まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわ♪
よっし♪ロイヤル2の攻略本ゲット♪
まあ、クリアは何回もしてますけど(まて!)
……やっぱないか……ムービーのみの一覧は……しくしくしく(涙)
……何でロイヤル1ではあったのに……2ではないんだ?(まて!)
まあ、とりあえず。フォーエバー、第5話なのです♪
さて……台詞の確認に無印をみますか♪ではでは♪
#####################################スレイヤーズ・フォーエバー 第5話 ~新たな仲間(?)
「で。もう一人のゼルガディス?何であたしを助けてくれるわけ?」
すたすたすた。
「それとも。これも何かの罠とか?」
リナの言葉に、無言で足を進めているゼルガディス。
「まあいいけどね。あのまま吊るされてるままっていうのも嫌だしね」
ゼルガディスと共に歩きつついうリナの言葉に。
「ふっ。掴まっていたほうが楽だった……ということもあるぞ」
などと答えていたりするゼルガディス。
まあ、どっちもどっち。
ということもあるけど。
「それはそ~と。で?何であんたも逃げ出すわけ?やっぱりあたしの知っているあのゼルと同じ理由なわけ?」
歩きつつ質問しするリナの言葉に、ぴたりと足を止め、
「……そ~いやあんた…俺とそっくりな人や。それにお前にそっくりな人と一緒にいたな。
……何か平行世界から来たとかいってたが?」
先日のことを思い出してそんなリナにと問いかける。
そんなゼルガディスの質問に、
「本人たちはそういってるけど?何でも、シャザード=グランディの作った鏡でここに飛ばされたとかいってたけど」
まあ、あのろくでもない鏡の製作者だし……やりかねないな……とあたしは思うけどね。
などとリナは心の中でつぶやきつつ説明してるけど。
「なるほど…。俺にも兄弟はいるにはいるが。……そっくりな兄はいないからな……」
いいつつも、ゼルガディスもまた、具間みたもう一人の自分を思い出す。
「でも、あんたもかわってるわねぇ。普通、異世界からの来訪者っていっても。すぐには信じないと思うけど?」
リナの言葉に。
「ふっ。それはお互い様だと思うがな?」
苦笑しているゼルガディス。
自分のこの体をみても動じない人間などかなり珍しい。
そういえば、このリナとかいう女の所に交渉にいったときにいたあの少女もまた動じることなく、
いきなり自分に『正義の道に戻れ』といってきたのも記憶に新しい。
アメリアのことを思い出して思わず苦笑しつつ言っているゼルガディス。
そんな会話をしつつも、すたすたと森の中を進んでゆく二人の姿が見受けられていたりする。
「まあ、あたしは目の前で起こったことは信じることにしているから。」
ゼルガディスの言いたいことを察しつつ、あっさりいうリナ。
そして。
「で?やっぱりあんたも赤法師レゾに合成獣にされたくち?あっちのゼルと同じく?」
さらりとゼルガディスに対して聞いていたりするリナだけど。
「……まあ…な」
そんなリナの言葉に多少驚きつつも小さくつぶやき肯定する。
ということは、もう一人の俺もまたレゾによって合成獣にされている……ということか。
異界のこととはいえ。
わが身と同じ存在がいる。
それが、少なからずの慰めにはなりえるかもしれないが。
そんなことを思いつつ。
「う~ん。すると、こっちのレゾも魔王シャブラニグドゥを復活させて。
その復活させたお礼として目を治してもらおうっていう魂胆なのかしら?たぶんそこまで一緒なんでしょうねぇ」
あたし達から説明をうけているそのことを思い出し、しみじみいっているリナに対し。
「な゛!?」
……ピタリ。
思わず足を止めリナを振り返る。
どういうことだ!?
