まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわ♪
次回再放送は五話らしいからv
それまでは一気に頑張るぞ!(まて!)
んではでは♪
##################################### スレイヤーズ・フォーエバー 第4話 ~赤法師~
カタン……
グザッ!
バサッ!
しんと静まり返った宿にと響き渡るちょっとした音。
「いない!?」
宿屋の一室に深夜忍び込んでくる人影数名。
そのまま、彼らはベットに剣を突き立てるが、ベットの中はもぬけの殻。
というか、隠れてるのに気づいてもないし…
「んっふふ♪」
スタン、と扉の上に隠れていたリナがそのまま床にと降り立ち。
そして。
「はぁぃvこっちよv」
いいつつ。
ポウ……
その手に光の球を作り出し、部屋の中にと放り込みそのまま扉をバタンと閉める。
と。
ドグォォォォォン!
盛大に音が響き渡る。
ちょっと威力をかなり低下させ、被害を部屋の中だけにと止めているようだけども。
ぞろぞろぞろ……
そんな平和な宿の中、ぞろぞろと入り込んでくる、バーサーカーやトロル達。
「乙女の寝込みを襲うとは、言語道断です!」
いいつつ。
ぼぎっ!
どごっ!
素手でそれらをなぎ倒していっているアメリアに。
「リナ!」
キィィィン!
リナの後ろから襲い掛かろうとした男性の剣を止めているガウリイ。
「……ロディマス……か」
ゼルも同じく部屋から出てくるが。
「……な゛!?」
ゼルガディスの姿に驚いて、一瞬呆気にとられているロディマス。
……本当に瓜二つ……というか……ゼルガディス殿と声まで同じ?
でもこっちの方のゼルガディス殿は…歳が上のような感じが……
そんなことを思いつつも、すぐに頭を切り替えて作戦に忠実に従ってゆくロディマスの姿が、
深夜の宿の一角においてしばし見受けられていたりする。
「リナには手出しはさせん!」
キィン!
一瞬でロディマスのもっている、バトルアックスを弾き飛ばしていたりするガウリイ。
「くっ!」
ジィィン……
腕がしびれて、しばらくその場に佇むロディマス。
そんな些細な攻防をしていると。
刹那。
シャラァァン……
鈴の音が響き渡り、ロディマスや刺客達の目がトロンと成り果てる。
そして。
「……退きなさい」
低い声が周囲に響き、その声に応じるかのように、ぞろぞろと出口にと向かって退出してゆく彼等達。
「え?」
「一体…何が?」
アメリアが呆気にとられつつ、シルフィールとアメリアがそちらを振り向くと。
そこにたたずむ一つの影。
「――ちょっとした術をね」
などと答えているのは……
「どちらに非があるかは、別の話として。真夜中に騒ぐのは、他の客に迷惑ですよ」
そこには一人の僧侶がそこにいたりする。
一応、外見は慈愛の漂う白い顔。
年齢は、見た目では二十歳そこそこなのだが、実は、実際は百数十年を超えている。
特筆すべきなのは、僧侶の服装が、全て赤い色で統一されている。
血に染まったような色の服を着ているのだけど。
というか、今着ているのは、本当に血で染めてるやつらしいけど……
まあどうでもいいことは置いといて。
「……な゛!?レゾ!!?」
その姿を認め、驚愕の声を上げるゼル。
「……?おや。あなたは、あのゼルガディスと同じ姿なのですね」
……どういうことだ?
しかし……この魔力パターンはこの私がかけているものとまったく同じだが……
しかし……どうしてここにゼルガディスが?
疑問がりつつも、その魔力の痕跡パターンと心の目で周りを見ているレゾ。
「ああっ!こちらの世界の赤法師さんですね!ちょうどいいです!ゼルガディスさんを元の姿に戻してください!」
ごげっ!
いきなり交渉しているアメリアに、思わずこけているゼル。
「え…ええと?その貴女たち……は?いやぁ、何やら騒がしいので出てきたのですが……」
とりあえず、平静を装って声をかけてきた女性…つまり、アメリアに穏やかに語りかける。
そして、出て行ったロディマスたちをみつつ。
「……どうやら、あなたたちからは敵意を感じませんけど……
あの者たちは、どうやらゼルガディスの手のもののようですね」
そういって、出口の方を見ているレゾ。
見ているといっても、その目は開かないので心の目で見ているようなものであるのだが。
それと、精神世界を通しての視点で。
「ふっ……ここまで同じなのか……いっとくがレゾ。俺達にはあんたのくだらない芝居なんて通じないぞ?
