まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわ♪
いきます!第一部!!クライマックス!!(までいけるのか・・)
んではでは♪
え?『エル様漫遊記』と一緒って?何をおっしゃいますか?(爆!)
まあ、パラレルということで♪(まてまてまて!)
ではでは♪
#####################################スレイヤーズ・フォーエバー ~決戦~
「い…いたいですぅ……」
「……あ……アメリア……」
アメリアが腰をさすっていると下から声がする。
その声にふとアメリアが視線をしたにおとすとそこにはゼルの姿が。
「ああっ!すいません!ゼルガディスさん!」
「謝るのはいいから……ともかくのいてくれ……」
この場所にと全員が移動してきたときに、アメリアはゼルの上にと落っこちていたりする。
それゆえにそんなやり取りをしているアメリアとゼル。
そしてまた、
「大丈夫か?リナ?」
「い…いい加減にはなせぃっ!!」
空間から移動したがゆえに地面にリナが落ちそうになったときに、
リナの下に回り込み横だきに受け止めているガウリイの姿もあったりする。
緊張感などまったくなく、そんなやり取りをしているリナとガウリイ。
「きゃんっ!」
シルフィールはシルフィールで、ロディマスの上にと落ちていたりするけども。
「い……一体、何がどうなったんですの?」
ロディマスにと謝りつつ、
その上から退いているシルフィールがなぜか途方にくれたようにとつぶやいているが。
魔王の力で移動したはず…なのでは?
それにしてはどうも見たところ町の中のようですし……
そんなことを思っていたりする。
そして、
「くっ!?レゾは!?」
起き上がりつつ、周りを見渡しているゼルガディス。
周りを見ればのどかな町並みが広がるばかり。
「ああ。どうってことないわよ。目覚めたばかりで空間干渉を失敗したんでしょ♡」
にこやかに、そんな彼らの素朴な疑問に答えるあたしの言葉に。
……今…エル様…おもいっきり干渉してましたよね……
などと思いつつ、なぜか汗を器用に具現化させているゼロスの姿が。
「どうやら。あの塔からちょっとぱかり離れているこの町に。私達は飛ばされたみたいですよ?」
そんな彼らに対してにっこりと微笑んで言っているユニット。
ま、嘘はいってないわよね♡
あたしもユニットも♡
「…ちょっとまて。すると…何か?遠からず追いかけてくる可能性がある……ということか?」
額に手をやり、しばらく考えたのち聞いてくるゼルガディスの問いかけに。
「まあ、そりゃそ~でしょうけどね♡」
さらりと応えておくあたし。
だってそのとおりだし♡
そんなやり取りをしている中。
真っ赤になりつつようやくガウリイに降ろしてもらっているリナ。
そして、そのまま。
「まあ、せっかくだしっ!ご飯にしましょっ!」
「おお!それいいな!」
ごげっ!
リナの最もな意見に。
なぜか。
あたしとユニットとガウリイ以外の全員がその場てずっこける。
リナの意見に賛同しているガウリイは別として。
「あ…あのなぁ……」
起き上がりつつもそんなリナに対してため息をつきながら何やらいっているゼルに。
「ま…まあ。人間、『腹は減っては戦はできぬ』ともいいますからねぇ……」
錫杖をつきつつ起き上がっているゼロス。
「…よくこんな時に食べもののことを考えられますね……」
あきれつつも、だけどやっぱり同じリナさんですし。
などと思いつつ、言っているアメリア。
「でもまあ……正論ですし」
それで納得しているシルフィール。
「そうそう。せっかく町に来たんだから、何か食べないと損ってものよ!
それに!ここまできて何も食べないなんて!このリナ=インバースの名前がすたるわ!」
そんな彼らの言葉をうけつつも、きっぱりと言い切っているリナ。
「さあっ。ってことでいってみよ~!」
そんなリナの言葉をうけ。
押し切られる形で、近くにある食堂にと入ってゆくあたし達。
「さあ。おいしいものを食べて、ばぁっと力をつけましょうっ!」
一人何やら張り切っているリナ。
ずらりと机に並べられた食事の数々。
それをみつつ。
「……ふっ。……最後の晩餐か……」
ぽつりとづふやくゼルガディスの言葉に。
しぃぃん……
なぜかリナ達全員静まり返る。
ちなみにアメリアやゼルも例外ではなく。
ゼロスはゼロスで発せられている負の感情を楽しんでいるようだけど。
「だぁっ!辛気臭いわねぇ!こうなったら……おっちゃん!全メニュー五十人前づつ追加ねっ!」
ドタタタッ!
そんなリナの言葉になぜか椅子からひっくり返っている、アメリア達。
そんな彼らを気にすることもなく、
「まったく。なに情けないことをいってるのかなぁ?ゼル二号は?
全然勝ち目がないってわけじゃないんだからね。
そりゃ黒魔法では相手にダメージを与えられないけど。ゼル二号も精霊魔法を使えるんでしょ?
