まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

こんにちわv
今回は、スレイヤーズスペシャル二巻、ザ・チャイルド。まあ、何はともあれ、いくのですv

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    エル様漫遊記・番外編  ~ザ・チャイルド編~


「以上であたし、リナ=インバースの講義を終わらせてもらいます。」
そう言い放ち目の前に座っている人々を見渡す。
それとともに。
わっ!
などという声とざわめきの声。
なぜかわたわたしている人々の声があふれかえる。
 
ある町の魔道士協会。
たしかゼフィーリアの魔道士がここに勤めているとおもいつつ。
ちょっと暇でもあったことからたずねてみれば、
そこに居合わせたここの魔道士協会評議長に魔道士見習い達のための講習会を依頼されたこのあたし。
ま、暇だったということもあり、その依頼を受けた理由は少し。
まあ別に一緒に旅というかくっついてきているナーガはまあ面白いからよしとして。
いかんせん、一応人間やっていればそれなりの代謝機能、というのも、あたしは当然この体に持たせている。
まあそれは簡単にコントロール可能というか別にあってもなくても関係ないもの程度だけど。
照りつける太陽の元、のんびりと旅をしてゆくのも悪くはないけど。
まあ見習い達にこの世界の仕組みを教えておくのも悪くはない。
というか、今のこの世界の常識というか知られている知識は…間違いすぎてるからねぇ。
そんな理由もあってあたしは今回のこの一件を引き受けたのだけども。
まあそれですずめの涙ほどではあるけどお金が手にはいる、というのもまあ面白いし。
まあ手っ取り早く盗賊たちを退治してその戸惑いの感情とかで遊ぶほうが面白いには違いはないけど。
一応それなりの町の協会であるがゆえに冷暖房は整っていたりする。
どうでもいいけど、もうすこし能率のいい冷房とか暖房の仕方、あるでしょうに。
ちなみに今あたしがいるこの部屋には、
常に弱冷機の魔法がかれられいて一応温度的には二十度前後に保たれていたりする。
まあ、とりあえず今回のこの魔道士を志す人たちにこの五日間。
講義をつづけ。
今日、五日目のこの日。
五日間の日程を今あたしは終えたばかり。

一般にはこの初心者への魔道講習、というのは難しい、となぜかいわれていたりする。
あたしとしてはいきなり術が使いこなせるようになったほうが面白いとおもうのだけど。
まあ、それだとそれを悪用したりする人物が出かねない。という協会側の配慮などもあり。
そして論理的な面だけをといてもそれはそれでやはり面白くはない。
この五日間。
あたしはこの世界で通説とされている説の真実を彼らに教えていたのだけども。
―実践形式で。
たとえば部屋そのものをいきなり宇宙空間にしてみて、というか彼らの魂を抜き放って。
いきなり星の外に投げ出しておいてから、自力で戻ってくるような話をしてみたり。
あとはまあ、あまり最近活躍してない部下たちをいきなり呼び出して。
それぞれの世界に関する話を彼らに聞かせてみたり。
なぜかあたしの姿をみて彼らは驚いてたけど。
まあなぜかおびえる様子をみせた部下たちにはその場で制裁…もといお仕置きを加えたからまあよしとして。
これからちょっと面白いことをしてくれる、部下Dたちは呼びつけなかったけど。
というかこの隣接している世界、四つの部下たちは呼ばなかったのよね。
ばれたらそれはそれで面白くないから。
呼びつけた彼らには当然しっかりと口止めはしておいたけど。
まあそんなこんなで五日間。
無事にあたしに与えられた日程である五日間をこの日あたしは終了させ。
なぜかベテランの魔道士たちまで目を見開いて、何やら口論始めていたりする光景をはためにみつつ。
のままあたしは魔道士協会の建物を後にしてゆく。