などと表情に示して驚愕しリナを見つめるゼルガディスに対し、パタパタと手をふりつつ、
「ああ。どうやらあっちの世界ではそうだったらしいのよ。まあ何ごともなく無事にやり過ごしたようだけどね」
あえて【もう一人の自分が倒した。】という言葉を省いているリナ。
正確にいえばちょっと違うけど。
しばし絶句するゼルガディスとはうって変わり。
「あ、湖発見!」
視界の先にと入り込んだ湖をみて、いいつつも喉が渇いているがゆえに近づいてゆくリナ。
そんな二人を湖の中から見ている魚人がいたりするんだけど。
それにはリナは気づかずに湖に近き、そのまま湖のほとりにかがみこむ。
ごくごくごく。
「う~んvおいし♡」
自らの手に水をくみ、乾いた喉を潤すリナ。
リナが湖の水をごくごくと飲んでいる最中。
「……おい。今の話……本当か?」
魔王うんぬん。
というのは聞いたことがない。
それゆえに、驚愕しつつもリナに問いかけるゼルガディス。
だがしかし、ゼルガディスが問いかけるとほぼ同時、リナの足を湖の中からぬらっとした手が掴み、
「うきゃっ!?」
パッシャァァン!
そのままリナを湖の中にと引っ張り込んでゆく。
「っ……って何!?」
盛大な水音がし、リナの姿が掻き消える。
それをうけて、ゼルガディスが湖のほうを振り向くと。
そこには、ぶくぶくとあわ立っている水面のみが見てとれる。
ん~……
リナが水中にて、目を開くと自分の足を掴んでいる半魚人の姿が目に入る。
こいつがかっ!
などと内心憤り、そのまま態勢を整え。
げしっ!
半魚人の側面を蹴り倒すリナ。
プクプクプク……
湖底にと沈んでゆくそんなリナと半魚人【ヌンサ】の姿が見受けられていたりするけども。
側面をけり倒され、一瞬とまどいつつも。
「おまえ、逃げるのよくない!」
いいつつリナに突進してくるそれ。
だがしかしリナはひょいっとかわし、そのまま勢いよくそれは近くの土の山にと顔をうずめてたりする。
……頭わるそ~……
リナはその様子をあきれつつ眺め。
と……とりあえず、今のうちに……
思い、空気を求め海面にと浮かんでゆく。
どうでもいいけど、水中で息ができる術…リナ知ってるでしょうにね♡
「…ちっ……。……面倒な」
湖の中にひっぱりこまれたか。
どうやらあいつ…中にひきづりこまれたらしいな…
そんなことを思い軽くつぶやき、
「翔封界!」
瞬時に判断し、
ぽうっ……
呪文をアレンジし、自らの周りに空気の結界を張りめぐらせて、そのまま湖にと入ってゆくゼルガディス。
『うきゃ!?おいかけてきた!?』
思わずそんなことを口には出せないがいっているリナ。
リナが見ると。
後ろから追いかけてくる魚男の姿。
そして。
「ぶんすか、ぷんすか。もう、俺、怒った」
そういいつつ、辺り構わずに背中のひれの針を飛ばしていたりする。
うう……これじゃ、出るに出られないじゃないのよ……
そろそろ息が……
そんなことを思いつつ。
ふと。
……そ~いや、これまだ使ってなかったわ。
ようやく、胸にかかっているペンダントを使うことを思いつき、口の中で呪文を詠唱する。
ようやく気づいたし♡
というか、そもそも呪文は声にださなくても仕組みをしっていれば発動するもの。
声には出さないがリナが呪文を唱えた直後。
ぱう。
リナの周りに空気の泡が出現し、リナの体を包み込む。
見た目はリナが空気のシャボンダマの中にはいったような感じとなってるけど。
「う~ん。空気がおいしぃ~v」
おもいっきり、その中で空気を吸いのびをしているリナの隣に。
「……ほう。水中でも呪文が使えるのか」
等といいつつ、先ほど水面の中にと入ったゼルガディスが降り立ってくる。
ゼルガディスもまた、空気の球体の中に自らの体を入れた状態で水中にとはいってきてるけど。
「あら、ゼル二号」
「だっ!?誰が二号だ!!」
リナの言葉に、思わずつっこんでいるゼルガディス。
「だってぇ。あっちもゼルガディスだし。あんたもゼルガディスなんでしょ?
