まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ。
前回、横着して。直接ページ編集して、打ち込んで。コピー貼り付けしたところ。
きちんと貼り付けできてなかった私です(爆!)
やっぱり、まじめに、ワードで打ち込みなさい!
ということでしょうねぇ・・・(あはは)
とりあえず。いっきます!
何しろ、無印の中で、一番きつい回ですけどね・・・・・・。
それでは!

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 スレイヤーズフォーエバー第19話 ~エリス~

「リナちゃん、大丈夫なんですの?」
シルフィールの問いかけに。
「ともかく!姉ちゃんの耳に入る前に!何とかしないと!」
焦っているリナ。
朝食を済ませて。
といっても。
はっきりいって、夜食に近い。
外はまだ真っ暗で。
すでに、梟などの鳴き声も途絶え静寂に満ちている。
乗り込むなら、深夜がいい。
という意見でこうなっているんだけど。

「というか…何で、手配かけるのを許したのょおぉぉ!!」
数度となく、繰り返されているリナの言葉に。
「あら。だって、リナちゃんが悪い男に騙されてるってきいて…ねぇ?」
「そうそう。もしリナちゃんに何かあってからでは。
赤の竜神の騎士スィーフィード・ナイト様に。申し訳ないからねぇ」
交互にいっている、【シルフィール】とエルク。
「だからって、手配以外にも手があったでしょうがぁ!」
叫んでいるリナ。
「リナさん、リナさん。あまり騒ぐと。深夜迷惑ですよ♡」
そんなリナににこにこといっているゼロス。
「それより、早くいきましょう!リナ!悪を許しておくわけにはいきません!」
目を輝かせているアメリアに。
「ですよね!今こそ、正義の心が試されるときです!」
こちらも瞳を燃やしている【アメリア】。
似たもの姉妹に傍目にはうつるけど。
身長が近ければ、双子でも通るわよね。
まあアメリアは、この三年で成長しているからねぇ。
それにアメリアは。
あたしが遊んでいるところでは、あの一件には関ってなかったし。
微妙に平行世界って、些細な出来事が違って構成されているのよね。
そうしてるのもあたしだけど。
だって、その方が面白いし♡
「まあまあ、リナさん。そんなことより。
  あまり、騒いでいたら近所迷惑にもなりますし♡早くレゾの屋敷にいきましょ♡」
にっこりとそんなリナにといっているユニット。
「まあ、確かに。それもそ~ね。後で覚えときなさいよ……」
じろりと二人を睨んでいるリナに。
『あははは』
乾いた笑いをあげているこちらの世界の【シルフィール】とエルク。

「とにかく、急ごう。今なら、コピーも動けないだろうから」
そう言っているゼルの言葉に。
「そ~いや、ゼル一号の話だと。そんなことをいってたわね」
リナがしみじみといいつつ。
夜の闇が落ちている町にと繰り出してゆくあたし達。

