抱えているシルフィール。
「ああ。それ。うちの父ちゃんと母ちゃん」
『・・・・・・・・・・・』
リナの言葉に、なぜかしばし全員が沈黙し。
そして。
「さすがリナさんのご両親ですね!」
ほめている【アメリア】に。
「……こっちの世界のリナも、一筋縄でいかないのは、両親譲りか……」
つぶやきつつも、どこか遠くをみているゼル。
「ま…まあ。ともかく。今は、あの『レゾもどきをどうするか。』が先決じゃないのか?」
なぜか、汗をかきつつ言っている【ゼルガディス】。
そして。
「しくしくしく……誰も僕を構ってくれない……」
横でいじけているゼロス。
完全に無視されていたりするけど。
まあ、ゼロスだし♡
「それもそ~ね。どこまでコピーでその能力が受け継げるのか。その辺りによるわよね」
そんなゼロスを完全に無視して言うリナの言葉に。
「あのレゾの魔力がそのままに。そして魔族の魔力容量。そんなのが入ってたら洒落にならんぞ?」
そんなリナに話しかけている【ゼルガディス】。
「そういえば。この近くに闇の魔道士ギルドがありますけど?そこに聞けば、何か分かるんじゃありません?」
そんなリナ達の会話に対して提案を出している【シルフィール】。
「闇って……さては、悪ですね!」
目をきらきらさせて言っている【アメリア】。
「そういう意味でなくて。公式に認められていない魔道士ギルド。
…つまりは、魔道士協会のことよ。専門にしている分野が合成とか、そ~いった類だから」
とりあえず、一応説明しておくあたしの言葉に残念そうにしている【アメリア】だけど。
「なら、そこに聞けば何か分かるかもしれませんわね?そこにいってみません?」
シルフィールが案を出し全員の顔を見渡す。
太陽が地平線から完全に覗ききり、朝日が眩しく辺りを照らし出してゆく。
「なら、俺はしばらく別行動を取らせてもらう。やぼ用があるんでね」
そういう【ゼルガディス】の言葉に。
「もしかして、レゾの研究所か?」
ふと、問いかけるゼル。
「ああ。」
その【ゼルガディス】の答えに。
「えええええ!?あのレゾの研究所!?そんなものがここにあるの!?ねっ!ゼル二号!」
「だから、誰が二号だぁぁぁぁ!!」
「諦めろ。今まで一緒にいて分かったが。こっちのリナもいっても無駄だ」
ぽん。
そんなゼルガディスの肩に手をおき、パラレルワールドの自分を慰めているゼル。
「んっふふ。そこにあるものは、ぜぇぇんぶ、あたしのもの♡
何しろ、賢者と称されてたレゾの研究所だもん♡きっとかなりいいものがあるはずよ♡」
お宝の予感♡
リナの目が完全に輝くけど。
「……ひょっとして…もしかして……ここにも?」
ふと。
あのときのことを思い出してあたしの顔をみてくるシルフィール。
「そりゃ、あるでしょうね♡」
スゥゥ……
あたしの言葉になぜか顔色が悪くなっているし。
「なら、俺が案内しよう。多分ここまで同じだと、位置も同じだろうからな」
すくっと立ち上がるゼルに。
「すまん」
いって、こちらも立ち上がる。
「ずるいです!ゼルガディスさん!私もいきます!」
いいつつ、アメリアも立ち上がる。
「じゃあ。リナとオレ達で魔道士協会の方。ゼル達はそっちの研究所。それでいいか?」
のほほんというガウリイの言葉に。
『ガウリイ(さん)が話しについていってる!!?というか、仕切ってる!!?』
面白いことに。
こちらの世界のメンバーと、パラレルワールドの世界のメンバーの声が完全に重なってるし。
「あ…あのな……お前ら……オレをなんだと……」
ぶつぶつ言っているガウリイを完全に無視して。
「ひょっとして、俺達、二度と帰れないんじゃないか?」
「ガウリイさんがまともなことを言ってます…何か悪いことの前触れでなければいいんですが…」
「ゼロスさん。そんなことより。天変地異が起こるかもしれませんよ?」
「いえ。それより、こちらの世界ではザナッファーが復活するのでは?」
ぼそぼそと話しこんでいる、ゼル、ゼロス、アメリア、シルフィール。
「今までも一緒に旅をしてきた中からしても。
ガウリイさんがまともなことをいったのなんてすばらしく皆無ですし。きっと、何かよくないことがあります!」
「話を聞く限り、脳ミソくらげらしいですしねぇ。」
さらりと、面白い会話をしているこちらの世界のアメリアとシルフィール。
「まあまあ♡それじゃ。アメリアさんとゼルガディスさん達二人。三人はレゾの研究所の方を。
そして、私達は、その協会。それで依存はない?」
そんな会話をしている最中。
にっこりと、ユニットが全員にと微笑みかけて話をまとめてゆく。
「振動弾!」
ドゴォォォン!!