だから、まず始めにあったやつが一号。で、あんたが二号♡」
しごく当然なリナの意見に、
「……おいおい……」
ゼルガディスはなぜか、あきれてリナをみていたりする。
が、とりあえず気を取り直し。
「ま……まあ。いい」
とりあえず、今は追ってを……
そんなことをおもいつつ、水中にいるそれにと目をむける。
ふと見れば、追いかけてきている刺客は【半魚人のヌンサ】。
「あ。ゼルガディス、裏切る、よくない」
そんなゼルガディスに気付き、何やらいいつつ攻撃を仕掛けてこようとするヌンサだが。
ゼルガディスは、自分を包み込んでいた風の結界をヌンサにむけて移動させる。
そしてそれに手をついて。
「火炎球」
ジュボボボボ!!
風の結界の中。
ゼルガディスの放った呪文は、同じく結界に包まれているヌンサを綺麗に焼き魚にと変えてゆく。
そのままコンガリといい具合に焼けたヌンサをそのままに、
二人して水面上にとひとまず上がってゆく二人の姿が。
ヌンサを撃退した後、リナと二人水面に向かってあがってゆき。
「まったく……手間を取らせるな」
ざばっ。
湖から上がるなり一言言い放つ。
「まあまあ、いいじゃないのよ。それより、あてはあるの?」
だが、そんなゼルガディスの言葉をさらりとかわしにこやかにいうリナ。
そんなリナの話題のすり替えに多少苦笑しつつ。
「いや。ない」
あっさり答えていたりするゼルガディスだけど。
どちらにしてもすぐにあたし達が追いつくけど…ね。
ふふ♡
「な……何ぃぃ!?あの娘が逃げただとぉぉ!?あ……あの娘……なまいきなことをしてくれる……」
リナを縛っていた縄を手にしつつ、廃墟の中そんなディルギアの叫びがこだまする。
それと同時。
「た……大変ですぅ!ヌンサがぁ!」
声とともに、コンガリと何かがやけた香ばしい臭いが周囲に充満し、
「こら!だれだ!こんなときに、夜食の準備をしているやつは!」
こんなときに夜食など。
と思いつつ注意をかねて叫ぶディルギア。
そんな入り口からかかってくる声と、ディルギアの声が一致する。
「何をいって…って。……ぬ……ヌンサ!?」
その声に振り向き、臭いがする方向をみてみれば、
丁寧にちょうどこんがりとおいしそうに焼けているヌンサの姿がディルギアの目にはいる。
変わり果てたヌンサの姿をみて驚愕の声をあげるディルギアにと、
「そこの湖にぷかぷかと浮かんでいたんです」
とりあえず説明している彼らたち。
そんな配下の者の説明に。
「ぬ……ヌンサ。こんなに変わり果てた姿になって……」
そういってすでに事切れているヌンサに手を置くディルギア。
だがしかし。
それはその死をいたんで…というのではなく。
「こ……こんなにうまそうになって」
じゅる。
ほどよく焼けているヌンサを前に全員が、よだれをたらしていたりする。
ディルギアもまた例外ではなく、よだれをどうにか飲み込んでいたりする。
まあ、確かに適度に焼けたほどよい焼き魚だけど♡
「くそ……一体、誰がこんなことを……」
そんなディルギアの台詞の直後、天井付近に上空に紅い光が灯り。
『では、裏切りもののゼルガディスを追いなさい。裏切りものの始末は頼みましたよ。ディルギア』
その光の中からその声のみが周囲にと響き渡る。
「……な!?ゼルガディスが……裏切り?」
それをきき、きらりとディルギアの目が光る。
彼はゼルガディスにいい感情をあまり抱いてないからねぇ……
そんなことをいいつつも、ふと彼が振り向くと、自分以外の全員が口に何かを含んでいたりする。
しかも、それぞれの手にはナイフとフォークが握られて。