まるで。
誰もいないかのような静寂の中。
月明かりだけが、静かに町並みを照らし出してゆく。
今日は満月。
「どうやら。町並みなども、あちらと同じなのですわね」
空を呪文で飛びつつ、そんなことをいっているシルフィール。
「まったく……何であんたは呪文が使えないのよ……」
ぶつぶついいつつガウリイを運んでいるリナ。
ガウリイがとぼけたことをいって。
そんなガウリイをはたいていたら。
リナはあたし達から遅れて。
結局のところ、リナがガウリイを連れて飛ぶ。
という形にとなっていたりする。
まあ、ガウリイ、それもわざとそうなるように考えて行動してるんだけど。
面白いところで頭を使うわよね♡
「あれだ」
ゼルの言葉が指し示す先には一つのちょっとした屋敷。
まあかなり小さいけど。
なぜか、
「結構大きい屋敷ね……」
リナがそれをみてしみじみとつぶやく。
白い外観が月明かりに照らされて青白く浮かび上がる。
庭には、ちょっとした噴水やオブジェや庭木などが整頓されていて案外まともに整っている庭。
まあ、その庭に埋まっている庭木などは。
実験で失敗した植物や。
または、人などの実験の失敗した生き物を栄養用にと溶かして、それを合成して。
栄養剤などにして庭の草木に与えていたりするようだけど。
ストン。
庭の裏手。
屋敷の裏手にある路地に回り込み、道にと下りるあたし達。
コンコン。
リナが軽く壁をたたき。
「ガウリイ、こっからいってみよ~か♡」
リナが軽くいう。
「ここからって……リナさん?ここは、壁ですよ?」
そんなリナに言いかけている【アメリア】の言葉に。
「よしまかせろ」
いって。
チン!
剣を抜き放ち一閃させるガウリイ。
ガゴ……
ドスン……
音も立てずに、綺麗に切り取られてゆく壁。
切り口は綺麗に滑らか。
その断面は鏡のようにと周りの景色がはっきりと映りこむ。
「……ガウリイさんって…普段はとぼけてますけど……本当に凄腕の剣士なんですよね……」
人が通れるほどのぽっかりと開いた穴をみつつ言っているこちらの世界の【アメリア】に。
「まあ、こっちのリナさんと一緒だったら…まったく目立ちませんけどね」
そういって、あたしをみてくるアメリア。
「はい。よくできました。いいこ、いいこ」
いいつつ、ガウリイの頭を背伸びしてなでているリナの姿が見受けられるが。
「あ…あのな……」
そう文句をいいつつも、にこにことしてては説得力などはない。
「さて。んじゃ、いきますか!」
ガウリイが次の言葉を言いかけてリナの手を掴もうとした刹那。
くるりと向きを変えて、壁に開いた穴にと向かってゆくリナ。
スカッ……
リナの頭をなでようとしたガウリイの手が、むなしく虚空をかいてゆく。

「……ま、いっか」
リナの後に続いて屋敷の中にと入ってゆくガウリイ。
「これって…不法侵入じゃありません?」
シルフィールの問いかけに。
「正義の前には、そんなもの関係ないです!悪を滅ぼすためですから!」
きっぱりはっきり言い切る【アメリア】。
そんなこちらの世界の【アメリア】とは対照的に。
「……リナさん……これって……」
周りに無数に陳列している、ケースをみて顔をしかめているアメリア。
「レゾの実験施設だ」
にがにがしく言っているゼル。
「実験って……」
シルフィールがそこにあるケースの中を覗きこみ、小さく悲鳴を上げてゆく。
そのケースの中にいたのは、原型を止めていない、何かの生物。
「つまり、異なる生物同士を掛け合わせて、まったく違う生物を作り出す実験。
  ……つまりは、合成獣の実験施設よ。これは」
あたしの説明に。