「あ、みつけた!お姉さん!」
そんな声がしたきたのは。
あたしとナーガが下町の食堂にて昼食をとっているそんな時。
まああたしとナーガが歩いていて声をかけられるのは日常茶飯事。
まあ、ナーガの場合はこの格好から倦厭されてなかなか根性のある人間は近づいてはこないけど。
まあこういった場所で声をかけてくるのは大抵は下心のあるどこぞのごろつきなどがほとんど。
その声に手にしたジョッキ入りのブランデーをあけつつも、振り向いているナーガ。
そして、振り向いたその先にたっているいるのは、年のころならば見た目十程度の男の子。
まあ正確にいうなればこの子、今九歳なんだけど。
短く切りそろえているストレートな金髪。
といってもそれほど凄烈なまでの金色ではないけど。
このままスカートをはかせたら女の子です。ででも通る程度に整った顔立ち。
そしてぱっちりとしたライトグリーンの瞳。
服装は呪術紋入りのひざまでとどくグレイのマント。
俗にいうこの世界ででの典型的な魔道士見習いのスタイル。
「あら。」
そういいつつちらりとあたしがそちらを振り向くと。
「リナ?知り合いなの?」
ジョッキを片手にブランデーをストレートで飲み干しつつ聞いてくるナーガ。
「まね。講習会に来てたクレイ。ここの魔道士協会評議長の一人息子よ。」
そう説明するあたしに。
「…お姉さん、僕名前いったっけ?というか講習やってるときにも全員の名前…呼んでたよね…」
などとなぜかつぶやいているあたしたちにと話しかけてきたこのクレイ。
「あら、それくらい見ただけで名前はわかるのは常識よ?」
あたしのそんなもっともな言葉に。
「それ、リナだけだって。絶対に。」
などといっているナーガ。
「ま、そんなことはどうでもいいけど。それで?あれを自分でやってみたいわけ?」
とりあえず、講習会のデモンストレーションの一環として。
この近辺ではない別の次元宇宙から部下たち呼び寄せて。
ある程度年齢がいっている力自慢の魔道士たちと戦わせて見たりしたんだけど。
それがけっこう大うけだったのよね。
戦っている人間たちはかなり面白いまでに負の感情撒き散らしてたし。
ま、いくら死んでもあたしが一瞬のうちに生き返らせていたから、見ている人々はただのデモンストレーション。
と信じ込んでたし。
「うん!あのデモンストレーションはみんな本物みたいだって言ってたし!
  僕将来は本当の魔族とかドラゴンとか一発でぶっ飛ばせるくらいの魔道士になりたいんだ。」
などといいつつ目をきらきらさせてあたしにといってくるこのクレイ。
「ふ。いうのは簡単よね。」
などと完全に他人ごとのようにいっているナーガ。
そんなナーガの様子には気にもとめずに。
ちょこちょこと小走りであたしの横にと回りこみ、そしてその横にと腰を下ろしてくるこのクレイ。
そして。
「それで、僕考えたんだ!それってどうしても知識とか経験値、そして才能。って奴が当然いるし。どうしても。」
そういいつつ勝手に頼んだブラウン・ティーをのみつつ。
「だから僕決めたんだ!」
そういいつつ両手を胸の前でくみきらきらした瞳であたしをみあげつつ。
「僕、リナお姉さんに弟子入りする!」
ブブゥゥ!
その言葉にやたらと大げさにブランデーを噴出しているナーガ。
「うわっ!?きたな!?」
こちらもまた大げさにいいつつ、あわててハンカチで顔についたブランデーをふき取っているクレイの姿が。
「あなた、リナに弟子入りなんて、もっと命を大事になさいよ。」
などとしみじみいっているナーガだし。
「あら、ナーガ、どういう意味かしら?」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
「そのままの意味よ。というかあんたの周り、何か絶対起こるじゃない。」
きっぱりはっきりいってるナーガだけども。
「あら、それをいうならばナーガもでしょう?」
そのようにあたしがナーガの運命、ちょっと細工してるんだしv
「でも、ま。このあたしに弟子入り。というのはちょっとどうかしらね。
  とりあえず蕉木の渦の中とかでも正気たもってなかったりしないと無理ね。
  あとはいくらたたかれてもおきてくる根性ね。そうでないと認めないし、というか存在させる意味もないし。」
さらりというあたしのその言葉に。
「…リナ、あんたさりげに恐ろしいことをいうわね。」
などとなぜかぽつりといっていたりするナーガ。
「あら、これって常識よ?まったく。このあたしにちょっと小突かれた程度でまがりなりにも滅びたりする存在って多いからねぇ。」
まったく、どうしてそんなに根性ないものなのかしら。
くぅぅ。お母さん、本当に悲しいったらないわ!
「…いや、滅びるって…ま、まああまりそのことには深くはつっこみはしないけど。
  いーい?あなた?クレイとかいったわね?魔道士の弟子になるということは。
  常識では考えられないような無理なことを『試練』と称してやらされて、できなかったら『やはり無理だったか』。
  でおしまいなのよ。あとは訓練で人をあやめる方法とかを習ったり。」
そういえば、ナーガの母親はその手のこともナーガに教えていたっけね。
「そ、そうなの?」
なぜか額に一筋汗をながしつつあたしをみてくるクレイ。
「ま、うそではないわね。」
それがすべてでもないけど。
「そ、それでもいいんだ!僕絶対大魔道士になりたいんだ!伝説のレイ=マグナスなんかメじゃないってな奴に!」
「ま、確かにあいつはねぇ。いまだに氷付けになってるし。」
などとつぶやくあたしのその言葉に。
「確かリナ以前、そういってたわね。レイ=マグナスが氷付けになってるとか何とか。」
ふと思い出してそんなことをいってるナーガ。
そんなあたしたちの会話に首を傾げつつ。
「ともかく!あんなまるで本物みたいなデモンストレーションできるお姉さんに、僕弟子入りして強くなりたいんだ!」
などと瞳を輝かせていってくるこのクレイ。
「…リナ、あんたいったい魔道士協会の魔道講習でいったい何やったのよ…」
などといいつつあたしをみてくるナーガ。
「あら、たいしたことやってないわよ。
  ただちょっとここでいうなれば異世界からとある彼らを数名呼び出して、
  ちょっとばかり力自慢してるような魔道士引っ張り出せて戦わせて見ただけよ。
  ちなみに死んでもすぐに生き返らせたりしておいて。」
「…そういえばあんた、死人よみがえらせれるのだったわね…」
などといいつつなぜかナーガの額から汗が一筋流れ落ちていたりするけど。
いくら私でも死人を生き返らせたりするのは不可能なのに。
このリナってかなりの実力もってるからね。
などとナーガは心で思っていたりするし。
というかできないことがない、というほうが正解なんだけど。
それだと面白くないから自分自身にいろいろと規制とか戒めとかつくって、それを守って遊んで…
…もとい存在してるんだけどね。あたしは。
「クレイとかいったわね。いいこと?リナに弟子入りなんてしたら。命いくらあってもたりないわよ?」
そういいかけるナーガの言葉に。
「おばちゃんはだまっててよ。」
おばっ!?
その言葉に目を丸くし。
ゴキュシュ!
クレイの言葉に面白いまでのナーガのげんこつが、クレイの頭をヒットして面白いまでの音を響かせていたりするし。
うーん、楽しいv
「私はナーガお姉ちゃん。さ、いってみなさい?」
そんなナーガの言葉に。
「…うぷぅ。ごべんなざい。きれーなおねーぢゃん…」
などといいつつちょっとなみだ目で謝っているクレイ。
「ま、とりあえずクレイ、あたしは弟子なんて取るつもりはまったくないから。部下…とと、使い走りなら山ほどいるから。」
「…リナのその使い走りって…きにはなるけど聞かないことにするわ。」
あたしの言葉になせかそんなことをいってくるナーガ。
「まあまあ、そういわないでよ。口ではそんなこといっても体は正直なものなんだよ。」
そうにっこりというクレイの言葉に。
「…どこで覚えたのよ。そんなせりふ。」
あきれていっているナーガに。
「ときどき父ちゃんがいってるよ。女の子に言うことを聞かせるときにはこういえばいいんだって。」
そういや。
この子の父親、地位を利用してちょっとそのあたりいろいろとやってるのよね。
まあほとんどの子は泣き寝入りしてるんだけど。
「リナ?確かこの子の父親って評議長とかいってなかったかしら?」
そう問いかけてくるナーガに。
「そうよ。ちなみに裏でもいろんなうわさが絶えない人物の一人。
  ま、先日彼が手にかけよーとした子がちょっと面白いことに、
  領主の実の娘だったりするから間違いなく罷免されるでしょうけどね。」
くすりと笑いつつ説明するあたし。
「どうりで子供にまで変な言葉を教えているわけね。どうせならうちのように幼少のときの訓練などでは。
   呪術の使い方とか薬草とかのブレンドの仕方とか、そーいったことを教えればいいものを。」
そんなことをあたしの言葉をきいてつぶやいていたりするナーガだし。
そんなあたしたちの会話をはたでききつつ。
「どれも絶対に普通じゃないと思うのは俺のきのせいか?」
「いや、気にするな。 」
そんな会話が。
あたしとナーガの座っているテーブルの後ろや横などから聞こえていたりするけど。
「とりあえず、弟子はいらないから。」
そういいつつ席を立ち上がる。
このまま別に連れて行ってもいいけど。
それだとこれから先が面白くないし。
「どうしても、ついてきたいんだったら。これ倒してからにしなさいねv」
にっこりと微笑み。
かるく指をバチン。
と鳴らす。
次の瞬間には。
ぐぉぉぉぉ!
町の街道の真ん中に突如として出現するブラスデーモンが。
『うどわぁぁあ!!!!?』
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?』
たったのそれだけのことで町は面白いまでにパニックに陥っていっていたりするし。
「ちょっと!?リナ!?何いきなりデーモン呼び出してるのよ!」
叫ぶナーガに。
「あら、ナーガ、あれやっつけて礼金もらえばいいのよ。」
ぽん。
その言葉にぽんと手をうち。
「なるほど。確かにそうだわね。おーほっほっほっ!」
などといいつつエルメキア・ランスを連発しているナーガ。
ちょっと退屈してたから少しばかりあたし運動したいのよね。
とりあえず。
五日間。講習をやってて何なら少しばかり体を動かしたいので。
あたしはそのまま町にと呼び出したデーモン相手に少しばかり遊ぶことに。