こっちには精霊魔法使えるのが、ゼル一号に、アメリアに、年上のシルフィール。
そしてゼル二号を含めて。四人もいるんだからね。それに神聖魔法って手もあるし」
ぴっ。
どうにか席にと座りなおしている彼らにと、フォークを突き立てていっているリナ。
いいつつも、リナはガウリイと食事の争奪戦を繰り広げていたりする。
「おいこらっ!この俺はどうして数に入ってないんだ!?」
そんなリナの言葉にわめいているゾルフ。
「あ。ゾルフさん。いっとくけど。サービスは一回きりだからね♡」
そんなゾルフに、ぱくぱくとケーキを口に運びつつ、さらりといっているユニット。
「そぉねえ。人間とかがいう、『奇跡』に近いようなものだし。あれは。
違う世界のあたし達があまり何かすると。ここの世界がどうにかなるしね」
ぱくぱくぱく。
とりあえず出されているローストチキンを綺麗に切り取り、
一口サイズにしてから口にと運びつついうあたしの言葉に。
「まあ、別世界の僕達が。どうこうすることもないでしょうし。
というわけで♡こちらの世界の人達に頑張ってもらいましょう♡」
にこにこといっているゼロス。
「ゼロスさん…それでいいんですか?」
そんなゼロスを呆気にとられつつも見ていっているアメリア。
「いやあ♡だって、ここは僕達の世界じゃないですし。僕達の所以外、どうなろうと関係ないですしね。あはは♡」
「……上司に当たる魔王と敵対してもか?」
そんなゼロスをじろりとみつつ、確認を取っているゼル。
「やだなぁ。ゼルガディスさん♡僕の直接の上司は、獣王様ですよ♡
それに、ここは僕が所属する世界でないですし♡というわけで、ここでは僕は部外者です♡
僕が受けている命令は、こちらのリナさんことエル様にお供することですし♡」
『ぶぅぅぅ!』
なぜかそんなゼロスの言葉に噴出しているロディマスとゾルフ。
そういえば、彼らにはゼロスのこと説明してなかったわね。
別にどうでもいいことだけど。
「なっ!?何を馬鹿なことをっ!それこそ伝説の中の話じゃないか!」
いまだ理解ができていないゾルフが何やらわめいているけど。
「獣王…といえば…魔王の腹心…その一人か?もしかして?」
一方で、ゾルフとは異なりつつも冷静に判断し、多少声を震わせて言っているロディマス。
そんな彼らとはうってかわり。
「相変わらずの、本気でお役所仕事ですね……ゼロスさん……」
あきれつつそんなゼロスをみているアメリア。
「で?毎回同じ質問を聞くが。なぜリナについているように命令がでてるんだ?」
今まで何回も同じ質問をしているのに、またまたダメもとで聞いているゼル。
「それは…秘密です♡」
そんなゼルの質問に対し、にっこりと人差し指を口にあて言い放つゼロス。
「まあ、その会話云々はともかくとして。ともかく。それにガウリイのもってる光の剣もあるし」
未だに黙々と食事をしつつも、ガウリイの腰にと挿されている剣に視線を向けていっているリナ。
「まあ、もしあいつと対峙するんだったら。光の剣はリナに貸してやるよ。リナの身を守るためにもな」
そんなリナにと食事の手を止めることなく、さらっと言っているガウリイ。
「ええっ!!!?くれるの!?」
そんなガウリイの言葉に、目をきらきらとさせ期待をこめていうリナに。
「だからぁ、オレの物はお前のもので。んでもって、オレはリナの永遠のパートナーだしな」
ずべしゃ!
その言葉に思わずスープに顔を突っ込んでいるゼル。
「ガウリイさん!?もしかして私達の世界に戻らないつもりですか!?」
アメリアが今さらながら驚いて聞いているけども。
今の今まで気づかなかったのかしらねぇ。
「おう!オレはこのリナを守るって決めたからな♡」
いいつつも、横に座っているリナの髪をくしゃりとなでる。
そんなガウリイの行動と言葉に、
「こ…子供扱いするなぁぁ!!」
何やらリナが叫んでるけど。
そんな二人のやり取りをみつつ、
『・・・どこをどうとったら・・・・・子ども扱いしている台詞になるん(でしょうか)(だ)?』
みごとなまでにゼル、ゼルガディス、アメリア、ゼロスの言葉が一致していたりする。
薄々ガウリイの様子で気づいてたけど、こうもはっきりいわれると。
それゆえに、
「が…ガウリイ様?」
そんなことを思いつつ、シルフィールが恐る恐るガウリイにと問いかける。
「オレはリナっていう運命を見つけたから」
きっぱりと何でもないように言っているガウリイだけど。
「だからっ!子ども扱いするなっていってるでしょうがぁ!」
すぱこぉぉぉん!
ガウリイの台詞に怒りつつ、懐からスリッパを取り出して思いっきりガウリイを叩いているリナ。
それでもにこにことしているガウリイ。
「……(汗)ガウリイ様。苦労しますけど…いいんですか?」
流石にこうきっぱりとガウリイが告白しているも当然なのに。
まったくといっていいほどに気づいてないリナに多少頭を抱えつつ。
ガウリイにと確認していたりするシルフィール。
おそらく説得は無理だ。
と判っているものの、それでも確認せずはいられないらしいけど。
「おう!オレの居場所はリナの隣だからな」
きっぱりいっているガウリイの言葉すら、リナは告白と捕らえてないのが面白い♡
そんなガウリイとシルフィールのやり取りを聞きつつも、
「…まったくみんなして子ども扱いして……」
ぶつぶついいつつローストチキンにと食らいついているリナ。
……何処をどう捕らえたら、子供扱いになるんだ!?