……いっといてやる。俺達は、あんたも知っているだろうが。『平行世界』の人間だ。
……あんたが今やろうとしていることも。すでに俺達は経験している」
いいつつも、警戒を解かずにレゾを睨みつけているゼル。
「ほぉ。何のことでしょうか?それより。パラレルワールド……とは。これまた懐かしい響きですねぇ。
冗談にしても面白いですね。あはは」
にこにこというレゾに対して。
「それか……冗談じゃないんですの。レゾ殿…ですよね?
わたくしたち、シャザード=グランディが作った鏡のせいでこちらの世界に迷い込んでしまいまして」
丁寧に説明していたりするシルフィール。
「ほう。すると、あながち嘘…という訳ではないようですね。しかし、私はあのゼルガディスを追っている身ですので。
彼等は、とある品物を使って魔王を復活させようとたくらんでいるのです。
そして、世界を混沌に陥れようとしているんです。わたしは、何としてもそれを阻止せねば」
「それは、あんただろうが!!」
そんなレゾの言葉に、思わず怒鳴っているゼル。
そんなゼルに対して小さく何やら呪文を唱えるレゾ。
「……ぐっ!」
いきなり声が出なくなり喉を押さえているゼル。
レゾによって、合成獣にされているゼル。
世界が違えども。
その影響というか、魔力パターンは同じであるからして、思いっきり影響を受けたりするの葉当たり前。
「まあ魔王とかはどうでもいいとして。…リナに危害を加えるつもりなら。オレは手加減しないぞ?」
いいつつ、レゾに対して殺気を飛ばしているガウリイ。
「嘘でとりつくろっても無駄よ。レゾ。
あなたが何をしようとしているのかあたし達にはわかってるし。このリナにももう話してあるから」
レゾの見えない目にあたしの姿が映りこむ。
なぜか一瞬、彼の脳裏に金色の残滓が映りこみ。
内部のSのやつの影響で、レゾ自身も何やらびくりとしていたりもするけども。
それも一瞬のこと。
「それより、どうして魔王の力なんて頼ろうとするですか!!あの、聖者とも評されるあの赤法師レゾが!?」
アメリアの問いかけに。
シャラァン。
「何のことか私にはさっぱり。まあ、いいでしょう。これ以上話していても、どうやら無駄のようですしね。
でも覚えておいてください?あなた方が、魔王復活の鍵となる品物を手にしている限り。
……これからも不幸は訪れると思いますよ?」
いって。
ふと。
リナの部屋に、小さな光の球を放り込む。
刹那。
リナの呪文……
火炎球が炸裂していた部屋の内部は、元の状況にと再生されてゆく。
ゼルガディスから状況を報告されていなかったレゾは。
とりあえず言葉をにごしつつ、そしてこの場を深夜だというのに立ち去ってゆく。
次の朝。
「まったく!信じられません!」
ぶつぶついいながらサンドイッチをほおばっているアメリア。
賢者と名高い赤法師レゾがやはり今回の黒幕だと分かったアメリアは、
なぜかやけ食いがてらに食事を大目に食べていたりするけども。
「まあそういうな。…『同じ歴史が流れている』というのが正確に把握できただけでも手の打ちようがある」
いって。
「以前は、リナがいきなりレゾの搭にと俺達を運んで。一気に決着ついたがな……」
ふと当時を思い出してしみじみいっているゼル。
「……魔王シャブラニグドゥ……か。かつての神魔戦争においてその身を七つに分断され。
千年前の降魔戦争において。そのうちの一つが復活し、水竜王を滅ぼして。
そして、自らも水竜王の氷の封印に、閉ざされているという……そのうちの、七つの欠片の一つの……鍵……」
そんなことをいいつつも、女神像をしみじみとみているリナ。
「……鍵というか。そもそもレゾの中に封印されているらしいしな。……俺達の世界と同じだとすれば」
なぜか顔色が悪いゼルに。
「復活を絶対に阻止しないと!」
何やら一人、張り切っているアメリア。
「そうですわ。あの虚無の端末を引き込む術。リナさん達にあれを使われる前に何とか手を打たないと。」
そんなことを言っているシルフィール。
「……まあ、確かに、あれは。
魔王の中の魔王、金色の魔王の力を使った呪文だけど……不完全版だけど。」
さらりというリナの言葉に。
ばったぁん!