「うわぁ!?どうしていきなり町の中にデーモンが!?」
などと叫んでいる男たち。
先ほどからどこかに金弦になりそうな子供を探していた彼らの目に映ったものは。
表通りに突如とした出現したデーモンたちの姿。
「はい。魔道士になりたいんだったらこれくらい自力でしかも魔法なしでどうにかなさいねv」
慌てふためいているクレイににっこりと話しかけるあたしのその言葉に。
「お姉さん!?これっていったい!?」
面白いまでに動揺しているクレイ。
「魔をも倒せる人間になりたいんでしょ?それなら素手でこれくらいは倒せないとv」
そういうあたしのその横では。
「おーほっほっほっ!このナーガ様にかなうとおもってるのかしら!?おーほっほっほっ!」
などといいつつあたりかまわずに呪文を放っているナーガ。
ちょっぴし周りに被害がそれで広がっていたりするのはまあいつものことだし。
「な、そんな!?」
などといいつつ逃げ回ることしかしてないクレイ。
「おーほっほっほっ!クレイ、甘いわよ!
  私のお父様なんか子供のころから素手でデーモンなんかの魔は倒してたらしいわよ!おーほっほっほっ!」
などといいつつ無差別に呪文を乱射しているナーガ。
ま、フィルは昔からああだしねv
「まあ、ナーガの父親は面白いからよしとして。
  とりあえずこれら自力でどうにかしてから両親に許可もらいなさいねv誰にたとえ弟子入りする、にしても。」
にっこりと微笑むあたしに。
なぜかあたしが呼び寄せたというか出現させたデーモンたちは。
別に【あたしの指示のままに召還】という形をとっていないのにもかかわらずにあたしを避けてるし、こいつらは。
「だぁぁあ!いくら下級魔族だからって少しは向かってくる根性みせなさいよ!」
まったく。
どうしてこんなに根性ないやつらばかりなのかしら。
やっぱり、こいつらの上司たるSがふがいないせいよね。絶対に。
「…姉ちゃん、それ何か違っているような気がしなくも…」
なぜか半分べそをかきつつそんなことをつぶやいているクレイの姿がそこにあったりする。
まあ、もともとこの子、あたしに弟子入り許可もらえたら、あたしに両親の説得を手伝ってもらおう、なんて思ってた子だしねぇ。
もともとまああたしは講習会で。
そのこの世界の魔道を扱うものたちに、足りない根性をちょっと活を入れておいたこともあるし。
そんな会話をしつつ。
町の中にあふれるデーモン退治をイベントに、のんびりと時間をすごしてゆくあたしたち。