どう考えても今のガウリイのアレは告白だろうが!!?
などと、面白いことに店にいる全ての人間達の思いが一致しているけども。
ま、それがリナのいいところだしね♡
ふふ♡
あたし達がそんなやり取りをしているそんな中。
レゾことSのほうはといえば、
「ふふ……震えるがいい。世界よ……」
などといいつつ精神を集中させていたりする。
それとともに、搭から瘴気があふれ出る。
空を覆う紅い影。
その影響により、下級魔族やオーガやトロルエトセトラ……
そういった様々な存在達が、力をつけてはしゃぎだしてゆく。
ひとまず食事を堪能し、その後簡単な作戦会議をしているあたし達。
そんなあたし達から少し離れた場所では、
「…もう閉店なんだけどなぁ……」
この店のマスターがそんなことをつぶやいているけど。
「それはそうとガウリイ。光の剣、あたしに貸してもいい。って…何で?武器ないと困るでしょうに。」
ふと、先ほどのガウリイの言葉を思い出し、ガウリイにと問いかけているリナ。
そんなリナの言葉に、にっこりと。
「ああ。リナがもってたら役にたつだろ?これに魔法をかけると威力が増すし」
あっさりというガウリイに。
『どぇぇぇ!?ガウリイ(さん)がそんなことを覚えてるっ!?』
ものの見事にきっちりと声を重ねて、驚愕の悲鳴を上げている、ゼル・アメリア・ゼロスの三人。
「あ…あのなぁ……」
そんな彼らの至極当然な反応に対し、情けない声をだして抗議しているガウリイ。
そして、そんな彼らの反応をみつつも、
「この旦那は一体、仲間からどういう目で見られているんだ?」
反応からしても見てとれる。
…あまりもの覚えとかがよくない人物なのであろう。
ということくらいは。
そんなことを内心思いつつも、戸惑いつつ問いかけているゼルガディス。
そんなゼルガディスやガウリイの抗議にあっさりきっぱりと。
『脳ミソくらげ』
「または、脳ミソがヨーグルトともいえるかもしれません……」
そんなことを言っている、アメリア達。
ちなみにシルフィールまでもが面白いことをいっていたりする。
まあ、シルフィールらしいけどね♡
「ま…まあ。とりあえず…だ。意思力を具現化するような代物だから。それは」
間違ってはいないけど、事実でない説明をリナにとしているガウリイをみつつ。
「ガウリイさんがまともなことをいってます……」
「光の剣をあっちで手放してから脳みそが復活したか?」
ぽそぽそとそんな会話をしているアメリアとゼル。
そんな二人の会話をききつつも、
「それで?あんたはどうやって戦うつもり?まさか、自分は何もせずに見ています。っていうんじゃ…」
リナがその可能性もありえるとおもいつつ、ぎろりとガウリイを睨み言い放つ。
だがしかし、
「ん?いや、オレは別の剣も持ってるし」
そんなリナの言葉ににっこりとさらっといっているガウリイの姿。
「?別の剣?」
別の剣っていったい?
などと思いつつ戸惑いの声をあげ首をかしげるリナに、
「ああ。確か斬妖剣とかいうやつなんだが」
エルが何か文字かいてるから切れ味とかは問題なくなってるし。
ガウリイがそう続いて言いかけた直後。
「それもちょうだいっ!!」
すかさずガウリイにといっているリナ。
どんがらがっしゃぁぁぁぁん!
そんなリナの台詞に、なぜかあたしとユニット以外の全員が椅子から再び転げ落ちていたりする。
ほんと。
ここのリナってば楽しいわ♡
そんなほのぼのとした会話をしている最中。
きゃぁぁぁぁぁ!!
外から甲高い悲鳴が聞こえてくる。
「何だ!?」
がたん!
椅子を離れてすぐさまに外にと出てゆくゼル。
「まさか!?」
言いつつ、つられてアメリアも外に出てゆくが。
「いや。この気配は違うぞ?」
店の中にいながらその気配を掴んでいるガウリイ。
そんな会話をしつつも、それぞれにあわてて店の外にと出向いてゆく。
店の外にと出てみると、すでに夜の闇が押し寄せている町並みが、ほのかに赤く照らされている。
みれば、ところかしこから上がる火の手が町を赤く染め上げている。
家々から上がる火の手もまた治まる気配をまったく見せていない。
そんな状況の中。
「くっ!トロルか!?」
何やら叫んでいるゼルガディス。
町を襲っているのはトロルやオーガの群れだと子供でも理解できる。
町の至るところにそれらがうろうろとしていて破壊を繰り返していたりする。
「なっ!?どうしてですの!?普段、こんな町を襲うようなこともないのに!?」
そんなそれらの姿をみて、シルフィールが言いつつも小さく悲鳴をあげている。
別にどうってことないとおもうけど。
レイナードの一件や、首飾りの一件と比べたらどうってことないのにね♡
「ちっ。どうやら魔王の影響らしいな」
オーガやトロルたちの目の色からして判断しつつ、苦々しくつぶやきゼルが舌打ちする。
「まさか…俺達を……」
自分達を殺すために魔王が放った追っ手では。
などと思い言いかけるゼルガディスだけど。
しばし呆然としているそんな彼らのほうをトロルたちが一瞬ふりむくが、
何もするわけでもなく倒れた人々から品物などを奪い取っていたりする。
そんな行動をみて。
「…違うな。どうやら俺達が目的じゃないらしい」
まったく自分達は眼中にないらしいトロルたちを見ながらも、
半ばあきれ半分に言っているゼル。
まあ、何も考えてない。
というのもあるんだけどねぇ……
一方では。
「平和な町を脅かす悪の手先!許してはおけません!霊王結魔弾!」
拳に魔力を集め。
「とぅ!!」
わざわざ屋根の上にと上って飛び降りつつ、オーガ達を退治しに向かっているアメリア。
しばしそんなアメリアをみてため息をつきつつも、
「シルフィールは怪我人の手当てをたのむ」
「はいっ」
シルフィールに指示を出し、辺りにたむろしているオーガに向かっているゼル。
「それじゃまあ、いきますか」
「だな。」
リナの言葉にガウリイが同意し。
「これ終わったら、両方の剣を頂戴ね♡」
「だから、ずっとリナと一緒にいるんだから。オレの物は……」
言いかけるガウリイを完全無視し。
「炎の矢!!」
どごぉぉぉん!
