まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ♪
なんか、この一ヶ月、これしか打ち込んでないですね(汗)
あ・・・あはははははは(滝汗)
ま・・・それはおいとくとして(よくありません!)
どうも、予定では、二つのツリーで、書き殴り・・・・。
終われるかと思ったんですけどねぇ・・・。
私の寝坊のせいと、執筆スピードの遅さで(自覚はある)
どうやら、三つになりそーです(涙)
まあ、それはともかく・・いっきます!
第17話、無印、あの子!?にプロポーズのパロディです!!
んでは!

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 スレイヤーズフォーエバー 第17話   ~プロポーズ~

ドドゴォォン!
「はい。本日の勇者ご一行様、退散……と」
アメリアが手帳片手にいつものごとくに書き込んでゆく。
「我こそは……」
「はぁ~……五月蝿いですよ。彼方たち……」
パシシュ!
ゼロスに向かっていき、どこかに飛ばされている人間も多数。
ついでに言えば、殺したりした場合は手配が本物になるので生き返らせるようにといってある。
「白のゼルガディス!覚悟!」
風魔咆裂弾ボムディウィン
「あぁぁぁれぇぇぇぇ……」
ゼル達に向かってゆく刺客達はといえばことごとく吹き飛ばされたりけども。
さすがに面倒になってきたのか。
黒こげにされたり…などとそれぞれ人様々。

やがてたどり着いた丘の上から見下ろすと港町が見えてくる。
「昨日は二十組。その前が十組♡まあよく次々と、ここまで自称勇者や賞金稼ぎがでてくるものよねぇ♡」
くすくすと。
手に口をあてて、笑って言っているユニット。
「まあ。今はサンドリアでは、シードラゴン退治のために。
  自称勇者や賞金稼ぎ。腕に覚えのある人間なんかがこぞって集まっているところだからねぇ」
くすくすくす。
あたしが笑いながらいうと。
「そうですよ。それなのに、どうしてわざわざサンドリアから船に乗るんですの?」
キョトンとしているシルフィール。
「確かにな。サイラーグに向かうのであれば。ウルル山脈を越えるという手もあるだろうに……」
溜息つきつつ、剣圧だけで刺客達をなぎ倒しているガウリイがそんなことをつぶやくが。
「あの!ウルル山脈を越える……ですってぇ!?
  ヴルムグンにザングルス。果ては、賞金稼ぎから自称勇者様まで。そいつらを相手に、あの!
  険しい標高の高いウルル山脈を越えたいっ!っていうの!?あんた達は!?」
リナが、風の呪文や、炎の呪文で。
今だに途切れなくやってくる刺客達を、次々と倒しつつ言い放つ。
「それに。寒いの嫌です!」
「そうですよね!やっぱり、いくら暖かい季節とはいえ。寒いのはいやですよね!」
きっぱりはっきり言い切る二人のアメリア。
「そ・れ・に!止めたのは、あんた達でしょうが!」
リナが憮然とし、ぎろりと、ゼルとシルフィールを睨むと。
「そりゃ……とめるぞ……いくらなんでも……」
なぜか溜息を一つついて言っているゼル。

サイラーグに向かうには。
その間にちょっとした標高の高い山があり、そこを越えればもうサイラーグは目の前。
この時期。
いくら暖かい季節とはいえ。
標高の高さもあり、只今ウルル山脈は雪と氷に閉ざされている。
遠回りに行けば、行ける距離であるけど。
それだと、軽くなぜか人の足では一ヶ月くらいかかる距離。
そのために。
ウルル山脈を海から越える定期便が。
頻繁に、ここ、サンドリア・シティの港町から出ているのだけど。
ちょうど、今。
その航路にシードラゴンが出現し、通る船を次々にと沈めている。
そんな些細な事件ともいえない事件が勃発し。
そのために。
サンドリアには、腕に覚えのある存在達がこぞって集まっている状態。
リナもそれを知っていて。
ウルル山脈の懐で。
重破斬ギガスレイブを放って、道を創ろうとしたりもしたんだけど。
なぜか、ゼルやシルフィールに止められて。
ついでに言えば。
どうして、地精道ベイスフリングで、トンネルなんかを掘らないのか。
という疑問もあったりするけども。
なぜか、人が使える呪文のそれは。
鉄や木など。
硬いものには穴を開けることはできなかったりする。
ウルル山脈の特徴は。
銀、金、鉄の産地でもあり。
ついでにいえば、多少なりともオリハルコンがその地質に含まれていたりする。
つまりは、人でいうところの。
かなり硬い岩盤で形成されている。
その上に火山灰が積もりに積もって、今の高さまでになっているんだけども。
もっと突っ込んでいうと。
休火山でもあり、そしてプレートが重なる場所。
つまりは、大陸のプレート移動で。
今だに、その高さは成長を遂げている。
以前、数回。
ライゼール王国が率先して。
完全なる道をウルル山脈に創ろうとしたことなどもあったりしたけども。
派遣員がことごとくに、その山の険しさなどで行方不明と成り果てて。
ほぼ、100%の確率で、冥界やあたしの所に戻ってきた。
という事実もあったりする。

