まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ♪
さて・・・・このツリー(爆!)が落ちるまでに、最後までいっけるかな?
只今、第15話のアンケート!菫ちゃん一票。エル様一票。ゼル一票。
上記となってます♪
できたら・・・一人何回でもいいからアンケートに参加してほしいなぁ(笑)
と思う、今日このごろ・・・・。(このままだったら・・・平行で、全員分になりそーだし・・)
↑できるのか?(汗)
それでは、今回、無印13話、セイルーンです!!!それでは、いっきます!!!!

完全パロディ・・読んでくださっている人達に、感謝をこめて♡

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スレイヤーズ・フォーエバー 第13話  ~指名手配~

「やっとついたぁぁぁ!!セイルーンは遠かったぞぉぉぉ!!」
セイルーンの町並みを認め思いっきり背伸びをするリナ。
一方、
「何か情報がつかめればいいけどな」
などとつぶやいているゼルもいたりするけど。
「……何となく、僕は何もないかと。それより……いやぁぁぁぁな予感が・・・・・・(汗)」
芸も細かく汗をかきいっているゼロス。
「では。王宮にて依頼料を支払うからついてくるがいい」
フィルがいってすたすたと歩き出すが。
「くすくすくす♡」
足をとめくすくすと笑って壁を見ているユニット。
町の人達がユニットのかわいらしさに一時目を奪われていたりするけど。
まあそれはいつものことだし。
「?ユニットさん?どうかしたんですか?」
シルフィールがそんなユニットに話しかけると。
「だって、これ♡」
くすくす笑いつつ、そこにある壁のひとつを指差すユニット。
ユニットが指し示したその壁には、手配書らしきものが貼られていたりする。
その壁に貼られているそれをみて、
「なっ!?何よっ!これはぁっ!?」
「な゛!?」
それをみて何やら絶叫をあげているリナに絶句しているゼルガディス。
「お~。そ~いや、同じ時間率ならもうその時期なのかぁ~」
などと、それをみてのほほんといっているガウリイ。
「ガウリイ様が覚えてますっ!?」
そんなガウリイの台詞をきいて本気で驚いているシルフィール。
そんな彼ら四人の反応が同時に重なるが。
一方で。
その壁にと張られているそれを目にし、くるりと向きをかえ。
そして、ぴしっとあたし達というかリナのほうにと向き直り指差し、
「リナさん!私は信じてました!なのに…なのにっ!
  このアメリア!正義の名前のもとに、真っ当な道に戻して差し上げます!」
などと言い放ってくる【アメリア】の姿が。
「え…ええと。それはそうとして。どうしてアメリアさんやシルフィールさん。
  それにエル様やユニット様が書かれてないんでしょうか?」
その貼られている【手配書】をみつつ、そんなことをいっているゼロス。

壁にと貼られているそれには、
『歳のころなら、十五、六。栗色の髪に紅の瞳。
  果てしなく平原に近く無いに等しい胸が特徴。名前をリナ=インバース。
  歳のころなら、二十五、六。金髪碧眼の美男子。名前をガウリイ=ガブリエフ。
  歳のころなら、十八、九。全身白尽くめのマントとフードで身を覆っているのが特徴。
  通称白のゼルガディスこと、ゼルガディス=グレイワーズ』
上記の三人の特徴と似顔絵とが描かれていたりする。
つまりは、リナ&ガウリイ&ゼルガディス三人の手配書だったりするんだけど。

