まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ♪
とりあえず、一部でのクライマックスが終わったし♪(こらこら!)
というわけで♪ファイトで、最後まで打ち込むぞ!!
ちなみに。これ、無印スレイヤーズ。キッズステーション再放送記念!!
というわけで。完全無欠に、無印アニメのパロディです♪
しかぁぁし!のりは、私が書いてる、『エル様漫遊記』のその後!!
実は、あのシリーズ・・・。後に、こーいうのを考えていたんですよね・・・(爆!)
意味が分からない人。
リナの振りしている悪夢を統べる王ロードオブナイトメアことエル様が。
平行世界パラレルワールドに迷い込んで(?)いる。
そう考えてくださいなv
というわけで。
これを読むときは、無印アニメと照らし合わせたら・・・意味がよくわかるかも?(爆!)
・・・・まあ、かなりのズレはありますけどねぇ・・・(笑)
ちなみにカップリングは。
こちらの世界のリナ&エル様世界のガウリイ。
当然のことながら(なぜに強調?)アメリア&ゼルガディス。
登場人物。
・・・菫ちゃんもでていたり・・・(爆!)
(私の持ちキャラ、エル様と同じ存在の彼女が・・こらこらこら!)
ではでは!いっきます!第二部!
登場!フィリオネル王子!!!
ぎゃぁぁぁぁ!王子というイメージじゃないぃい!!!(爆!)
では!書き殴りにては。著者別リストにて、一部、魔王偏はごらんくださいなvv

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スレイヤーズ・フォーエバー 第10話   ~アメリアとアメリア~

「小さいほうのリナさん?いつまでここにいるつもりですか?」
街道の真ん中で、リナがじっと道を見ているのにあきれつつ聞いているシルフィール。
「んっふふ。ちょっとね。噂を聞いたのよ。
  何でも、あの聖王国セイルーンの王子様が、このあたりをお忍びで旅してるって!」
ごげっ!
リナの言葉に思いっきりこけている、シルフィールとゼルガディス。
そして。
「……え゛……」
こけつつも、顔を真っ青にしているシルフィールが小さくうめいていたりするけど。
「あれ?ど~かしたの?もう一人のシルフィール?」
そんなシルフィールの様子にキョトンとして問いかけているリナ。
そしてまた。
「ええええ!!!!!?こちらの世界の父さんに会えるんですか!?」
そんなリナの言葉に、目をきらきらとさせて言っているアメリア。
「ちょいまてぃっ!何よっ!その、『父さん』ってのは!?」
そんなアメリアの言葉に思わず問いかけるそんなリナの言葉に。
「あれ?いってませんでしたっけ?私の父さんはフィリオネル=エル=ディ=セイルーンといって。
  私達の世界の聖王国セイルーンの第一皇太子なんですよ。」
あっさりというアメリア。 
「い…いゃぁぁぁぁ!!!!あの人を王子だなんていわないでぇぇ!!」
そんなアメリアの言葉に、顔をふり髪を乱して絶叫をあげているシルフィール。
いまだにトラウマになってるらしいのよねぇ。
シルフィールってば♡
「…確かに。あのフィルさんに王子という単語は似合わないな」
ぽそり、と的確なことをいっているゼル。
そんなゼルのつぶやきに、
「ひどいです!ゼルガディスさん!外見はともかくとして、父さんはとっても優しいんですから!」
アメリアの抗議に。
「アメリアさん。それ、フォーローになってないわよ?」
にこにこといっているユニット。
Sこと魔王シャブラニグドゥとの戦いも終わり。
とりあえず。
リナは、あたし達の依頼でもあるとある鏡。
即ち。
平行世界移動装置パラレルワールドトラベラーを捜している最中。
とある立ち寄った村で、
『セイルーンの王子がお忍びでこの辺りを旅している』というのを聞きつけたリナ。
乙女の憧れ!玉の腰!
というのを少しばかり念頭にいれて。
『王子一行』が通ると思われるこの街道で、リナは待ち伏せしているのである。
まだここの世界のリナはフィルとであってないからねぇ。
ふふ♡
「????」
フィルのことを知らない、リナはそんなやり取りに首をかしげ。
「でも、こっちの世界の王子も結婚しているとは限らないんじゃ?」
フィルを知らないのでそんなことを言っていたりする。
「……現実は甘くないぞ?」
そんなリナにと一応忠告しいるゼルの姿が。
だがしかし。
「でもせっかくだし!王族と知り合うってのも悪くないじゃないっ!ということで、あたしはも~少しここで待ってる♡」
いって、どかっとその場に座り込む。
そんなリナにと、とまどいつつ、
「え…ええと…(汗)小さいほうのリナさん?私達・・先に行ってますけど……いいですよね?」
そんなリナにと顔色を真っ青にして言っているシルフィール。
あの人には会いたくなぁぃ!
などと心で絶叫を上げているけど。
「じゃあ。オレはリナと一緒に、フィルさんを待ってるから。」
それがさも当然、という感じで自然に言い放ち、そのままリナの横にと座るガウリイ。
「…まあいい。好きにしろ。しかし一言だけ忠告しておいてやる。世間一般の憧れは…とりあえず捨てとけ」
そんなリナにため息をつきつつも言っているゼル。
「?何で?さっきから皆して?」
そんなゼルや、そしてアメリア・シルフィールの反応に首をかしげているリナ。
くすっ。
「ま♡フィルに会えばわかるわよ♡」
くすくす笑いながらのそんなあたしの言葉にさらに首を傾げつつ、
「?」
理解できずにさらに疑問符を浮かべていたりする。
「まあ。リナがそれでいいんならいいですけど。とりあえず。それじゃあ次の村でまってますねっ!」
アメリアとしては一刻も早く自分達の世界に戻りたいようだけど。
ちなみに、フィルに事後連絡をしていないから。
という理由で♡
あとあちらでは未だにデーモン発生云々の現象は止まっていない現実もある。
それゆえに、どうにかして早く戻りたいようだけど。
「わかったわ。それじゃあ、また後でね」
そんなアメリアに簡単にこたえ、そのまま街道にと視線を向けているリナ。
とりあえず、リナとガウリイをその場に残し。
アメリア、ゼル、シルフィール。そして、あたしとユニット。
ついでにおまけのゼロスの共にと先を進んでゆく。