「……趣味悪いわね。ど~みても……人間までいるし……」
顔をしかめているリナ。
ケースの中には。
かつては人であったであろう。
形が崩れ、かろうじて、手足が分かる程度の生物に。
かといえば。
その下半身が虎の姿で、半身がヒドラの姿。
そんな容姿の生き物たちもケースの中にと見受けられていたりする。
「生き物をもてあそぶなんて、正義じゃないです!」
「こ…んな!人まで使っているなんて!」
その様子に口を覆い、正義の炎をたぎらせている二人のアメリア。
「ま、まあ。人を材料にするのは。魔道士の中でも、かなりのご法度なんだけど……
   それに合成獣に関しては、魔道士の中でも意見が分かれているからね」
リナの言葉に。
「どうしてですか!?命を玩具にするようなものじゃないですか!
  それに、ゼルガディスさんみたいに、自分の意思に関係なく合成獣キメラにされたりしたら!
  それこそ正義は何処にあるんですか!」
そういって、食って掛かってくるアメリア。
「まあ、形はどうあれ。結構人間というものは。力や権力、そういったものを欲しますからねぇ♡
  だから、僕達もつけこみやすいんですけど♡」
にっこりといっているゼロス。
「まあ、いい例がレティディスウ王国よね。不死を求めて始めは合成獣から取り掛かり。
  挙句は、それを照明するために殺し合いをして♡
  まあ一人の魔道士の手によって消滅したけどね。あの王国は♡」
五百年ほど前に栄えていた王国。
そんな少し前のことだけど。
何を考えたのか、不死を望み。
そして。
あるものは魔族と契約したり。
あるものは、その身を合成獣にと変えたり。
そしてあるものは、魔族をその身に取り込んだり……と。
いろいろ面白いというか、情けないことをしていたその王国は。
一人の魔道士が、賢者の石の使い方を間違えて簡単に一瞬のうちにと滅び。
そんな冥界にと戻りゆいた彼等のことを話すユニット。
彼らは便利だからってフィブリゾが使うために魂とらえてたけど。
それは別にいうことでもないし♡
「しっかし。よくまあこんなに。人を基本にしてというか…気分がわるいわね……」
「リナさん……助けてあげられませんか?」
ケースの中の培養液に使っているそれらをみて、あたしに懇願してくるアメリア。
「できるけど。でも今更よ?すでに、彼等の家族や知り合い。この世にはいないでしょうし」
本当にいないんだけど♡
というか。
レゾは、騒ぎが大きくなるのを防ぐために。
目的の人物以外は闇から闇へ。
もしくは、生きたまま実験材料なんかにしていたこともしばしば。
といっても。
レゾ本人がそういう性格しているんでなくて。
中にいたSが、レゾの精神を蝕んで入った結果。
そうなっていたんだけど。
あいつも、趣味わるいからねぇ。
変なとこが♡
あとは。
フィブ…つまりは、冥王ヘルマスターが。
それとなく、そういう風にしてゆくようにと、コンタクトを取った結果ともいうけど。
「でも…たしかに。見ているのに気分よくないわね♡」
「そうよねぇ。こんなにどろどろに解けている生き物とか。ちょっと外見的に遠慮したいわよね♡」
あたしとユニットが同時にいい。
ふわ。
あたし達の手に小さな金色の光が出現し。
カッ!
一瞬。
それが瞬くと同時。
ガシャァァン……
ケースの割れる音。
すでに、寿命が尽きていた彼等は人の姿にと戻り。
小さく。
『……ありがとう……』
感謝の言葉を投げかけつつ。
サラララ……
そのまま肉体は空気にと溶け消えてゆく。
簡単に言えば、彼等は生きている死体のようなもの。
その束縛を外した結果、輪廻の輪にと戻ってゆく。