とりあえず。
相手をするのが面倒くさい。
という理由で。
なら。
といって、重破斬ギガスレイブの呪文をリナが唱えようとすると。
なぜか、それを止めに入る、シルフィール達。
「リナさん!それは、この世界に虚無の端末を引き込む術です!
  失敗したらリナさんの命どころか、この世界までが消滅します!」
リナにすがって説得していたりしたシルフィール。
「えええ!?そんなにすごい術なんですかぁ!?」
こちらの世界のアメリアが、その言葉に目を見開き。
「何となく、大丈夫のような気がするって。
  それに、この、カオス・ストーンと、エターナル・ブレスレットがあるし」
いいつつ。
首にかけられている漆黒の石と、手につけている虹色に輝くブレスレットを見ているリナ。
「完全版はともかくとして。不完全版なら問題はないって♡」
リナの言葉に。
「……いや、完全版って……」
そんなリナにと突っ込んでいるゼルの姿。
「ともかく、やめてくださぃぃ!」
なぜか半日。
リナを説得する、というので、アメリア達とゼル、シルフィール、そして、ゼロスまでもが加わって。
結局。
サンドリアから船にのる。
ということで話しがついたんたけども。

「でも、本当にどうなさいますか?このままだったら、間違いなく。
  町に入ったとたんに、追いかけられまくり。船に乗るところではないですよ?」
シルフィールがつぶやくと同時。
「……嫌な予感……(汗)」
「俺も同感だ……」
「……僕も同じく……」
こそこそこそ……
などといいつつ、その場から逃げたそうとしているガウリイ、ゼル、ゼロス達。
にぃぃっこり。
そんな彼等に対し、あたし達女性陣の目が光る。
「さあ!ということで、ゼルガディスさん!変装するために、女装しましょう!」
「んっふふ。ガウリイ♡綺麗にしましょうね♡
  手配がかかっているのは、あくまでも。魔道士リナ=インバースと剣士ガウリイ=ガブリエフ。
  そして、魔剣士ゼルガディス=グレイワーズなんだから♡」
リナがにっこりといい。
『だからって、何で女装なん(だ)(ですか)ぁぁぁ!!』
なぜか。
ガウリイ達の叫びが、その場にしばし響き渡ってゆく。

「おほほほほ♡」
扇を片手に、完全になりきっているゼロス。
「ゼロスさん……それ……ファミール王国の……」
そんなゼロスをみているアメリアがそのことに気づいてつぶやいてるけど。
「ええ。今回は色違いに挑戦してみましたの♡おほほほ♡」
以前は、赤いチャイナドレスだったけど。
今回の色は、紺。
ぴったりと体にフィットしているそのスタイルは、道ゆく人達の目を留めてゆく。
「う~ん。さすがにゼルガディスさんです!女性でも十分に生活できます!」
「うう……何で俺がまた……」
「ほらほら、ゼル一号。言葉使い、言葉遣い」
いじけているゼルに対し、にこにこといっているリナ。
「ポニーテールをしたのなんて、久しぶりですわ」
いいつつ。
長い髪をポニーテールにして。
服装も、巫女の服装ではなく。
その辺りにいる女の子が着るような服にと変えているシルフィール。
薄いピンクの色のフリルの服を着て、にこにこと笑っているユニット。
結構これが似合っていたりするけどね。
「しっかし、ガウリイ♡本当に綺麗よねぇ」
「うう……だからって、何でまた女装しなくちゃいけないんだぁ!」
下を向いていじけているガウリイ。
ちなみに。
ピンクのワンピースにワンポイントで胸にちょっとした大きなリボン。
幅の広い肩は大きめの襟で隠してるけど。
「いいじゃないのよ。美人なんだから♡」
にっこりいうあたしに。
「あのなぁ……エル……」
そんなあたしを睨んでくるガウリイ。
ちなみに。
あたしのスタイルはというと。
髪を後ろで少し束ね。
薄い橙色の上着に。
黒いマント、裏地は赤。
黒いズボン。
といったラフな格好。
コルセットなども外し。
スタイルは当然のことながら、抜群♡
『誰かどうにかしてくれぇ……』
ゼルとガウリイのつぶやきが一致する。
「でも、こうしていると。本当に気付かれないものですね」
こちらの世界のアメリアが、道を歩きつつ、つぶやいてるけど。
町に入った直後から。
まあ、あたし達の後ろをつけてきている男性陣はかなりいるけど。
港に行くまでに。
何回か、ナンパを受けかけそうにはなるけど。
そのたびに。
『抜け駆けするな!』
と、後ろの方で、格闘騒ぎが巻き起こり。
まあ、そんなことはあたし達には関係ないけど。
「まあ、人間って見た目に弱いからね♡みててね♡」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ユニットがそういって。
にっこり笑った後に悲鳴を上げると。
『何だ、何だ!?』
ザザ!
あたし達を取り囲む、人々たち。
ぎくっ!
ぎくりとしているこちらの世界のアメリア。
「あ……ゴキブリが……」
よろりとよろけて、あたしの方にと倒れるユニットに。
「何ぃ!?こいつか、こいつか!?」
道にいた一匹のゴキブリ退治に。
数十名が、一気にその場で噴煙を巻き上げてゆく。
「ね。彼等の目的は、あくまで、魔道士リナと剣士ガウリイ。
  そして、ゼルガディス、その三人。この格好してたら、気付かれないってば♡」
あたしの言葉に。
「……そうみたいですね……」
一匹のゴキブリ退治に、今だに躍起になっている人々をみつつ。
汗を流しているシルフィールとこちらの世界のアメリア。
「というわけで♡あたし達は♡」
「仲良し従姉妹九人組み!」
タン!
ポーズをつけているアメリア達とは対照的に、
「……どうにかしてくれ……ゼル……」
「……俺にいうな……ガウリイ……」
溜息をついているガウリイとゼル。