「あんたも、エル達と一緒にいけばよかったのに?」
隣に座ってにこにことしているガウリイをみつつ言っているリナ。
「いやあ、オレはリナの側にいたほうがいいから」
そんなリナの言葉ににっこりと微笑みリナの髪をくしゃりとなで、
「なあ、リナ。天気いいと思わないか?」
空を見上げていうガウリイ。
「そ~ね」
ガウリイに吊られて空を見上げつつ、つふやいているリナ。
不可思議なことがあるというのは、今までの旅でよく理解しているが。
まさか、伝説と思っていた魔王が実在するなどとは……
などと、そんなことをリナは思いめぐらせ。
そして、ふと隣のガウリイをちらりと見る。
しっかし、何でこいつあたしにばっかり構うんだろ?
まあ便利だからいいけど。
しっかし…こいつがもっている二つの剣…ほしいわよねぇ。
そんなことを思っていたりするけども。
リナらしいというか何というか…♡
そんなやり取りをしつつも、仲良く並んで空を見上げている二人。
しばし、そんな状態のまま緩やかに時間のみが過ぎてゆく。

「シルフィールさん?いいんですか?」
ガウリイとリナのことを思いつつも、シルフィールにと確認しているアメリア。
そんなアメリアの質問に、
「勝ち目はありませんし」
軽く微笑み言っているシルフィール。
ガウリイの気持ちもわからなくはない。
だから、あそこまで執着しているのだろうし。
そんなことを思っていたりする。
リナさんとまったく同じ容姿でもある、こちらの世界のリナさん。
だが、どこか弱いところもあるのだと直感的にもわかる。
長らくリナさんと共に旅をしていたガウリイ様だからこそ…
そういうこともあるのかもしれない。
などと、そんな思いをめぐらせつつも、アメリアの問いに答えているようだけど。
そんなやり取りをしつつも、森の中を進んでいるあたし達。
と。
がさりと茂みが揺れる音が。
その音と気配をとらえ、にっこりと。
「おやおや。どうやらお客さんのようですよ?」
にこやかにゼロスがそんなことをいってくる。
それと共に、わらわらと、森の中の茂みの奥から出てくる人間達の姿が。
ちなみに数はたったの十二名ほど。
彼らはあたしたちを取り囲むように移動しつつ、
「へっへっへっ。こんな森の中を護衛もなしに歩くのは危険だなぁ。お嬢さんたち?
  まあ、やろ~も二名ほどいるようだが」
シミターを振り回しつつも、ねちりとした口調で舌でその刃を舐めとりなからいってくる。
いうまでもなく野盗たちなんだけど。
そんな彼らの姿を認め、
んしょんしょんしょ……
いきなり側の木にと登り始めているアメリア。
まあ、いつものことだし♡
そんなアメリアにと気づき、
「…お…おい?そいつは何をしているんだ?」
そのうちの一人が木に登っているアメリアを指差してゼロスに聞くが。
「見てのとおりですよ?」
にっこりと完結に答えているゼロス。
まあ、たしかに見たとおりだし♡
「…どうみても木に登っているようにしか見えないんだが……」
どう反応していいのかわからずに、そんなことをいってくる一部の野盗たち。

頂上にまでたどり着き。
すぅっ、と息を大きく吸い込む。
そして。
よっし!
自分自身に気合をいれ、そのままいつものようにと言い放つ。
『お待ちなさい!!』
だがしかし、まったく同じ二つの同じ声が同時に異口同音に発せられていたりする。
「…え?」
その声に驚き、アメリアがそちらのほうを振り向けば、
同じようにと木の頂上にたっている少女の姿が垣間見える。
しかもシルエットからして自分自身とまったく同じ姿をしている。
ということが遠目にもわかる。
だがしかし、とりあえず今自分が優先すべきことは唯一つ。
そんなことを思いつつ、
『この世に悪があるかぎり!正義は常に側にあるのですっ!
  このアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンっ!!天に代わって裁きを下します!』
などといっているアメリアだけど。
これまたきっちりと二人の声が同時に重なっていたりする。
ま、同じ『アメリア』同士だし…ね♡

「「な…何だぁ!?」」
同じ声が左右の上空から。
しかもまったく同じ台詞で投げかけられてくる。
そんな声をきいてなぜか面白いことにうろたえている野盗たち。
その声をきき、アメリアが登ったほうではない木の上にと視線をむけ、
「あれは……」
そのシルエットの姿をみとめ思わずつぶやているシルフィール。
そしてまた、
「おやおや。どうやら、こちらの世界のアメリアさんのようですねぇ」
そのことに気づいてにっこりといっているゼロス。
二人とも正解♡
一方では、額に手をあて、
「……はぁ~……」
おもいっきりため息をついているゼルの姿。
やはりここのアメリアも、『アメリア』同様、同じ性格なのか……
などと思っているようだけど。
ここ、基本的にはあまり変わらない世界だしね♡
とりあえず、そんな彼らの反応はともかくとして、