ま、たしかに食材は大事にしないとね♡
ふと予感がし、ディルギアが視線を落とすと、
「あ……ああああ!お前らぁぁぁ!!全部喰いやがったなぁぁぁぁぁ!!」
完全に頭と尻尾だけを残して骨にと代わりゆいているヌンサの姿が。
ま、確かに焼き魚…ではあるしね。
「しっかし、賢者の石……か。とんでもないもんを拾ったものよね。
あ、でも。あたしが先に見つけたんだから。とうぜんあたしの物よね♪」
二人して移動しつつも、うきうきして言っているリナに対し、
「あ……あのなぁ……」
思わず溜息ついているゼルガディス。
と。
ピタリ。
気配などは微塵も感じさせなかったというのに、ゼルガディスの首筋に鈍く輝く何かが押し付けられる。
それと同時に低い声がゼルガディスの耳にととどきゆく。
思わず立ち止まるゼルガディスに対し、その背後にいる人物を確認し、
「あら、ガウリイ。おっひさぁv」
「……おい。リナに何かひどいことしてないだろうな?」
ガウリイがゼルガディスに向けて放っている殺気に気付かずに、軽くいっていたりするリナ。
まあガウリイもリナにはそれらを気づかれないようにしてるからねぇ。
いうまでもなく、ガウリイがリナ達においついたのだけど。
くすっ。
楽しくなってきたわねv
「ああっ!よくやくみつけました!リナっ!って!ああ!もう一人のゼルガディスさん!」
がさりと、茂みをかきわけて、リナ達の所に出てゆくアメリア。
「ガウリイ様ったら。いきなり走り出すんですもの。」
いいつつ続いて出ているシルフィール。
いきなり走り出したガウリイをおいかけて、あたしたちもまた移動していたのだけど。
未だにゼルガディスに刃をつきつけているガウリイの方をみつつ。
「あら、リナ。ゼルガディスと逃げるところだったのねv」
にっこり微笑み、言うそんなあたしの言葉に。
「……何!?まさか、リナとかけお……!」
どごっ!
「そんなわけあるかぁぁぁあ!!!!////」
ガウリイが何を言いかけたのかを察し、ものの見事にガウリイにととび蹴りをくらわしているリナ。
「冗談。俺にも好みってものが……」
そんなガウリイの言葉に、何やら言いかけるゼルガディスに代わり。
「まあ、どちらにしても、『リナ』についていけるのは、きっとガウリイさんだけだと思います。
何しろ、このリナさんにも、三年間付き合っていたのですから」
さらりといっているアメリア。
アメリアはガウリイが言おうとした意味を理解してないし♡
「ガウリイ様?もしかして焼もちを焼いているのですか?」
少し寂しそうにいいつつも、その意味を悟り、そんなガウリイに対して言っているシルフィール。
「でも。いくらなんでも、出会って間もないのに恋愛感情なんてもたないでしょうよ?」
一人淡々といっているゼロス。
ゼロスとしては面白がっていっているようだけど。
「な゛……だ…誰が誰に恋愛感情を持ってるっていうのよ!?」
そんな彼らの台詞に真っ赤になって抗議しているリナ。
「まあまあ、リナ。いいじゃないか。」
いいつつも、リナが無事なことを確認し、剣を収めてにこにことリナの髪をなでているガウリイ。
「ガウリイさん。どうやらこっちのリナさんに一目ぼれしたみたいだしねぇ」
「そうそう。あたしと同じ容姿なのにね♡」
くすくすと笑うユニットとあたしの言葉に。
「な……な゛な゛な゛な///」
真っ赤になっているリナ。
こ~いうことには、このリナ。
全然免疫ないからねぇ。
ふふ。
リナの思考がショートする寸前。
「うううっ!!!!皆、まとめてふっとべぃぃ!!竜破斬ぅぅぅぅぅ!!!」
ちゅどどぉぉぉぉんんんん!!!!