「こ…困ります!そんな勝手に!」
あわててあたし達を止めてくる研究員の一人。
「だって。好きに見学していいっていったじゃない」
リナがいいつつ扉を呪文で吹き飛ばし、奥にある研究施設にと進んでゆく。
「何だ?貴様らは?」
そんなあたし達を、ぎろりと睨んでくる一人の男性。
「……げ(汗)」
リナが一瞬、その姿をみて、とある人物を連想しているけど。
「ましゃか……ディオル????」
少し冷や汗をかいているリナ。
「ん?何だ?弟を知っているのか?それより、どういうことだ。ここには、人を近づけるな…と」
あたし達を案内してきた男性に言っているその男性。
いや…その……弟って………
………世の中って奥が深い……
まさか、魔道士ギルドの責任者があのディオルの兄だとは……
あ、でも、何か妙になっとくできるわね……
などと、リナが心でつぶやいているけど。
魔道士ディオル。
かつて、リナを基本に。
ヒドラなどと掛け合わせて合成獣にしようとリナを付けねらっていたことがあったりする。
ちなみに、あたしが遊んでいる世界でもあったけど♡
「い…いや、その。多額の寄付を頂きまして。何でも見学したいとか……で」
ぽそぽそと耳打ちしている研究員の言葉に目を輝かせ。
「寄付!?それで何がお聞きになりたいのですかな?」
いきなり低姿勢になってゆく、ディオルの双子の兄であるディオン。
こつこつこつ。
建物の中にと足音がひびきゆく。
「コピーはどれくらいまで、オリジナルの能力を引き継ぐんですか?」
質問する【アメリア】の言葉に。
「全部」
答えるディオン。
『本当ですか!?』
目を見開いて驚いている、二人のシルフィールと【アメリア】。
ガウリイはのほほんとしていたりする。
「まあ、理論的には可能じゃがな。しかし、属にいう秀でたものとなると問題はあるがの。
一般の人なんかだと、完全にまったく同一のものができる」
そう研究所を案内しつつ、合成の装置がある奥の部屋にとあたし達を案内してゆくディオン。
「秀でたもの…というと?やはり、その筋の達人。という存在ですか?
たとえば、一流の剣士とか魔道士とか。といった♡」
にこにこと。
少し興味があるらしく問いかけているゼロス。
まあゼロス達魔族だから。
コピーとかは作らなくても。
別に、具現化している数を増やせばいいだけのことだし。
当然のことながら。
あたしやユニットもそれは可能だけど♡
「そうじゃ。だが、そんな一流の存在なんて。そう簡単は……」
ディオンがいいつつ首を振ると。
「だったら、リナちゃんなんかはどうですか?これでもリナちゃん、かなり力のある魔道士ですし♡」
「お、それいいな♡リナがいっぱい♡」
「こらまてぃ!何であたしなのよ!それだったら!エルとかでもいいでしょ!それにガウリイでも!」
【シルフィール】の言葉に。
ガウリイが、リナがたくさんいるのを想像して少し顔をほころばせていたりする。
そんな二人の会話に突っ込みを入れているリナ。
「何!?リナ!?ひょっとすると!?あのリナ=インバースか!?願ってもない!」
目をきらきらと輝かせるディオル。
「コピーって、素材はどれくらい必要なんですか?やっぱり、血でも抜くんですか?」
いいつつ。
どこから取り出したのか(笑)
注射を取り出している【アメリア】。
「こらぁ!アメリア!何だって、そんなものをもっているのよ!」
「正義のためですっ!」
「どこにそんな正義があるぅぅぅ!!」
一応、そういった医療用具は身だしなみとして、持ち歩いているこちらの世界の【アメリア】。
なぜかというと。
アメリア達の母親が病弱であったから。
フィルが、娘たちを心配して。
何かあったら、すぐに対処できるように。
と、幼いころから持たせているからに他ならないけど。
「いや、髪の毛一本もあればいい」
ディオンの目が輝き。
「では、小さい方のリナさん。何事も実験は大切です。協力してくださいね♡」
「いやぁぁあっ!」
ザク。
わめくリナの髪の毛をその栗色の髪の毛の先を、