『とぅ!!!』
――ずべしゃ!!
『・・・・・・・・・・・・・・』

左右にある同じような高さの木の上から同時に飛び降り、そのまま顔から着地しているアメリアと。
そしてまた、同じく白い服を着込み。
胸・腰・手にと星の護符ジュエルズアミュレットをつけている少女もまた顔から着地していたりする。
片方のアメリアは、髪が少し肩までかかり多少年齢的に大人びてきているものの、
もうひとりの…即ち、この世界のアメリアはといえば肩の上で髪を切りそろえている。
つまりはあたし達と当初であった姿のままだったりする。
「おい…大丈夫か?」
「もしもぉし?」
ゼルが、アメリアを気遣い声をかけつつ近寄っていき、ゼロスがもう一人のアメリアを木でつつく。
と。
ばっ!
何ごともなかったかのように飛び起き、ぱんぱんと服をはたき、
「こんな天下の往来で、悪事を働くなどはもってのほか!
  今ならまだ間に合います!すぐに改心して、真っ当な人生に戻るのです!」
高らかと何ごともなかったかのように野盗たちにむかって言い放っていたりする【アメリア】。
そんな【アメリア】と、ゼルにひっぱりだされたアメリアを見比べつつ、
「な゛…双子か!?」
「いや、姉妹じゃないのか!?」
口々にそんなことをいっている野盗のメンバー。
まあある意味では似たようなものだけど。
『今はそんなことよりも!悪は絶対に許して置けません!』
とりあえず、ゼルに簡単にお礼をいい、アメリアもまた、きっと体制を整えて野盗たちに向き直り、
そして、きっちりと二人の声がまたまた重なっていたりする。
そんな二人の台詞などに目を点としながらも、
「ま…まあ。いきなり訳のわからないこといってくるから、どんなに変な奴が現れるかと思ったら…
  こっちの娘のほうは年頃でいろいろと役立ちそうだが、こっちはまだガキじゃないか」
などとアメリア同士を見比べつつそんなことをいっていたりする。
ちなみに、こちらのアメリアは只今十三歳。
対してこっちのアメリアのほうはといえば只今十六歳。
そんな彼らの言葉にかちんときて、
爆煙舞バーストロンドっ!」
チュドドォォン!
いきなり攻撃魔法をかけている【アメリア】だし。
それで面白いまでに一部の野盗たちが吹き飛ばされていたりするけど。
「な!?いきなり何をしやがる!ちびっ!」
そんな彼女にと抗議の声をあげている残っている野盗のメンバー。
そんな彼らの言葉に、二人同時にぷちりときて、
火炎球ファイアーボールっ!』
二人同時に呪文を放っている二人のアメリア。
さすがに当人同士、このあたりの息はぴったりね♡
そして彼らの意見を聞くまでもなく、
「そうですか。話を聞いてもらえないなら、仕方ないです!」
「せめてもの情けです!この私が直々に成敗してさしあげます!」
交互にいい放ち。
そして。
烈火球バーストフレアっ!!』
またまた同時に呪文を解き放つ。
風魔咆裂弾ボムディウィン!!」
「お……おぼえてろぉぉ!!?」
なぜか多少黒こげになっている野盗たちを、
近くにある川にと【アメリア】が術をアレンジして川の中にと叩き込み、
そして残った一部の野盗たちを遠くに飛ばしているアメリア。
そして、その場に野盗たちがいなくなった後。
二人してポーズを決めて、片方の手を腰にとあて、ぴしっと空を指差して。
『正義は必ず勝つのです!』
などといっていたりする。
まあ楽しいからいいけどね♡
アメリアなんだし♡
そしてふと、ようやくアメリアの方にと向き直り、
「それで?貴方はどちら様ですか?
  私の姉妹は、グレイシア姉さんしかいないはずですけど?親戚の人ですか?」
などと首を傾げつつ今さらながらに問いかけていたりするこちらの世界の【アメリア】。
そんなアメリアに対して、別に動じることもなく、あっさりと。
「こちらの世界の私ですね!私、別世界からきたアメリアです!」
力を込めていっているアメリアだし。
そんなアメリアの言葉に。
「別世界?異世界とかですか?」
あっさりと納得している【アメリア】。
「そうですっ!ああ、こっちの私も正義の道を進んでいるのですね!」
「ええ!すると、貴方も!話が合いますね!」
「そりゃあもう!この世に悪がある限り!」
「正義の心は消えないのです!」
「悪がある限り!」
「正義の呼び声が、私を呼んでいます!」
交互にいいつつ。
ぴしっ!
二人して空を指差していたりする。
「おいおい……」
そんな二人の様子をみて、面白いまでに目を点にしてつぶやいているゼル。
「あなたが別世界から来たということは、私は信じます!自分のいうことに嘘はないですから!」
「し…信じるのか!?いきなり!?」
思わず大声を出しているゼル。
詳しい事情を知らされないままに。
別世界からきた。
という言葉だけで納得している【アメリア】の言葉に思わずゼルが突っ込むけど。
だがしかし、
「だって、正義を愛する人に嘘つきはいません!」
「さすが私です!話が分かりますっ!」
がしっ!
手を絡めて二人で見合って言っているアメリアとアメリア。
くすっ♡
そんなアメリア同士の会話に思わず頭痛をかかえつつも、
「あ…あの?ところで……こんな所でアメリアさん…は、何をしていらっしゃったのですか?」
そんなことをこちらの世界の【アメリア】にと問いかけているシルフィール。
そんなシルフィールの問いに何も疑問に思うことなくきっぱりと、
「決まってますっ!旅にでた父さんを追いかけてきたんです!」
断言するこちらのアメリア。
「ええええ!?まさかこちらの父さんもあんな面白いお忍びの旅っ!
  また私をおいて出かけているんですか!?」
その言葉だけで理解して、違うところで驚愕して叫んでいるアメリアだし。
まあフィルはそうだからねぇ。
でもってアメリアが追いかけてく。
というのはセイルーンではもはや常識になってるし♡
「あ…あのぉ……?」
「……お゛い゛……」
そんな二人の会話をききつつも、目を点にしてつぶやいているシルフィールとゼル。
そんな二人にはお構いなしに、
「そんなの正義じゃないです!安心してくださいっ!
  この私があなたをつれて、こちらの世界の父さんに追いついてみせます!」
勝手に決めているアメリアだし。
「ええっ!?それは心強いです!さすが私です!話がわかりますっ!
  それに私が二人いる。ということは!さらに正義が広められる!ということですっ!
  やはり正義の心は天に通じるんですねっ!」
二人して勝手に話をすすめて盛り上がっているダブルアメリア。
そんな二人の会話をききつつも、
ど…どこが正義なんだ…というか、アメリアが二人…しかもやはり同じ性格……
などと思いつつも、頭をかかえてため息をついているゼル。
ま、いっても無駄だしね♡
アメリアには♡
ふふ♡
「とりあえず。ええと。こちらの世界の私。自己紹介をしておきますね。
  こちらが、リナ=インバースさん。ミリアム=ユニットさん。で、」
アメリアが指をさしつつ、勝手に一人話しをすすめ、あたし達の自己紹介をしてるけど。
「謎の神官ゼロスとい~ます♡」
アメリアの言葉に続くように、ちゃっかりと話にのってにこやかにいっているゼロス。
「…説得は無理だな…。ふぅ……俺はゼルガディスだ……」
頭を抱えため息とともに言っているゼル。
そして。
「始めまして。こちらの世界のアメリアさん。わくたしはシルフィール=ネルス=ラーダと申します。」
丁寧に頭を下げているシルフィール。
「ちなみに。今はいないけど。ここの世界のリナ=インバースと。
  あとガウリイ=ガブリエフっていう人間もいるから」
そんなあたしの言葉に。
「え?リナさんも二人いるんですか?じゃあ、何て呼びましょうか?」
いともあっさりと納得し、さらっといってくる【アメリア】。
「あたしは【エル】でい~わよ。頭文字をとって」
にこやかなあたしの言葉に、
「分かりました!エルさんですね!ならそう呼ばせてもらいますっ!」
すぐさま納得しているこちらのアメリア。
そんなやり取りをみつつも、
「…も、好きにしてくれ……」
なぜか、疲れたようにつぶやいているゼル。