なぜか白目をむいて気絶しているゼロス。
「あらリナさん。もしかして、もしかしなくても。まだ金色の王に関する知識。
ディルスで聞いた不完全な写本の内容のままで勘違いしているようですね」
そんなリナの言葉ににっこりと、ハーブティーを口に含みつつそんなことをいっているユニット。
「じゃぁ、ついでだし。ここには全員いることだし。説明するとしますかv」
いって。
パチンv
指を鳴らす。
その刹那、彼らから視れば周りの景色が一辺する。
というか…彼等の脳に直接に映像をつなげているだけなんだけど。
漆黒の暗い暗い空間に足元もなく、漂うリナ達。
そして。
光とともに。
星が消え去る様子が、視界の先で繰り広げられてゆく。
そんな光景が一瞬の間、全員にと視えてゆく。
「い…今のは?」
リナの問いかけと。
「……今のって……」
顔色が悪いシルフィールに。
「……ねぇ。ゼルガディスさん……今のって……」
「……ああ。異界黙示録に触れたときと同じやつ…だな」
なぜか、顔色がわるいアメリアとゼル。
「リナが聞いた写本の内容は。『混沌の海におとされた、魔王の中の魔王』でしょうけど。
まったく。何処をどう解釈したら、そうなるのかしらねぇ」
しみじみいうユニットに対して。
「まあ、噂とかっていうものはそんなものよ」
面白いことに。
噂とかは、まったく違うものにと発展して、伝わっていったりするし。
伝説に関してもそう。
すすっと、紅茶をすすりつつ。
「どちらかというとね。
『―全ての闇の母 在りし日の姿に還る日を夢見続けるもの
闇よりもなお昏き存在 夜よりもなお深き存在 混沌の海
すべての混沌を創りし存在 生み出せし存在―』なんだけど……
なぜか。誰もまともに理解できていないのよね……」
なぜか。
あたし達のことを正確に理解している存在は、はっきりいってかなり少なかったりするのが現状。
「ついでにいえば、混じることなき純粋なる意思にして純粋なる力でもあるけどね」
追加説明していたりするユニット。
つまりは、【あたし達の力を借りる=あたし達を召喚する。】ということとほぼ等しい。
というかその通りだし。
さらにいうならば、【あたし達が具現するか、否か】という違いのみ。
「ああああ!!エル様ぁぁぁ!!!!人間にそんな知識を与えないでくださぃぃい!!!」
なぜか悲鳴を上げていたりするゼロスだけど。
「あら。別にい~じゃないのよ」
「そうそう、誰でも使えるわけでもないし。理解してても使えるとは限らないし」
「基本が、純粋な意思を好むからねぇ」
どうってことない会話をしているあたしとユニットの言葉に。
なぜか、しばし沈黙する、ゼル、アメリア、シルフィールの三人。
「……一体……リナさんって?」
その問いかけに。
「あらvあたしは、あたしに決まってるでしょv」
それで済ましておくあたし。
う~ん……
ってことは……げっ……
あ……あたし、そんなとんでもない呪文……使ってたんだ?