真っ赤になりつつも、リナの放ったドラグスレイブが炸裂していたりするけど。
ほんと、面白いわv
リナの呪文に吹き飛ばされて、面白いまでに吹き飛んでゆくあたし、ユニット、ゼロス。
そしてガウリイ以外の全員の姿。
「な……何なんだ……こいつは……(汗)」
げほげほと、体をすすだらけにして何やらつぶやいているゼルガディス。
「まあまあ。どうやらこの世界のリナもこちらの世界のリナも性格は似ているようだから。
……逆らわないほうがいいぞ?」
ぽんぽんと、そんなもう一人の自分の肩に手を置き励ましているゼル。
「というか、リナさん?今ので……どうやら敵に居場所を見つけられたのでは?」
まともなことをいっているゼロスに。
「まあ、リナだしね」
「そうね。リナだし」
それですませているあたしとユニット。
今だに顔を真っ赤に紅潮させているリナの横においては、
何ごともなかったかのように、リナの頭をなでつつなだめているガウリイの姿と。
そんなガウリイをスリッパではたいているリナの姿。
そんな、ほのぼのとした光景が湖の麓にて見受けられていたりする。
本当、みてて飽きないわよね♡
「とりあえず。簡単な説明会でもしましょ♡」
あたしの言葉をうけ。
こちらの世界のゼルガディスを含め、簡単な話し合いをすることに。
「……つまり、お前もレゾを倒したい……と」
こちらの世界のゼルガディスの説明をきき、
やはり、かつての自分と同じ思いなのか……
そう思いつつ苦笑するゼル。
「ああ。俺は言葉の意味を知らずに。……レゾに合成獣にされた……」
当時のことを思い出し、手を握り締めているゼルガディスに。
「まあ俺も一時期、レゾをかなり憎んでいたが…な。だがその意思は真実。レゾの意思でなかったというし……」
かつての自分とだぶらせつつも、レゾのことを思いだし言っているゼル。
そして、あのとき自我を取り戻したレゾからお詫びの言葉を聞いたとき。
やはり、『血の絆』というべきなのか。
以前ほどレゾを憎いとは思わなくなっていた。
というよりも。
なぜか、レゾに対しては哀れみの感情の方が強くなっているゼル。
「?どういうことだ?」
ゼルの言葉に、疑問を投げかけてくるゼルガディスに対して。
「ああ。それはね。レゾの中には、かつて情けないにも神魔戦争で分断された。
赤瞳の魔王なんて、
たいそうな名前でこの世界では呼ばれているSのやつが封印されているからよ」
さらりというあたしの言葉に。
『・・・・・・・・』
なぜか、しばし静寂が訪れる。
そして。
しばらくし。
「ちょっとまて!あれは、ただの伝説だろうが!」
一人、わめいていたりするゼルガディスの姿があったりするけど。
「……忘れてましたけど……これが普通の反応なんですよね……」
そんなゼルガディスをみて、しみじみ言っているアメリアに。
「……まあ俺達はリナがらみで……とんでもないやつばかりにあってきたからな……」
これまた、なぜかしみじみ言っているゼル。
「それより。こんなところで立ち話なんてしてないで。はやくここから立ち去りましょ?」
にこやかに、場の雰囲気を和やかにするような笑みを浮かべて言うユニットの言葉。
「それもそ~ね」
『へ?』
『うどわっ!?』
あたしの言葉と同時、何やら叫ぶ声を尻目に。
次の瞬間。
全員の姿はそこから掻き消え、二十キロ離れた地点にと、移動してゆく。
「な……何なんだぁ!?今のはぁぁ!?」
一人、今の些細なことに驚いて絶叫を上げているゼルガディス。
「……エルも出来るんだ……瞬間移動……」
姉であるルナのことを思い出し、しみじみいっているリナ。
「……そりゃ、普通は驚くよな……」
確か、自分も始めのころは、こいつと同じく混乱したものだが。
―――慣れとは恐ろしい。
今では、【リナだから】で済ませている自分がいるということに。
目の前で完全に驚き混乱している、自分よりも三歳年下である自分と同じ『ゼルガディス』をみつつ。
ゼルは溜息をついていたりするけども。
「でもよかったです!これでこちらのゼルガディスさんも、立派な正義の使者となったんですね!」
「……お゛い……」
「ああ!何て素敵なんでしょう!ゼルガディスさんが二人もいて。
そして、どちらのゼルガディスさんも正義の使者!これぞ、正義の星の導きです!」
一人盛り上がるアメリアに。
な……何なんだ……こいつは……
などと思いつつ、思わずたじろいでいるゼルガディス。
「……気にするな。いつものことだ」
「……あんた、よくこんな人達と旅をしてるな?」
そんなもう一人の自分の言葉に、思わず同情してしまうゼルガディス。
「それは聞き捨てなりません!いいでしょう!
