まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ。
またまた新ツリーての投稿です(書き殴りにて♪)
この話は、祝!キッズステーション!無印スレイヤーズ!再放送!!!!
というわけで、無謀にも(爆!)無印スレイヤーズ。そのパロディです。
しかも、のりは、私の書いてる、エル様漫遊記のキャラが。
ガウリイの存在してない、世界に紛れ込んでいる!
というお話しですv
エル様漫遊記って・・何?という人は、著者別リスト(または私のホムペの小説2)にて。
(こちらの番外編は、随時リクエスト募集しておりますv
  つまりは、スペシャルの話か、またはオリジナルでもオッケーv)
つまりは、リナ=インバースが、金色の王ロードオブナイトメアだったら?
というコンセプトに書かれている話なのですけど(爆!)
というわけで。只今、登場しているのは。
リナが二人(一人はエル様)アメリア二人。ゼルガディス二人。
ガウリイ・・一人(爆!)
そして、薫のオリキャラ(持ちキャラともいう)菫ちゃん
(別名:宇宙の姫・ユニバースオブザプリンセス)
(ちなみに、エル様と同じ存在です・・まてまてまて!)
それでは!いってみましょう!
今回は・・・・登場!この世界のシルフィールvv
んっふふふ♪
それでは、いっきます!
でも、私のところ・・キッズ・・見れないんですけどね・・・涙。
ま、いーさ。DVD・・全巻そろえてるもんv
それでは。またまた起きたら、十時で。午前中の打ち込みというか、仕事前の一本打ち込み。
不可能な薫なのです!ではでは!

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 スレイヤーズフォーエバー 第18話 ~シルフィールとシルフィール~

「待つのだ、ザングルス」
カラン。
「五月蝿い!俺はあんたに義理立てする義理はねえ」
いいつつ。
帽子を目深にかぶりなおし、店を出てゆく一人の男性。
今回の手配をかけた本人。
その人物に雇われているザングルス。
対して。
もう一人、フードを目深にかぶっている男性は。
その人物が作り出しているコピー。
といっても、その人物がオリジナルではないけれど。
コピーということを指し示すように、その額には紅い色のルビー。
このルビーによって、情報を集めたり、遠くから操っているのだけど。
ビュウウウ……
そこに、ひときわ大きな風がふき。
ふわり。
コピーの男性のフードが頭からはがれてゆく。
「・・・・・・・・・・・」
しばし、沈黙のうち。
「ぶわっはははは!お前…その頭……ぶわっはははは!」
指を指し。
その場で、転がりつつ、お腹を抱えて笑い始めるザングルス。
その視線の先には。
フードが退いたその頭のてっぺんに。
ちょとした、お皿のようなはげがあらわになっているヴルムグンの姿。
「ぶわっはははは!」
町の中。
ザングルスの笑い声と。
他の人間もその笑い声につられて。
ぷくくっ!
と含み笑いをもらしてゆく。
そんな風景が、この一角にて見受けられてゆく。


ガサリ。
「ずいぶんと、ものものしい警備ですね……」
積み上げられている藁の中から。
町の入り口をみているあたし達一行。
「くっそ……普段だったら、正面からでも乗り込んでも。あたしは歓迎されてもおかしくないのに……」
ぶつぶついっているリナ。
視線の先には町を取り囲む囲いの上に、いつもより多めな兵士達の姿。
「とりあえず、夜になるまでまちませんこと?」
シルフィールの言葉に。
「それもそーね。んじゃ、あたし寝るわ」
「あ、私も」
「んじゃ、オレも」
いいつつ。
ごそごそと。
藁の中に作っている簡易ベットに横になってゆくリナ達の姿。
「ちょっとガウリイ!何処触ってるのよ!」
「いや、だって、近づかないと…狭いし……」
「騒いだら、人がきますよ……ぐう……」
ぶつぶつと。
和気あいあいとしつつ。
町の入り口で、夜になるのを待つあたし達。

サンドリアから船にのり。
辿りついたサンボアから。
だまし、だましで、ついに到着したサイラーグ。
ゼルとシルフィールは。
以前の出来事を思い出し。
ちょっとばかり、顔色を悪くしていたりするけど。
まあ、あのときは。
あたしが関ってたし。
しかも、始末は、ルナとレゾと鳥の姿に固定しているSにさせたからねぇ。
なんて優しいあたし♡