「ねえ?リナ?」
約一時間もしないうちに、あふれかえったデーモン達はものの見事に迎撃され。
な、なさけない…
町のいたるところでそれを見越して復興作業が開始されはじめる。
まさにそんな中。
ナーガがとある方向を眺めつつあたしにと問いかけてきていたりするし。
ちなみにあたしとナーガの周りにはしつこくまとわりついていたクレイの姿はもはやない。
先ほどデーモンに追われて路地裏とかに逃げ込んでいたけど。
「さっき、変な連中が大きな麻袋かぶせて無理やりクレイをどこかにつれていったけど。」
などといいつつ彼らが立ち去った方向をみてそんなことをいっているナーガ。
「あら、ドサクサにまぎれて行動を起こすなんてずいぶん利口な誘拐犯ね。」
にっこりというそのあたしの言葉に。
「えええ!?あれって誘拐犯だったの!?いや、変わった家の人だな。とか思ったけど。」
などと言い放ち。
「ま、このあたりそういうことが多いからねぇ。」
にこやかにいうあたしのその言葉に。
「そうらしいわね。それで、どうするの?」
意味もなくポーズをとってそんなことをいってくるナーガ。
「このまま無視して町を出てもいいけど。それより彼を助けて礼金をもらったほうが。今日の宿代、浮くわよv」
あたしの言葉に。
「おーほっほっほっ!まっていなさい!クレイ!今この白蛇のナーガ様が助け出してあげるわ!」
などといいつついまだに騒然とする町の中。
高笑いをあげながらとある方向に走ってゆくナーガだし。
うーん。面白いv