「つまりは、設定としては。病気の祖母を尋ねる仲のいい従姉妹という設定ですのね?」
ちらちらと。
ガウリイ様、綺麗です♡
と思いつつ確認してくるシルフィール。
「……あれ?あれは……」
「ブッ!?」
アメリアのつぶやきに。
そちらに目をやり、思わず噴出しているリナ。
シシシシ…シレーネ……なんでンなところに……(汗)
髪……伸びてるし……ナーガみたい……
その姿をみて、一瞬そんなことを思いつつも汗を流しているリナ。
そしてまた。
「へえ。母さんの形見の服装って、結構似たものがあるんですね……」
それをみて、しみじみ言っているアメリア。
ブッ!」
思わず、その言葉に噴出すリナに。
「どうかしたんですか?リナさん?」
キョトンとして問いかける【アメリア】。
「……いや……いい。」
世の中、知らない方が幸せ。
ということもあるし……
そんなことを思いつつも、それで話しを区切っているリナ。
一瞬…怖い考えが浮かんだし……
ま…まさかね……あはは(汗)
リナは心でカラ笑いをあげるが。
まあ、事実。
リナが知っているナーガが着ている、あの服装。
アメリアとグレイシアの母親の形見の服装だからねぇ。
くす。
やがて。
その視線の先にある人物は、すたすたとこちらに気付くことなく歩いて立ち去ってゆく。

ちなみに。
今だに、ナーガとおそろいの服を着ているシレーネ。
少しは名前が知られているフェリオ=フィッツマイヤーの一人娘。
以前、ナーガとリナに関りをもち。
そのナーガに感化されて。
本人曰く、センスをいまだに磨いている最中だったり♡

「ともかく!始めにやることは!」
リナがガッツポーズをとり。
「そうですね!リナさん!」
『ご飯です!』
きっちりと。
二人のアメリアとリナの声が重なり。
『おいおい……』
そんなリナたちの言葉をきき、目を点にしているゼルとガウリイ。
ゼロスはあいかわらずに、にこにことしているけど。