ほうほう。
梟の鳴く静かな夜。
翔封界レイ・ウィング
リナとシルフィールがガウリイの手をとり、全員で砦の上を月明かりの下飛んでゆく。
まったく。
見張りするくらいなら。
ちゃんと、空を飛んでくる存在の対策くらいしなさい!
職務怠慢よね。
何のための、見張りなのかしらねぇ。
あたし達が、おもいっきり。
月の灯りで、地面にと影を落としているというのに。
まったく気づいてない兵士達。
そのまま何事もなく、サイラーグの町にと入るあたし達。

「とりあえず、つきましたけど。これからどうします?」
こちらの世界のアメリアの言葉に。
「どうするって……手配かけたやつの情報。聞き出すに決まってるじゃないのよ!」
拳を握り締め、目は笑っていないリナ。
「それはそうと。ここに書かれている手配書。今までとは違いますねぇ♡」
路地の奥にと入っているあたし達。
にこにこと、ゼロスが壁に貼ってあるリナ達の手配書をみてそれを指し示す。
「あ。本当ですね」
その言葉にアメリアもまたそれをみるが。
「どこが……」
いいつつリナもそれをみる。
手配の金額も、似顔絵もそのまま。
というか、こちらの…というより、
サイラーグの中に貼られているリナの似顔絵は、無害そうなかわいい表情の女の子。
そして。
他の町に配られている手配書との、決定的なまでの些細な差は。
「あら。生け捕りに限り、賞金を支払う。と書いてありますわ」
シルフィールがそこにかかれている文字をみつつ、手配書をなぞってゆく。
「……今までの町には、こんな文字…書かれてなかったわよね?」
リナがそんなことをいってるけど。
「まるで、あのときと同じ……だな」
自分達が手配を受けたときも。
生け捕りに限る。
という手配をかけられていたのを思い出すゼル。
「まあ、そうでなかったら。このサイラーグの人達がリナに手配かけるなんて、できないでしょうね」
くすくすと笑いつついうあたしに。
「どういう意味ですか?」
そんなあたしに疑問符を投げかけてくるシルフィール。
「空気から読むここの情勢というか情報はね♡ここ。サイラーグの人達にとって、リナは救世主なのよ♡」
そんなシルフィールの疑問に、にっこりと笑っていっているユニット。
「……まて。どうして、そんなことが分かる?」
ぎろりとそんなあたし達をにらみつつも、なぜか目が恐怖で怯えているゼル。
「あら?分かるってば。誰でも」
あたしの言葉に。
「……無理だと思うが……」
ぽつりとつぶやくゼルに。
「……まあ、リナさんですし」
「そうですわね……リナさんですし……」
多分、例の金色の王に何らかの関係があるんでしょうから……
などと、なぜか納得しているアメリアとシルフィール。
「ここでは、ガウリイさんがいないでしょ?
  だからか以前。ガウリイさんが関わった事件をこっちのリナさんが解決してるのよね♡」
そんなユニットの言葉にリナが目を見開き。
「あんた…あんた達の世界で、あの事件にかかわったの!?」
ガウリイをみて、目を見開いて聞いているリナ。
「ん?ああ、北のサイラーグ。つまりは旧市街のことか?」
さらっといっているガウリイ。
「……よくまあ、魔族がらみの事件をあんたがどうにかできたわねぇ?」
『……まて(まってください)』
リナの言葉に。
思わずすかさず突っ込んでいるゼル、二人のアメリアにシルフィール。
シルフィールも、自分がガウリイと初めて出会ったその事件に。
こちらの世界では、リナが関っていた。
というのに目を見開く。
やはり……聞いてはいましたけど。
こちらの世界にはガウリイ様、いないのですわね。
そう変に違う意味で納得しているシルフィールだし。
「あ……こちらの世界でも。あれ、あったんですか。はっはっはっ♡」
そんなリナ達の会話をきき、にこやかに笑っているゼロス。
「ゼロスさん。一体、何があったんですか?
  以前、ガウリイさんに聞いたときも、『ちょっとした事件』としか。説明してくれませんでしたし。
  まあ、ガウリイさんのことですから。忘れているのかもしれませんけど」
さらっと言っているアメリア。
「いや。何てことはありませんよ。ただ、ここの土地に残っているザナッファーの残留思念。
  それを利用して、魔王様を覚醒させようとしただけで♡」
にっこりというゼロスの言葉に。
しばしアメリア達は硬直。
「あちらでは、あと一歩というときに。ガウリイさんの邪魔が入りましたからねぇ。
  まさか、こういう風に関りになるとは。僕とて思ってもなかったですけどね…はは♡」
笑ってはいるけど。
心なしか、その笑い声に元気のないゼロス。
その当時のことを思い出し。
顔色を悪くしているシルフィール。
まあ、どうでもいいことだけど。
「ま…確かに。やばかったけど。というか姉ちゃんの力の解放で北の町は壊滅しちゃったし……
  まあ、あたしもてつだったけど……さ……」
そういいつつも、ルナのことを思い描き、わなわなと震えているリナ。
「こちらの世界では、ルナさんも関わってるのか……」
そんなリナの言葉に、しみじみうなづいているガウリイ。
「まね……まあ、姉ちゃんにかかったら。どんなやつでも、かなわないでしょうし……」
リナの声が多少なりとも震えているのは別に気のせいではないけど♡
「まあ。ルナは獣神官クラスや腹心クラスなら。笑いながらど突き倒せる実力をもってるからねぇ♡」
そんなあたしの言葉に。
「?じゃあ、何で。私達の世界のルナさんは。リナさんを恐れてるんですか?」
そんなあたしの言葉に対し、疑問を投げかけてくるアメリア。
「それは内緒♡」
にっこりというあたしの言葉に、なぜか無言になってゆくアメリア等の姿が。
「でもま。これで納得したわ。
  いくらなんでも、エルク叔父さんや、シルたちがこのあたしに手配なんてかけるわけないし……」
リナがつぶやくとほぼ同時。
「あ……あの……」
路地の入り口から、そんなあたし達にと声をかけてくる一人の女性。
「・・・・・・・・・・・え!?」
そのまま振り向いて、しばし呆気に取られているアメリア達。
「え……え…え!?わたくしが…もうひとり!?」
その女性をみて驚愕の声をだしているシルフィール。
そこにいたのは。
巫女の服を着て黒い髪を伸ばしている女性。
歳は17。
前髪を切りそろえた流れるような黒髪。
ついでにいうならば、あたし達と一緒にいるシルフィールは、只今21歳。