「でもあなたたちも、正義のために旅をしているんですね!
  ああ、異世界まで移動し、正義のために旅をする!何て素敵なんでしょう!」
あっさりと、あたし達が【異世界から来た】というのを疑うことなく納得し、
目をきらきらとさせて言う【アメリア】の台詞に、
「はっ!そういえば、そういう捕らえ方もできますね!さすが私です!」
手をぽんと叩いて、これまたあっさりと同意しているアメリア。
そして二人して勝手にそのまま話を進めていたりする。
まあ、別にいいけどね♡
しばし、わきあいあいとアメリア同士で話が弾んだ後。
「じゃあ。あなたたちも父さんを捜すのを協力してくれるんですね!?」
こちらの意見も聞かずに勝手に決めているアメリア。
思い込んだら一直線。
というのは同じだからねぇ。
どちらのアメリアも♡
「あ…あの?ちなみに、こちらのアメリアさんはお金…もってます?」
アメリアさんもまた二人……あぅっ…
そんなことを思いつつも、【アメリア】にと問いかけるゼロスの言葉に、
「いいえ。父さんをあてにして殆ど使い切ってますっ!」
きっぱりと言ってくる【アメリア】。
ある意味潔いわよね♡
きちんと自分のお小遣いの範囲でやりくりしてるし♡
アメリアは♡
「あら。何をいってるんですか?ゼロスさん?
  当然、このアメリアさんの分もゼロスさんの負担にきまってるじゃないですか♡」
そんなゼロスに、にっこりと微笑みかけていっているユニット。
「えええぇ!?」
「……ま。あきらめろ…ゼロス……」
なぜかゼロスの叫びと、それを慰めるゼルの言葉が聞こえていたりするけども。
何当たり前なことで驚いているのかしら…ね♡