今のあたしの説明によって、正確な正体を掴み、何やら内心冷や汗を流しているリナだけど。
「あ゛……あ゛あ゛あ゛ぁ……」
なぜか頭を抱えてうずくまるゼロス。
そんなほのぼのとした風景が、宿の一階の食堂で見受けられていたりする。
そんな会話を楽しみつつも、朝食をとることしばらく。
そして、
「…あ、そうそう。皆にいっておくけど……あたし、ここ2、3日。……魔法使えなくなるから……」
そう、最後にぽつりといっているリナ。
「?リナさん?あの日ですか?」
「う……そう。」
シルフィールの問いかけに真っ赤になって、うなづいているリナ。
「ああ、大丈夫よ。カオス・ストーン、使いなさいな。リナ。
竜破斬程度なら、簡単にできるから。それで」
何やらいってくるリナに対してとりあえず説明するあたしに対し。
「ええええ!?本当!?ってゆ~か……そ~いや、これ……
……混沌の力が含まれてるとかいってたけど…言葉のあや…じゃないわよね?」
リナの質問に。
「簡単に言ってみれば。混沌の一部を石の形に結晶化しただけものだから。
そうね。大概、それで全て何でもどうにかなるわよ」
あたしの説明に。
「おっしゃぁぁ!それで勇気がでた!」
呪文が使えなくなり、さらには敵に狙われるは…
などと思いをめぐらし、それでちょっと考えていたリナだけど。
あたしの言葉に安心して、ガッツポーズをとっていたりする。
「でも、大きな力を使うと……その見返りって…あるんじゃないですか?」
最もな意見を言ってくるアメリア。
「まあ、あるわよ」
さらりというあたしに。
「……ちょっとまてぃ!何よ!その見返りっていうのはぁ!」
なぜか悲鳴を上げているリナ。
「あら。たいしたことじゃないから。大丈夫だって」
にっこりと微笑むユニット。
「そうそう。あたし達ですら力を使っても何も起こらないんだからv」
当然だけどねv
まあ、見返りは……そりゃ、もちろんv
当然、あたしを楽しませることv
なんて、言えるわけないからねv
ふふv
「……ま…まあ。あまり、大きくは使わないようにするわ……」
もし、何かあって、姉ちゃんに……ばれたら……怖いし……
ぶるっ!
そう思い、一瞬身震いしていたりするリナの姿。
「しかし……まあ、リナの正体は……今だに疑問は残るが………多分、金色の王に関係あるんだろうがな……
とりあえず、レゾが儀式を整えるまでに……召喚、を阻止するぞ」
話がまとまりそうにないので、なぜか無理やりにとまとめているゼル。
「そうですね。魔王が復活したら洒落になりませんしね」
言っているシルフィールに。
「でも、何となくですけど……リナさんがいるから…どうにかなるような気もしますけど……」
ちらりと、あたしとユニットをみているアメリア。
「あら?ここは、あたし達の世界でないから。あまり手出しはしないわよ」
「そうそう。下手に何かすると。それで歪みが発生して。逆に大事になる可能性もあるからねぇ」
にっこりと、あたしとユニットは交互に同時に答えておく。
まあ、嘘ではないしねv
昼下がり。
とりとめもなく、静かに、進んでいるあたし達一行。
……ぴたり。
「ん?リナ?どうかしたのか?」
ふと足を止めたリナに、声をかけているガウリイ。
その直後。
……ブルブル…わなわなわな……
リナの体がカタカタと震え、そして真っ青になってゆき。
そして。
「い……いやぁぁぁ!!!!竜破斬ぅぅ!」
どっごぉぉぉんんん!!!
いきなり、目の前に向かって竜破斬を解き放つ。
「お…おい!?リナ!?」
「リナ!?どうかしたんですか?」
声をかけるゼルとアメリアとは裏腹に。
「いやぁぁぁぁ!!」
真っ青になり、震えながらすごい勢いで走ってゆくリナの姿があったりするし。
「お…おい!?リナ!?」
ガウリイが、そんなリナをあわてて追いかけてゆくが、しばらくして見失っていたりするけども。
というか、あたしが見失わさせたんだけどねv
「……?こちらの世界のリナさん、どうかしたんでしょうか?」
シルフィールの問いに。
「ああ。あれが原因よ」
いって。
ユニットが、とある一点を指差す。
「?そこには、ただ茂みがあるだけですけど?」
首をかしげているゼロス。
「だから、それ」
『??』
全員が、なぜか首をかしげていたりする。
「だからぁ。それよ。それ。なめくじv」
にっこり。
そういうユニットに。
『……は!?』
なぜか。
ゼル、アメリア、シルフィールの目が点となる。
「ここの、リナって……ナメクジが苦手なのよねぇ。」
あたしの台詞に。
か…かわいいかも……
ふと、そんなことを思っている彼等だけど。
えぐ…えぐ……
「父ちゃん、姉ちゃん…母ちゃん……リナちゃんいいこにしてるからぁ……
……えぐえぐ……あれ、どこかにやってぇ……」
光速呪文でしばしその場から離れていき。
着陸した地点で、幼児化して泣いているリナ。
がさり。
「・・・・・」
しかけようとしていた相手が目の前で、
なぜか一人で泣きじゃくっていたりするのを目にし、思わず目が点になる。
「えぐ……えぐっ!ああん!もう、リナ、家に帰るぅ!いやぁぁ!」
ぺたん、と座り込み。
なぜか泣いているリナの姿をみて、ゼルガディスは思わず唖然とする。
――ゼルガディス。
そんなゼルガディスの脳裏にレゾの声が響き。
がさり。
泣きじゃくるリナの側にと近づいてゆく。
「い……いやぁぁ!おいかけてきたぁ!」
どっごぉん!