そのままオーガたちにと有無を言わさず攻撃呪文を叩き込んでいるリナ。
そんなリナをしばしみつつ、
「ま…いいか」
その一言ですまし。
まだ時間はあるんだし。
などと思い、ガウリイもまた並み居る襲撃者たちにとむかって進んでゆく。
「!リナ!」
リナの後ろからオーガが襲い掛かるが。
リナが軽く嘲笑し呪文を叩き込もうとしたその刹那。
「きゃぁぁぁぁ!」
高い悲鳴が回りにと響き渡る。
悲鳴のしたほうを振り向けば、さきほどの店のウェイトレスが崩れる瓦礫の中を逃げ惑っていたりする。
そんな女性の姿をみつけ、にやりと笑い、
すすす……
リナをほっといて、そちらに標的を絞って移動しているオーガだし。
そんなオーガの姿を垣間見て、
…ぶちり。
と、半分きれかけ、
「く…くそぉ!ゆるさぁぁん!」
女の子を選り好みするなんてぇぇ!
などと思いつつ、怒り心頭に震えているリナだし。
そんなリナを見つつ、
う~ん。
怒っているリナもかわいいなぁ♡
などと思っているガウリイがいたりするけど。
リナからターゲットを外し、逃げ惑う女性のほうへと移動しているオーガ。
そんなオーガに狙われて、
「きゃああっ!!」
叫びつつも、ぺたん、としりもちをついていたりする。
どうでもいいけど…立ち向かうくらいしなさいよね……
「ちょぉぉとまったぁ!モンスターのくせに女の子を選り好みするなんて許せないわよ!
何人たりとて、このあたしの邪魔はさせないからね!」
そんなオーガと女性の前にと割り込んで、高らかに言い放っているリナ。
そして、そういいつつ。
内心、『そう。それがたとえ魔王といえども』などと思っていたりする。
そのまま有無を言わさずに呪文を唱え、
「火炎球!!」
どごぉぉぉぉん!
そのまま、呪文の直撃をうけ、抵抗することもなく塵と化してゆくオーガ達。
「あ…ありがとうございました……」
そんなリナにお礼をいっているウェイトレスの女性だったりするけども。
だがしかし、オーガたちが全ていなくなったわけでなく……
一体、一体倒していたのではきりがない。
それゆえに、
「で…でぇぇぃ!キリがないっ!こ~なったらっ!!」
叫びつつも、そんな襲撃者たちにむかって一撃必殺の呪文を唱え始めているリナ。
あら♡
こんな町中で唱えるなんて。
リナらしいわね♡
「竜破斬!!!」
チュドドォォォォン!!!
夜の闇が落ちている町の中。
ちょっとした光の柱がそのあたり一帯を照らしてゆく。
「あらら♡町が壊滅しちゃったわね♡」
リナが呪文を放つのを傍観しつつ、のんびりと言うそんなあたしに続き、
「とりあえず再生させとかない?」
「それもそうね♡再生しときますか♡」
にっこりといってくるユニットの言葉に同意し、軽くパチンと指を鳴らす。
その刹那。
瞬く間に元通りの町並みへと周囲一帯が復元される。
正確にいえば全てを再生させたんだけど。
それはそれ。
『・・・・・・・・・・』
なぜかそれを目の当たりにし、目を点にし一瞬全員といわず押し黙り。
そして。
『な・・・・何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!?』
異口同音に叫びつつ、驚きあたしをみているゼルガディスとロディマスとゾルフ。
そしてまた。
「…ま、リナだしな」
「そですね。リナさんですし」
「…リナさんですからねぇ……」
今までの経験上、その一言ですましているゼル・アメリア・シルフィールの三人の姿があったりする。
ま、彼らはもう慣れるでしょうしね♡
いくら何でも♡
くすっ。
驚きの表情であたしを見るゼルガディスたちのほうへ顔をむけ、
「あら、誰でもできることだってば♡」
「そうそう♡」
至極当然なことを言うあたしとユニットの台詞に、なぜか彼らは困惑顔。
アメリアたちにいたっては。
リナ(さん)達(ですし)(だしな)……
それで納得していたりするけども。
「……えっとぉ。ま、まあね~ちゃんの知り合いだ。っていうんだし……
と、とりあえず!襲撃してきたヤツラは全て駆除したしっ!全て解決ということでっ!」
そういや、この前の村も再生させてたし…この二人って……
そんなことを思いつつも、無理やりに話しをまとめようとしているリナだったりするけども。
別にこれくらいのことで驚いてどうするのかしらね♡
ふふ♡
結局のところ。
あたし達が町を救った。
ということには変わりなく、とりあえず感謝した町の人々の好意により。
今日のところはこの町でゆっくりと身体を休めることに。
「う~ん。よく寝れました!」
当然のことながら宿代も無料。
ゆっくりと体を休め、次の日の朝。
町の人々はいつもと変わりない日常を送っている。
そんな光景をみつつ、
「魔王が復活している。とは知らないで…平和ですよね」
シルフィールがぽそりと何やらつぶやいていたりするけど。
とりあえず、Sと決着をつけるべく人気のない場所にと移動してゆくあたし達。
移動しつつもとりあえず簡単な作戦会議。
「それで?作戦は?」
ゼルガディスの質問に。
「ゼルガディス殿。ここは私に任せてください。
あんな伝説の中の魔王など、このゾルフの黒魔法の前には手も足もださせませんよ」
一人今だに戯言を言っているゾルフ。
あれだけ説明したというのにきちんと理解してないし。
……はぁ~……
そんなゾルフの言葉にあからさまにため息をつき、
「…ゾルフ。お前、魔法の基礎からもう一回学習しろ……」
額に手をあて、そんなゾルフに対してあきれていっているゼルガディス。
そんなゼルガディスの言葉をうけても。
「?」
ゼルガディス殿は何をいってるんだ?