ちなみに。
余談だけど、あたしが今、19歳。
ガウリイ、25歳。
リナ、16歳。数日前になったばかり。
ゼルガディス22歳に。
アメリア、17歳。
ゼロス。
一応、あたしか遊んでいる星では、45億267歳。
あくまで、あの星の中に滞在している年齢では。
まあ、どうでもいいことは、この際、おいとくとして…と。

「ええと。始めまして。ここの世界のシルフィールですわね?」
一瞬驚いたものの、すぐさまに理解し、ペコリと頭を下げているシルフィール。
「まあ!お父様ったら!一人娘だっていっていたのに!
  隠し子がいたのですわねっ!これで私にも姉妹ができましたわ!」
ごげっ!
その言葉に。
その場にとこけている、アメリア、ゼル、ゼロス達。
「お~い。シル?」
そんな彼女に対して、手をぱたぱたとさせているリナ。
「あら。リナちゃん。って…やっぱりリナちゃんだし!ありがと!わたくしの姉を見つけてくれたのね!」
目をきらきらさせていっているこちらの世界のシルフィールの言葉に。
『り……リナちゃん?』
こちらの世界のシルフィールが、リナをちゃん付けで呼んでいるのに対し、
ちょっと驚いている、二人のアメリアとゼルとゼロス。
「これで、わたくしも。リナちゃんと同じく姉ができましたわ!」
一人自分の世界に入っているそのシルフィールの言葉に。
「あ…あの?わたくし、あなた方のいうところの。平行世界パラレルワールドの人間なのですが……」
そんなもう一人の自分にと、おそるおそる説明しているシルフィール。
「ええ?姉ではないのですの?」
残念そうにいっているその言葉に。
「……シル。あんた、エルク叔父さんに隠し子がいると本気でおもったわけ?」
そんなこちらの世界のシルフィールを、あきれてみているリナ。
「あら。だって、母が亡くなって一年もしないうちに再婚した父ですもの。
  いても不思議ではないのではなくて?わたくし姉妹がほしかったですもの♡」
にこにことリナと二人話しこむ二人の姿。
「……まあ、シルらしいといえば…シルらしいけど……」
苦笑するリナに。
「まあ、冗談はほどほどにして。」
『冗談(ですか)(かい)!?』
シルフィールの言葉に突っ込んでいるゼル達。
「ともかく、無事でよかったですわ。…あら?リナちゃん?そういえば、一緒にいる人達は?」
ふと。
あたし達の方をむいてようやく聞いてくる。
「何でも、シャザード=グランディが作り出したという。『平行世界移動装置』の鏡の発動で。
  こっちに迷い込んできた、曰く『平行世界』の人達らしいのよ」
リナの説明に。
「パラレルワールドって…ひょっとして。ルナお姉さんが聞かせてくれたことがある?」
「う……そ~らしいわ……」
二人で完全に話しこんでいるリナとこちらの世界のシルフィール。
そして。
「とりあえず紹介しておくわね。
  こっちが、その世界のあたし。同じ名前だから、名前の頭文字からエルって呼んでるけど。
  んでもって、アメリアにゼルガディス。ゼロスにガウリイ。
  こっちのアメリアが、あたし達の世界の本家のアメリアよ」
指をさしつつ、【シルフィール】にと紹介してゆくリナに。
「まあ!リナちゃんったら。
  パラレルワールドの住人がこっちにきてるって、ルナお姉さんに報告しましたの?」
「す…するわきゃないでしょ!そんなことしたら!姉ちゃんのことだから絶対にくる!じゃないのよ!」
そんなシルフィールの言葉に悲鳴を上げるリナ。