日当たりの悪い薄汚れた裏通り。
その中にはかすかにすえたにおいが立ち込めていたりする。
人の通りはほとんどなく、この通りは人がいないこともあり、デーモン襲撃の被害はさほどない。
「さすがにこのあたりはデーモンの被害はないようね。
  あら、あそこに人がいるじゃない。あの人に聞いて見ましょ。」
クレイがさらわれた方向にと進んでいるあたしたち。
そんな路地裏の一角で不法投棄されている粗大ごみをあさっている一人の男性。
そんな男性をみつけてその人物にと近づいていっているナーガ。
「おーほっほっほっ!ちょっとききたいんだけど。
   さっき大きな麻袋をかついだ男たちがこのあたりを通らなかったかしら?おーほっほっほっ!」
いきなり高笑いを上げ、話しかけるナーガにびっくりしつつ振り向いて。
口と腰に手をあててポーズをつけて笑っているナーガに一瞬驚きつつも。
こいつらにたかってもいいか。
などと思いつつ唇の端を小さくゆがめ。
「あのなぁ。姉ちゃんたち。人にものを尋ねる時にゃあ。やっぱり出す何でしてもらわねぇと。」
「フリーズ・ブリット。」
コキン。
そういいつつにやりと笑いを浮かべて手を差し出した男性に有無を言わさずに呪文を唱えて、氷付けにしているナーガだし。
目の前にはそのままの姿勢で面白いまでに氷の彫像と貸している男性の姿が。
はっくしょん!
ぶるぶると震えつつ。
「わ、わしがわるかった。何でも答えるから簡便してくれ…」
とりあえず氷付けにしてたら話がきかれないでしょ。
というあたしの言葉に従ってファイアー・ボールでその氷を溶かし。
目の前になぜかびしょぬれとそしてちょっぴり香ばしいにおいをさせつつ。
震えている男性がおびえた目であたしたちをみつつ、そんなことをいっていたりするけど
「おーほっほっほっ!はじめから素直にそういえばいいのよ。
  おーほっほっほっ!それで、この私の宿代はどこにいったのかしら?」
「あら、ナーガ、宿代じゃなくてクレイだってばv」
ナ-ガの中では宿代=クレイ。で結びついている今現在。
そんなナーガをみつつくすくすと笑うあたしに。
「や、宿代かどうかはしらないが…」
完全におびえた口調で、素直に彼は麻袋を担いで歩いていた男たちが向かった先を述べてゆく。