などと、まったく理解してないし。
…いるのよねぇ。
こういう困った存在って♡
そんな会話をききつつも、
「しかし…まだ魔王はあそこにいるのですかな?」
歩きつつ空を見上げていっているロディマス。
と。
ざわっ。
チチチ……
バサバサバサ…
そんな会話をしている最中。
空気がざわめき小鳥たちが、飛び交ってゆく。
そして。
「――ほう。こんな所にいたのか……」
あたし達にと向けられてくるとある声。
その声と同時、目の前の空間にゆらりと姿を現してくる。
というか、精神世界面を通じて移動してきたようだけど。
……今の今まであたし達を探すのに手間取ってたのよねぇ。
こいつは……
「昨日は不確定要素なことが起こり逃がしたが。今度はそうはいかぬぞ?
もう一度聞く。この我に従うか。それとも死を選ぶか」
今だに、海老を彷彿させる異形の姿のままでそんなことをほざいているけど。
せめて一晩あったんだから、レゾの魂の干渉力くらい消滅させなさいよね。
本当に情けないったら……
「ふっ。冗談。このリナ=インバース。腐っても魔王の手下なんかになんかなりたくないわよ。
そう。金色の王の手下のそのまた手下なんかにはねっ!」
そんなSに対してぴしゃりと言い放つ。
そんなリナの言葉に面白いまでに動揺して、
「…な…な゛に゛?」
何やら呻くようにいい、
というか、あたしが【ここ】にいるのにまぁぁだ気づいてないし……
「な……なぜ、貴様。【あの御方】のことを知っているっ!?」
などと、なぜか驚いた声をだしていたりするSだけど。
だからぁ。
あたしがここにいるの…気づきなさいよね。
まがりなりにも魔王の役職についているんだから……
そして、あたしにまったく気づくことなく。
「……どうやら、生かしておくことはできんらしいな……」
などといいつつ、こちらにむかって手をかざしてくる。
そんな会話をリナとSがしている最中。
リナがSの気をひいているのを幸いとし、打ち合わせていた作戦通り、
ぶつぶつと同時に呪文を唱え始めているゼル・ゼルガディス・アメリア・シルフィールの四人。
そして、
『崩霊裂!!!!』
ドトドドォォォン!!!
四人同時に放った崩霊裂がSにと炸裂する。
が。
パッキィィン……
あっさりとそれを無効化させ、弾いてるSことレゾ=シャブラニグドゥ。
まああれで無効化させないようならそれはそれでさらにお仕置き追加だけど。
それらを手でかるく払い飛ばし、
「ふむ。まあまあ、楽しませてくれそうだな……」
つぶやくようにといい、
「まあいい。トレーニングがてら相手をしてやろう」
などと淡々とあたし達にむかっていってくる。
そんなSに対し、
「驕るな!今度こそ決着をつけてやる!」
高らかに言い放ち、そして。
「黄昏よりも暗きもの……」
性懲りもなくまたまた同じ愚考を繰り返しているゾルフの姿。
「よ…よせ馬鹿っ!」
「だ・・・だぁぁあっ!この五流以下魔道士!やめなさいっ!」
そんなゾルフを止めているゼルガディスとリナ。
あれだけ散々言われたのに、まったく理解してないゾルフはといえば、
「ふん。今度はこの前のように偶然はないぞ!ゆくぞ!!竜破斬!!!!」
ドッガァァァァン!!!