「……あの人達……救われたのでしょうか……」
始めは。
どうして姿までも消えたのか、不思議がっていたリナ達だけど。
あたしが説明すると納得し、そんな彼等の成仏を祈っているリナ達全員。
「……こんな非道なことをしているなんて。私達の世界のレゾは。ここまではひどくなかったですけど……」
そう言っているシルフィールの言葉に。
「……いや。似たようなことはやってた」
声を低くしていっているゼル。
まあゼルもレゾに命令されて、いろいろとやっていた経験があるからね。
「とにかく!命を玩具に軽んじるようなやつは!このリナ=インバースが黙ってないわ!」
少し、気合を入れなおしつつ。
実験場をぬけ大広間にと出てゆくリナ達とあたし達。

広間の中央に、螺旋の階段があり。
その途中の壁には大きくレゾの肖像画。
「何でも。俺達の世界でいうと『ここ』は。
  レゾが、以前サイラーグの人々から寄付された土地に屋敷を建てたらしい」
淡々と説明しているゼル。

ラウリィたちとともに。
不完全なザナッファーを倒し。
そして。
レゾはその後。
さらに魔道にのめりこみ。
次にとこの町にとやってきたときには白魔法と黒魔法を極めていた。
極めるといっても、ほんの一握りの知識のみ。
そして目をつけたのが、サイラーグにて苗だけでなくそれを作り出した元となった写本。
それの、管理と保存を完全にとするべく研究をはじめ。
そんな彼に提供されたのが、ここ、町の中心にとあるこの土地。
町の人達からの感謝の気持ちが込められていたのだが。
ここで様々な実験を行うには都合がよくて。
というのも、多少の瘴気はフラグーンが吸収し、何をやっても外にはばれない。
という、彼にとっての利点があるからして。
そんなこんなで。
ここ、サイラーグにも別荘の一つとして屋敷を構え。
さらには町の北側に研究所を設けていたレゾ。