「…くしゃん!」
うううう……
くしゃみと同時に少し身震いしているリナ。
「リナ?寒いのか?」
そんなリナを気遣い、ごそごそと袋の中から野営用の毛布を取り出して、
リナの背中にとかけているガウリイ。
このあたりは手馴れてるからねぇ。
ガウリイは。
あたしとユニットだけ【家】を作り出し、その中で休んだりする野宿ということもあったりしたけど。
ガウリイ達は基本的には外だったし♡
「うう……何でこないのよぉ!」
すでに日は暮れかけている。
ずっとあれからまっているのにも関わらず、未だに【セイルーンの王子】らしき人物は通らない。
そのことに対して何やら叫んでいるリナ。
あれだけアメリアたちの忠告があったけど。
いまだにリナってば【王子】のイメージもってるのよねぇ。
ふふ♡
「も…お腹すいた……」
絶叫を上げた後、がっくりとうなだれてつぶやくリナに、
「じゃあ、リナ?近くの村にでもいって夕食にするか。おごるぞ?」
「ほんと!?…でも、お腹空きすぎて動きたくなぁぁぃ!」
まあ、昼も簡単に済ませてリナはまってたからねぇ。
リナらしいといえばそれまでだけど♡
「まったく。仕方ないな」
いって。
ひょい。
……へ?
思わず目が点となるリナ。
いきなり自分の体が軽くなったかと思ったら。
ガウリイが自分の体を横だきに抱きかかえていたりする。
それに気づき、
「だ……だぁぁ!おろせぃぃ!」
少し間をおいて何やら叫んでいるリナだけど。
「疲れてるんだろ?」
そんなリナににっこりと笑いかけて言っているガウリイ。
まさかガウリイがそういう行動にでるとは予想外だったらしく、
「い…いやぁっ!降ろしてっ!!歩く、歩くぅぅぅ!」
ただいってみただけなのにっ!
うう……
こいつ、乙女のデリカシーの何たるかを理解してないっ!!
などと、そんなことを思いつつ。
真っ赤になって叫ぶリナの姿が夕暮れの街道において見受けられていたりする。
デリカシー云々はともかくとして、一応ガウリイは意識してやってるんだけど。
それにリナは気づいてないのよね♡
面白いからリナが気づかないようにあたしがしているのは…ここだけの秘密♡
ふふ♪

「ああぁっ!?ガウリイ!それ、あたしのローストチキン!」
「何のっ!」
ドカドカドカ……
しだいに積み上げられてゆくお皿の数。
すでに夜も更けかけており、さらには小さな村なので、客もリナとガウリイの二人のみ。
村に一件しかない食堂で、ご飯を食べているリナとガウリイ。
結局のところリナがしばし抗議して、村に入る直前にとようやくガウリイにおろしてもらったリナ。
そしてそのまま、二人して食堂にとはいり食事タイム。
そんなやり取りをしつつも、食事がおわり食後のデサートを二人して食べているそんな中。
カタン……
出入り口にとあたる食堂の扉が開き、二人の男性が店の中にと入ってくる。
ちらりとそちらに目をやり、二人の格好と様子から。
…司祭と山賊の二人連れ…
などと用心しつつも、勝手にそう判断していたりするリナ。
違うんだけどねぇ♡
店の中にと入ってきたのは、一件どうみても山賊の頭。
もしくはドワーフの縮小版としかいえない人物だったりするんだけど♡
そしてもう一人は影が完全に薄く感じる司祭の格好をしている男性。
ま、この二人が並んでいて兄弟とすんなりと納得する人はまずいないけど♪
「あれ?」
そしてガウリイはといえば、そちらをみて小さく声をだし、
あの人…あの人もフィルさんの弟かな?
気配がよく似てるし。
などと一目で気づいているガウリイ。
そして、改めてしみじみと。
やっぱり、こっちのフィルさんもまったく同じなんだなぁ……
などと一人納得して感心していたりするけども。
リナとガウリイがそれぞれそんな思いをめぐらせているそんな中。
ふと。
司祭の姿をしている金色の髪の男性が、リナとガウリイにと気付き。
「あの、もしかして、貴方は、魔道士じゃありませんか?」
などと話しかけてくる司祭姿の男性。
そんな彼の言葉に警戒しながらも無言でうなづくリナ。
正確にいえば、口の中にいまだに食べ物がはいっているので無言でうなづいているんだけど。
「よかったぁ。実はあなたたちに依頼をお願いしたいんですが」
などといってくるそんな彼の言葉に、
「何?あの山賊の頭を退治してほしいの?」
もう一人の男性をみて言っているリナ。
「山賊?いえ、違いますが?」
「じゃあ何?ドワーフ?」
「とりあえず、話を聞いていただけませんか?」
リナの言葉を否定も肯定もせず。
とりあえず、話を聞いてもらえそう。
という旨を視線で伝え合図をおくる。
その合図をうけ、二人してリナが言葉を言うよりも早く。
そのままリナとガウリイが座っているテーブルにと同席している二人の姿が。
ガウリイはといえば、フィルのことを知っている。
というのもあって警戒してないけど。
だけども、弟のほうには警戒を一応むけていたりする。
まあ、たしかに。
おもいっきり利用しよう。
というオーラをだしまくってるしねぇ。
こいつは……
「まず、話をする前に。この儂の身の証を立てておこう」
いいつつも、許可を得るよりも早く席にとつき、
そのまま無造作に目の前のテーブルに小さな短剣を突き刺す。
別に身の証なんてたてなくても。
どうせ盗賊か何か……って…え!?
リナがそんなことを思いつつ、それでも何となくテーブルにと突き立てられた短剣にと目をやると。
その短剣の柄にリナも見覚えのあるとある紋章が。
「ちょ…これって!?」
これってまさか!?
などとリナは思っていたりするけど。
くすっ。
正解♡
剣の柄にと埋め込まれているのはセイルーン王国の紋章。
ちなみにアメリアも同じような紋章のはいった印籠をもってるけど。
「さよう」
リナがそのことに気づいたのをその表情で確認し。
何が『さよう』なのか不明ではあるけども、そのまま。
「何を隠そうるこの御方こそ。聖王国セイルーンの第一王位継承者。
  フィリオネル=エル=ディ=セイルーン王子であらせられる。
  私は、そのお供の司祭のランディオーネと申します」
おもいっきり隠してないってば♡
視線でフィルを指し示していっている司祭の格好をしているランディオーネと名乗った人物。
「……へ?」
そんな彼の言葉が一瞬理解できずに目を点にし。
そして、しばらく思考が停止した後。
「う…嘘よぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
一人悲鳴を上げているリナだし。
がらがらと王子のイメージが自らの中で崩れるのを感じつつ、
そのまままともに椅子から転げ落ちていたりする。
だから♡
先に忠告しておいたのにね♡
ふふ♡
「大丈夫ですか?いや、そんなに緊張していただかなくても」
リナが椅子からこけたその意味を別の意味で捉えてリナにといっているランディ。
ちなみにランディというのはこのランディオーネの愛称で、通称の呼び方なんだけど。
そんな彼の言葉に、
「い…いや……そ~じゃなくて……」
何とか気力を奮い立たせつつも起き上がり、椅子を直して座りなおしているリナ。
そして。
「な…なるほど…あのシルフィールが悲鳴を上げてた理由…よぉぉく分かったわ……」
椅子に座りなおしつつも視線をさまよわせてそんなことをつぶやいていたりする。
『外見はともかくとして』
という、アメリアの言葉もすごく納得するものがあるわね…確かに。
アメリアの言葉もまた、それと同時に脳裏によみがえっているようだけど。
多分…あの彼女たちの反応からすると…
……あっちの世界のアメリアの父親も…この容姿なんでしょうね……
そんなことをも思いつつ、脂汗を額より一筋ながし一人納得しているリナ。