にこにことしつつ切っているこちらの世界の【シルフィール】。
「ガウリイ!んじゃ、あんたのもよ!こいつは、これでも!一流の腕の剣士だからね!」
「おおお!ここにもすばらしい実験材料が!」
いいつつ。
ブチリ。
ガウリイの髪の毛を掴んで、むしりとっているリナ。
そして。
二台ある装置の中にそれぞれの髪の毛を入れてゆく。
「そういえば、私たちのほうのリナさんの髪の毛を入れたらどうなるんでしょうか?」
ふと。
あたしをみつつ、疑問に思っているシルフィール。
「別に、髪の毛に遺伝子を組み込んでいるわけでもないし♡」
「というか。私達をコピーするなんて、無理でしょ♡」
「出来ても、まったく新たな命が誕生する程度よねぇ♡」
しみじみといっているあたしとユニットの言葉に。
「……シルフィールさん。恐ろしい考えはしないでくださいね?」
なぜか、本気でシルフィールを説得しているゼロス。
「そ~いえば。以前、リナを映したという、『影の鏡』
あれに映されて出来た人物も。完全に一人の人間になってたなぁ」
ふと。
以前のちょっとした関りを思い出しているガウリイ。
以前、ちょっとした出来事があったからねぇ。
それに関ったのは、ゼルとアメリア、ゼロスとガウリイだけど。
『・・・・・・』
なぜか、そんなガウリイのつぶやきに。
こちらの世界のアメリアとシルフィールはしばし沈黙。
あと、何かシルフィールも沈黙してるけど。
「?よくわからないけど。それより。これって、どれくらいでできるの?」
リナがわくわくしつつ、問いかける。
「普通の人間ならば、丸一昼夜もあれば。しかし、秀でた人物を作るのはこれが初めてで……」
そういいかける言葉に。
「でぇぃ!そんなに悠長にはまってらんないわよ!これを入れればいいんでしょ!?」
いって。
ランダムに、成長促進剤などを装置に注入してゆくリナ。
「あ……こら!そんな無茶をしたら!」
そんなリナをあわてて止めようとするディオン。
しばしのち。
プシュ……
「あ、出来たみたいよ♡」
「出てくるぞ!」
「……きゃぁぁ!かわいい♡ガウリイ様がたくさん♡」
ぞろぞろと出てくる、チビガウリイもどきと。
そして、チビリナもどきたち。
「何で、こんなに身長が小さいんですか?」
アメリアのつぶやきに。
「あんたらが無茶するからだろうが!」
ディオンが突っ込む。
ぺたん。
「……腹減った……」
装置の中から出てきたとたんに、お腹を鳴らして座り込んでゆくチビガウリイ達。
「ふ~ん。どうやら、オリジナルの性格は受け継いでいるようね。」
それをみつつ、リナがいうと。
「あ…あのな……」
ガウリイが突っ込もうとする。
と。
「お!」
横の装置から出てきた、チビリナもどきたちが。
そんなチビガウリイもどきをみつけ、いきなりとび蹴りを交わしている。
やがて。
数百対に及ぶ、小さなリナと、小さなガウリイの戦いが、その場で執り行われてるけど。
「う~ん。小さなリナもかわいいなぁ。」
「うふふ。小さなガウリイ様♡」
「これ、ルナさんにあげたら喜ぶでしょうねぇ」
「シル!それはやめてぇぇぇぇ!!」
そんなリナの一体とガウリイの一体をもっているガウリイとシルフィール。
そして、小さなリナをみつつ。
そんなことを言っている【シルフィール】の言葉に、リナが絶叫を上げていたりする。
『勝利!!』
積み上げられた小さなガウリイの上で、勝利のポーズをとっている小さなリナ達。
「……まけてますね。あっさりと」
それをみつつ、唖然としている【アメリア】。
「…ガウリイさん。情けなくないですか?」
それをみて。
にこにこと、ガウリイに言っているゼロス。
「まあ、リナに手出しというか、手が上げられないところも。オリジナルのままよね♡」
「?よっし!よくやった!あんたたちっ!」
あたしの言葉をまったく理解してないリナは。
自分のコピーたちが、ガウリイに勝ったので喜んでいたりする。
まあ、ガウリイがリナに手を上げられるはずないからねぇ。
別の意味の手出しはする気あったとしても♡
『んじゃねぇ!』
ポン…ポポン…ポン!