「あ……あのぉ?リナさんと、シルフィールさん。こちらではお知り合いなんですか?」
そんなリナ達にと問いかけるゼロス。
ゼロスの質問に。
「知り合いっていうか。幼馴染よ」
「そうですわ。リナちゃんが三歳からの♡」
『……え゛?』
その説明に、しばし固まっているシルフィールと、アメリアとゼルとゼロス。
「何しろシルが四歳のとき。
  シルの父親であるエルク叔父さんが、ゼフィーリアの女性と再婚したのよ。それがきっかけ」
そんなリナの言葉に。
「確かに……そういえば、わたくしの父の再婚相手もそうらしかったですけど……」
かつての出来事を思い出し、少し悲しそうにいっているシルフィール。
「と……ところで」
こほんと咳払いをしつつ。
「ガウリイさん……でしたわよね?手配をかけた人がおっしゃってましたけど。
  何も知らないリナちゃんを言いくるめて、悪の道にと誘い込み。
  彼方自身は次々と女を騙して、ズタボロにするというのは本当ですの?
  そして、今はリナちゃんをターゲットにしている…というのは?」
ズゴゴゲ!
ガウリイにと問いかける【シルフィール】のその言葉に対し、思いっきりこけているガウリイ。
「えええ!?ガウリイさん!?そうだったんですか!?」
「んなわけあるかぁぁぁ!」
おどろいているこちらの世界のアメリアの言葉に対し、叫んでいるガウリイ。
「あら?違うんですの?手配をかけたエリスという女性は。
  リナさんが、『彼方にだまされてとんでもないことをしてしまう前に救い出す必要があるから』
  とおっしゃってましたけど。
  それにその…すでにあなたに騙されて、とんでもないことをしでかしてしまったから……と」
キョトンと言い切るシルフィールの言葉に。
「……エリス!エリシエルか!」
ゼルが目を見開き叫んでるし。
「ふぅん。ガウリイ。あんた女の敵なんだぁ。ふぅん」
ガウリイをじろりと睨んでいるリナ。
「ちっがぁぁぁぅ!誤解だぁ!断じてそんなことはない!
  それに!オレは、ここでは名前なんかは知られてないはずだろ!?
  オレがリナとであったときが、ここの世界では始めてだったんだから!」
必死になって言っているガウリイに。
「…それもそ~ね。でも、あんたのことだから。知らないうちに女性騙してたりしたんじゃないのぉ?」
「絶対にそんなことはない!」
まあ、傭兵時代は……夜の暇つぶしに女を相手に一夜限りのみしてたりしたけど。
などと、心の中でつぶやきつつもリナを必死で説得しているガウリイの姿。
そんな、怪しい情報でリナに嫌われてたまるか!
そう思い、ガウリイは面白いことに必死に弁解しているけど。
「まあ、誤解なのですの?まあ、とりあえず。ここで立ち話というのも何ですし?
  リナちゃんも、皆さんも。わたくしの家にとこられませんか?」
にこにこと笑いつつ、提案してくる【シルフィール】の言葉に。
「それもそ~ね。エルク叔父さんなら、詳しいことが分かるでしょうし」
「シルフィールさんの父親って…確か……サイラーグの神官長でしたよね」
リナの言葉に続き、アメリアがシルフィールにと語りかける。
「ええ。こちらの世界でも同じであれば……ですけどね」
そんなアメリアに答えているシルフィールの姿。
とりあえず、彼女の家に到着するまで。
リナに必死に弁解しているガウリイの姿がずっと見受けられていたりする。
リナも面白がって、ガウリイをからかっているせいなんだけどね♡