一般に『王子様という存在』のイメージをもっている人々に共通することは。
品位、端整。容姿。
その全てにおいて完璧でなおかつ気品に溢れている。
というのが、ほとんどの存在もの達が抱くイメージ。
どこをどう見ても。
よくて、どこかの野盗の頭か山賊の親分。
さらには、もしくはドワーフのちょっとばかり大きめの固体。
そう見えるフィルが実は『セイルーンの王子』だと聞いた存在ものなどは。
まず面白いことにほとんどの存在ものたちは様々なダメージ受けたりするんだけど。
まあ、かなり個性的だからねぇ。
フィルは♡

「まあ、そう硬くならんでくれ。儂のことはフィルとでも呼んでくれ。お忍びの旅でもあることだしな」
リナのそんな心情をまったく理解することなく、別の意味で捉えて鷹揚に淡々と言っているフィル。
このあたりも実はこのフィル、あちらのフィルとまったく同じなのよね♡
そんなフィルの言葉に続き、
「実は、他でもなく。貴方にお願いしたいのは魔物退治なんです。
  どうやら、みたところあなた方は、魔道士と剣士の二人連れ。
  実はお忍びで旅をなさっていた殿下が、村でとある遺跡に魔物が住みついた。という噂を聞きまして。
  心優しい殿下が率先し、『放ってはおけぬ』といって退治を決意されたまではいいのですが」
そこまでいって言葉を切るランディ。
そんなランディにとかわり、
「何せ小さな村のことゆえ。駐在している兵士もいず。かといって呼んでいる暇がもったいない。
  そこで、戦力を捜していた。というわけなんじゃよ」
そう言葉を続けているフィル。
「でも、フィルさん?あなた、かなり強いんじゃありません?」
リナも大概見ただけで相手がどれくらいの強さをもっているのか。
というくらいは多少は判断できる。
体格からしても、この人物はけっこう強そうだけど……
そんなことを思いつつ問いかけるリナ。
さすがに王子とは呼べないらしいけど♡
「ん?この格好のことか?いやぁ、これはお忍びの旅ゆえな。
  何を隠そう、こう見えても儂は結構シャイで平和主義者なものでな」
そんなフィルの言葉に、
「うそつけぇぇぇ!」
思わず突っ込み叫んでいるリナ。
一方で、
「まあ、確かに。フィルさんが強いというのは、確かだよなぁ」
のんびりと飲み物をのみつつもさらっといっているガウリイ。
そんなガウリイの言葉に首をかしげ、
「うん?剣士殿は、儂を知っておるのか?」
儂はこの剣士殿にはあったことはないはずじゃが?
などと思いつつ、ガウリイに問いかけているフィル。
そんなフィルの問いかけに、
「まあ、そんなところかな?」
などと言葉をガウリイにしては珍しく言葉を濁してるけど。
ちなみに、心の中では。
といっても、オレの知ってるのはあっちの世界のフィルさんだけど、
こっちのフィルさんもどうやらまったく変わりがなさそうだし。
などと思っていたりする。
「ま…まあ、それはともかく…だ。引き受けてくださらんか?」
ガウリイの言葉に首を傾げつつも、だがしかし、今優先すべきなのは。
村の人々を脅かす魔物を退治すること。
そんなことを思いつつ、リナ達にと話しかけているフィル。
そんなフィルの言葉に、
「あ…あのぉ。あたし達、旅の連れに合流しないといけないので……」
などといって、リナが遠まわしに断ろうとしてるけど。
そんなリナの言葉はおかまいなしに、
「何分。無理を言っているのは承知の上だ。その分報酬は弾むぞ?」
リナの弱点ともいえるところをついてきているフィル。
人に頼むときにはけちけちしない。
というのが彼の心情だし。
無理をいうのであればなおさらに。
「やりますっ!連れたちなんて、どうにでもなりますしっ!いくらでも待たせますっ!」
「ま、そ~なるだろうと思ったがなぁ~……」
報酬を弾む。
というフィルの一言であっさりと気が変わるリナをみつめつつも、
のほほんといっているガウリイはといえば、そのまま食後のお茶を飲んでいたりする。
「それで、魔道士殿達の名前は?」
問いかけるフィルの言葉に対し、
「リナ。リナ=インバース」
「オレは、ガウリイ。ガウリイ=ガブリエフだ」
交互に答えているリナとガウリイ。
そんなリナの言葉に二人同時に目を輝かせ、
「おお!すると、貴殿があの!魔法少女リナ!」
身を乗り出しいってくるフィルの言葉に。
どでっ!
リナが椅子からまともにひっくり返る。
そんなリナにと、
「あの、ドラマタこと、盗賊殺しロバーズキラーのリナ=インバース!?」
さらに追い討ちをかけているランディ。
「ちょいまてぃ!何よっ!その魔法少女とか、ドラマタとかっていうのは!」
思わず突っ込むリナに目を丸くして。
「うん?行く先々でそう名乗っていると聞いたが?」
当然のようにいっているフィル。
そんなフィルの言葉にこくこくとうなづいているランディ。
「な…名乗ってないぃっ!」
そんな二人に対して、リナの絶叫が響き渡っていたりするげと。
そんなやり取りを見聞きしつつ、
「ここのリナもそういう面で有名なのか」
しみじみとあたしと比べていっているガウリイ。
そんなガウリイを、思いっきりスリッパでどつくリナ。
すぱこぉぉん!
こぎよい音がしてるけど。
「くだらないことで感心してるんじゃない!」
スリッパを片手にもったままでそんなことをいってるけど。
まあ基本的に、あたしも『リナ』としては同じようにしてたし…ね♡