無差別に攻撃呪文を叩き込んでいるリナ。
――トス。
「……へ?」
くらり。
首筋に一つ軽い衝撃をうけ。
……ぐたっ。
そのままその場に気絶してゆく。
「……他のやつらはどうしたんだ?……ま、いいか。とりあえず任務は完了」
いいつつ。
ひょいと、気絶したリナを抱え、空に向かって明かりを打ち出してゆく。
「お~い。リナァ!?」
何か、胸騒ぎがするんだが……
等と思いつつ、とりあえずリナの気配を追って捜しているガウリイ。
と。
空に輝く光の球。
「ガウリイ、リナはいたか?」
ゼルが、リナを捜しているガウリイにと追いついてくる。
当然、あたし達も一緒なのだけど。
「…あれは……」
ガウリイが、空に輝く、光の球をみつつ険しい表情になる。
「……もしかして……もしかしなくてもリナのやつ……掴まったかもな……」
淡々というゼルに対して。
「ゼルガディスぅ……もしリナに何かあったら殺すぞ?……何か知っているよな?」
殺気を思いっきり向けて、゜けむおなんゼルに剣を突きつけているガウリイ。
「ま…まて!!いや、どこに連れて行かれたかは分かるから!
たぶんここまで同じだとすれば、俺達が隠れ家にしていたとある遺跡だ!」
汗をだくだくと流しつつ、あわてて答えているゼル。
「ええええ!?ここのゼルガディスさんって、誘拐までするんですか!?
やはりここは、正義の説得で正しい道を指し示すべきです!」
そういっているアメリア。
「でも、あのリナさんが、よく。すんなりと掴まりましたわねぇ」
そんなことを言っているシルフィール。
「まあ、ナメクジのせいで。思考が幼児化されていたところでも。襲われたんでしょう」
事実、その通りなんだけど。
とりあえず、推測のようにと話すあたし。
「こうしては、いられません!早く、リナを助け出さないと!」
張り切るアメリア。
「ふふ。ゼル。リナに何かあったら…わかってるよな?」
目が笑っていないガウリイ。
「……が……ガウリイ……お前人格変わってるぞ……(汗)」
剣を突きつけられたまま、だらだらと汗をかくしかないゼル。
「それより、ガウリイ様?このゼルガディスさんをせめても……
リナさんを誘拐したのは、ここの世界のゼルガディスさんですよ?」
突っ込んでいるシルフィール。
……突っ込むところが違うんじゃ……
などと思い、何やら突っ込むところが違うような気がしているゼロス。
「とにかく!早く、リナを助け出さないと!」
リナにもしものことがあったらどうする!