「お父様。リナちゃんが無事にたどりつきましたわ!」
家に入るなり、奥にと向かっていっている【シルフィール】。
その言葉とともに。
カチャ。
「おお、リナちゃん!よく無事で!いや、この町ではちゃんと条件付という制限を設けていたのに。
  何でも他の町にはそれが伝わらずに。ただの手配犯として手配されたと報告うけ…とても心配してましたよ?」
ダダダ!
グギっ!
そんな出てきたひげを貫禄あるようにと伸ばし。
髪の色は、赤茶色。
出てきた年配の男性の首を。
がしっ!
姿をみるなり羽交い絞めにして締めているリナ。
「あのね!何だってこのあたしに!手配かけるのを了解なんてするのよぉ!エルク叔父さん!」
「ま……ま…まぁまぁ……く…くるし……」
ギリリ。
手加減なしに締め付けるリナ。
「おおい……リナぁ?エルクさん……顔色が変わってるぞ……」
そんなリナの姿をほほえましく感じつつも、ガウリイがのんびりという。
みれば、エルクの顔色は紫色に変化し始めていたりするけど。
「まったく……」
ぶつぶついいつつ、リナが羽交い絞めを解くと。
「ゲホ…ゲホホホ!」
なぜかむせこんでいる、シルフィールの父親。エルク。
そして。
ようやく、リナ以外にもあたし達がいるのに気付いて。
「……おや?どうしてシルフィールが二人も?…はて?私には、娘は一人だけのはずだが?」
こちらにもいるシルフィールをみて、そんなことを言ってくる。
「まさか、シルフィールの姉が生き返ったとか?!」
「んなわけあるかぁ!」
その言葉に思わず突っ込んでいるリナ。
「あの?生き返ったというのは……一体?」
不思議に思った、こちらの世界の【アメリア】が聞き返す。
「ああ。シルフィールの母親ね。始めの赤ちゃん、流産しているのよ。というよりは、死産ね」
あっさりと答えるあたし。
「何でも、身重の体のときに。デーモンに襲われて……」
それに続いて説明しているあたし達と一緒にいるシルフィールが言葉を続けてゆく。
そのあたりも事情は一緒だしね♡
「まったく……ところで♡ちゃぁぁんと、説明してよね?エルク叔父さん♡」
にっこりとそんなエルクに話しかけるリナ。
目が完全に据わっている。
「ま…まあまあ。とにかく、無事についたんだから……」
「どこが無事だぁ!今まで大変だったんだからねぇ!!」
エルクの言葉に絶叫を上げるリナ。
「と…ところで。そちらの人達は?どうやら。一人というか。
  二人は、セイルーンのアメリア王女とお見受けしましたが?」
話をはぐらかせているエルク。
そして首をかしげつつ。
「…はて?フィリオネル王子の娘は。アメリア様とグレイシア様のお二人。だけのはずですが?」
「や……やめてぇ!あの人を王子だなんて呼ばないでぇぇ!」
エルクの言葉に、悲鳴を上げているシルフィール。
「わたくしは、出会ったことがないですけど。セイルーンの第一王子フィリオネル王子。
  噂では、二人の娘がいるという話ですけど。きっと、美丈夫でハンサムで素敵な殿方なのでしょうね♡」
うっとりと、乙女の世界に浸っている【シルフィール】。
娘がいるというのは、親戚から聞いている。
有名な話でもあるので。
さすがに。
『そんなに若くはない』というのも知ってはいるものの。
現実を知らないこちらの世界のシルフィールは、その想像のフィルの姿にうっとりとしていたりする。
そんな彼女の言葉に。
フラ……
「おっと。大丈夫ですか?シルフィールさん?」
続けてもう一人の自分が王子と呼んでいるので、貧血起こしかけているシルフィール。
一緒に旅をしたのに、まだ免疫があまりついてないようね♡
「始めまして。エルク。あたし達は、ここの世界の住人ではないのよ。
  ちょっとしたアクシデントで異世界から紛れ込んでいるだけ♡」
あたしが完結に説明し。
「…というわけで。私達はリナさんに依頼をして。元の世界に戻るためにその品物を探している途中なんです♡」
おおむねその通りのことを説明してゆくユニット。
「ところで。こちらの世界にはガウリイ様がいないようですけど。光の勇者は、こちらではどうなっているんですか?」
ちょうど。
夕食を全員で食べてデザートを食べている最中のこと。
不思議に思っていたシルフィールが。
一応、互いに簡単な自己紹介などをしたあとに、こちらの世界の父親にと質問してゆく。
「光の…勇者様のことですか?」
「このガウリイ。今、光の剣もってるのよ。というか、話しを聞けば。
  ガウリイの一族のガブリエフ一族は、代々光の剣を伝えていた……らしいけど。
  まあ、今もってるのは。こっちの世界の光の剣らしいけど……さ」
などと簡単に説明しているリナ。
「まあ!あの、勇者の一族の末裔でしたの!?」
驚いている【シルフィール】と。
「ほう。あの、シルヴィ様の末裔ですか」
目を見開いているエルク。
「そ~らしいわよ。もっとも。こっちの世界には【ガウリイ】がいないらしいけど」
そんなエルクたち父娘にリナがいい、
「あら?いたにはいたわよ。でもねぇ」
「人に殺されたからね♡」
『………は?』
あたしとユニットの言葉に。
なぜか全員の声が重なってゆく。