「なっ!?何をいってるのよ!?これは何かのまちがいよっ!」
「こっちの世界のリナっ!私に内緒で何をやったんですか!?」
【アメリア】にといっているそんなリナに向かって、追求しているアメリア。
「というか。アメリア。もしこのリナが手配を受けているというなら。ここに書かれている俺。
  つまり、この世界の俺になるのだがな。
  こちらの俺とリナがであったときは、すでに俺たちももう一緒に旅をしていたときだから。
  すなわち、こっちのリナが何かしている。というのであれば、俺たちも何かしていることになるぞ?」
かつての手配のことを思い出しつつも、そんなアメリアにといいつつ説明しているゼル。
そんなゼルの言葉にはっとなり、
「そ…そんなぁっ!?私は何も悪いことはしていません!」
涙目になって訴えているアメリア。
「あのぉ?もしかして、これって……あのエリスさんがかけた…あのときの手配なんでしょうか?」
シルフィールがそこにかかれている手配金額と、そして特徴。
さらには、代金引渡し場所を確認してそんなことをいっているけど。
そんなシルフィールの言葉に、こくりとうなづき、
「ふっ。どうやらそうらしいな。多少違う歴史とはいえ。こっちも同じようなことが起こっているらしい」
腕をくんで淡々と答えているゼル。
一方、リナはといえば意味がわからずにきょとんとしてるけど。
あたし達がしばらくその場に立ち止まっていると。
「ん!?貴様らは!?」
立ち止まっているあたし達を目にし、見回りをしていた兵士が声をあげてくる。
そんな兵士の言葉に、はっとなり、
「でぇぇぇぃっ!この場はひとまず逃げるわよっ!」
いって、この場からひとまず逃げるが勝ちとばかりに逃げ出し駆け出すリナ。
そんなリナをみて、
「あっ逃げるなんて、リナさん!やっぱりやましいことがあるんですね!?」
などといいつつも、そんなリナを追いかけていき、兵士達を指揮している【アメリア】だし。
そんな様子をその場にたちどまりつつ眺めているあたし達の方にと気づき、
「おや?殿下?いつお戻りに?それにどうして姫様が二人も?」
などと声をかけてくる兵士その一。
冷静な兵士は、アメリアが二人いたことに気づいき、フィルに敬礼しつつも問いかけているけど。
「なに、たいしたことじゃない。儂の身内じゃ」
そんな兵士に対し、さらりと答えているフィルに。
「そうなんですか。よく似た親戚がおられるのですねぇ」
しみじみいいつつも、それであっさり納得している兵士達。
ごげっ!
そんな兵士達の反応に、面白いことにその場にこけているゼロスとシルフィール。
「そ…!?それで納得するんですか!?普通!?」
などとそんなことをいっているゼロスに、
「あ…わたくし目眩が……」
どうにか起き上がりつつも、それでもまだ多少ふらふらしつつ言っているシルフィール。
そんな二人をみてきょとんとし。
「どうかしたんですか?ゼロスさんもシルフィールさんも?」
首をかしげて問いかけているアメリアだけど。
ちなみに、もう一人の【アメリア】はといえば、リナをおいかけていき。
いわゆる追いかけごっこをしている状態となってるし。
当然ガウリイもまたリナにくっついていっているのでここには残っていないけど。
そんなアメリア達の言葉に、思わず頭をかかえつつ、
「…も、いい……」
などとつぶやくようにいっているゼルの姿もあったりするけど。
「そ…それはそうと。どうして、こんなにリナさん達の手配書が?」
とりあえず、気を取り直しおそるおそる兵士達にと問いかけているシルフィール。
自分達もかつてエリスにだまされて手配をかけた経験があるがゆえに、
気になっているようだけど。
「いや。サイラーグの方から正式に手配を頼まれまして。
  あ、でも。金額はともかくとして。『生きたまま捕らえよ。』という手配ですし。何か理由があるんじゃないですか?」
そんなシルフィールに対して、あっさりと説明している兵士の一人。
そして、そんな兵士に続き、
「只今、サイラーグから二名ほど。高名なお人の使いといってこられてますし」
などと追加説明してくる別の兵士。
そしてまた、
「それで…その?そちらの方たちは?その…手配書とは年齢と特徴が少し違いますが…あの?」
「とりあえず、話を聞かせてもらえますか?」
ゼルにいたっては特徴的には手配書と同じだけど年齢が異なるし。
あたしに至ってもそれは同じく。
それゆえに、あたし達をみつめつつ戸惑いつつもそんなことをいってくる兵士達。
あたしにとゼルに言ってくる兵士達。
「あら。話なら直接エリスに聞けばいいじゃないのよ♡どうせ手配かけたのはエリスなんだし」
そんな兵士達にと、にこやかにあっさりいうそんなあたしの言葉に。
「え?お知り合いですか?高名な赤法師レゾ殿の弟子のエリス殿を?
  確かに。レゾ殿とエリス殿が、今回の一件の手配をかけられた人物ですが?」
いってなぜか驚いている兵士の姿。
「まあ、あったことはないけどね♡」
「あら。違うエリスたちには会ってるじゃない♡」
そんなあたしの言葉に突っ込んでくるユニット。
そんなあたし達のやりとりをききつつも、
「レゾ…エリス…まさか!?やはり!?」
シルフィールが、やっぱり、という表情をしながらも驚愕の叫びを上げ、
「まさか、こちらのお父様の身にも、何か起こってるんじゃあ!?」
などと叫んでいたりするけど。
まああたしが遊んで…もとい、いた世界ではあたしの干渉によって助かってるからねぇ。
サイラーグの人達は♡
彼らを助けた見返り、というのも後々が面白そうだったから。
というのもあるけど。
やっぱりこのあたしが力を貸す、というか干渉するからにはね
それなりに見合った見返りというものも必要だけど。
それらをなくして簡単にいろいろとやったりしたら、
奇跡を期待して努力することすらしなくなり、最悪進化や進歩がなくなるし。
見返りなくして何かをする。
というのはたまぁに思いつきでやってたりはするけど。
あと粋なる願いや意思には力を貸すけどね♡
「はて?貴殿は?」
そんなシルフィールの言葉に首をかしげている兵士の一人。
「あ。わたくし。シルフィール=ネルス=ラーダと申します」
今更ながらに挨拶していなかったことに気づいて、ぺこりと頭をさげて言っているシルフィール。
そんなシルフィールの自己紹介をうけ、
ほぉ…
と幾人かが感心したため息をもらし。
そして。
「ほう。では、あなたはあのグレン殿の親戚の……」
「サイラーグの神官長の一人娘殿ですか。いやあ、こんなに綺麗なお嬢さんでしたか」
などと口々にいいつつも、うんうんうなづいている兵士達。
そんな兵士達にと鷹揚に、
「この者達の身元は儂が保障しよう。あちらのリナ殿達に関しても叱りじゃが。
   どうやら、貴殿らはやっかいな『何か』に巻き込まれたようじゃの」
何となく察しつつも言っているフィル。
そんなフィルとは対照的に、
「別にやっかいというほどでも。今いるのはどうやら気配的には中級の上くらいですし♡」
さらっと、サイラーグのほうに意識をむけて確認して言っているゼロス。
そんなゼロスの言葉の意味はフィル達にはわからない。
判らないが、アメリアやゼルはその意味を悟り、思わず顔を見合わせていたりする。
「あら♡あれは下級といっても過言でないとおもいますよ?ゼロスさん?」
そんなゼロスにとにこやかに的確なことをいっているユニット。
「確かにそうね♡」
そんなあたしたちの会話をききつつも、ふと心配顔になり。
「でも。リナとガウリイさん…何処にいったのでしょうか?」
以前にも同じ経験があるがゆえに、心配してアメリアが言ってるけど。
くすっ。
「もしおまえだったらどうするんだ?」
「決まってますっ!それはもちろん…ってっ!はっ!分かりました!」
そんなアメリアにと問いかけているゼル。
ゼルのその言葉にもし自分が『そういう立場』になったとしたらどうするか。
を考え、そしてすぐさまに結論をだしていたりする。
ま。
当たらずとも遠からず…ね♡
ふふ♡