ガツガツガツ。
「あ…あいかわらず、よく入りますね?小さいほうのリナさん……」
シルフィールが、次々にと積み上げられてゆくお皿をみつつ感心の声を上げてゆく。
ぱくむしゃ。
食堂などで最近は、まともに食事をしていないために、かなりの勢いで食事をしているリナ。
といっても。
野宿などで、食事はきちんとしているけど。
「ゼルガディスさん…じゃなかった。ルルさん。食べないんですか?じゃ、私がもらいます!」
溜息をつき食事に手をつけていないゼルのお皿からウィンナーを横取りし、口にと運んでいるアメリア。
あたしたちがそんな食事をしている最中。
カララン……
あたしたちが食事している食堂にと入ってくる三人の男性。
そして。
『おおおおっ!?』
あたし達の姿をみて固まっていたりするけど。
あら♡
「か…可憐だ……///」
「な……何て素敵な……///」
「か…かわいい////」
そんなことをつぶやいている彼等だし。
一人はガウリイに見とれて。
一人はゼルに見とれ。
もう一人は、ユニットに見とれていたりする。
そんな中。
「あんた達かい?サンボアまでいきたいというのは」
店の主人が、並んだ席にと座っているあたし達にと話しかけてくる。
情報を得るのは、酒場か食堂。
または、宿屋。
今のこの進化過程の世界では。
それが常識となっていたりする。
まあ、その進化の過程で自然をないがしろにして科学を優先し。
消滅していった星なんかも今まで他ではあったりするけど。
そんなまあどうでもいいことはおいとくとして。
なぜ、一つの席に座って食事をしていないかというと。
あたし達の人数分の机がないからだけのこと。
それゆえに。
あたしとユニットとゼロス。
アメリアとゼル。
シルフィールとこちらの世界のアメリア。
リナとガウリイ。
三つの席にと分かれて食事をしているのだけど。
「ええ。実は、祖母が危篤で……せめて死に際に孫たちの顔がみたい。と連絡がありまして。
  こうして、孫娘全員で尋ねる最中なんですけど…このシードラゴン騒ぎで足止めくらってしまって…うう……」
そんな店の主人に涙を浮かべつつ、ハンカチで口を覆って言っているユニット。
かわいそうに……
そんなユニットの姿をみて、心をキュンとし、同情している食堂の主人。
「これまで食事も喉を通らないで……
  リィナ姉さん達なんかは、まあこの騒ぎで少し落ち着きを取り戻したのか、
  二十日分の食事を一気に食べている状態ですし……」
いいつつ、ぱくぱくとお皿をカラにしているリナとガウリイを見ているユニット。
「二十日も何も喉にとおってないって……そりゃ、かなり心労がたまってるんだなぁ。何とかしてやりたいが。
  集まった勇者様や賞金稼ぎの連中も。シードラゴン退治には手を焼いている状態だからなぁ」
そういって腕をくんでいる店の主人。
「あの?でも一隻くらいは……」
船がでているのではないですの?
と、シルフィールがおずおずと問いかけようとするが。
「まあ、シードラゴンなんか一発でやっつけられるという。
  つよぉい、勇者さまでも乗り合わせてくれれば。出してくれるかもしれないが……」
「ああ…こんなにもたもたしているうちに、お婆ちゃんがぁ……」
設定としてそう決めていたので、スムーズに話が通るために。
リナが、わっと、机にすがって泣き伏してゆく。
嘘泣きだけど♡
「なくな。リィナ」
そんなリナの髪をなでなでしているガウリイこと、ララ。
『・・・・・』
そんなガウリイをみて無言になっているアメリア達。
『その役目、俺達が引き受けた!』
そんな会話をしていると。
あたし達の後ろから、話しかけてくる先ほど入ってきていた三人の男性。
そして。
一人は、ガウリイに。
一人は、ゼルに。
一人はユニットに視線を向けて、顔を赤らめていたりする。

「安心してください。この勇者ボランがいる限り」
「この、剣士サザンがいる限り」
「魔法剣士ラルクがいる限り!」
『絶対に、無事にあなた方をサンボアに連れて行って見せましょう!』
胸をたたいて言っている三人。
ちなみに、彼等もまた従兄弟同士だったりするんだけど。
こちらは本物♡

「ほぉ。では、ルルさんに、ララさんに。リィナさんに。リアさんに、リリィさん。
  フィーナさんにゼリスさん。そして、エルさんにミリーさんですか」
感心の声を上げている、一番年上の男性。
「私は、勇者ボラン。この勇者ボランの活躍は聞いたことがあるでしょう」
そういってくる、ごつい体格の男性…ボラン。
『ないです』
きっぱりと全員の声が一致して、その場にと一瞬こけそうになっているボラン。
「実は、ここだけの話ですが。
  以前、赤眼の魔王ルビーアイシャブラニグドゥが復活した。という噂があったでしょ?」
――ぎくっ!
その言葉に。
ゼル、アメリア、シルフィール、リナがぎくりとするが。
「あれを倒したのが、ボランなんですよ」
「いやぁ、俺達が倒したあの魔物が赤眼の魔王ルビーアイシャブラニグドゥだと知ったときの、あの驚き!」
完全に嘘というか、勘違いしまくっている三人の言葉に。
――うそつけぇ!
叫びかけ、じたばたしているリナ。
そんなリナをどうにか羽交い絞めにし押しとどめ、
「リナさん、ここは落ち着いてください!」
アメリアとシルフィールに支えられ、
「このおおほらふきぃ!」
それでもどうにか叫んで彼らに向かって足蹴りしているリナの姿。
彼等が倒したのって……
何処にでもいる、低級魔族なんだけど(笑)
ついでにいえば。
その気になれば。
赤ん坊でも倒せるほどの弱い相手♡
魔族と言われているけど、実際は。
人の念が死体に取り付いているだけの生き物。
ゾンビとかとはまた違う。
『とにかく、このボランを含む、聖勇者一行が!
  ララさんのために。(ルルさんのために)(ミリーさんのために)無事にと送り届けてあげましょう!』
ボランは、ララの手を。
サザンがルルの手を。
ラルクがユニットの手を。
いいつつも、がしっと手を握っている三人。
そして。
「こうしては、いられん!船の手配を!」
いって勝手に突っ走り、船の手配にと走ってゆく。