勇者シルヴィ。
今から、125年前。
サイラーグに出現した、魔獣ザナッファーを倒し。
その骸から生じる瘴気を抑えるために。
神族と竜族から瘴気を吸収し成長する苗木。
神聖樹フラグーンをその骸に植え。
この地、サイラーグを救ったといわれている伝説の勇者。
確かに。
サーガなどに伝わっている伝説ではいい場所しか伝えられていない。
……けど事実は……
ともあれ、サイラーグに昔から住んでいる人々は。
その勇者に対して、人が起こしてしまった過ちを正確にと伝えているのもまた事実。

「……やはり……ですか……」
あたしとユニットの言葉に、溜息をつきつつも言っているエルク。
「少しお伺いしますけど。あなた方は。光の勇者に対して。どのようにと伝え聞いておりますか?」
エルクの言葉に。
「誰も、手がでなかった魔獣ザナッファーを一撃のうちに倒し。世界を救った勇者です!」
目をきらきらさせつつ、尊敬のなまざしを送っているこちらの世界の【アメリア】。
「確かに、伝わっている話は、それだけですけどね」
「事実は…違う……と?」
エルクの言葉に、かげりをみつけたゼルが問いかける。
「ええ。実際は、関ったのは四人。一人は、エルフ。一人はそのエルフの夫で、人間の賢者。
  そして、その勇者シルヴィは……二人の子供で、ハーフエルフ。
  そして、もう一人は……今回の手配をかけた人物。つまりは。――赤法師レゾ様」
ブバッ!!!
エルクの言葉に。
むせこんでいるゼル、シルフィール、アメリア。
「な……馬鹿な!」
「そうです!赤法師レゾは、リナが倒したはずです!」
驚愕するゼルに、叫んでいるアメリア。
「えええええ!?リナさん、そんなことをしたんですか!?じゃ、やっばり…リナさん達は悪!?」
その言葉に突っ込んでくる【アメリア】の言葉に。
「え?あの……リナちゃん?『倒した』って……一体?」
「……シリルと同じ…よ……」
少し顔色を曇らせていっているリナ。
「……まさか!!!!!?」
その言葉だけで。
理解して、顔色を悪くしているこちらの世界の【シルフィール】。
「……本当ですか?(汗)じ…じゃぁ…ひょっとして……」
あの赤法師さまは……つまりは…もう……
リナの言葉に冷や汗だくだくとながしているエルク。
「ああ。大丈夫よ。Sのやつは復活はしてないから。今は」
「まあ、北で氷付けにはなってるけど。それ一人だけですしね。」
のんびりと紅茶をすすりつついっているあたしとユニットの言葉に。
「??S?」
首をかしげる【シルフィール】。
「シャブラニグドゥだから、頭文字をとってS」
「あ、なるほど」
ぽん。
手を叩き、納得している【シルフィール】だけども。
「……では…まさか……今回も…魔族からみ……というのでは……」
以前の出来事を思い出し顔色を悪くして言うエルクの言葉に。
「まあ。たとえ、そ~だったとしても。今はこっちには、便利なアイテム♡がいるし♡」
にっこりと笑ってゼロスをみているリナ。
「えええええ!?僕はこっちの世界には干渉しませんよ!!!!!?
   そんなことしたら、後で、エル様達にどんなお仕置きうけるか!!!!」