リナ達と別れ、こちらの世界のアメリアと合流しているあたしたち。
とりあえず、それぞれ別々の場所で休むことにしているあたし達だけど。
リナとガウリイはフィルとランディと同じ宿に。
対してあたし達はといえば、こちらの世界のアメリアと一緒に宿を同じくして。
とりあえず、そんなこんなで次の日を迎えていたりする。
今朝は朝から完全に快晴。
「う~ん。父さん、一体何処にいったんでしょうか?」
疑問がるこちらの世界のアメリアの言葉に。
「そうですね。でも正義の心があれば、必ずたどり着けますよ!」 
「そうですよねっ!」
朝からはりきり、意気投合しているダブルアメリア。
「……どうにかしてくれ…シルフィール……」
そんな二人のアメリアをみつつ、ゼルが盛大にと溜息をつきシルフィールにいってるけど。
「無理ですわ」
きっばりと答えているシルフィールだし。
そんなやり取りをみつつも、にこにこと笑いながら、
「そういえば、昨晩散歩に出てたとき。遺跡に魔物が住み着いてこの辺りの村の人なんかは困ってるって。
  そういう話しを村人がしているのを酒場で聞きましたけど?」
そんなことを言っていたりするユニット。
そんなユニットに対して少し顔を曇らせ、
「??もしかして。もしかしなくても。一人で宿の外に出かけられたのですか?
  あぶないですわよ?ユニットさんは、かなりかわいいんですから。
  人攫いなんかに目を付けられでもしたら、それこそ……」
などと心配していっているシルフィール。
そんなシルフィールの言葉に、
……危ないのは、その人攫いのほうでは……(汗)
そんなことを思っているゼロスだし。
「ああ。大丈夫よ。あたしも一緒だったから」
そんな無用な心配をするシルフィールに対してさらっと言っておく。
そんなあたしの言葉に、
「ああっ!?もしかして、またリナさん!私に内緒で盗賊退治にいきましたね!?
  あれほど、行くときは私も誘ってくださいっていってるのに!」
そのことに気づいて、抗議してくるアメリア。
「ええ!?こちらのエルさんは、そんなすばらしいことをしてるんですか!?
  盗賊を懲らしめるなんてそんな素敵なことっ!それこそ真の正義ですっ!」
そしてまた、目を輝かせていっている【アメリア】。
そんなもう一人の自分に対し、
「はい!リナさんは、正義のため、弱きのために!
  悪を許さない正義の心で!すばらしい趣味をしているんです!」
「すばらしいですっ!それは!」
「でしょう!?」
「それは違うぞ……」
「そ…それは…違うかと思いますけど・・さすがに・・わたくしも・・」
二人して、同じ顔で盛り上がるダブルアメリアの言葉に、
すかさずに突っ込んでいるゼルとシルフィール。
そんな二人の声にはまったく耳を傾けることなく、ふと気付いたように。
「はっ!?すると、こちらの世界の父さんは、その魔物退治に出かけたに違いありません!
  父さんはそういう正義の人です!」
一人確信し、きっぱりと断言して言っているアメリアに。
「そうですよね!父さんですもん!」
疑うことなくきっぱりと同意している【アメリア】。
「ま…まあ、ともかく。じゃあ、そこの遺跡にでもいってみましょうか?」
どうやら言っても無駄だ。
というのはどちらのアメリアさんも同じようですし。
ならばそちらにいってみるのもいいかもしれませんね。
ユニット様が話題を振った。
ということはエル様も同意している。
というのに等しいですし……
などと思いつつ、ひとまず話しをまとめているゼロス。
『そうですね!悪がこの私達正義の使者を呼んでいます!』
そんなゼロスの言葉に、異口同音に空にむかってポーズをつけて言い放っている二人のアメリア。
『……はぁ~……』
そんな二人のアメリアの言葉に、面白いことにため息をついているゼルとシルフィール。
ゼロスもなぜかため息をついていたりするけど。
くすっ。
アメリアは言い出したら聞かない。
このあたりは父親似だからね♡
ちなみにナーガもそうだし♡
「まあまあ。じゃあいってみましょ♡」
そんなあたしの言葉を皮切りに、あたし達はその噂の洞窟へと足をむけてゆく。