「まったく……何だってあんな……」
調子づいた【アメリア】を説得させる気力はない。
そもそも、自分が手配をかけられている。
ということに対してのこれからの対応を考えて思考はフル回転している。
もし…もしあれが。
ね~ちゃんにでもしられたらっ!
などとリナの頭の中はそのことのみで占められていたりするんだけど。
路地裏にと隠れつつ、ぶつぶつつぶやく。
「なあ、リナ?」
そんなリナにとのんびりと問いかけているガウリイ。
ガウリイの内心としてはリナと二人っきりになれているのでかなり喜んでいたりするが。
そんなガウリイの内心は当然リナは知る由もない。
「何よ?」
のんきに問いかけてくるガウリイをぎろりと睨むリナ。
そんなリナに、にっこりと微笑みのんびりと。
「何で逃げたりしたんだ?」
のほほんと問いかけるガウリイ。
と。
スパパァン!
スリッパで何かを叩く子気味良い音が響き渡る。
「こ…このぼけぇっ!!何でかしらないけど手配がかかってるのっ!このあたしにっ!
  とにかく掴まらないようにするためでしょうが!ああ…もしこれが姉ちゃんに知られたら…」
ガウリイをスリッパではたきつつも、ルナに知られたときのことを考えて真っ青になっているリナ。
「と、とりあえずっ!この賞金引渡しの場所になっているサイラーグにいくわよっ!」
兵士達から逃げつつ隠れつつも、壁に貼ってあった手配書を一枚剥ぎ取り、
これからの行動をきめてそんなことをいってるリナだけど。
ちなみに、他の手配書は見つけ次第リナは燃やしていたりする。
「おうっ。オレはリナがいくならどこにでもついてくぞ?」
リナの姉って…あのルナさんだよな?
こっちのリナはそんなにあのルナさん畏れてるのか?
…あっちでは逆にルナさんが【リナ】というかエルを畏れていたけど。
それはまあ当然といえば当然なんだろうが。
そんなことを思いつつも、くしゃりとリナの髪をなでていっているガウリイ。
「はいはい。……って。ん!?あれは!?」
そんなガウリイの手をふりほどきつつかるくあしらい、ふと視線をとある場所にと固定する。
リナの視線が捉えたのは、不自然なほどに路地の一角に檻が置かれており。
その檻の中に吊るされているユニコーンの角が一つ。
ちなみに、店に捨て値でうっても軽く金貨百万枚は超えるというこの世界においては貴重品。
「きゃぁ!こんな所に高価なユニコーンの角が♡誰もいないわよね?初めにみつけたリナちゃんのもの♡」
それに気づき、きょろきょろとあたりを見回し確認し。
誰もいないのを見てとり、とりあえず檻の中にとはいっていっているリナ。
リナは気づいていないけど隠れているだけで他にも人がいたりするんだけど。
それに気づき、
「お。おい。リナ?!」
そんなリナを止めようと同じくリナと一緒に檻の中にとはいっているガウリイ。
と。
ガシャンっ!!
二人が檻の中に入るとどうじ、開かれていた檻の扉ががしゃんと閉まる。
「…あれ?」
「…どうみても罠だろうが。というか人が隠れてるし。」
きょとんとするリナにと苦笑しつつもいっているガウリイ。
「んなことはわかってるわよっ!あたしはただっ!おちてたからきちんと届けようとっ!」
「これを『おちてた』というか?普通?」
「いうのっ!」
二人がそんなやり取りをしているそんな中。
「ふふふ。ひっかかりましたねっ!リナさん!物を盗もうとするなんて!やはり悪っ!」
などといいつつも、
「とうっ!」
…ペチャっ!
思いっきり横手の建物の屋上から飛び降りたはいいものの、
そのまま着地に失敗し、檻の上にと顔をつっこんでいる【アメリア】の姿が。
だがそれにめげることなくすぐさまにむくっと起き上がり。
「い…いたいですぅ。さあ!リナさん!観念してもらいましょうかっ!」
檻の中にいるリナにと指を突きつけていっている【アメリア】。
そんなアメリアに檻の中から、
「だ…誰が盗もうとしたっていうのよっ!
  あたしはただ、落し物はきちんと届けないといけないから。とおもっただけよっ!」
がしゃんと檻の柵をつかみつつもアメリアにむかって叫んでいるリナ。
思いっきり、上から飛び降りて檻の上にと顔を突っ込んでいるこちらのアメリア。
「え?そうなんですか?でも。リナさんは……」
手配がかかってましたし。
それに……あの人たちがいうことには。
そんなことを思いつつも戸惑うアメリアの言葉をさえぎり、
「よく手伝ってくれたな」
いいつつも近づいてくる二つの人影。
「ああ!お前達は!?…誰だっけ?」
ずぺっ!
「あのねぇ!あんたが知らなくてあたしがしるわけないでしょうがっ!」
出てきた二人の姿をみて、意味ありげに言いかけたガウリイの言葉に思わずこけ、
ガウリイの襟首をがくがくとつかんでゆすりつつも言っているリナ。
そんな二人のやり取りを眺めつつも、
「いえっ!正義のためです!」
きっぱりとそんな彼らにいっている【アメリア】だけど。
出てきた人物はあからさまに『自分達は怪しいです。』といわんばかりの格好をしていたりする。
ちなみにガウリイはこの二人に面識あるんだけど…忘れてるわね。
完全に♡
「こぉぉらぁぁぁ!こっちのアメリア!どーみても、そっちが悪人でしょうがぁぁぁぁ!」
全身をすっぽりと灰色のローブに包んでいる人物に、
そしてまた、何やらどこかの吟遊詩人とも見てとれるような格好をしている人物。
そんな二人の姿をみて怒鳴っているリナ。
そんなリナに対し、
「リナさん。何をやったか知りませんが。大人しく罪は罪。罰を受けてしっかりと更正してください!」
完全に自分の世界に入り込み浸りつつ、自分に酔いつついっている【アメリア】の言葉に、
完全に自分の世界に入り込んでいるこちらのアメリアの言葉に。
「だからっ!あたしは、何もやってなぁぁぁぃぃぃぃい!!」
リナの絶叫がこだましてゆく。
そして。
「…何かこいつらどこかでみたような気がするんだよなぁ?どっかの面白い姉ちゃんと結婚した…誰だっけ?」
などとそんなことをいっているガウリイ。
くすっ。
その面白い…というのはゾアナ王国のマルチナのことね♡
まだリナ達は知らないけど…ね♡
そのまま檻にいれられたまま運ばれて、
とある建物の一室にと閉じ込められてゆくリナとガウリイだったりするけど。
ガウリイがその気になれば簡単に檻から抜け出せるのにね。
ふふ♡