今晩から枕元で、正義の心構えをみっちりと伝授させてさしあげます!」
「い……いや。それはかなり遠慮したいかと……」
アメリアの言葉に、思わず冷や汗かきつつ後退しているゼルガディスだけど。
そんなやり取りをみつつも。
「……そんなことよりも。今は魔王復活の阻止が大切なのではないですか?」
シルフィールの言葉に、ひたりとアメリアの説得の声が止まり。
「はっ!そうでした!はやくその搭とやらにいかないと、儀式が完了してしまいます!」
などと、ようやくそのことに気づいて叫んでいるアメリア。
アメリアってたまに目的見失うのよねぇ。
アメリアとナーガってこの辺りがよく似てるのよね。
ま、姉妹だしぇv
「……搭?搭とは『レゾの搭』……のことか?レゾが確か今活動の拠点にしている?」
そんなあたしたちの声をうけて、ゼルガディスが何やらつぶやいてるけど。
ゼルガディスの本心からすれば、どうにかして話題を変えたい…というのがあるようだけど。
「……ふっ。やはりそこまで同じか……」
そんなゼルガディスの言葉に苦笑して言っているゼルに。
そんなやり取りをききつつも。
「とりあえず。あたしとしては、お布団でぬくぬくと眠りたい……」
などと、まったく関係ないことを言っているリナ。
まあ、確かにそれも一理あるけどね。
そんなリナの言葉に。
『異議なしっ!』
アメリア、シルフィール、そしてガウリイの声が重なっていたりするけど。
『おいおいおい……』
そんな女性陣に、目を丸くしている二人のゼルガディス。
「なぁ?そういえば。ゼロス。お前はいいのか?あいつま復活を阻止することに参加しても?」
そんなガウリイの問いかけに。
「いやぁ、ここは僕達の世界じゃないですし♡はっはっはっ♡」
そこまでいって、ぴっと指を突き立てて。
「……それに。断ったりできるわけないじゃないですか……(汗)」
「それもそ~だな」
多少声を震わせて言い切るゼロスの言葉に、あっさりと納得していたりするガウリイ。
「あんた達ねぇ。どういう意味かしら♡」
なぜか、にっこりと詰め寄るあたしに対し、汗をだくだくと流しているガウリイとゼロス。
まったく……
ドスッ!