「へっへっへっ。うまくいきましたね。兄貴。」
どこにでもいるようなお決まりのせりふをいっている男性その一。
「あたりめえよ。これで身代金ががっぽりはいりゃあ、一生遊んで暮らせるぜ。」
などといいつつ後ろで両手を縛っているクレイをみている男性その二。
「しかしデーモンさまさまですね。あにき。」
「だな。こいつを麻袋にいれて担いでても町のやつらはデーモンに注意を奪われ。まったく気にしてなかったからな。」
などといいつつにやりと笑みを浮かべていたりするけども。
クレイを誘拐した二人組み。
彼らのアジトは旧裏街道にと存在する古びた雑居アパートの二階。
ちなみに今では彼らしか住んでいたりしなかったりするけど。
さらにいうならばすでにここはもう公式的には誰もすんでいなく、取り壊し決定。
とまでなっていたりするそんなアパートの一室。
そんな中でそんなどこにでもあるようなお決まりの、
へたくそな吟遊詩人の書いた伝承歌(サーガ)のようなことをのたまわっているこの二人。
そんな彼らを屋根の上から見ているあたしたち。
ちなみに空中に部屋の様子を浮かび上がらせて様子をみていたりするんだけど。
ナーガは宿代を見たい。とかいって浮遊(レビテーション)が使えないので。
というか本人が必要がないから覚えていないだけなんだけど。
通風孔というか雨どいのでっぱりにしがみついて部屋の中をうかがっていたりする。
そんな様子をたまたま通りかかった親子連れが。
「ねえねえ。お母さん、あの人、何してるの?」
そういいつつナーガを指差し。
「しぃ。みてはいけません。」
などといいつつ子供の手をひきそそくさとその場から逃れていたりする。
という何ともほほえましい光景があったりしていたりするけども。

「…で、坊主、おめえいったいどこのうちの子だ?」
薄暗い上に小汚い部屋の中。
自分ではどうやら格好をつけている、そんなことを思っている男性その一が、椅子にくくりつけているクレイにと問いただす。
ま、こいつら。
誰でもいいから【手当たりしだいに誘拐して身代金を】と企てていた何も考えてないやつらだからねぇ。
「へんっつ!だ!お前らみたいな悪党に誰が教えてやるもんか!」
などとぶいっとそっぽを向くクレイ。
「へぇぇ。聞いたかい?兄貴?」
などといいつつ太り気味の男性その二がにやりと笑みを浮かべ。
どうでもいいけどあんたら、もう少しましな態度、というものが悪人ならば悪人らしくあるでしょうに。
「どうやらこいつ、自分の立場ってものがわかっていねえみてぇだなぁ。」
弟分である男性その二と同じような笑みを浮かべつつ。
両手を組み合わせてぽきん、ぽきん。と指を鳴らしてクレイの横にと歩み寄る。
その様子に顔面蒼白となり。
「ぬ゛あ゛あ゛あ゛!ごべんなざい゛!かっこいいおにーぢゃんたち!」
なきべそをかきつつ、あわてて叫んでいるクレイだし。
な、情けない。
もう少しくらい根性みせなさい!
「で、もう一度聞くが思えの家はどこにある?」
男性その一の質問に。
「…マース通りの十二番…」
なきつつあっさりと答えているクレイだし。
「マース通り?いいとこにすんでやがんなぁ。ガキのくせに。」
でもこれで身代金はかなり手にはいるな。
などと思っている男性その二。
その言葉に目を見開き。
「―と待て!?マース通りの十二番って、てめえ、ジェイガンちのがきか!?」
おもいっきりうろたえている男性その一。
「…うん。」
顔を涙でぐしゃぐしゃにしてうなづくクレイに。
「知り合いかい?兄貴?」
きょとんとした顔で問いかけている弟分。
「馬鹿か!おめえ!マヘス通りのジェイガンっていやぁ!ここの魔道士協会表議長のうちじゃねえか!」
「えええ!?あの裏では悪役非道をやってるという!?」
ま、裏でも彼は有名だからねぇ。
ちなみにただいま特別捜査官たちが彼の悪事を調べ中v
「そう、裏では人殺しから麻薬販売まで、挙句は人身販売をやってるという!」
「あのかわいい女の子には続けててをだしているという!?」
そんな叫びをあげている二人に。
「父さんはそんなことはしない!」
などと叫び返しているクレイ。
ま、家族の前では人のよい父親、彼は演じているからねぇ。
そんな会話をききつつ。
「えええええええ!!!?」
などと思わず叫び声を上げているナーガ。
ま、ジェィガンの悪評はその筋ではかなり有名なんだけど。
それでもまあ家族の前ではいい人を演じている。
というのはあまり知られてないからねぇ。
ま、普通の一般の人々はそれ、信じてるけど。