「なあ、リナ?」
「…何よ?」
掴まり、とあるどこかの建物の一室に閉じ込められているこの二人。
ちなみに。 
ガウリイの剣、つまりはゴルンノヴァは取り上げられていたりするけど。
あいつはとりあえず様子を見ることにしていたりする。
最も、ガウリイ達に何かあったら『あたし』のお仕置きが怖いからとかいって。
すぐに対応できるようにしてるようだけど。
ちなみに、捕まった直後。
ガウリイはといえばあたしが以前渡していた鞘に念をいれ、
剣ごめ小さくして懐にしまっているがゆえに斬妖剣ブラストソードは持っていたりするんだけど。
「魔法で、ここ逃げ出すことはできないのか?」
自分が剣を持っている。
というのは言わずにリナに問いかけているガウリイ。
ガウリイとしては狭い場所にリナと二人っきりになれているので喜んでいたりする。
が、リナが不機嫌極まりなくなっているのでそれは表に出さずに問いかける。
「できるにはできるけど。というかっ!こぉらぁ!だせぃぃっ!」
円い鎖でぐるぐるに縛り上げられているリナ。
正確にいえば、リナが自ら暴れて体中に鎖を巻きつけたのであるが。
そんなリナの叫びに反応するかのように。
『いっておくが。魔法を使おうなんて思うなよ?』
部屋に取り付けられているレグルス盤から声が部屋にと響き渡る。
「くっそぉぉ!こんなもの!」
リナが魔法を唱えようとすると。
バチバチバチィィィ!!
ちょっとした六十ボルト程度の電圧が加わり、それに伴い流れる電流。
魔法を使うとその混沌の言葉カオスワーズを合図にし起動する仕組みの魔法道具。
『そうそう。言い忘れてたが。魔法を使うと電流が流れるからな』
淡々と聞こえてくるその言葉に。
―ぶち!
コメカミに筋をたて、
「もう怒ったっ!!!!黄昏よりも暗きもの、血の流れより紅きもの……」
そのままの状態ですくっと立ち上がり呪文を唱え始めているリナ。
リナがすくっと立ち上がり。
「だぁぁ!リナ!それはやめろ!今解いてやるからっ!」
こんな場所で術をつかわれてはたまらない。
それゆえにあわてて、懐から剣を取り出してすぱっとリナの鎖を斬っているガウリイ。
しばしそんなガウリイの行動に目を点にしつつも、
「…ちょいまてぃっ!何でもっと早くにっ!っていうか何それっ!?
  何でそんな小さい鞘の中にそんな長剣が納まってるのよっ!?」
ガウリイが懐から取り出した小さな手のひらサイズの鞘の中から、
すらっと斬妖剣ブラストソードを抜き放ったのをみてとり、何やら叫んでいるリナ。
そんなリナの言葉にきょんとして。
「ん?いや。以前エルからもらったんだけどこれ。エルがいうには何でもこの鞘。
  オレの意思に応じてどんな大きさにもなるそうなんだ。だからさっき小さくしてから懐にいれといたんだけど」
「・・・・・・・・・・・・・・」
さらっとあっさりいうガウリイの言葉に
こいつはそういう重要なことを今までだまってたんかいっ!
などと思う反面。
い…いったい異世界のもうひとりのあたしって……
などと思いつつ額に汗を流しているリナ。
「いろいろと文句とかいいたいこともあるし、聞きたいこともあるけどっ!
  と、とにかく逃げるわよっ!というかあいつらぶちのめすっ!!」
ガウリイにはあとでしっかりと文句をいうことにして。
今はなによりもあの三人。
特にアメリアっ!
そんなことを思いつつ怒り心頭のリナ。
「?アメリアたちのところにいくのか?ならこっちだな。気配してるし。」
リナの鎖と自分の鎖をあっさりと斬り落とし、くしゃりとリナの頭をなでていっているガウリイ。
「とにかく!いくわよっ!」
そんな会話をしつつも、リナとガウリイは二人して。
アメリアたち三人がいる部屋にむけて進んでゆく。

「後は、サイラーグにあいつらを連れて行くだけ。まったく…この俺が出向くまでもなかったぜ」
三角帽子を深くかぶっている、黒い髪の男性が壁に背をもたれかけつつつぶやく。
「油断は禁物だ。ザングルス」
そんな彼にといっているのは、深くローブをかぶっている茶色い髪の男性。
その額には、紅いルビーが貼りついていたりする。
「へいへい。ヴルムグンの旦那」
その男性の言葉にとりあえず答えているザングルスと呼ばれた男性。
そして、ガウリイが持っていた剣を手にし、
「しっかし。あの剣士。あのお嬢ちゃんに手をかける。といったら、あっさりと剣を手放したな。
  見たところ、かなりの腕前のようだが」
剣をみつつ、ほくそえんで言っているザングルスだけど。
ガウリイはもう一つもってるの、こいつ気づいてなかったのよねぇ。
しかも、それが世界でいうところの【光の剣】だとも気づいてないし。
まあ、もっとも。
この世界においてはゴルンノヴァのやつはしばらく表舞台から消えてたからねぇ。
ラウリィがとある場所に封印してたから♡
「…ザングルス、悪い癖はだすなよ?」
そんなザングルスとよんだ男性のほうにむかってその男性がいってるけど。
といってもこの人間は単なる人造人間ホムンクルスだしねぇ。
いわばコピー人間♡
「へいへい。わかってますって。ウルムグンの旦那」
そんな彼の言葉にそのまま簡単に返事を返しているけど。
それはただ言葉だけでガウリイに興味をもっているのは明白。
そんなザングルスにいって黙り込んでいるコピーウルムグンその一。
「これでリナさんも、正義の道に戻れるんですね!」
そんな二人の会話は何のその、未だに自分の世界に浸って何やらいっている【アメリア】。
彼らがそんな話をしている最中。
ばたばたとあわただしく彼らのいる部屋の中にとはいってくる一人の獣人。
そして、ぼそぼそとザングルスの耳にと耳打ちする。
その報告をうけ、
「何ぃぃ!?あの娘が逃げただとぉぉぉ!?」
おもいっきり叫んでいるザングルスに。
「ええ!?リナさんが!?」
などといっている【アメリア】。
そして、自分ならこういう場合はどうするか。
というように自分に置き換え、あわてて部屋から出てゆくが。
ちょうどアメリアたちが部屋の外に出たと同時に、やってきたリナ達とかち合わせる。
しばし、一瞬硬直するものの、気を取り直し。
「リナさんっ!逃げるなんて正義のすることじゃあありませんっ!」
などとリナに向かっていっている【アメリア】だけど。
「何が正義よっ!というか…んふふ…アメリアぁ…覚悟はいいでしょうねぇ。んっふっふっ……」
そういうリナの目は完全に据わってるし。
アメリアの姿をみとめ、怪しいまでに笑みを浮かべ。
ヒュルッ。
そのまま有無を言わさずに自分自身を絡めていた鎖をアメリアたちにも投げ放ち巻きつける。
そして。
火炎球むファイアーボールっ!」
ドッゴォォォォン!!!
バチバチバチィィィッ!!

リナに取り付けられていた鎖は、魔法を使うと電撃が鎖に伝わるという品物。
同じく鎖が絡まったアメリアたち三人もまた、その影響をうけて電撃をうけ、
「きゃぁぁぁ!?」
「うわわわ!?」
「ぐわっ!?」
何やら叫んでいる三人の姿が。
一方で、
「リナ?大丈夫か?」
リナも電撃をうけているので心配して声をかけているガウリイ。
そんなガウリイの問いかけに対し、
「ふん。こんな電撃。姉ちゃんのお仕置きに比べたら何てことないやいっ!」
涙声になりつつも、きっぱり言い切っているリナ。
まあ、このリナは、幼いころからルナの特訓で、電撃とかの耐性がある程度ついてるからねぇ。
耐性がついているとはいえ、痛いことはおさないころから苦手だったりするリナなんだけど。
「う~ん。やっぱりこっちのルナさんもかなり…なんだろぅなぁ~……」
そんなリナの様子をみながら、ルナのことを思い出し、しみじみいうガウリイに対し、
「ち…ちょっと!?ガウリイまさか姉ちゃんをしってるの!?」
驚きながらも声が完全に裏返り震えているリナ。
その瞳は完全に恐怖で彩られていたりする。
か…かわいい……
思わずそんなリナの表情にガウリイは見とれつつも、
「いや。こっちのルナさんでなくて。エルのお姉さん。つまりは、オレ達の世界のほうのルナさん…だけどな」
まあ、気まぐれで人間してる金色の王をルナさんも妹とすることにして。
とにかく、何が何でも自分がカモフラージュする他に道はなかったからなんだろうけどな……
などとそんなことを思っているガウリイだし。
後で覚えときなさいよ…ガウリイ……
「そ…そう。とりあえず。もういっちょおまけっ!」
あまり深く考えないことにし、とりあえず今はアメリアたちにお仕置きをすませるのが先決。
そんなことを思いつつ、再び術を解き放っているリナ。
そして、自らを戒めていた鎖を完全に外しそれをザングルスたちにと投げつける。
そしてさらに鎖が絡まった直後に雷撃破ディグヴォルトを解き放ち、
「よっしっ!ガウリイ、荷物を返してもらってここから出るわよっ!」
「おうっ!」
アメリアたちがいた部屋にと置かれていた自分達の荷物を取り戻し、
捉えられていた塔の外にと出てゆく二人の姿が。