乱闘騒ぎだけして。
そのまま、掻き消えてゆく、ガウリイとリナのコピーたち。
「ああ!消えちゃう!?何で!?」
リナの言葉に。
「無茶のしすぎだぁ!」
ディオンの声が響いてゆく。
「そんなことより。どうやら、装置が暴走というか。きしんでますけど♡」
ゼロスがにこにことしつつ、目で周囲の装置の管を指すと。
ぷすぷすと音をたてて、何やら逆流なども開始していたりする。
やがて。
プシゥ!
ガラガラガラ!
完全に、あの程度で無理をしたらしく。
装置の働きが逆流して。
部屋全体に張り巡らせていた装置の管という管が軋みをあげて、煙を吐きつつ崩壊してゆく。
『お・・お邪魔しましたぁぁ!』
『二度とくるなぁぁ!!』
協会そのものも、その影響で崩れてゆくが。
それをそのままに協会を後にしてゆくあたし達。
まあ、一応。
手渡した寄付はオリハルコン、麻袋五袋だし。
建て直すには十分過ぎるでしょうしね♡
「そっちはどうだった?」
ゼルの言葉に。
「う~ん。基本はともかく。理論的には、のまま全てコピーされるらしいわ」
答えているリナ。
「それで?そっちはどうだったの?」
にこにこと。
戻ってきたゼル達二人とアメリアにと聞いているユニット。
「やはり、ここの世界も。入り口はレゾが結界を張っている。旦那の剣でないとあれは解けないだろうな」
いいつつ。
ガウリイの持っている、ゴルンノヴァをみているゼル。
「あら♡あたしやユニット、それにリナでも解けるわよ♡
リナ、神滅斬使えるし♡」
あたしの言葉に。
「……頼むから、それは止めろ……」
なぜか。
汗を流しつつ、言っているゼルだし。
そんなほのぼのとした会話をしていると。
「あ…あの?わたくし、お父様にリナちゃんの元にいく。というのは言ってきましたけど。
とりあえず報告に戻ってもいいですか?」
話の途中で言ってくる【シルフィール】。
「別にいいけど。今いっても、きっとレゾの手下なんかが待ち構えてるわよ?」
そんな【シルフィール】に言っているリナ。
「そうですね。では夜にまぎれて報告にいく。というのではどうですか?それか、何なら僕が移動しますけど♡」
エル様達の手を煩わせるくらいなら……
と、内心思いつつ言っているゼロス。
「遠慮いたしますわ。わたくし、空間移動。どうにも苦手でして……」
「……ね~ちゃん…連想するもんね……」
「……ええ……」
いって、顔色を真っ青にしているリナと【シルフィール】の二人だけど。
「じゃあ、とりあえず。夜になるのをまちましょ♡」
あたしの言葉に全員の意見が一致して。
夜になったら。
一度エルクに報告すべく。
サイラーグの中心街にと戻ることにと決定し。
夜まで、取り留めのない会話をしてゆくあたし達。
「ちょうど、月が雲に隠れててよかったですね」
空を飛びつつそんなことをいっているアメリア。
「油断はするなよ?」
いいつつ、周りを警戒している【ゼルガディス】。
「まさか、同じ顔の人物が。もう一組、揃うとは。お父様も驚くでしょうね」
いって、くすくすと笑っている【シルフィール】。
「結局は、エルク叔父さんが手配を許したのがそもそもの原因…なのよねぇ……」
そんな【シルフィール】をぎろりと睨んでいるリナ。
「あら、リナちゃん。過ぎたことは気にしないでね♡」
にこにこと、そんな会話をしているリナと【シルフィール】。
「………何か……わたくしがリナさんを。『リナちゃん』と呼んでいるのをみたら違和感をかんじますわ……」
そんな二人をみつつ、つぶやいているシルフィールの言葉に。
うんうんとうなづいている、アメリアとゼル達。
そんなこんなで。
雲がどんよりと辺りを被い星も一つも見えない夜空を。
あたし達は、神官長の家にと向けて空を飛んでゆく。
「リナ!」
ガウリイが、いきなり鋭い声を発する。
と。
同時に。
ヒュン!!