などと、何やら一人焦って叫んでいるガウリイ。
「……う~ん。ご馳走様♡」
そんなガウリイのあせりの負の感情を喰らい、のほほんといっているゼロス。
「とりあえず。その遺跡に向かいましょ」
さらりと受け流しているユニット。
「まあ、あたしが神像をもってるしね」
あたしが今あれ、もってるのよねぇ。
にっこりいいつつもひらひらと女神像を取り出してかるくほうる。
さって、楽しくなってきたわね。
「……ん……あり?」
目が覚めると、なぜか両手を縄で縛られて宙吊りとなっていたりする。
リナは一瞬状況が理解できていないようだけど。
「んふふ……またあったな、小娘……」
等といいつつ、リナの前に出現する包帯男。
「ふん」
そんなゾルフの言葉をそっぽをむき、無視しているリナ。
そっか…あたし、つかまっちゃったんだ。
などと思っているようだけど。
そんなリナの前に、ついっと一歩前に出て、
「少し聞くが。ちょっと前から、女神像の探査ができなくなっているのはどういうわけだ?」
魔力パターンの探索でも女神像の位置…
即ち、あたし達の行動を捕らえられなくなっていたのを疑問に思い、何やらリナに問いかけているゼルガディス。
「ふん。あれには、プロテクトをかけておいたのよ」
そんなゼルガディスの言葉に、あっさりと答えているリナだけど。
「ほう。貴様、そんな魔法も使えるのか」
そんなリナの言葉に、感心しているゼルガディス。
「それにしちゃ、ずいぶんとあっさり掴まったな」
鼻で笑っているゾルフ。
「そ~いや、あまり派手な呪文もなかったが……」
いいかけて、ぽんと一つ手を打ち。
少し照れながら。
「……そ~か……あの日か。」
「ほっとけぃぃぃぃ!!!//」
ゼルガディスの言葉に、真っ赤になって抗議しているリナ。
「しっかし…どうします?この小娘、例の品物をもってませんぜ?」
狼とトロルのハーフでもある、ディルギアが、そうゼルガディスに向かっていってるけど。
「ん?まてよ。こいつ女だ。とすると、隠す場所は他にもあるな。
でもまあ、そんなわけないか。そんなものを入れたら。避けちまうわな。わははは!」
一人、笑っているゾルフに。
……カチン。
「三流」
……ブ。
『ぶわっははははは!!!!』
リナの言った台詞に。
その場にいた、ゾルフ以外の全員がおなかを抱えて笑い出す。
「……お……お前、いくら、本当のことだといっても。それはひどいぞ?」
そういっている半魚人ヌンサ。
「な……何!?どこが三流だってぇ!?」
怒りで真っ赤になるゾルフに。
「ふん。明かりと、火炎球の区別もつかないような魔道士。だから、三流っていったのよ」
つるされたまま言い放つリナ。
「……な…何!?あれは、火炎球じゃなかったのか!?」
「ふん。そんな落ちこぼれの魔道士に、何を言われても、答えないわよ。」
「くっ!減らず口を叩き追って!」
鼻で笑うリナの台詞に、何やらリナの口に綿を詰め込み。
「……チビ」
……ピク。
「胸なし」
んんんんんんんんんっっっっ!!!!
必死でゾルフをぶちのめそうと、足をばたつかせるリナ。
「ふはははは!もっといってやる!」
口が聞けないリナに。
散々に、思いつく限りの悪口をいっているゾルフ。
「……子供の喧嘩だな……」
そんな光景をみて、あきれて溜息をつくゼルガディス。
さんざん悪口というか、小さな子供がいうような一方的に言い尽くしたあと。
そして。
向きをかえて。
「ヌンサ、この娘にキスしろ」
ぷはっ!
「じ・・冗談でしょぅ!?」
よくやく、口の中の綿を吐き出したリナはその言葉をきき、じたばたとし始める。
自分では、スマートと思っている足を出しつつ軽くポーズをつけ。
「ルン♪分かった。お前、運がいい。一族の中でも、ハンサムな俺とキスできる」
いって。
リナにと向かってゆく、半魚人のヌンサ。
「よ……よせぃ!つうかやめてぇぇ!」
じたばたするが、吊るされているリナは、どうにもできない。
こういうときにアレつかえば一番いいのにねぇ。
吊るされてる状態でも呪文って唱えられるのにv
「ん~v」
ヌンサの顔が近づいてゆき。
そして、次の瞬間。
ぷちゅっ…という音とともに、リナの頭はすっぽりとヌンサの中にと納まっていたりする。
それはキス、というか食べてる…ともいえるわねv
「う……うぇぇぇ……気持ちわるぃ……」
ぬるぬるした液体に絡まれて、リナがそんなことをもらしていたりするが。
「ふはは!どうだ!これぞ、恐怖の尋問だ!」
等と、それをみて言い放つゾルフに対して。
「……四流悪党」
「な……なにぃぃ!?」
面白いまでに叫んでいるゾルフ。