ゾルフの放った術の炸裂音が周囲にこだまする。
先日自分が放った呪文がはじかれたのは偶然。
そう今だに信じて、物事を勘違いしまくっているゾルフ。
はそれで勝利を確信していたりする。
だから物事を理解してない存在っていうのは…ねぇ~……
知能をもった存在にありがちなのよね。
独りよがりって♡
当然のことながら、もくもくと立ち込める煙の奥からは、
「ふ…ふはは…愚かな……」
などというSの声。
人間というものは何と愚かな。
そんなことを思いつつ、にやりと笑みを浮かべ
「これは返してやろう」
などといっていたりする。
その言葉の意味を理解し、
「いっ…いかんっ!にげろっ!!ゾルフ!」
あわてて、ゾルフに駆け寄っているロディマス。
――二度目はないわよ?
ふと。
彼等の脳裏にユニットが言った台詞がよぎるが。
その刹那。
――カッ!
Sが口から吐いた光に飲み込まれ、何も残さず消滅してゆくゾルフとロディマス。
「ゾルフ!!ロディマス!!!」
ゼルガディスとゼルの悲鳴が一致し。
「なっ!?」
「そ…そんな!?」
短い言葉を出しながら、絶句し口を押さえているアメリアとシルフィール。
そんな彼らとは対照的に、
「あ~あ。本当にあの人間。最後まで理解してなかったんですねぇ♡」
にこやかに、それでいて首を横に振りながらいっているゼロス。
まあゼロスはといえば完全に傍観を決め込んでいるようだけど。
あたしやユニットも同じく♡
「まったく。人というのは何処までも愚かなものだな……」
自分が一番強い。
と思い込むのも、また自分達だけが優位なのだ。
と思い込み自然を破壊したりするもの。
そんなことを思いつつも、残されたリナ達のほうを見据えるS。
ちなみに、一番手前にリナとガウリイ。
そしてその横にゼルとゼルガディス。
シルフィールとアメリアがその斜め横に位置しており、
あたしとユニットとゼロスは一番後ろにいたりする。
「さて、お嬢ちゃん。あの御方のことを知っている貴様は生かしておくことはできんのでな?」
リナに視線をむけて、そんなことをいいつつも、あたしにも視線をむけてくる。
そして。
「そちらの人間も知っているのか?まあいい。この我に刃向かったこと。後悔させてやるとしよう」
などといってくるけど。
というか…完全に勘違いしまくっているし……
ほほぉぅ。
このあたしに対してSごときがそんな口に聞き方するなんてねぇ♡
そんなSの言葉をききつつ、
「……成仏してください…」
などとSにむかって合掌のポーズをしているゼロス。
「?」
そんなゼロスの姿に首をかしげているSだけど。
いまだ理解してないし。
Sがそう言うとほぼ同時。
「ちょっとまったぁ!リナを相手にするなら。まずこのオレを相手にしろ!」
いいつつ、ずいっとガウリイが一歩手前にと歩み出る。
内心はリナを危険にあわせられない。
というのと、あたしが手出ししたらとんでもないことになる。
というその両方の思いがあるようだけど。
別にそんな【とんでもないこと】にはしないけどね♡
ただちょっぴり黒い雷を、この場一帯にランダムに降り注がせたりする程度で♡
「ふむ。先に死にたいのか?まあいい。それでは他のメンバーはしばらく遊んでいてもらおう……」
Sの言葉と同時に。
地面から溶岩が吹き出し、その溶岩は炎の竜の形となり、
残りの全員。
即ち、ガウリイ以外の全員にと襲い掛かってくる。
当然あたしやユニットの方にも襲い掛かってくるが。
バシャ……
あたしやユニットにたどり着くまでもなく、それらはそのまま目の前で溶け消える。
「そんな剣で、この我が切れる…とでも?」
こちらの様子に気づくことなく、ガウリイに向かって言い放っているS。
ガウリイが剣にと手をかけたことのその意味を未だに理解していない。
それゆえに侮りつつ笑みを浮かべ言い放つ。
「斬れるさ」
そんなSの言葉をさらり、とかわし。
すらりと剣を抜き放つガウリイ。
ちなみに、光の剣ことゴルンノヴァはリナに預けているのでガウリイがもっているのは斬妖剣。
「…ほう。斬妖剣…か。周囲の魔力を切れ味にと転化させる剣……
なるほど…な。しかし、そんな品物をもっていてもこの我にはかなうまい?」
未だに完全に理解してないSだし。
相手の力量くらい見極めなさいよねぇ……
まあいいけど。
それはそれで楽しめるし、あとからそれも追加でお仕置き…ということで♡
「さぁ、それはどうかな?」
そんなSの言葉にガウリイがにやりと笑う。
それと同時、
ふっ。
「…な゛!?消えた!?」
リナ達の目にはガウリイが消えたようにと映っていたりする。
実際はガウリイはちょっとしたスピードで移動して、Sに攻撃を仕掛けているだけなんだけど。
それゆえに人の目では判別が不可能に近くなっていたりする。
まだまだ動き的には鈍いんだけどねぇ。
カンカンキンキンキン!!
「…な゛!?」
「リナには指一本触れさせない!」
Sが何か行動するまでもなく、完全にSを上回りSをおしているガウリイ。
伊達に雨の日とかあたし達…というかユニットの暇つぶしによく付き合っているわけじゃないしね♡
リナ達の視界にと映りこむのは剣と何かがせめぎあう火花が垣間見え、
それと共に音が聞こえているのみ。
ガウリイのその腕を始めてみたリナやゼルガディスはといえば口をあんぐりとあけてるけど。
そしてまた。
「……ガウリイのやつ…更に腕をあげてるな……」
「ま、あのリナさんと一緒に旅してたら自然とそうなるんでしょうけどね……」
炎の竜などはさすがになれたもので、
それらを的確に駆逐しつつも、のんびりといっているゼルとアメリア。
まあ、ゼルたちが一緒にいたときもちょこっと遊んだりしたことあるし…ね♡
「姿が大きいから隙だらけ、だぜ!」
ざんっ!