飛んでくる炎の矢。
スタ。
「ちっ!やはり待ち伏せか!」
ゼルがはき捨てると同時。
「ようこそ。今度こそ逃がしませんよ?」
いいつつ。
夜の闇から、紅いローブを纏っている男性が現れてゆく。
「おっと。ガウリイ。今度こそ、決着をつけようじゃないか?」
その横から現れるザングルス。
「……いい加減にしつこいな…貴様も……」
あきれていいつつも、リナのほうを振り仰ぎ少し首をかしげ、
「えと…リナ。こいつの名前、何だっけ?」
ごげっ!
頭をかきつつ、リナにと聞いているガウリイの言葉に。
その場の全員。
あたしとユニットを覗く全員がそのまま盛大にと地面に向けてこけているけど。
「あ…あんたねぇぇぇぇぇぇ!!ウルムグンとザングルスでしょぅがぁぁぁ!
あれだけ付きまとわられてて覚えてないのか!このくらげ頭ぁぁぁぁ!!」
そんなガウリイをがくがくとゆすっているリナ。
『……さすが、ガウリイ(さん)(様)……』
そんなガウリイをみつつ。
溜息ついているアメリア、ゼル、ゼロスにシルフィール。
「まあ、今のガウリイの冗談で。場の空気は和やかになったわねぇ♡」
そんなほのぼのとしている様子をみつつ言うあたしの言葉に。
「それはそうと。エル?どうする気?」
本来の運命の設定。
ユニットもそれを知っているのでそれとなくあたしに聞いてくる。
「そうねぇ♡どうしましょうか?」
「エルがいた所では、何ごともなかったことにしてるし。」
「そうなのよねぇ。まあ、あたしを何処まで楽しませてくれるか。それで決めるわ♡」
「あっそ♡」
のんびりとそんな会話をしているあたしとユニット。
「と…ともかく!」
「あ。起き上がった」
地面に突っ伏しているところを。
よろよろと立ち上がり体制を整えてゼルガディスが起き上がり。
「力を把握しないと、どうにもできないからな!」
いいつつ呪文を唱え始める。
「ちょっと!!!?二号!?こんな街中で呪文ぶっ放す気!?」
そんなゼルガディスに抗議の声を上げているリナ。
「心配するな!少し試すだけだ!」
いいつつ。
風の防壁呪文を唱えそれをコピーにとぶつけてゆく。
「ほう、この程度ですか。」
にこにこと全然実力を出してないコピーに。
「俺も助太刀するぜ!」
いいつつ。
ゼルもまたさらに力を上掛けして、呪文を放ってゆく。
「私もいきます!正義の心が彼を許すなといってます!」
いって、アメリアもそれに加わり。
「あ、ずるいです!テスラ姉さん!私も!」
いいつつ。
こちらの世界のアメリアもまた加わってゆく。
四人対一の勝負。
それでも、まったく実力を出してないコピー。
そして。
「おやおや。四人ががりで、こんなものですか?」
いって。
シャラン。
杖を一振り。
その刹那。
ドン!
その衝撃だけで、後ろにと飛ばされている四人の姿。
「……あちゃぁ。こりゃまじでしゃれになんないわ……
ね~ちゃん直伝の結界張っても…失敗したら。洒落になんないし……」
それをみてつぶやいているリナ。
そして。
「こぉらぁぁ!ゼロス!あんたも何かやんなさい!」
のんびりと傍観しているゼロスを睨んで、リナが言い募る。
「僕には関係ありませんし♡余計なことはしませんよ♡
ここはリナさん達の世界です♡ってことで頑張ってください♡」
「んじゃ……エル達は…って……」
ゼロスの言葉をうけて、次にあたし達を見てくるリナ。
あたし達はというと。
うじゃうじゃと出てきているウルムグンなどを相手に少し遊んでいたりする。
倒しても倒してもわいて出てくるから、結構楽しめるのよね♡
「ガウリイ!勝負だ!」
いいつつ。
ガウリイに、向かっているザングルス。
そして。
「ふ。リナ=インバース。貴様の相手はこの私よ!」
いって、エリスも出てきてリナと対峙してゆく。
「まったく。本気でかかってくれないと、こまりますよ」
にこにこというコピーレゾの言葉に。
「無理いわないでください!こう町中で、本気になんてなれるわけがないじゃないですか!」
アメリアが叫びつつ。
必死に、レゾの呪文というか、攻撃をかわすために結界を張っていたりする。
「ふむ。それもそうですね。では……」
少し、その言葉に。
考えるそぶりをみせ。
そして。
ゴゥ!!