一方。
「……うう……目立ってる、目立ってる……」
いくら自分のことではないとはいえ、この世界の自分のことにはかわりなく。
さらにはフィルと一緒に歩いているがゆえに、道行く人々は首をかしげはするものの。
きっと似たような姿をしている人なのだろう。
それですまし、フィルに挨拶している人々の姿。
手配書に書かれている容姿とゼルはほぼ同じ。
違うことといえば、身長と年齢が多少異なる。
という程度。
最も、フードを目深にかぶっていればそれは傍目には判らないのだけども。
あたしも手配書とほぼ同じだけど、それはそれ。
気配を少しかえているので人々は気づいてないし♡
中にはあたし達を捕まえて役所に突き出せばお金になるのでは。
と勘違いしている存在たちもいたりするけど、フィルや兵士達と一緒にのんびりと歩いているので、
そういう人間達は遠巻きにこちらを眺めていたりする。
最も、人々の視線はまずあたしとユニットに注がれ。
その次にフィルに注がれているのであまりゼルのほうはといえば目立ってないんだけど。
ゼルはそのことに気づいてないし♡
「ああ、もう!うっとうしいです!」
アメリアが人々の視線が注がれていることに対して何やら叫んでいたりするけど。
くすっ。
「それもそ~ね♡じゃあこうしましょうか♪」
にこやかに微笑み、すっとかがんで地面に手をつき。
「我が意のままに……」
軽く言葉を唱える。
別に言葉は唱えなくてもいいけど、それはそれ。
気分とその場の雰囲気に合わせたまで♡
そんなあたしの言葉に応じ、
一瞬、セイルーンを形作っている六芒星が光り輝き。
次の瞬間。
カッ!
『えええええええ!!!!!!!!!?』
光とともに、なぜか街中で叫び声が巻き起こる。
「あ…あのぉ?今…何を……(汗)」
町全体から感じられる戸惑いなどの負の感情。
それに気づき、ゼロスがなぜか恐る恐るあたしにと聞いてくる。
「あら。たいしたことじゃないですよ♡」
「そうそう。セイルーンに住んでいる人達に対して、彼ら全員が特定の人間。
  つまり、全員が全員ともあたしとガウリイとゼル。この三人に見えるようにしただけよ♡」
そんなゼロスに、にこやかに答えるユニットに続いて一応説明しておく。
ちなみに、この減少はセイルーンに澄んでいる人間というかこの町の中に存在している、
人間達全てに限られていたりする。
「え…えっと。それって……」
何か果てしなく嫌な予感がするんですけど……
そんなことを思いつつも、なぜか声を震わせつつ問いかけてくるシルフィール。
「だ・か・ら♡この町の中にいる人間達にとっては。誰をみてもこの三人。
  つまりあたし達三人にしか見えてないのよ♡
  つまり。リナ=インバースという人間とガウリイ=ガブリエフという人間。
  そしてゼルガディス=グレイワーズという人間にね♡
  最も、サービスであたし達同士はきちんと今までどおりの外見に見えるようにしてるけど♡」」
『・・・・・・・・・・・』
にこやかに説明するあたしの言葉に、なぜか無言になり周囲を見渡しているほかの皆。
ゼル・シルフィール・アメリアたちの視線の先に、なぜか混乱し始めている街中の風景が目に入る。
道行く人々の姿が女性ならば【リナ】。
そして男性ならば【ガウリイ】もしくは【ゼルガディス】の姿にと視野上においては見えていたりする。
まあ、心の目で視たら、それが幻影によるものだとすぐにわかるけど。
それに、声は変えてないしね♡
しばし沈黙した後。
『どぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!?』
なぜか三人が三人とも同じように叫んでるけど。
そしてそんな人々を眺めつつ、
「ほう。こんな技もできるのか。魔道士というのは、たいしたものじゃな。うんうん」
などといいつつ、一人納得しているフィル。
ちなみにあたし達の後ろからついてきていた兵士達もまた、
自分達の姿が別な姿に見ることに対してかなり狼狽していたりするけど。
まったく…根性がないわねぇ~。