ピタリ。
足を止め。
その肖像がをみつめているリナ達全員。
「アレが、有名な赤法師レゾですか?」
こちらの世界のアメリアがそれを指差す。
「そう。目を開くために。魔王を召喚復活させようとしてた……とんでもないやつ。
  それもおそらく、封印されていた魔王の影響なんでしょうけどね」
リナがその肖像がを睨みつつ。
誰にともなくつぶやいてゆく。
と。
「よくここまできたわね。リナ=インバース」
二階の踊場から、声がしてくる。

「よう!今度こそ決着をつけてやるぜ。ガウリイの旦那」
帽子を目深にかぶりなおし壁の影から出てくるザングルス。
「今度こそ、貴様たちの最後だ……」
いいつつ。
ゆらゆらと虚空に浮いているウルムグン。
「ちょっと!あんたが今回の黒幕ってわけ!?」
リナが、その二階にいる人物に向かって言い放つ。
「ふ。その通り。……って…ゼルガディス?なぜ、私の邪魔をする!!?」
身長が、少し高いのに多少の疑問を感じつつ。
二階の踊場にたっている女性がゼルに向かって言い放つ。
「ふん。貴様に義理立てする義理はない」
声がしたのは別なところから。
ガシャン!
天井の窓が盛大にと割れて、そこから飛び込んでくる白い人影が一つ。
「あ!ゼル二号!」
ごげっ!
リナの言葉にそのまま床とキスをする。
「だ…誰がゼル二号だ!」
「あんたに決まってるじゃない♡ひっさしぶりぃ♡」
明るく言っているリナに。
「リナさん?誰です?この人?ゼルガディスさんと同じ容姿ですけど?」
飛び込んできたゼルガディスをみて、きょとんとしているこちらの世界の【アメリア】。
「ああ。こっちの世界のゼルガディスよ」
あたしの言葉に。
「そうなんですか」
『……それで納得するとは…さすがにアメリア……(汗)』
そんな【アメリア】をみつつ声をきっちりと重ならせている二人のゼルガディス。
「な゛!?どうなってるのよ!?それにっ!どうして!リナ=インバースが二人もいるのよ!」
あたしとリナに気付き。
そして。
ゼルとゼルガディスに気付いて。
なぜか、驚いているその女性。
黒い髪を短くまとめ。
額にバンダナ。
服装は黒。
それでいて、かなりきわどい位置まで入っているスリットの短い服。
棘付きの肩当で、黒いマントを留め置いて。
手には、長い黒い手袋。
かかとのある程度の高い黒いブーツを足に履いている。
かつてレゾとともにレゾの研究の手伝いをしていたエリス。
本名、エリシエル=ヴルムグン。
「それはそうと。どうしてリナさん達に手配なんかをおかけしたのですか?エリスさん?」
にこにこと、形式的に聞いているゼロス。
「ふ。レゾ様の意思を継ぐためよ。そして、その男がもっている光の剣を手に入れること」
そういって、ガウリイを目で指し示す。
「駄目ぇ!これは、あたしのなの!」
「あんたにやるわけにはいかないなぁ。これから、リナを守るためにも必要だし。これは」
リナがガウリイの剣を握りしめ。
即座に否定の言葉を発し。
ガウリイといえば。
そんなリナの頭をぽんぽんとなでつつ、エリスにきっぱりと言い切っていたりする。
「まったく……あんたらは。
  ちょっとした野暮用で立ち寄った場所でも。やっかいなことに首を突っ込んでいるな……」
そんなリナとガウリイをみつつあたし達にむかって言ってくる【ゼルガディス】の言葉に。
「そ~いう、貴様も、今回の一件は関りあるだろうが?手配かけられていたの……俺でなくて貴様だそ?」
そんなこちらの世界の自分をみつつ、言っているゼル。
「手配?何のことだ?」
キョトンとする【ゼルガディス】に。
「こらまてぃ!あんなに騒がれてるのに!まさか、知らないっていうんじゃないでしょうねぇっ!」
そんな【ゼルガディス】の襟を掴んで、がくがくとゆすっているリナ。
「く…くるひ……」
思いっきりそのまま、顔から血の気の色が飛んでいる【ゼルガディス】。
「まあ、昔の俺なら普段から。進んで人ごみや、人にはあまり関らないようにしているしな……
  町にもあまり必要以外には寄らないし。知らなくても不思議じゃないけどな」
そんなもう一人の自分をみて、しみじみといっているゼル。
事実。
町などによっても。
詮索しない場所などに泊まったりしていたがために。
賞金稼ぎなどが勝負を挑んできても。
それは、今までの行動からして狙われる覚えはあるので。
あまり気にしていなかったこちらの世界のゼルガディス。
けっこう、のんびりやさんなのよね♡
「……おい。何でリナに触れてる……」
そしてまた、違う意味でリナががくがくとゆすっているゼルガディスを睨んでいるガウリイ。
『…無視するなんていい度胸じゃないのよ!こうなったら力づくでも!やりなさい!』
完全に無視されているエリス達。
先に切れたのは、エリスの方。
エリスの言葉と同時に。
ユラ……
十数人のコピーウルムグンが出現してゆく。
「なるほど……コピー……」
リナが薄くわらい、そんなウルムグンをみやる。
どうりで、倒しても倒しても出てくるはずだわ……
などと、一人納得しつつ。
「ガウリイ!勝負だ!」
「もてもてね♡ガウリイ♡」
「男にもててもうれしくないわい…リナに付きまとわれるんだったら、それこそ幸せだけどなぁ」
さりげにのろけるようにと告白しているガウリイの台詞に。
「?変なやつ。あんたがそれをくれるまで。あたしは、あんたについていくにきまってるじゃない♡
  絶対に、光の剣はあたしがもらうんだから!」
まったく、意味が通じていないリナ。
「……リナぁ……」
そんなリナを情けない声を出して呼んでいるガウリイに。
「振られたな。ともかく!勝負だ!」
にやりと笑い、剣を抜くザングルス。
「レゾが作った、この魔法剣、ハウリングソードと。貴様の光の剣。どちらが強いか勝負!」
「……お前では何どもいうけど相手にならんと思うがなぁ……」
いいつつとりあえず剣を抜くガウリイ。
「ほさげっ!……ぐわっ!」
剣を抜きガウリイにと襲い掛かろうとするが。
その一瞬に。
見えない力にて壁にと打ちつけられる。
ガウリイが、人の目には見えない速さで剣を一閃させ。
その剣圧の衝撃波がザングルスに直撃したのだけども。