ガウリイの剣が、Sの腕をなぎ払う。
ガウリイの腕に驚愕しつつも、にやりと笑い、
「くっ。なるほど。どうやら手加減は無用…とうわけか……ふ…スィーフィード以来だな。本気になるか……」
いって、ゆらりと姿を揺らめかせそのままその姿を人間の形態にと変えていたりする。
人の姿。
といっても器となっている【赤法師レゾ】の姿そのままにと変化しているのだけど。
人間と今まで自分がとっていた大きさの器ではどうしても隙ができてしまう。
この人間のように意識してか精神体そのものにすら攻撃をしかけてくる人間ならばなおさらに。
そんなことをおもいつつ、姿をかえたようだけど。
カンキンキン!
打ち合う音が響く中。
「ゼル一号!二号!皆っ!時間を稼いでおいて!」
炎の竜をさばきつつ叫び。
魔王に勝つ方法は…これしかないっ!
などとおもいつつひたりとガウリイから預けられているそれを構えるリナ。
この方法ならば…少なくてもダメージは与えられるのは確実。
それに…このもらっている石がどこまで耐えられるのか。
という実験にもなるし。
そんなことを思いつつも、烈光の剣に光の刃を出現させているリナ。
そして。
「魔王っ!これで駄目なら、あたしもすっぱりとあきらめるわ!」
いって横に剣を構え呪文を唱えだす。
「・・・・闇よりも暗きもの 夜よりもなお深きもの 混沌の海にたゆとうし……」
それと同時に、ゆらりと剣に黒い闇がまとわりついてゆく。
今はこの混沌の言語が違っていることは分かっている。
けど。
いくらなんでも、あんな混沌そのものを創り出し抱擁している存在の完全版の呪文を唱えて……
制御する自信は…あたしはない。
だから。
…などと、そんなことを思いつつ、不完全版のほうを唱えているリナ。
別に完全版でも【あたし】がいるんだから問題ないのにね♡
そして呪文をとなえつつも、それによる虚脱感がまったく感じられないのに気づき、
すご…これってやっぱりこのカオスストーンとかいう石の賜物よね♡
などと心でうきうきしつつ呪文を続けているリナ。
とりあえず…っと。
―――きちんと制御しなかったら…わかってるわ・よ・ね♡
びくくぅっっ!
ゴルンノヴァにのみ聞こえる声で話しかけるあたしの【声】に、
あからさまに震えているゴルンノヴァ。
別にあの程度で滅びるはずは…ないわよね♪
そんなことになったらどうなるか、よぉぉく判ってるはずだし。
ふふ♪
「小さいリナさん!それは!!」
シルフィールがその意味に気づき、悲鳴を上げて抗議しているが。
「大丈夫よ。シルフィール。暴走はしないから♡」
とりあえずそんなシルフィールにと軽く説明しておく。
そんなあたしの言葉に、
「どうして、そんなことがいえるんですかっ!リナさん!!
前にもいいましたけど!あれは下手をしたら世界そのものが虚無に飲み込まれるんですよ!」
悲鳴に近い叫びをあげながらそんなことをいってくるシルフィールだけど。
「……な゛!?」
そんなシルフィールの言葉に、なぜか驚いているこちらの世界のゼルガディスの姿。
「だからぁ。その心配は無用だってば♡いつもいってるじゃない♡」
「そう言う問題じゃありませんっ!そりゃ、リナさんは。
たぶん『あの存在』とかかわりがあるんだろうからそういえるのかもしれないですけどっ!
こっちのリナさんは普通の人間ですよっ!?」
「…いや、『あの存在とかかわりがある』…というのがかなり気になるんだが……」
そんなシルフィールの叫びにぽつりとつぶやくゼルガディスの言葉に。
「気にするな」
「気にしたらまけです」
一言のうちに答えているゼルとアメリア。
あまり深く追求されてもこっちもリナ(さん)の事に関してはいまだ判らないことばかり(だし)(ですし)
などと互いにそんなことを思っているゼルとアメリアだったりするけど。
別に判らなくても問題ないでしょうにね♡
「…何!?それはっ!?」
さすがにリナの魔法の正体に気付き小さな声を上げ、
「な゛…その魔法は!?まさか貴様にそれが使えるのか!?」
などと驚きつつもリナを見ているSだったりするけど。
だからぁ。
いい加減にあたしがいることに気づきなさいっ!!