ぎゃいぎゃいぎゃい……
そんな、リナとゾルフのやり取りは、しばらくの間続いてゆく。
ほんっと、このゾルフって三流以下としかいいようないわよねぇ~。
「……も、好きにしろ。俺は対策を考える。こいつがあれを持っていないとなると。次の手が必要だ」
そんなゾルフをみてあきれつつ、その場を離れてゆくゼルガディスの姿がそこにあったりするけど。
ま、ゾルフには何を言っても無駄だってばv
「……で?何かまだ用か?」
ゼルがその場を離れてもついてきているディルギア。
そんなディルギアにと問いかけているゼルガディス。
「いやぁ、何。見張りをちょっとね」
問いかけに、にやにやかにいうディルギアに。
「人質はあっちだろうが」
リナと今だに言い合いをつづけているゾルフがいる方向を目で指すゼルガディス。
「いや、俺が見張っているのは。あんただよ。ゼルガディスの旦那」
「……何!?」
その言葉にゼルガディスの目が見開かれてゆく。
「まだつかないのか?……もしリナに何かあったら……本気で殺すからな」
「……ま…まあ、大丈夫さ。それにほら。こっちのリナとユニットちゃんから貰っている何とかという石もあるんだし」
ガウリイの殺気に冷や汗かきつつ。
かつて。
自分達が、隠れ家にしていた遺跡にと向かっているゼル。
「そういえば。リナさん、ユニットちゃん。空間移動というか、瞬間移動。できないんですか?」
ふとあたしにと聞いてくるアメリアだけど。
「だって、その場所、詳しく知らないからv」
嘘でもないけど、真実でもない。
そんなあたしの言葉に。
「まあまあ。そんなに、あまりここの歴史を変えるようなこと、しなくてもいいじゃない。歪みが大きくなったら面倒よ?」
にっこりといっているユニット。
「その『歪み』というのは、何ですの?」
そんなユニットの言葉に、疑問に思い問いかけているシルフィール。
「簡単なところだと。本来ならまだ死んだりしない存在がいきなり消滅したりとか」
「滅ぶはずでない、国が消滅したりとか。」
「あと、些細なところで。休火山が噴火したりとか。まあその程度かしらねぇ。歪みが起こるっていっても」
交互にいうあたしとユニットの言葉に。
なぜか。
『十分に大したことです』
「……十分すぎるぞ……それ……(汗)」
なぜかきっちりと。
アメリアとシルフィール。
そして、ゼルの声が一致しているし。
些細なことでしょうにねv
ほうほうほう……
梟の声が響く中。
吊るされたままで爆睡しているリナ。
まあ、この辺りはルナの特訓でリナは慣れてるからねぇ。
ぷちり。
何かが切れる音とともに、ふと体が軽くなる。
どさ。
「……何?」
人の気配と、そして束縛されていた手が自由になったことを感じリナが目を覚ますと。
「お前の荷物だ」
見ると目の前に、自分の荷物が置かれている。
「何?何かの作戦?」
「逃げるぞ。急げ!」
リナの問いかけより早く、ゼルガディスが促す。
「あら、逃がしてくれるんだ。どういう風の吹き回し?」
リナの質問に。
「風向きが変わったんだ!いそぐぞ!」
「あ……まってよ!」
そんなやり取りをしつつも、ふたりでその場を抜け出してゆく。
シャラァァン……
「……やはり裏切りましたね……ゼルガディス……」
これは予想していたこと。
まあ予想と違い。
どうやら、変わった客人も巻き込まれているようですけど。
ゼルガディスが裏切るのは以前から分かっていたこと。
そして。
あの、ここにいるべきでない人の中にゼルガディスの姿を見たときに。
確実に確信が持てていたこと。
いや……それはもうずっと以前から判っていたこと。
そんなことを思いつつ、
「……逃げられるとは……彼とて思わないでしょうけどね」
闇の中。
紅い衣を身にまとい。
一人、水晶を覗き込んでいるレゾ。
その手にもっている杖についている飾りが、シャランと音を鳴らしてゆく。
「……ヌンサ。聞こえますか?」
いって。
精神世界を通じて、コンタクトを取っているレゾの姿が見受けられているけど。
未だにレゾはあたしのことに気づいてないようだしねぇ。
まったく……
-続くー
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###################################
あとがき:
薫:捕らわれリナちゃんv原因は・・ナメクジでしたv(まて!)
さて。今回は、四話と五話の混合でしたv無印版のv
次回。焼き魚ヌンサv(まて!)
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