『な…何(ですの)(ですか)!?』
いきなり、風が唸り声を上げるのに気付き。
リナ、アメリア二人、ゼル、ゼルガディス、シルフィールの二人が、声を同時に発してゆく。
「あ、ゼロス♡リナ達に何かあったらvお仕置きだからね♡」
あたしの言葉に。
「ええええ!?わ…わかりました!」
なぜか、あわててリナ達のみに結界を張っているゼロス。
そして。
「まずい!ザングルス!引き上げるぞ!」
コピーの動作に気付いてリナから離れているエリス。
「早くしろ!死にたいのか!?」
エリスの言葉に。
「ちっ!決着はおあずけだ!」
剣をしぶしぶしまいエリスの元にと走ってゆくザングルス。
「こ…これは!何かとてつもない呪文がくるぞ!?」
「何ですか!?この魔力の高まりは!?」
ゼルガディスの言葉に、続けていっているこちらの世界の【アメリア】。
「ともかく!ゼル達とアメリア達は、風の呪文で結界を!
シルフィール達はその結果の強化!あたしは結界ごと空に飛ばす!」
リナがその魔力の高まりに気付いて、あわてて指示を飛ばしてるけど。
「くっ……間に合うか!?」
「何か、とてつもない呪文がくるわよ!?」
「そ……そんな!?」
いいつつ。
結界を纏い、ふわふわと上空にと飛んでゆくリナ達だし。
「私達はどうする?」
ユニットの言葉に。
「あたしたちもここで何もしなかったら。さすがに、正体がばれかねないわね♡」
いいつつ。
ポウ。
淡い金色の結界を纏い。
とりあえず町の上空にと浮かんでゆく。
シャラン……
コピーレゾが杖を振りかざし。
そして。
ガッ!
杖を地面に付きたて。
「爆裂陣!!!!」
にこにことしつつ、力ある言葉を紡ぎだす。
ドッゴォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!
ドドドォオ・・・・・・・・・・・
チュドドォ・・・・・・・・。
盛大なまでの音を背景に。
空を被っていた雲を突き抜けて巨大な茸雲が出現してゆく。
「おやおや♡これはこれは♡」
完全に人事の口調のゼロス。
なるほど。
エル様が関ってなければ本来はこうなるんでしたか、サイラーグは♡
いやぁ、勉強になりますね♡
などと思い感心しているゼロス。
ふよふよと。
コピーのすぐ近くに浮かびつつその様子を見ていたりするけども。
「……な゛!?何!?今の!?」
リナ達にとっては、目のくらむような光と、そして爆音。
何重にも結界を施していなかったら、まず鼓膜が破れていた程度の爆音。
まあ、あの程度で鼓膜なんかが破れる人間って……
……本当に弱い生き物よね……
そういうふうに創ったあたしがいうのも何だけど。
リナ達が、結界の中でも衝撃波を多少受けてふらつきつつコピーがいた方を見ようとするが。
そこには噴煙が巻き起こっており、まだ様子などはみえてこない。
「今の呪文の力の波動って…爆裂陣か!?」
ゼルが驚愕し。
「そんな!?それにしては威力がありすぎます!」
何やら叫んでいるアメリア。
「あ……あれっ!!!!!!」
こちらの世界の【アメリア】が煙の切れ端からその情景を目にし。
「い・・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「う・・・・うそ!!!!!?駄目ぇぇぇぇぇぇ!!!!」
こちらの世界の【シルフィール】と、リナの声が一致してゆく。
そして二人とも目を驚愕に見開いて、結界の壁にと張り付いてゆく。
「……そ……そんな!?」
「こ…こんな…ひどい!!」
アメリア二人が、顔面蒼白となり、震える声で何とか声を絞り出し。
「な゛……お…父…さ……ま?い……いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
自分の世界ではないとはいえども、父親が……
それに気付いて狼狽しているシルフィールの姿が見受けられてるけど。
「ふははははははははははは!!!!」
煮沸し、巨大なクレーターと化したその中心で一人笑っている一人の男性の姿。
一瞬前まで。
そこにあったはずの、サイラーグの町並みは。
今のコピーレゾによる、爆裂陣の呪文一発で。
今やそこはクレーターと化して町並みなどはまったく当たらなくなり。
後にのこるはその攻撃を受けたにも関らずに、今だに根付いている神聖樹その一点のみ。
北のサイラーグと言われていた旧市街とは異なり。
南のサイラーグとかつては呼ばれ、サイラーグの中心地でもあったその一角は。
今や巨大なクレーターがそこにあるのみ。
「そ…そんな…嘘でしょ……いやぁぁぁぁ!!!!!」
「いやぁぁぁぁあ!!お父様…いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
頭を振り乱して、絶叫を上げているリナとこちらの世界の【シルフィール】。
「こ…こんなの、正義じゃないです!!!!!」
「は!?リナとユニットちゃんはどうした!?」
「あ…あそこに……」
震えてる手であたし達が包まれている金色の光の結界をさししめしつつ、
言葉を失っているアメリア達。
「……リナ」
「…そ…な……いやぁぁぁぁぁ!!」
かなり混乱し、驚愕し狼狽しているリナを落ち着けるようにと抱きしめているガウリイに。
『く……くそ!!!』
ダン!