……大丈夫。
以前ほど消耗も激しくない。
自分に言い聞かせ。
ばちばちと集ってゆく闇を静かに見据えるリナ。
「剣よっ!闇を喰らいて刃となせ!!」
そして、自らの周りに出現した闇をゴルンノヴァにと吸収させて刃となしてゆく。
「くっ…っ!小ざかしいまねをっ!」
リナがしようとしていることを察し、呪文でリナに対抗しようとしているSだけど。
だがしかし。
「おっと。リナの邪魔はさせないさ」
それをあっさりと阻止しているガウリイ。
「き…貴様!?それでも人間かっ!?」
ガウリイの剣技に驚きを隠せずに叫んでいるSだけど。
ガウリイは人間だってば♡
いろんな種族混じってはいるけど♡
「そうはいうがなぁ。オレだって、まだこれあまり本気を出してないんだぞ?あんたと同じく」
そんなSにとさらっと言い放っているガウリイ。
ちなみに当然汗一つすらかいていない。
まああたし達に付き合ってこのあたり、ガウリイ上達してるからねぇ。
まだまだだけど♡
「くっ……なぜ?…なぜ、たかが人間がここまでの腕を……」
ガウリイの剣におされながらも、ぶつぶつといっているS。
というか、S。
あんたが弱すぎるのよ♡
『・・・・な゛・・』
無限に出現する炎の竜を倒しつつ。
多少ぼろぼろになりながら、リナを見ていたアメリア・シルフィール・ゼルガディス・ゼル達はといえば、
リナが手にしていた光の刃を、黒い刃としているのに驚いていたりする。
そしてアメリアとゼルはその正体をすばやく判断し、
……壊れないか?
……消滅しなきゃいいですけど……
などと二人内心おもっていたりする。
まあ、彼らはDたちの一件で、あれが何なのか理解してるからねぇ。
「『なぜ』って言われてもなぁ?というか……嫌でも覚えるぞ?
それに、暇だからっていわれて、雨の日とか剣の手合わせ…すみれちゃんやエルとしてたし」
Sの戸惑いの言葉にあっさりと暴露しているガウリイ。
あら♡
ガウリイにしては珍しくユニットのことをすみれって呼んでるし♡
「……?……誰だ?それは?」
そんなガウリイの言葉をききつつも、本能的に嫌な予感を感じつつ、
それでもその可能性を真っ向から否定して首をかしげて問いかけているS。
そして。
え……『エル』という呼び方は……畏れ多くも、『あの御方の呼び名』なのに……
それに……『スミレ』?
どこかで聞いたような気が……
…まさかな。
などと、そんなことを思っているSだったりするけど。
そのまさかなんだってば♡
ガウリイとSがそんな会話をしているそんな中。
「ガウリイ!そこからのいて!」
ガウリイにとリナの指示が飛び交ってゆく。
「おおっ!」
リナの指示をうけ、ガウリイがそのままSから間合いをとりつつ離れると同時。
「見せてあげるわ!人間の底力ってやつをね!!!!」
いいはなち。
そして。
「重破斬!!」
剣にまとわりついている闇をそのまま、Sに投げつけてゆくリナ。
「く…小ざかしい!」
それを力でねじ込もうとしているSだけど。
そんなSがふと視線をさまよわせるとあたし達の姿が視界にと入り込む。
あたしとユニットはといえば、
向かってくる火竜などを、退屈なのでロッドや大鎌でなぎ倒していっているんだけども。
「……な゛!!!!!?」
なぜかそんなあたし達ををみて動揺しているSだし。
まさか!?
あ…あの大鎌は!?
そんなまさか!?
などと面白いまでに動揺し驚愕してるようだけど。
……でもまだ確信にはいたってないのよねぇ。
情けない……
Sがあからさまに動揺を始めたのをうけ、Sの中にと残っていたレゾの意識が、
そのままSの力を再び封じ込めるべく動き出す。
そして。
「―――魔王…あなたは滅ぶべきなのです……」
Sでもありレゾでもあるその口からレゾの声が発せられる。
つまりそれが意味することは即ち。
レゾの魂が表面上へと出向き、Sの力を再びその内へと封じ込めるべく作用する
「じ…邪魔をするなぁぁぁ!」
Sがそんな『レゾ』にと叫ぶが。
しかし、視線はあたし達に向いたまま。
ま・・・まままままままま!?
なぜか心の中で、いまだに『ま』を連発しているけども。
「……Sちゃん♡あとでお仕置きね♡」
「まったく。本当に最後まで気付かないとはねぇ♡」
Sにのみ聞こえるようにといったあたしとユニットの言葉に。
ず…ずざぁぁぁ!
なぜか面白いまでに一気に姿が薄くなってゆくSの姿が。
その直後。
ドォォォォォォォォォン!!!!!!!!!
リナの不完全版重破斬が、完全にレゾ=シャブラニグドゥを直撃する。
『くぅ!』
アメリア達のなぜか苦痛に満ちた唸り声がしてるけど。
そんなアメリアたちとは別に。
「…すごいっ!これ!」
普通なら、これ一発で魔力を使い果たして髪が真っ白になるのに……
などと、そんなことを思いつつ、感嘆の声を漏らしているリナ。
リナの放った、重破斬がSを直撃した刹那。
その余波の風と爆風が辺りにと広がってゆき。
星の外からでもその光はくっきりと分かるほどに、しばしこの場を照らしてゆく。
しばらく周囲一帯、光の闇に飲み込まれてゆく―。
-続くー
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あとがき:
薫:・・次回。S、滅びますv(まて!)
まあ、戦闘シーン・・省いてますけど・・・ま、いっか(よくない!)
多分、次の次からは。フィル&アメリア登場vに入れるかと(爆!)
ではでは♪
また・・・・・・。
(エル様と菫ちゃんが・・Sにお仕置きしている間に・・撤収を・・と・・汗)
それでは・・・。
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