そんなリナの言葉をうけて、なぜか悲鳴を上げているゼロス。
「……だから。どうしてそこまでリナを怖がる?貴様は……」
「それは秘密です♡……聞かないでください……ゼルガディスさん……」
ゼルの言葉に、本気で怯えていっているゼロスだし。
「まあ、今。リナさんは、カオス・ストーンに、エターナル・ブレスレッド。
  この二つを持ってるから多少の少々の力だと使いこなせるし。問題はないとおもいますけど♡」
にっこりと笑っていっているユニットの言葉に。
「?それは?」
首をかしげて問いかけているエルク。
「何でも、賢者の石よりも強力な魔力増幅器らしいわよ。何でも混沌の力が含まれているらしいけど」
さらりというリナの言葉に。
「そんなもの、何処で手に入れたのよぉぉぉぉぁ!混沌っていったら……ああああああああれっ!?」
なぜか混乱している【シルフィール】。
ルナの影響で。
一緒にリナと特訓をしたことがあって、一度。
あたしのところの入り口までリナもシルフィールもきかけたことがあったからねぇ。
本気で入り口までだったけど。
まあ、その影響で。
シルフィールの中に、あいつがちょうど宿ったりもしたけど。
まあ、そこはそれ。
「エルとユニットちゃんからもらったのよ。何でも二人とも、ルナ姉ちゃんの知り合いらし~し」
あっさりといっているリナに。
「…なるほど。ルナお姉さんの知り合いなら、何があっても不思議ではないですね。たとえ、世界が違えども」
『……それで納得(するんですか)(するか)……』
そんなリナと【シルフィール】の会話に。
なぜか、ダブルアメリア、ゼル、シルフィール、ゼロスの声が一致する。

こ…コホン。
「まあ、それはともかく…として。何だ?その人が犯した過ち?といのは?」
ゼルが話しを元にもどすべくすり替える。
「ええ……これは、あまり知られていないことなのですが……」
いいつつ。
エルクは、伝説の裏にと隠されている真実を語り始める。

内容はいたって単純。
確かに。
ザナッファーと呼ぶべき、その実験体は倒された。
だけどその実験はライゼール王室、直々の命令であったりもした。
そして。
光の剣。
そして、人も魔道士協会本部のメンバー。
あげくは、精鋭なる魔道士や賢者剣士でも倒せなかった、
その実験の失敗した実験体を、たった一つの武器にて。
それも。
たったの四人で倒した。
始めのうちは、その四人を人々は絶賛した。
やがて。
その力をねたみ。
やがては、その力は人あらざる力。
つまりは、ほっておくと害をなす。
と、国が判断し。
または。
そんな力をもっている剣ならば、たとえ持ち主を殺してでも奪い自分達の力に……
という人間達が数年もしないうちにと出始めて。
挙句は、『彼等こそが、悪の根源である。』という不安が人々を襲っていき。
虐待と暗殺のオンパレードが巻き起こり。
そんな世界情勢の中で、サイラーグだけはそんな彼等を守りとおしたのだけど。
しばらくのち。
かれらは忽然と、その光の剣とともに姿をかきけし。
国々において人々が疑心暗鬼に陥り、戦争が勃発しかけた。
という出来事が。
125年前。
ここの世界では繰り広げられていた。