とりあえず、ガウリイはまあいいとしても。
ゼロスには、ガウリイの分まで上乗せしておくとして…っと♪
ガウリイにはこれから楽しませてもらうしね♡
とりあえず、ゼロスの本体である精神体をあちらの世界から切り離し、
さらには物質化している体を貫いておく。
「お……おい……(汗)……何でそいつ……血がでてないん……だ?」
なぜか、倒れたゼロスをみて声が震えているゼルガディス。
何かに貫かれて倒れたゼロスをみていっているけど。
血ぐらい具現化させるゆとりくらいもちなさいよねぇ。
まったく。
「……そ~いや。完全に忘れてたけど……自己紹介で、こいつ魔族とかいってたわね……」
そんなことをいいつつも、しみじみとゼロスを見ているリナ。
「……お゛い゛」
その言葉に、なぜか硬直しているゼルガディスの姿がしばらく見受けられていたりするけど。
この程度で硬直するようじゃ、まだまだね。
「とりあえず、宿にいきましょ♡」
倒れているゼロスをそのままに、あたし達は休むべく宿にとむかってゆく。
次の日。
なぜか疲れたような表情をしている、こちらの世界のゼルガディスとともに。
レゾが拠点にしているという搭に、向かうことにと全員一致で可決したあたし達一行。
とりあえず一晩ゆっくり宿で休み。
それから宿をでて、そのまま目的地に向けて進んでゆく。
進んでゆくことしばらく。
と。
ぴたり。
全員の足が止まり。
そして。
「んしょんしょんしょ……」
その気配を感じ、手近な木にそのまま登り始めているアメリア。
「……なあ、あいつは何をしているんだ?」
そんなアメリアを呆気に取られてみつつも、横にいるゼルにと問いかけているゼルガディス。
「……俺に聞くな。……見てればわかる……」
そんなもう一人の自分の言葉に、一言で答え。
「…はぁ~……」
などとため息をついているゼルだけど。
そしてまた。
「どうやら、お客さんのようね」
リナが茂みの方向を見つめつついい。
「ああ。そのようだな。」
いって、ガウリイもまた、普通の剣の刃を組み入れているゴルンノヴァを抜き放つ。
「まあ!いきなり急襲してくるなんて、あんまりですわ!」
ひとり言っているシルフィールに。
「……確か。彼……ルナさんとこで飼われてるスポットさん……ですよね?」
気配からそのことを察してぽつりと言っているゼロス。
くすっ。
「あら、ゼロスさん。まだここでは、彼はルナさんに拾われてないわよ?」
そんなゼロスに、にっこりといっているユニット。
そんなあたし達の会話に、
ふとちょっとした大きさの犬小屋にとつながれていた、ディルギアことスポットのことを思い出し、
「……ぶっ!」
思わず、思い出し笑いをしていたりするゼル。
あれは似合ってたな…などと思ってるけど。
ま、スポットだし♪
そんな会話の最中。
がさり、と茂みがゆれて出てくる影。
「決着を付けに来たぜ……ゼルガディスの旦那よ……」
などといいつつあたし達の目の前にと出てきているのは、
いうまでもなく、トロルと狼のハーフでもあるディルギア。
ちなみに、ゼルたちの世界…
つまりあたしが遊んでいる世界では、ルナに拾われてスポットなんて名前になっていたりするけども。
まだここのディルギアはルナに拾われてないし…ね♡
「ふっ。獣人風情がこの俺に構うとでも?」
そんなディルギアの言葉をうけて、挑発しているゼルガディス。
と。
「その心に悪を宿し!正義の道を見失った輩たちよ!
今こそ、その心に正義の炎を取り戻し、悪の道から改心するのです!」
いって。
「とぅ!!」
……べしゃ……
思いっきり木の頂上から飛び降り、そのまま、頭というか顔から着地しているアメリア。
『・・・・・・・・』
そんなアメリアの姿をみて、なぜかしばし、
どう対応していいのか分からないディルギアたちは凍り付いていたりするけど。
「やれやれ……」
いいつつ。
かるくため息をつき、つかつかつかと地面にのめりこんでいるアメリアに近づいてゆき、
ずぼっ!
地面にめり込んでいるアメリアを慣れた手つきで引っ張りあげているゼル。
「あ、ありがとうございます!ゼルガディスさん!」
そんなゼルに一応お礼をいい。
「さあ!今すぐに改心なさい!」
ぴしぃ!