「どちらがどちらか分からない以上。そして、リナ=インバースと一緒にいたのが不幸だったな……」
いいつつ、コピー全員が一斉ににと様々な呪文を唱えてゆく。
かちん。
このあたしに対して、その言い方。
ちょっとはお仕置きが必要みたいね♡
「このあたし達にちょっかいかけたこと♡後悔させてあげるわね♡」
あたしがいったその直後に。
シャラン……
「ほう。どういう後悔ですか?」
杖をつきつつ。
赤紫色の髪の男性が二階の一室より現れてくる。
「…な゛!?まさか……そんな!?」
その姿をみて驚愕の叫びを上げているこちらの世界の【ゼルガディス】に。
言葉を失っているアメリア。
シルフィールは、まああったことあるからねぇ。
このコピーには。
あっちの世界で♡
「まさか……あれが、赤法師レゾですか?」
その姿をみて、真っ赤なローブで身を纏っている男性を指差して聞いてくる【アメリア】。
「本人ではないけどね」
あたしの言葉に。
「そうよ!レゾは、あたしがしっかりとこの手で倒したんだから!」
「ついでにいうと、その後。魔王にもしっかりと説得を試みましたし!」
交互にいっているリナとアメリア。
まあ、そこは。
はっきりいって彼にとっては知らないことだし。
「元気なお嬢さん。彼方の言っていることはよくわかりませんが。
  私がレゾですよ。レゾ以外の何者だというのですか?
  それに……本物か偽者かは別として。倒せますか?この私を?
  あ、手配をかけたのはこの私ですから。私を倒せば手配は消えますよ♡」
本当は目は開くのに。
そのまま、見えない振りをして、にこにこといってくるその男性。
「くっ……本物かどうか、試してやる!」
いいつつ呪文を放つ【ゼルガディス】。
ドドゴォォ……
それに対抗するようにと呪文を解き放つコピーレゾ。
が。
パシッ。
「リナちゃん!?」
声とともにレゾが放った呪文が無効化され、扉の方から入ってくる【シルフィール】の姿が。
「シル!?どうして!?」
「いえ……やっぱり、何もしなかったら、後でリナちゃんにどんな目にあわされるかと思ったら……
  やっぱり、一緒に参加したほ~がいいなぁ……と。てへ♡」
ペロリと舌を出していう【シルフィール】の言葉に。
「……一体。どういう幼馴染なんですの?」
そんなリナとこちらの世界のシルフィールの会話を聞きつつ。
少しひいているシルフィール。
「だって、魔王を敵に回すより。リナちゃんを敵に回したほうが、かなり怖いことになりますし♡」
「シルゥ……あんたねぇ……」
そんな【シルフィール】の言葉をうけ、ぎろりと睨んでいるリナ。
「それはそうと。あんた、このあたしにまで攻撃を仕掛ける気?」
にっこりというあたしの言葉に。
「当然です。私の邪魔をするものは、誰であろうと容赦はしませんよ?」
いいつつ次なる呪文を唱えようとしてくる。
が。
ドゴッ!
アメリアに吹っ飛ばされたヴルムグンの一人が、そんなコピーレゾにと向かってゆく。
その刹那。
その目の前でヴルムグンの体は、跡形もなくきえうせる。
「まったく♡」
ユニットがクスリと笑い。
「無限の光を司りし存在、無限の闇、虚無の有、全ての事柄を司りし……」
くすくすと笑いつつわざわざ丁寧に混沌の言葉カオスワーズを紡ぎだす。
なぜか。
その言葉に。
恐怖を一瞬感じているコピーの姿が見て取れるけど。
「今だ!『ファイブン・崩霊裂ラティルト!!!』」
ゼルの言葉と同時に。
アメリア、ゼルガディス、『アメリア』に二人のシルフィール。
この四人の崩霊裂ラティルトが。
そんな後ろにたじろぎかけたコピーに炸裂してゆく。
ゼルの意図を汲んだ見事なコンビネーション。
「ぐっ!」
あわてて杖をかざし、それを受け止めているコピーの彼。