「くっ!逃がすか!サイラーグまで一緒に来てもらう!」
鎖をどうにか外し、逃げ出したリナ達を追いかけているヴルムグンコピーその一。
「誰が一緒に行くもんですか!こっちからいくわよっ!」
そんな彼にと叫びつつも攻撃呪文を放っているリナ。
しばし、そんなやり取りをしつつも。
「ちっ。キリがないわねっ!しかたない。ここは大技一発で!」
いって、すばやく。
獣王牙操弾ゼラスブリッドっ!」
ガッキィィィィン……
リナの放った術でまともに氷付けになっているヴルムグンコピーの姿。
そしてまた。
「ガウリイ…とかいったな。どの程度の腕か、確かめさせてもらうぞっ!」
いいつつもガウリイに斬りかかっていっているザングルス。
だがしかし。
「おっと」
ひょい。
ひょいひょいひょい。
ガウリイにそんな剣が通用するはずもなく、いともあっさりとよけられていたりする。
あたしたちの遊びに付き合って反射神経はだいぶ向上してるからねぇ。
ガウリイは♡
「く!なめるなぁぁぁあっ!!!」
剣を抜くことすらなく、ひょいひょいと交わしているガウリイに対して頭に血が昇っているザングルス。
でも仕方ないとおもうけど♡
てんで動きも技もスピードもなってないし♡
「だって…なぁ」
そんな彼の言葉に、ぽりぽりと頭をかきつつ、
「いっちゃなんだが……相手にもならんと思うぞ?」
一応親切にも忠告しているガウリイ。
「くっ!やってみなければわからんだろうが!剣を抜け!」
そんなガウリイの親切心からの忠告をまったく聞くことなく叫んでいるザングルス。
まあ、こういうタイプは、手合わせすることで満足するタイブだし……ま、仕方ない…か。
などと思いつつため息一つつき。
軽く剣を抜き放つ。
キィィィィンッ!!
ガウリイが剣に手をかけるのと同時、ザングルスの剣があさってのほうにと弾き飛ばされる。
「……グ!!!?」
チン。
痺れる手を何とか押さえ、ガウリイのほうをみれば剣の柄に手かけているガウリイの姿が目にはいる。
そしてそのまま立っていられなくなりその場にうずくまり。
「……ぐ…な…何を…し…た………」
苦しい息の下からガウリイを見上げていっているザングルス。
そんな彼を『いわんこっちゃない…』などと思いながらみつつ、ぽりぽりと頬をかき。
「いや。だから、剣を抜いたときの衝撃波で剣をはじいてついでに胸に一撃かけたんだが?
  今のあれさえ交わせないんだったら…やるだけ無駄とおもうぞ?今のは剣をすばやく抜き放っただけだし」
さらっと言っているガウリイ。
そんなガウリイの説明をきき、一瞬目を大きく見開き。
そして。
「ふ…ふははっ!これだっ!俺はこんな相手をまっていたんだっ!!」
お腹を押さえつつも、歓喜に震え叫んでいるザングルス。
どうでもいいけど、あんた程度じゃガウリイの相手にすらならないって…まだわかってないし……
自分と同等。
もしくは、自分より腕が上の剣士と戦うことを悦びとしているザングルス。
まあ、その辺りはガウリイも似たようなものだけど。
さすがに幾度か死んでは生き返らせたりしているせいか、最近はだいぶ懲りだしたようだけど。
「おいおい…無駄なことはしないほ~がいいぞ?」
とりあえず、そんなザングルスに一応忠告をいれているガウリイだし。
と。
「お待ちなさいっ!悪あるところに正義あり!」
リナやガウリイがそんなやり取りをしているそんな中。
一人もくもくと塔にと上っていた【アメリア】がようやく頂上にたどり着き、
塔の上にと立ち上がり、眼下を見下ろして朗々と叫んでいたりする。
そして。
「さあ、リナさん!正義の名前のもとに大人しく掴まってください!」
などとリナにむかっていっていたりするけど。
そんな【アメリア】に向かい、
「こら!アメリア!あんたはどっちが悪か、それすらも区別がつかないの!?
   あんた悪人の味方する気!?そしたらあんたも悪の手先よ!!?」
至極最もなことをいっているリナ。
そんなリナの説得というか言い含めに対し、
「え?…えっ?……でも……」
戸惑いつつもリナとヴルムグンたちを交互に見比べている【アメリア】。
よくよく観察するまでもなく、周囲問わずに呪文を放っていたのはヴルムグンの方。
対して対してリナはとにかく逃げ惑い、
人気のない場所にとたどり着いた時点で攻撃を仕掛けていたりする。
しかもヴルムグン一人に効果が発揮される術を使用しているので周りには被害はでていない。
さらにいうならばヴルムグンの放った術の影響で逃走経路の建物などに被害がでいたりするけど。
それらを踏まえつつもその場にて、
……どちらが悪なんでしょうか?
などとしばし考え込み。
そして、ぽん、と手を軽くうち。
「分かりましたっ!とにかく正義は必ず勝つもの!何があっても正義は助かるのです!
  つまり!私が攻撃をしかけて無事だったほうが正義ですっ!」
「…って!ちょいまてぃっ!」
高々と言い放つ【アメリア】に対して抗議するリナの声は何のその。
「問答無用っ!!正義の心があれば大丈夫です!!爆裂陣メガ・ブランドっ!!」
チュドドォン!!
有無を言わさずに放ったアメリアの呪文が炸裂する。
「馬鹿っ!こんな所でそんな術を使ったらっ!」
リナがそんな彼女に対して抗議の声をあげるけど。
時すでにおそし。
ガラガラガラ……
「……へ?うきゃぁっ!?」
ガラガラガラ……
建物が建っている場所で、大地に干渉する呪文を使ったらどうなるか。
しかも、リナやヴルムグンが戦っていた場所は、ちょうどアメリアが登っていた搭の基礎付近。
つまりは、アメリアの放った術は、
塔の基盤となっている物質がある場所すらも一緒に巻き込み、それごと吹き飛ばす。
その結果。
ガラガラガラッ……
「うどわっ!?」
「わきゃあっ!?」
ガラガラと何かが崩れてくる音と共に落ちてくるのは、崩れ落ちている塔の残骸。
そしてそんな塔と一緒に足元がおぼつかなくなりおっこちている【アメリア】の姿が見てとれる。
そして……
ドデッ…
グシャッ…
よけることもせずに、頭に直接瓦礫をうけて気絶しているザングルスに、
上を見上げた状態のまで顔面に瓦礫の直撃をうけ、
ガラガラと落ちてくる瓦礫の中にそのまま埋まっていっているヴルムグン。
「まったく……」
リナはといえば、塔が崩れ落ちるその一瞬前に呪文を唱え空にと浮いているのでダメージはなし。
客観的に空から地上を眺めて【アメリア】に対して文句をいっていたりする。
そしてまた、当然といえば当然ながら。
気合だけで瓦礫を自分の周りから押しのけているガウリイも当然ダメージはなし。
完全に塔が崩れ去ったのを確認し、ふわり、とガウリイの横に降り立つリナ。
そして、
「あんた……本気で人間離れしてるのねぇ。ね~ちゃんといい勝負かも……」
そんなガウリイをみてあきれてルナと比べていっているリナ。
そんなリナの方をふりむき、にこやかに。
「それはそうと。リナ。どこか怪我はないか?」
などとリナに対してと射掛けているガウリイだけど。
ちなみに本気で心配しているのが面白い♡
「あ…あのねぇ……」
そんなガウリイの言葉に思わず額に手をあててつぶやいているリナ。
何でこいつあたしの心配ばかりしてるんだろ?
などと思っていたりするリナもまた面白いけど。
二人がそんな会話をしていると。
ガラガラ……
瓦礫をかきわける音とともに、
「ぷはっ!」
瓦礫の下から【アメリア】が無傷で這い出し顔をだす。
その姿を認め、
「アメリアちゃぁん?一体あんたは何をしてくれたのかなぁ?」
にじりと、そんな【アメリア】ににじり寄っているリナ。
そんなリナの姿を認め、
「リナさん!私は信じてましたっ!リナさんが正義だったんですね!怪我がないのが何よりの証拠です!」 
などと、一人納得してきっぱり言い切っている【アメリア】。
「んな確かめ方するなぁぁあ!!」
スパパァァン!
周囲にこぎみよい音が響き渡る。
リナの懐から取り出したスリッパは、そんな【アメリア】の頭を完全に捕らえ直撃してるけど。
二人とも、肝心なことを忘れてるし♡
くすっ♡