「……なあ?オレのためって……どういう意味だ?」
「……何か嫌な予感がするんだが……」
ガウリイとゼルが、冷や汗ながしつつ言ってくる。
「ええええ!?本気で分からないの!?ガウリイ!!?ゼル一号!?」
「すばらしいです!ゼルガディスさん!一目ぼれされるほど、そこまで綺麗だなんて!」
『………。な……何ぃぃぃぃ!!!?』
リナとアメリアの言葉に、ようやく理解し驚愕の叫びを上げている二人。
「どうやら、あの三人。ゼルガディスさんと、ガウリイさん。
  そして、恐れ多くも、ユニット様に一目ぼれしたようですねぇ」
にこにこと、それでいて汗をかきつつ言っているゼロスに。
「まあ、ガウリイ様と、ゼルガディスさんは分かりますけど……あのラルクさんって……」
『ロリコンですね』
きっちりと、リナとこちらの世界のアメリア。
そしてアメリアとシルフィールの声が一致する。
「そうでもないぞ?だって、ユニットちゃんは。見た目とはまったく違って……」
ぐしゃ!
その場にいきなり倒れているガウリイ。
「……(汗)」
が…ガウリイさん……いらないことを…
そんなガウリイをみて内心思い、汗を流しているゼロス。
「俺は、手配者でいい!すぐに変装を解く!」
じたばたしているゼル。
「まあまあ、いいじゃないですか。船に乗り込むまでです。ねぇ?テスラ姉さん?」
「そうよね。アメリア」
いいつつ。
がしっ!
ゼルの手を二人してとり。
『正義のためです!ゼルガディスさん!』
「ガウリイ♡彼方の尊い犠牲は忘れないわ♡」
ずるずると。
今だに気絶しているガウリイを引っ張って、進んでいるリナとあたし達。
「何処に正義があるんだぁあ!」
ゼルが一人叫んでいるけど。
「どっかその辺りにあります!」
「いやだぁぁぁぁ!!!!!」
わめいているゼルと。
気がついたガウリイもまた。
ゼル同様に。
ようやく、自分がまたまた男に惚れられたということに気がついて。
わめいているそんな二人を何とかなだめ。
ボランたちが手配した船にと乗り込んでゆくあたし達。


「ははっ!怖れることはない!
  この勇者ボラン様と、その仲間がいる限り!シードラゴンなど返り討ちにしてくれるわ!」
船のへさきで、ポーズを決めているボラン。
「本当に大丈夫なんでしょうねぇ……」
そんなボランを、あきれつつ見て言っている船長。
大丈夫なわけないじゃない♡
一方で。
「うわぁぁぁ!」
面白いことに追い掛け回されているゼロスが何やら叫んでるし。
「待ってください!妹さんとの交際をぜひに!」
「駄目ですぅぅ!」
黒い髪を長く伸ばし、後ろで束ねているラルクに追いかけ回されていたりする。
理由はいたって簡単。
ラルクが、『ユニットに付き合ってください』
と言ったところ。
「姉のゼリスの許可がでたら、考えてもいいわよ♡」
という、天使の微笑みで彼にと答えたがゆえに、
船に乗り込んだその直後からゼロスは追い掛け回されているのだけど。
ゼロスとしては、そんな大それたこと了解するなどいえるはずもなく。
逃げのいってに走っているのだけど。
ユニットも確信的にいってるからねぇ。
ふふ♡
そんなゼロス達の様子は何のその。
「どうにか船に乗れましたね」
「やはり正義は必ず勝つのです!」
白いビキニを着込んでいる二人のアメリアがそんな会話をしていたりするけど。
その横では、青いビキニを着ているリナ。
そして。
涼しげなワンピースを着ているあたしに。
大きなリボンのついている水着を着ているユニット。
そして。
水着の上に上着を羽織っているシルフィール。
あたし達六人は、船の甲板の上でゆったりとジュースなどを飲みながら、くつろいでいたりする。
その横では。
花束などをプレゼンとされ。
いじけたゼルが、部屋にと閉じこもっていたりもしたけども。
アメリアが水着を着ているので、悪い虫がつかないようにと。
いじけつつも、部屋から出てきて近くかでアメリアを見守っていたりするゼルの姿が。