カラッと晴れわたっている空。
雲もあまりなく、澄み切った青空が見えている。
「うう…暑い…暑いぃぃぃ!!」
歩きつつもリナが呻いて何やら叫ぶ。
出発したのはいいものの。
照りつける太陽が、じりじりとリナに汗をかかせてゆく。
そんなリナに対して、
「そんな暑苦しい格好をしているからじゃ。」
そう言っているフィルはまったく汗は流してはいない。
格好的にはフィルのほうが見た目も暑苦しいのにね♡
「仕方ないでしょうが!あ~もう、水浴びするぅぅぅぅ!!」
『水浴び?』
リナの悲鳴にも似た絶叫に、ガウリイ・フィル・ランディが顔を見合わせる。

ザァァァ……
あたりに飛び散る水滴。
岩肌から流れ落ちている滝の水があたりに飛び散り、木陰も手伝いほどよい気温となっている。
ちょうど近くを流れていた川の先にとある滝つぼにと足をむけているリナ達。
そして。
ガウリイ達を少し離れた場所でまたせ、
「ふんふんふん♪」
軽く歌を歌いながら、
しゅるり…パサ…
その身に纏っている服を脱いでいっているリナ。
そして服を脱ぎ終え、タオル一枚身に着けて、滝つぼの水にと足をつける。
…が。
「つめた!」
その水の冷たさに思わず叫んで足を引っ込める。
そして、ふとあることを思いつき、
火炎球ファイアーボール!!!」
ドゴォォォォン!!!
ちょっとした音が周囲にと響き渡る。
滝つぼの水面に術を多少調整して呪文を放っているリナだけど。
それをうけ、水面が一気にちょうどほどよく沸騰し。
適温な即席温泉が出来上がる。
そして、再びゆっくりと足を水…否、お湯にとつけ、温度加減を確認し。
そのまま、にっこりとわらいつつもお湯の中にと入ってゆく。

「う~ん♡極楽♡」
滝つぼに作り出した即席温泉にゆっくりと一糸纏わずに浸かっているリナ。
ちなみにタオルは横の岩にとかけてあったりする。
リナがのんびりとお湯にと浸かったそのほぼ直後。
「リナ!!!!!どうしたんだ!!?」
「何だ!?今の攻撃呪文は!?」
先ほどの音にと驚いて、少し離れた場所で見張りとして追い払われていたガウリイ達が、
あわててリナの元にかけつける。
そしてガウリイが真っ先にリナの元にとたどり着き、その後ろからフィル達も駆けつけようとするが。
リナの様子をみてガウリイの目は思わず点。
そして一瞬目を奪われるものの、すぐさま我にと戻り、
「だ…だぁっ!見るなぁ!」
リナが一糸纏わずにいるのをみてとり、あわててフィル達に向かって叫んでいるガウリイ。
そんなガウリイの声にと反応し、気づいておもわず振り返り立ち上がるリナ。
「き……きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
そのまましばし視線が交じり合いリナはそのまま硬直。
お湯に濡れた生まれたままの状態の姿のリナとガウリイの視線がしばし交じり合う。
そんな硬直している最中、さらに聞こえてくるフィルとランディの声。
そんな二人の声が近づいてきているのにと気づき、はたと我にと戻り、
「め…爆裂陣メガブランドっ!!!」
ドッゴォォォォン!!!!
リナがあわてて放ったその術に、まだ少し先にいたフィルとランディは思いっきり直撃をうけ、
その場に焦げて倒れ伏す。
ガウリイは即座にそのリナの術をよけてるけど。
そして。
「大丈夫だったか?リナ?」
いってリナに近寄ろうとしているガウリイ。
もっと近くでよくみてみたい。
というのと、せめてタオルか何か渡さないと。
あと何があったんだ!?
そんな思いをめぐらせつつも話しかけるそんなガウリイの言葉に。
「き…きゃぁぁぁぁ!!よるなぁぁぁぁぁ!竜破斬ドラグスレイブっ!!!」
ドッガァァァァン!!!!
思いっきり叫びをあげつつ、力ある言葉のみを解き放つリナ。
こういうときって人間といわず大概の存在って。
無意識のうちに力ある言葉のみで術を発生させるのよね♡
あわててお湯の中にと再び身を沈めたリナは、自分をひたと見据えているガウリイに対し、
そのまま竜破斬ドラグスレイブを打ち込んでゆく。
そんなほのぼのとしたやり取りをうけ、その場の地形が変化していたりするけども。
ちなみに、立ち上る煙の中。
ガウリイは当然無傷だったりするんだけど。
ま、ガウリイはいろいろと慣れてるからね♡

「うう…み…見られたぁぁぁぁ!!!!」
ガウリイに術が直撃していない。
というのに気づくことなく、リナが真っ赤になりつつ叫んでるけど。
せめて結界くらい張ってから行動しましょうね♡
リナ♡


                                        -続くー

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あとがき:
薫:・・・・・リナちゃん、まともにガウリイに見られちゃいましたね(まて!)
  まあ、テレビでは。フィルとランディ・・まあ、完全にではないですけど(爆!)
  ちなみに。あの、十一話の内容。長くなりそーなので。二話に分けます・・はい(まてこら!)
  しっかし。気の毒なのはリナ。
  無印では、かなりあった、リナの胸が。だんだんとアニメでは小さくなってゆくぅ(爆!)
  ではでは♪次回。ゼロス、大活躍(そーか?)なのですv

ゼロス:・・・・しくしく・・・・。
    エル様に向かっていかないでくださいぃぃ!!!下級魔族がぁぁあ!!!!(絶叫!)
  薫:・・・諦めてください・・・・(すでに人事)
    それでは♪

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