「何だ!?」
「窓の外だ!?」
ナーガの声に驚いてあわてふためくこの二人。
万が一ジェイガンの手のものであるならば、問答無用で闇から闇へ消される。
というのは裏でいきる人々にとってはそれはこのあたりでは常識。
そんなあわてる様子をのんびりと。
いまだに屋根の上から傍観しているこのあたし。
もう少し見て楽しみましょv
「…に、にゃー、にゃー、にゃー…」
いまだに雨どいにはりついたまま猫のまねをしているナーガだし。
そのまま窓から顔を乗り出した男性二人がみたものは。
なぜかほとんどからだを覆うものがない、といっても過言なほどの服、ともいえない面白い格好をした女性の姿。
しかもこいつ胸大きいし。
などと二人同時におもいつつ。
べったりと壁に張り付いているナーガの姿をみつけ。
そのままナーガを捕らえ。
結果。
捕虜は二人になっていたりする。


「おーほっほっほっ!こんなことでこの白蛇のナーガの自由を奪った。んて思わないことね。そもそもこんな。」
などといいつつも椅子に縛り付けられたまま、高笑いを連続してあげているナーガをみつつ。
「…なあ、兄貴、何なんだろうな。この女…」
などと意味の違う汗を流しつつ問いかけている男性その二。
「さ…さあ。格好からすれば痴女みたいだが。
  そんなやつがあんなところで猫のまねしているとも思えないし…刺客、とも思えないしな…」
どこかあさってをみつつつぶやいている男性その一。
一番に思いつくには、彼らのことがジェイガンにとばれ刺客が送り込まれた。
という発想が彼らには浮かんだが、ナーガのこの格好からしてその考えはいともあっさりと却下され。
かといってクレイを助けに来た人物。
という可能性も面白いことというか当然というか二人の脳裏からは締め出されていたりする。
そのまま高笑いをあげつつ、ご丁寧にも人質に対して、ケーキとかを買って与えている誘拐犯たちの施しをうけ。
そのままくくりつけられたまま眠っていたりするナーガだけども。
あまりに高笑いの声がうるさいので食べ物を与えたら静かになったので。
彼らはナーガを餌付けしていたりするんだけど。
ま、確かに正解だわねv

おなかいっぱいになり眠り始めたナーガがいたりするそんな部屋の中。
それと同時にあたりに暗闇が、町に夜がやってくる。
誘拐犯二人連れは。
ナーガとクレイにだした食事代、ついでに全部あわせて金貨十枚、それらを愁いて涙を浮かべつつ。
「なあ、兄貴。こいつからも身代金、とれないかな?」
などといいつつナーガを視線で指差すが。
「…俺としては係わり合いにならないほうがいいぞ。この手の女には。」
などといっている男性その一。
そんな横ではすやすやと椅子にしばりつけられたまま寝息をたてているナーガとクレイ。
そんな会話をしつつ。
ともかく、ジェイガンにばれれば命がない。
というのは明白。
ならば、父親でなく母親に言えばいいだけのこと。
気づかれないように。
「確かしばらくしたらジェイガンのやろうは会議で町をでるよな?」
「そのときが勝負ですね。兄貴。」
とにかく彼がいないうちに、身代金をせしめとりそのまま町を脱出する。
などと何とも気の小さい作戦を練っているこの二人だし。
「じゃあ、兄貴、だいたいの計画はそんなところで。今日のところはそろそろ寝るとしましょうや。」
「だな。人質が寝込んでいるっていうのに俺たちが眠い目をこすりながら、相談してるってのもな。」
そういいつつ安らかに寝言すらいいつつ寝ている二人をみて。
「…こいつら自分の立場…理解してるんでしょうか?」
などとつぶやいている弟分の姿。
「さ、さあな。」
などといいつつ完全に寝息をたてている二人をみてあきれている兄貴分である男性その一。
「けど結局この女。何者なんでしょうかね?やたら笑ってばかりでしかもむちゃくちゃに食べてましたが…」
まあ、ナーガの腰にさしてある短剣、あれみたら一発でナーガがあの国の関係者だってわかるんだけどねぇ。
その剣の柄には当然のことごとくに国の紋章がはいってるやつだから。
「ま、まああまり係わり合いにならないほうがいい、そのほうが賢い。っていうことは確かだろうがな。」
自分が人質、というにもかかわらずに彼らに命令して食事を持ってこさせていたナーカ。
その様子を思い出しつつつぶやいている兄貴分。
「ま、こいつの始末は明日にでもかんがえればいいさ。その筋にうっぱらう。というのも手だしな。」
などといいつつ。
「そうですね。」
そんな会話を終えて。
丁寧に部屋の戸締りを終えて布団を敷き始めているこの二人。