「ぜ~ぜ~ぜ~……」
自分の部屋が少女趣味に改造されて、真っ青になって何やら言っているガウリイ。
そんなガウリイの横では、にこにこしているボランの姿が。
リナがガウリイに。
「ボランの気が変わったら船を戻される可能性があるから。そのまま、いきなさいね♡」
と言ったために、リナの言葉を守っているガウリイの姿。
ガウリイとボランの前には一つのジュースに二つのストローが挿してあるトロピカルジュースが。
「どうかしましたか?ララさん?」
にこにこというボランに。
……これがリナとだったらなぁ……
などと思いつつ、うじうじしているガウリイ。
「い…いえ。別に……」
「ララさん!実は……船が出港してからずっと言おうと思っていたんだが……
  俺と……俺の嫁になってはくれないか?一目ぼれなんだ」
「………は?」
ぴしっ。
その言葉に、ガウリイは石化。
『ぶ…あははははっ!!!!』
それを聞いたリナ達はお腹を抱えて笑っていたりする。
「ララさんさえよければ、船長に頼んでこの船上で式を挙げてもいい!
  親戚や妹さんたちに祝福されて。返事は今すぐとはいわない。明日にでも返事を聞かせてはもらえまいか?」
頬を染めて言っているボランに。
やぁめぇろぉ!!
などと心で叫んでいるガウリイは、がっくりとその場に膝をついてるし。
そんなガウリイを後にしていうだけいって走りつつも船室にと戻ってゆくボランの姿が。
ほんと。
楽しいったら♡
ボランが船室に引っ込んだのを確認し。
「おめでとう!ララ姉さん!ついに身を固める決心を!」
「寂しくなりますわ。ララさん」
手を取り合って、言っているリナとシルフィール。
「あぁぁぁのぉぉなぁぁぁ!!何でオレが男とっ!しかも、リナ以外のやつと結婚式を挙げないといけないんだ!」
「?何いってんのよ?ララ姉さん。結婚する人の名前が違ってるわよ。
  というか。普通、そこには自分の好きな人の名前を入れない?」
何、あたしの名前を入れてるのよ?こいつは?
悪乗りしつつも、きょとんときっぱり言い切っているリナ。
今のガウリイの台詞の意味を、まったく理解してないのが面白いけど♡
ダダダ……
「う……うわぁぁぁ!」
そんな会話をしている最中、ガウリイ達の元にと走りよってくるゼル。
「ルルさん?どうかしたんですか?」
そんなゼルに問いかけているアメリア。
「どうもこうも…き……きたぁぁ!」
「ルルさぁんっ!僕と結婚してくださぁぁぃ!」
ゼルを追い掛け回して。
しかも、指輪持参で追いかけているサザンの姿に。
必死に逃げて魔法で吹き飛ばしているゼル。
『こっちも!?あはははははははは!!!!!!!!!』
そんな光景を目の当たりにし、一瞬目を点にしつつも。
リナ、シルフィール、二人のアメリア。
そして、あたしとユニットの笑いがこだましてゆく。

「まあまあ、ゼルガディスさん!ここは正義のために!
  無事にサイラーグにたどり着くための尊い犠牲になってください!」
「大丈夫です!戸籍は問題ないですし!それに、ここ私達の世界じゃありません!
   ちょうどいい機会ですし。経験するのも悪くないんでは?」
「アメリアぁぁぁぁ!お前らなぁぁ!俺が結婚するのは!お前しかいない!」
「//////」
勢いに任せて、ぎゅっとアメリアを抱きしめていたりするゼル。

「――まあ♡」
周りの客がそんなアメリアとゼルの二人を見つつ。
まあ……百合の世界♡
などと、乙女の世界に入っていったりしている人達もいるけども。

「ここはやっぱり!諦めて、ボランの嫁になるっきゃないでしょ!」
「ガウリイ様!ドレスは私たちが責任をもって縫いますわ!」
「あ……あのなぁぁぁぁ!!!!」
完全に。
ガウリイをからかって遊んでいるリナとシルフィール。

「あああ……」
まったく……
ユニット様も何て条件を……
ま…まあ。
ゼルガディスさんとガウリイさんの負の感情が、かなり満ち溢れてますけど……
ど~やら、あちらは、プロポーズ……されたみたいですねぇ……(汗)
そんなことを思いつつも、未だに逃げてマストの上にと避難しているゼロスの姿。
と。
そんなほのぼのとした会話ややり取りが繰り広げられているそんな中。
コポ……
「おや?あれは……」
ふと視界の先に、海の水が泡立つのを見て取るゼロス。