結界の壁に拳を叩きつけている二人のゼルガディス。
「こんなの正義じゃないです!」
アメリアが涙目となり。
「こんなの…嘘です!」
【アメリア】』の悲鳴がこだましてゆく。
今だに、爆煙が立ち込めているサイラーグの町並みがあった場所。
そこにはただ、コピーレゾの笑い声のみが響いてゆく。
「……ふぅ」
「……こりゃすごい」
結界を維持しつつ。
そんなコピーにと近づいているエリス。
……というか。
こんなことして……
こいつら何考えてるんだ?
などと、少し疑問に感じつつも。
まあ、俺はともかくガウリイと決着がつけられたらそれでいいけど。
俺は関係ないしな。
それで済ませているザングルス。
そして。
心の中で。
今の一瞬前まで、そこにいたであろう人々に沈黙を捧げてゆく。
「レゾ様」
エリスがいうとすこしふらつくコピー。
「あまり、無理はなさらないでくださいね」
そういって。
そっと、手を貸して。
コピーのレゾをつれてアジトにと戻ってゆく。
サイラーグにとあった、屋敷は今の呪文で消滅しているが。
レゾの屋敷は、いくらでもある。
旧市街に抜ける森の中にもレゾは屋敷を持っていたりする。
それゆえにそこに移動してゆく彼等の姿。
「何だ!?何だ!?」
深夜の爆音に目を覚まし。
人々が見たのは、サイラーグの方向に不吉な巨大な煙が立ち昇る姿。
数ヶ月前に。
これと同じような爆音を感じたことがあるが。
そのときは。
噂で『魔王が復活し、誰かがそれを倒した』
という眉唾ものの噂がまことしやかにささやかれている。
……では。
これは?
もくもくと夜にも関らずに赤く昇りゆくサイラーグの方向の煙をみつつ。
それと同時に。
『……サイラーグが……』
ガシャン……
巫女たる能力をもった人々は。
サイラーグか壊滅した。
と、神託を受け取り。
まあ、あたしが下したんだけど。
あるものは気絶し。
あるものは狼狽し。
あるものは真実を確かめるべく、あわてて協会の人々を収容し。
と。
各場所にて様々な様子が見受けられてゆく。
夜が開けきるまで爆煙は、サイラーグの町並みがあった場所からたちのぼってゆく。
-続くー
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あとがき:
薫:・・やっぱり、一時になりました(爆!)
というか、ついにきました!サイラーグ!消滅!!!!
まあ、次回は。少しほのぼのとして。半巨人ラニハムでv(こら!)
え?サイラーグの人々はどうしたのかって?
アニメでは・・・・。何しろ、ネクストでは、フィブの操り人形となってましたしねぇ。
しかぁし!今のところ、助かる!に二票!頂いてます!
その結果にて、助かっているのか。やはり・・・なのか。
決定します!最後のプロローグにて(こらまて!)
というわけで。エル様とガウリイの次回の台詞v
少しぼかしがあるのは了解くださいなv
しかし・・・・・。リナが悲しんでいるからとはいえ・・・・・。
ガウリイ・・・・・。脅すか?(汗)
金色の王(ロードオブナイトメア)様達を・・・・(滝汗)
すざましすぎるかも・・(ちゃんと表現できるか疑問だけど)
それでは・・・・。また。んではでは・・・・・。
(今回の関しては・・・ノーコメント・・・・)
(無印の中で、一番きつい回だよな・・・20話は・・・・汗)
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