そんな実情があったりした事実が淡々とエルクより語られる。
「人は、自分にない力をもっているものにたいして。困ったときは頼るけど。
  用がなくなったら、何かと理由をつけて排除しようとするからねぇ。本当に面白い種族よね♡」
のんびりとあっさりいっているユニットに。
「少し不安をばら撒いただけで、あっさりと策略に陥りますしねぇ♡」
にこにこといっているゼロス。
つまりは。
ザナッファーを倒し瘴気を吸収するという苗をうえ。
サイラーグがこれから復興してゆく。
というときに。
その力を恐れて。
もしくは、手に入れようとして。
水面下で戦いが巻き起こり。
それで、無駄な命を落とした存在も数知れず。
それを憂いて。
シルヴィと、その父、ラウリイと、その母、メリルーンは人知れず姿をけし。
そんな彼らを逃がすときにもサイラーグの神官家の血筋が彼等を保護し。
それでも。
その血筋を怖れた人々の迫害は留まることをしらずに。
身元がわかれば『罪人として処刑』。
そういう時間がしばらく十年ばかり続いていった事実があったりする。
人は強いようで弱い。
かといって、その純粋なる思いは誰にもまけず信じられない強さをももつ。
そう。
このあたしすらを感嘆させるほどに。
それは、ほんの一握りだけど。
大概はその弱さに負けて、わかっていながら何かしらの罪をかぶってゆく。
あのときの一件もまた、そういった無限にある例のほんの一つの出来事。

エルクから話しを聞いたアメリア達。
二人のアメリア、ゼルガディス、ガウリイ、シルフィールはしばらく無言と化しているけど。

とりあえず。
この日は。
みんな疲れているだろうから。
というエルクの配慮で。
全員、ここで休むこととなったのだけど。
明日。
手配をかけたエリスがいる館にと向かうことにきめ。
なぜか。
ゼル達は無言のまま寝室にと入ってゆく。
そんなに、驚くような事実でもないでしょうにね。
人の歴史にはよくあることだし。
どこの世界でも。
少し情けないけどね……

そんなこんなで、無事にたどり着いたサイラーグ。
とりあえず。
様子をみて、どうするかきめましょう♡
だってあっちでは、あたしが干渉して全員助けたようなものだしねぇ。
大筋の時間率というか運命設定では違うのよね。
まあ、変えるのもたやすいけど……ね♡

無事にサイラーグにたどり着いたあたしたち。
ふふ。
まだまだこれから、たのしくなりそう♡


                                         -続くー

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あとがき:
 姫:・・・・折角、裏の話まで作ってるんだから。
   打ち込めばいいのに。
エル:そうよね。シルフィールとリナの過去。それに、かつての、ザナッファー事件。
 薫:・・・・・・・・・・・・・・・・無理です!
    時間があれば・・・もしかしたら。
    気が向いたら・・・番外偏・・・・という形か。
    または一つの話として打ち込み始めるかもしれませんけど・・・・・。
 姫:・・・・・・・横着もの♡
 薫:・・・・しくしくしく・・・・・・。
     とりあえず。完全に、なんか、オリジになってるし・・・・。
     ゼルの登場は!?エリスとレゾは!?というつっこみ・・・・(涙)しくしくしく・・・・・。
     頑張って次回に出します・・・・・はい(涙)
 姫:それではv
エル:またv次回でねv
 姫:それで?町の人達、助けることにするの?
         どうするの?
エル:まあ、どっちにしても。ガウリイがこのあたしを脅してくるけどねぇ(笑)
    本当に面白い人間よねvあれは♡
 薫:あ゛あ゛!今後の展開がぁぁぁ!!!!(涙)
   に・・・にげます!それでは!!!


(薫、必死に、幕をおろしてゆく・・・・)

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