『シードラゴンだぁぁ!!!!!』
乗り組み員や客たちが騒ぎ出す。
泡とともに出現してくるシードラゴン。
水の中なので油性の化粧で自らの顔を飾り。
常に、パタパタと手鏡をもって、ファンデーションを塗りたくり。
口元には、赤い口紅を指している。
わざわざ化粧しなくてもいいでしょうに♡
くすっ♡
「きたな!?悪行の限りを尽くすシードラゴン。今こそ、我らが勇者一行が退治してくれる!」
三人が船のへさきに立ちポーズを決め。
そして。
「ララさぁん♡」
「ルルさん♡」
「ミリーさん♡」
こちらを振り向いて手を振っている三人。

「……悪い人達ではないんですけどね……」
そんな彼等をみて、つぶやいているこちらの世界の【アメリア】。
『いくぞ!とうっ!』
ちく。
プン!
『うひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
剣をシードラゴンに突き立てるものの。
そのまま、シードラゴンに吹っ飛ばされている三人。
そんな彼らをしばし呆気にとられてみつつ、
「く……口だけとは思っていたが……」
あきれて言っているゼル。
そして。
「後ろ!後ろ!」
リナがそんな彼らにと指摘すると、シードラゴンの尾が彼等を狙っていたりする。
「ふん。こんなもの。このボラン様たちに通用するとでも!」
――ペチ。
「……分かってても、やられるんですね……」
そんな彼らの姿をみて、頭を抱えていっているシルフィール。
そしてまた、
ふるふるふると体を震わせ、
「き…貴様ぁぁ!その程度でこのオレを口説こうってか!?いい根性してるじゃないか!」
ガウリイが怒り何やらいってるし♡
まあ、戦士を名乗っているのにも関らずに。
不意打ちでもなく、分かってて。
何も対策が打てずにやられている人をみるのは、あきれる以外の何者でもないでしょうけど。
「とりあえず♡」
すいっ。
ゼロスが言って錫杖を一振りすると。
船全体が特殊な結界で覆われてゆく。
「もし、この船に何かあって。エル様とユニット様の機嫌が悪くなっては困りますからね♡」
マストの上にと腰掛けて結界を張りながらも傍観を決め込んでいるゼロスの姿が。
彼ら三人がまったく役にたたず、このままではダメだ。
そう判断し。
「ちっ!行くわよ!」
「任せてください!」
呪文を唱え。
火炎球ファイアーボール!」
獣王牙操弾ゼラス・ブリッド!」
アメリアとリナの呪文が炸裂する。
が。
どこかっ!
油の化粧でコーティングされているそのシードラゴンの肌は、その魔法をはじいてゆく。
「な…何て硬い皮膚なんですか!?」
シルフィールがそれをみて驚きの声を上げ。
「こぉらぁ!便利なアイテムゼロス!あんたも手伝いなさい!」
リナがマストの上にと座っているゼロスにと叫んでいるけど。
「任せろ!」
だっ!
剣を片手にシードラゴンに突っ込んでいっているガウリイ。
ザシュ。
「キシャァァァァァァ!!!!」
皮膚を切られて悲鳴を上げる。
パシャ。
「・・・・・・・・・・・」
「だぁぁあ!後先考えずに、突っ込むなぁぁ!」
剣で攻撃した後に。
海に落ちているガウリイに対し、 頭をかきむしりつつもガウリイを救助に向かっているリナ。
しばらくそんな光景を眺めつつも、
「まったく……折角の航海が台無しよ♡」
さらり。
髪をかきあげつついうあたしの言葉に。
「そうよね♡」
すい。
今だに水着の姿のままのユニットがあたしの横に立つ。
そんなあたしとユニットの行動をみて、
「……ちょっとまてぃぃぃ!!!!!」
「ちょっとまってくださいっ!」
なぜか悲鳴を上げているゼルとゼロス。
ゼルは直感的に、何か感じ取ったようだけど。
「ぼ……僕がやりますからぁ……」
なぜか、声を震わせて情けない声を出しているゼロスに。
「いいえ。わたくしがやります!」
すい。
いって、一歩前に出ているシルフィール。