何ごともなかったかのように、ディルギアにと指を突きつけて言っているアメリア。
「……なあ?何なんだ?あの子は?ゼルガディス?」
そんなアメリアの様子をみてあきれつつ、ゼルガディスに聞いているディルギア。
「……俺に聞くな……」
ひゅぅぅぅ……
なぜか。
ディルギアとゼルガディスの心の中に、風が吹き抜けてゆく。
そんなやり取りをみつつも、
「まったく……こんな所で、時間をつぶしている暇はないんですよね?」
にっこりといって錫杖を掲げ、
そして。
「四界の闇を統べる王 汝の欠片の縁に従い 我に更なる力を与えよ」
カオスワーズを紡ぎだすゼロスの姿。
一応異世界とはいえ、発動するにはするからねぇ。
自分の力が、本来よりも制限されているのに気付いているゼロス。
本当、Sよりも有能よねぇ。
あたしが以前力を向上させている…という経緯があるにしてもv
そして呪文を唱えはじめていたりする。
ゼロスは別に呪文…というか混沌の言語はいらないのにねぇ。
ふふ。
「な゛…その呪文は!?」
ゼロスの呪文の意味を悟り、何やらあわててその場を逃げ出そうとしているディルギア。
だがしかし、その刹那。
「暴爆呪!!!」
チュドドドドドドドォォォォォン・・・・・
ゼロスの放った無数の炎の光弾は、辺りの地面を煮沸させ。
そしてまた、そこにいたトロルたちなども含め、全て塵と成り果てていたりする。
「さ。いきましょうか♡」
こんな雑魚程度でエル様の手を煩わすわけにもいきませんし……
などと内心思いつつ、にこやかに言ってくるゼロスに対し、
「・・・・・・」
なぜか一人、絶句しているこちらの世界のゼルガディスと。
「ねえねえ!だからそれ売って!」
―ごげっ!
今だにあきらめていないリナがゼロスにといっていたりする。
というか、リナにはカオスストーンを渡してるのにね♡
ともあれ、未だにあきらめていないリナは、
次の村にたどり着くまで根気よく、ゼロスに対して交渉を続けていたりするけども。
ほんっと、こっちのリナも面白いわv
「……まさか、暴爆呪を使えるとは……」
報告をうけ、その場に佇む一人の男性。
そして。
「ふむ。……まあいいでしょう。裏切った代償は、高くつく……と、教えてあげないとね」
うなづきつぶやきながらも、
立体映像にしか他ならなかったその姿は、その場から掻き消える。
本人は搭の中心において、その場から水晶で様子を眺めているのだけども。
映像を切り、そのままマントをなびかせて地下の魔法陣にと進んでゆく。
こちらの世界のゼルガディスからレゾの事を聞き。
「そんな理由で、魔王を復活させようだなんて間違っています!」
「そうですわ。目を開く為だからといって、いくらなんでも魔王を復活させるなんて……」
一人、張り切っているアメリアに、顔色もわるくつぶやくシルフィール。
「まあ、どうせここの世界のレゾも。まさか自分の中にSがいるとは思ってないんでしょ」
事実その通りなんだけど。
「多分、私達の世界同様に搭の地下の魔法陣で封じられている。とでも思っているんでしょうし♡」
あたしの言葉に続けているユニット。
まあ事実、その通りなんだけどね♡
とりあえず。
なぜか。
リナを救助した次の日。
かなり怯えている様子のゼルガディスが面白いといえば面白かったけど。
ここの世界も面白いことになりそうよねv
-続くー
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あとがき:
薫:・・完全に前半・・無印五話のまま・・(まて!)
というわけで。この回で。六話までいってます。
はは(こらまてぃ!)
次回。七話。光の剣v
しかぁし!
ダブルリナと、シルフィール。そして、アメリアとガウリイ。
しかも、ダブルゼルガディス(爆!)
このメンバーで・・さて・どうなる?(自分がかいているんだろーが!)
エル:・・・・私が活躍してないわねぇ・・・。
姫:・・私もね・・・。
薫:・・ひぎゃ!?そ・・・それでは!!!!
エル&姫:あ、待ちなさい!折角の休日なのに何打ち込みサボってるのよぉぉぉ!!
ドドドォォォン・・・・・。
辺りに黒い深遠が広がってゆく・・・・・。
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