モクモクモク…
ガラガラガラ……
「おおっ!?何事じゃ!?」
視界にと入り込む、音を立てて崩れていっている塔をみてフィルが何やら叫んでるけど。
そしてまた。
「え…えぇと……」
あれってもしかして……
そんなことを思いつつ、思わず目を点にしているアメリア。
「おおかた。こっちのアメリアが、何かやったんだろ……」
煙を上げて崩れてゆく塔をみつつも、大体の見当はつくけどな……
などと悟りつつ、つぶやくように言っているゼル。
「くすっ♡まあ目印ができてよかったじゃない。さ、リナ達に追いつきましょ♡」
そんな彼らにとにこやかにと話しかける。
なぜか今だに混乱がきわまっている町の人々はとあえず放っておく。
人々にとっては手配書云々どころではなくなっていたりするみたいだし。
別にそんなに大事でもないでしょうにねぇ。
ゼロスにいたっては、人々の負の感情を喰らつつも、『…ま、いいか♡』で済ませていたりする。
かなりおいしいですしねぇ♡
などと思っていたりするけど。
ともあれ、どうやらおやつ代わりに発生している負の感情を食べてるみたいだし。
まあ、別にいいけどね。
そんなあたしの言葉とは対照的に、
「…あ、あの?リナさん?これ……どうするんですか?」
恐る恐る、町の人達を指差してあたしに聞いてくるシルフィール。
別にこんな些細なこと気にしなくてもいいでしょうに。
「ああ。それは大丈夫ですよ。シルフィールさん。私達が町から出たら効果がなくなるようですから♡」
あたしに代わってシルフィールにと説明しているユニット。
そんなユニットの言葉にほっと胸をなでおろしているシルフィールだし。
そんな会話をしているあたしたちとは裏腹に、
「ああ、大丈夫よ。私達が町から出たら。効果、無くなるから♡」
「なぬ!?アメリアが!?こうしては居られん!」
儂のかわいいアメリアに何かがあったというのか!?
などと思いつつも、
「ピィィ!」
口笛を吹いて兵士に集合をかけているフィル。
フィルの合図を受けてすぐさま兵士達が集まってくるけど。
そんな兵士達を引き連れて、
「アメリアぁぁぁぁぁ!!!!」
叫びつつ、未だに砂煙が収まっていない塔の方へと走り出してゆくフィル。
そんなフィルの後ろからは兵士達も共についていっているけど。
どどどどっ!
面白いまでに音をたてて走っていっているフィル達だし。
くすっ。
「わざわざ走らなくてもねぇ♡」
「そうよね♡」
にっこり同時に微笑み、そしてユニットがかるくうなづき、くるっと軽く手を回す。
と。
ゆらり、と目の前の空間が歪み、その先に見えているのは崩れ落ちた瓦礫の山。
「それじゃ。合流しましょ♡」
「そね♡」
つながった空間を通り、リナとガウリイがいるその場所にと足をむけてゆくあたしとユニット。
そんなあたし達をみつつも。
「……相変わらずというか何というか……」
「世界かわってもやっぱり関係ないんですね……」
などとしみじみいっているゼルとアメリア。
とりあえずアメリアたちもまた、あたしたちに続き空間の扉を通り、リナ達の元にと出向いてゆく。


「やっほ~。リナさん♡」
空間を瞬時に移動してリナ達がいる場所にと移動する。
少し先にといるリナに向かって手を振るユニット。
そんなユニットの言葉に、
「あ、ユニットちゃんに。それにエルに皆っ!」
リナがあたしたちのうにと気づき、リナもまた手を振りかえしてくる。
一方で、一瞬目を点にしつつ。
「あの?これ……そちらのアメリアさんが?」
戸惑いつつも、リナ達のほうにと近づいて瓦礫の山を指差して問いかけているシルフィール。
そこにあるのは元塔と呼ばれていた代物の残骸。
「あ…あはは。まあ、物の弾みです。正義の前にはこういうことも何てことはありませんっ!」
などときっぱりとそんなシルフィールに対して言い切っている【アメリア】だけど。
「…父さんにばれたらどうするんですか?」
そんなもう一人の自分にとつぶやくようにいっているアメリア。
そんなアメリアの言葉に、はっとなり。
「…はっ!そうでしたぁぁっ!」
今更ながらに気づいて叫び顔色を悪くしてるけど。
そんな会話をしている中。
「アメリアぁぁ!!!」
遠くのほうからフィルの叫び声があたし達のほうにと聞こえてくる。
声と共に、フィルがこちらに近づいてきているのを見てとり。
「ああっ!リナさん、エルさん!早く出発しましょう!リナさん達を陥れた悪を叩きのめすために!」
あわてるようにといっている【アメリア】だけど。
そんな【アメリア】の言葉に。
「ま。まあ確かに一理あるけど……。それじゃあ、とりあえず。
  ごめんだけど、皆の依頼。例の鏡を探すのは今回の一件が終わってからでもいい?」
申し訳なさそうにあたし達にといってくるリナ。
そんなリナに対し。
「あら♡あたしはいつでもいいわよ」
さらりというあたしに。
「確かに。今回の一件は…ほっとけませんし……」
かつての出来ごとを思い出し、つぶやくようにいっているシルフィール。
「まあ、急ぐたびでもないし」
そしてまた、対照的ににこにことして言っているユニットに。
「まあ…な。あのエリスはほっておけないだろう……」
ため息とともに、こめかみを抑えつつうなるようにいっているゼル。
まあ、シルフィールもゼルも。
あのときの一件は経験してるからねぇ♡
そんなあたし達の会話をきき、
「…?エリス?何よ、そのエリスってのは?ゼル一号?」
戸惑いつつも問いかけてくるリナ。
「…だから…その呼び方は……まあいい。とりあえず。
  多分。今回の手配をかけたのはその今いった『エリス』だろう。俺たちの世界と同じならば…な」
訂正しつつも説明しているゼル。
そんなゼルの言葉をうけ、
「ふぅん。じゃあ、そのエリスってやつをとっつかまえて、手配を解かせればいいのね?
  とにかく、早くサイラーグに出発するわよ!」
たぶん同じだと思うし。
などと一人納得し、話を無理やりまとめているリナ。
多少リナは落ち着きがなかったりするけど。
そんなリナの様子に首をかしげ、
「…あ、あの?どうして、こちらの世界のリナさんはそんなにあわてているんですか?」
ふと疑問に思い問いかけているゼロス。
「だって……」
ゼロスの疑問にそこまでいって言葉をきり。
そして。
「だって手配なんかかけられたってね~ちゃんに知られたら殺されるぅぅっ!」
ごけっ!!
真っ青になり震えながら叫んでいるリナの台詞に。
ゼル・シルフィール・アメリア二人とそしてゼロス。
彼らが同時に地面とキスをする。
ガウリイのみはのんびりと立っているけど。
「というわけで、とっとといくわよ!サイラーグに!
  ゼフィーリアにこの手配が行くまでにけりをつけないと!あ…あたしの命はなぃぃい!!!」
本気で叫んでいるリナの恐怖を感じ取り。
『こ…こちらのリナさんのお姉さんって…一体……』
などと、声をハモらせているアメリア二人とゼル、シルフィール達。
くすっ。
「ま。こっちもリナの姉は『赤の竜神の騎士』だからねぇ♡」
にこやかにとりあえず説明しておくあたしの言葉に。
「ええええっ!!!!!!?リナさんのお姉さんって、そうなんですか!?
  やっぱり、今回のこの一件はそれをねたんでの所業ですね!」
その言葉に驚いているこちらの世界のアメリア。
「…すると…もしかして……」
もしかして、この世界のリナさんのお姉さんというのも…まさか……
何やらそんなことを思っているゼロスだけど。
「そ~よ♡ゼロス♡あんたが今思ってるとおりよ♡」
そんなゼロスににこやかに答えておく。
「うどわぁぁぁぁ!!?やっぱりですかぁぁ!?」
一体、どんな世界というか平行世界を創られているんですかぁ!?エル様ぁぁぁぁ!!!!
なぜか、そんなことを叫びつつも心の中でも叫んでいるゼロスだし。
「と…ともかく!話がまとまったところで!いくわよ!サイラーグにっ!!!」
震えつつもいうリナの叫びにもにたその声に全員が無言でこくりとうなづく。
「話はきまったみたいね♡それじゃ、とりあえず町をでましょ♡」
パチン♪
『うどわぁぁぁぁ!!!!?』
あたしが指を鳴らすと同時。
あたし達全員が光の渦にと巻き込まれてゆく。
あたし達が消えた後には、ただただ瓦礫の山と周囲に埃が舞い上がるのみ。
そして、あたし達が消えたその直後。
ガラガラ……
瓦礫の山が一部内部より崩れ去り。
「けほ……」
何やらむせこみつつもでてくる一人の男性。
周囲の瓦礫を押しのけ、そしてズボッと瓦礫の中にと埋まっていた帽子をひきぬき、
そしてパンパンと埃を払いつつ。
「ふ…ふははっ!ガウリイ=ガブリエフか。これぞ俺のライバルにふさわしい相手っ!」
埃がきちんととれていないその帽子を頭にかぶりつつもそんなことをいっているザングルス。
どうでもいいけど勝手にガウリイをライバル視してるし♡
まったくもって相手にもならないというのに気づいてないし。
ふふ♡
ともあれ、一人絶対に無理なことを叫んでいるザングルスの姿が。
その場において見受けられていたりする。
ほんと、楽しいったら♡