「まったく……後先考えずに、飛び込むかなぁ?普通……」
ガウリイを海から救い上げ、そんなことをつぶやいているリナ。
「……リナ……あいつ……オスだ……」
ぼごっ!
「//何をみた…何を……(汗)」
そんなガウリイの頭を殴っているリナの姿。
「平和な航海を乱すシードラゴン。正義の名前の下に、この私達が正義の裁きを下します!」
いって。
弦操呪牙カオス・ストリング!」
「……へ?(汗)」
その術は……
ナーガのオリジナルのはずじゃぁ……(汗)
アメリアの放った呪文に目を点にとしているリナ。
そしてまた。
すぅ。
大きく息を吸い。
「黄昏よりも暗きもの、血の流れよりも赤きもの。
  時の流れに埋もれし、偉大なる汝の名において、我ここに闇に誓わん。
  我らが前に立ち塞がる愚かなるものに、我と汝の力もて、等しく滅びを与えんことを……」
シルフィールがいきなり、竜破斬ドラグスレイブの詠唱を始めてゆく。
「ちょっとまてぃ!んな所でんな呪文を使ったら!」
リナが止めようとするが。
すでに遅し。
竜破斬ドラグスレイブ!!!」
どごがばしゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!
「キシャァァァ!!!!!!!!!」
直撃をうけ、叫びつつも消滅してゆくシードラゴン。
ザッパァァァァァン!!!!!!!
『大波だぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
シードラゴンは退治されたものの。
船にちょっとした二百メートルの程度の高波が押し寄せてくる。

「あわわわ!浮遊!」
ゼロスの言葉とともに。
ぽわん。
船が瞬く間に空気の塊に覆われて、ふわふわとその波の上にと浮いてるけど。

ザッバァァァン!!!

その日。
ちょっとした高波がサンドリアシティを覆ってゆく。

ついでにいえば。
浮かび上がるときに。
そのまま、船からボランたち三人が転げ落ちていたりするけど。
まあ、それは些細なこと。

ザザァン……
静かに、波が押し寄せてくる。
「う~ん。やっぱりこっちのほうが断然いい」
服を着替えて思いっきり伸びをしているガウリイ。
「でも、ガウリイ。似合ってたわよ♡」
「あのなぁ……」
リナにからかわれつつも。
オレとしては、リナと……
などと思っているガウリイ。
そして、そんなリナ達の横では、
「やっぱり、ゼルガディスさんは綺麗です!うらやましいです……」
などとゼルにいっているアメリアに。
「……アメリアの方もな……」
そんなアメリアに対して、超小声でつぶやいているゼル。

「でも、シルフィールさん?どうして、いきなり竜破斬ドラグスレイブなんて?」
こちらの世界の【アメリア】の言葉に。
「神託が下りましたので♡あの一瞬に。『生半可な術では倒せない』…と♡」
にこにこと、そんな【アメリア】に説明しているシルフィール。
「……エル様……」
その言葉に。
あたしがちょっとした意見を下したのに気づいたらしく、あたしをみて何やらいっているゼロスだし。

なぜか。
あたし達の活躍で難を逃れたこの船。
あたし達が、服装などを変えて変装を解いても。
逆に、扱いが今まで以上のものになったりと。
なぜかあの程度で、あたし達を怯えの目で見ている舟の船員たちなど。

航海の間中、しばらくは、のんびりとできそうよね♡

「ま、とりあえず。サンボアまで、しばらく数日かかるし。それまで満喫しましょ♡」
リナが久しぶりにゆっくりできるのを喜びつつ。
今日も今日とて。
水着を着て水浴びなどをしつつ、平和に時間は過ぎてゆく。

ま、たまにはこんなこともいいでしょ♡
サンボアにたどり着くまで、あと八日。


                                          -続くー

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あとがき:
薫:・・・・・・・アニメでは。一回、サンドリアに戻りますけど・・(爆!)
  シルフィールの呪文の影響でv(まて!)
  津波が押し寄せたという設定に変えてみました(笑)
  さあ・・・元ネタ・・・気付いた人はいますかね?(誰でもわかるって!)
  はいvトライのあの回ですvv(爆!)
  次回からは。書き殴りにては。新ツリー。
  そして・・・・・・・・・。
  こちらの世界のシルフィールの登場です!!!
  パチパチパチ・・・・・・・・・。
  注意です・・・・・。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・助かりません!(まてこら!)
  いや・・助かるバージョンもありますけど・・・・・・。どっちがいいですか?
  サイラーグ・・・・・・(の人々)・・・・・・(汗)
  まあ、私が書いてる漫遊記本編では。
  思いっきり、助かってますからね・・・サイラーグの人達・・・・。
  助かるバージョンにしたら・・・・・・。
  この世界のSに・・・・エル様・・・・気付かれそうになるのですが(笑)
  ではではvご意見、お待ちしておりますv
  (ない場合は、・・・・そのまま、本気のパロディ。つまりは、・・・まあ、リナの実力・・・出しますけど・・あはは(汗))
  ではでは・・・・・・。

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