「ひとまず撤退するぞ!」
ゼルガディスがいい。
カッ!
天井に、持続時間の極端に短い明かりライティングを打ち出し。
辺りがまばゆく輝いたその一瞬に、ひとまず屋敷から出てゆくゼルガディスの姿。
そんなゼルガディスの姿を見送りつつも。
「ま、いっか」
「作戦を練り直しましょう!」
「あ、まってください!」
「それじゃ、私が移動させるわね♡」
『……え゛』
その光の中。
口々にいっているリナ達の言葉に続き。
ユニットがにっこりといい。
その刹那。
シュン……
『……!!!!!!!!!!!!!?』
リナ達のなぜか抗議する声を聞きながら、とりあえずその場を後にしてゆく。

目が見えない振りをしているとはいえ。
事実は見えるのである。
ゆえに、まともに角膜を焼かれてその場にうずくまるコピーに。
「レゾ様!」
あわてて、そんな彼にと寄り添ってゆくエリス。
「く…覚えておきなさい!」
いいつつ。
今だに完全に動くこともままならない、彼のメンテナンスをするために。
彼に肩をかしつつその場から離れてゆくエリスの姿が屋敷の中で見受けられていたりするし。

「でも、何だって、シル?おいかけてきたのには別に理由があるんじゃないの?」
朝日が昇るころ。
とりあえずと。
夜を過ごした廃墟の一角で、後からきた【シルフィール】に話しかけるリナ。
「実はこの前。神託が降りたのを思い出しまして。一応、リナちゃんにも報告はしておこうかと……」
「神託?」
アメリアの言葉に。
「ええ。サイラーグに何かよくないことが起こる……といった内容でした」
深刻な顔をして話している【シルフィール】に。
「わたくしたちの所では。確か、レゾさんと。ルナさん。このお二人が、今回の事件の解決はされましたけど」
かつての出来事を思い出していっているシルフィール。
「とはいえ、シルフィール。こちらの世界ではレゾはもう死んでいる。
  あのとき何があったのかはよく知らないが。ともかく。あれはやっぱりあの時のコピーだ」
というのも、コピーを連れてレゾがどこかにいって、決着をつけた。
ということしか知らないゼル。
あのときのことを思い出して、疲れたようにと言い放つ。
「でも、面白いことをしてますよねぇ♡」
にこにこと笑っているゼロスに。
「?どういうことですか?」
そんなゼロスに聞いているアメリア。
「いえ。だってあのコピーの人。どうやら、赤法師レゾのコピーであるには間違いないですけど。
  魔族まで合成して、合成獣キメラにしてますからねぇ。さすが魔王様ですね♡
  中級魔族を合成する技術を覚醒してないとはいえ。人の身で行っているとは。あっははは♡」
『・・・・・・・・・・・・・・・』
あっさりというそんなゼロスの言葉に。
なぜか。
しばし、リナ達の間に沈黙が舞い降りてゆく。
「ゼロスさん、事実とはいえ。あっさりといわないのよ♡」
にっこりとそんなゼロスに微笑みかけるユニット。
目が完全に笑っているけど♡
「まあ、事実だから別にいいけどね。というか、みたら分かるし」
のんびりと、朝のコーヒーを袋から取り出して飲んで言っているあたし。
「コピーの兄ちゃんのほかに。三つの魔族が入ってるな。あの気配は」
一目でそこまで見抜いているガウリイ。
どうも、あたしとほぼ三年間くらい一緒にいたせいか。
かなり、そういった勘にキレがよくなってきたわね。
以前より♡
『・・・・・・』
そんなさらりといったガウリイの台詞に。
つつぅ・・・。
なぜか無言になりつつも汗を流しているゼルガディス二人にアメリア二人。
そして。
『ガウリイ(さん)(様)そんなことまでわかる(の)(んですか)(ですの)!?』
なぜか。
あたしとユニット以外の全員の驚愕の叫びが、ガウリイに向かって放たれてゆく。
ま…ガウリイだしね♡


                          -続くー

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あとがき:
薫:・・・長くなったので・・・。
  次回!サイラーグ崩壊!!!(まて!)
  ついでに、ディオルにそっくりな彼の登場v
  多分、アニメでは。ディオルのつもり・・なんでしょうけどねぇ(笑)
  あえて、ディオルとは双子の兄弟の弟!という設定にしてみましたv
  闇の魔道士ギルドvの責任者v
  問題は・・・ディーバ登場のところだよなぁ・・・・。
  本気で、漫遊記本編と。   殆ど同じよーなきが・・あはは(こらこらこら!)
姫:ちなみに。前回出てきた『シリル』という名前v
   シルフィールの二度目の母親の名前vという薫は設定にしてありますv
   何でも。とある人にまたまたプロット考えてもらった話に。出す予定の彼女を。
   そのまま、こっちに当てはめたという。何も考えのない薫ですv
薫:しくしくしく(涙)
  見果てぬ夢と同じように。
  連作小説を只今、メールのやり取りで、進行中v
姫:でも、まだ、相手からは貰ってるのに。
  貴女は、一行!も打ち込んでないのよネェ♡
薫:しくしくしくしく・・・・(実話だから言い返せない)
   とりあえず・・・。アニメでは、全26話。
   多分、この小説では・・・・30話前後になるかと・・。
   何しろ、18・19話が。
   一話づつで終わってない・・あはは(しゃれにならない・・)
   まあ・・それでは・・・・。また・・・・。
姫:それでは、まったねv


薫:そーいえば、エル様は?
姫:別の世界に遊びにいったわよv
薫:・・・・・・・・・・・・。
   き・・・聞かなかったことにします・・(涙)
   それでは・・・・・。
姫:では、また、お会いしましょう♡

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