「…すっごぉいっ!!!!もうこんなに町から離れてますぅっ!!!」
セイルーンの首都を見下ろせる小高い丘の上。
なぜか全員疲れたような顔をしていたりする中で、
こちらの世界の【アメリア】だけが、かなり驚いて何やら叫んでいたりするけど。
「ほらほら。みなさん♡いい加減に瞬間移動くらいなれなきゃ♡」
黙り込んでいるゼルたちにとにこやかにいっているユニット。
そんな至極最もなユニットの意見に、
「……無理いうな……」
「……いったい……リナさんって……」
「まあ……リナさんですし……」
「ま…まあ僕は平気ですけど…ね……」
などと口々に同時に言っている、ゼル・シルフィール・アメリア・ゼロス。
「まあ、姉ちゃんの知り合いのようだから……あたしは驚かないけど……」
リナはリナで、一人悟りきったようにつぶやいていたりする。
『・・・・・・・・・』
そんなリナのつぶやきに、さらに無言になっているアメリアたち。
「と、とにかく!手配を解いてもらうために、サイラーグに向けて出発よ!」
リナにとっては何よりもルナが怖い。
ゆえに、そんなことを叫んでるけど。
「任せてくださいっ!正義の心があれば、必ず道は開けるのです!」
そんなリナに賛同していっている【アメリア】。
そんな意気投合しているリナ達をみつつ、
「…も、好きにしてくれ……」
空をみつつもつぶやくゼルのつぶやきが風にと溶け消えてゆく。

目指すは、一路サイラーグ。
本当。
楽しくなってきたわよね♡


              -続くー

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あとがき:
   薫:え・・・エル様・・・・(汗)
ゼロス:・・ちなみに。3日ほど・・・。セイルーンの人達・・・。
     全員にかかっている幻影があのままだったそうです・・・・(汗)
  薫:そ・・・そーですか・・あ・・あはは(滝汗)
     ま・・まあ、頑張ってくださいね・・・。
ゼロス:どうして、僕ばっかりが!!!!
  薫:エル様が人間やってたとき、幼少期。
    始めに暇つぶしの相手をさがしていたときに出会ったのが運命です。(きっぱり!)
ゼロス:しくしくしく・・・(涙)
     まさか・・あの子供がエル様だったなんて・・・。
     夢にも思いませんでしたよ・・・本当に・・しくしくしく・・。
  薫:まあ、諦めてください(人事)
ゼロス:ほぉぉぉぅ。そんなことをいうんですか?♡
  薫:あ、私に何か仕様としても、無駄ですよ?
ゼロス:やってみなくちゃ、わかりませんよ♡
(にこにこと目が笑っていない)
  薫:だって。ふふふ・・・・・・。
  薫:(むぐぅぅぅぅぅぅ!!!!)ぷはっ!す・・・菫ちゃん!いきなり、姿を乗っ取らないでください!
  姫:ふふふふふふ(はあと)←薫の姿で。
ゼロス:・・・・・え゛(汗)
    ひ・・・ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!?
  姫:あらあら。気付かなかったのねぇ。なさけないわねぇ♡
  薫:始めの対談を済ませて。ゼロスと会話している時に乗っ取られたし・・(汗)
     しかも。口調まで変えて・・(涙)しくしくしく・・・。
  姫:今度から、時々やってみましょうvあ、エルにもいってやってみましょv
ゼロス&薫:や・・・やめてくださぃぃぃ!!(絶叫・・)

(ぐぎゃ!!!!!・・・・・)

薫:しくしくしく・・・・。
姫:じゃ、また次回でねv次回。サイラーグへの招待状vそれではv
   なぜか、いじけている薫と。 実体化できなくなってるゼロスは無視して。
   まったねv

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