「ディル・ブランド!!」
ドゴガァァン!
夜中、いきなりの爆発音。
それと同時に勢いよく吹き飛ぶアバートの床。
「「うどわぁ!?何だぁぁぁあ!?」
とっさに飛び起きあたりを見渡す。
「ちっ!ライティング!」
いちおうしがない誘拐犯のくせしてま、こいつら呪文ある程度は使えるからねぇ。
ちなみにざっとした知識はこの二人もってるし。
さらに簡単に説明するならば魔道士をめざして。
魔道具などを買いあさり、破産した、というおまけつきだけど。
こんな寂れた裏通りに街灯などあるはずもなく。
あわてて明かり(ライティング)の術を唱えて部屋を明るくしている兄貴分。
天井に向かって解き放たれた明かりはあかあかと部屋全体を明るく照らす。
みれば部屋の中央付近にぽっかりと開いた穴があり、そしてそれは一階にむかってあいていたりする。
そしてみしみしときしんでいる部屋全体。
「刺客か!?」
いいつつばっと服を手に取る誘拐犯その一。
どうでもいいけど、クマさんがらのパジャマ…ついでに耳つきそんなものを何で着てねてるのかしらねぇ。
と。
あわてて服を着替えようとする彼らの耳に。
「おーほっほっほっほっ!逃がさないわよぉ!今日の晩御飯!フリーズ・ブリット!」
チュン。
そんな彼らの真横を氷の塊が通り過ぎ後ろの壁を凍りつかせてゆく。
「「うどわ!?」」
いきなり飛んでくる氷の矢もどき。
ふとみれば。
「…なあ、兄貴…」
「………」
 しばし術を放った当人を探し、そしてそれに気づいて無言になっているこの二人。
ま、ナーガだしねv
みれば椅子にくくりつけられたまま、すやすやと寝息をたて。
ついでに。
「おーほっほっほっ!観念なさい!わたしのお肉!」
などと眠ったまま叫んでいるナーガ。
ふふ、ナーガ夢をみつつ本当に呪文唱えてたりするのよね♪
「だぁぁあ!こいつ眠ったのま呪文となえてるぅぅ!」
誘拐犯その二、いわゆる弟分が何やら叫んでいたりするけど。
「にがさないわよぉぉぉ!おーほっほっほっほっ!ディル・ブランド~!」
ドッガァァン!!
グラ。
ガラガラガラ。
ズドドドドドッ!

「うわぁぁぁぁあ!?」
こちらはこちらでいきなり炎で焼かれて目を覚ましているクレイ。
そして、その直後に。
いきなり部屋全体がぐらりと揺れる。
ナーガが放った術により、すでに老朽化していたこの建物は簡単に耐久性失ってたりするのよね。
そのまま。
ガラガラガララッ!!
面白いまでに音を立てて。
アパート全体が崩れてゆくし。


もくもくとあがる煙と。
そして、何ごとか、とおもいつつ近寄ってくる野次馬たち。
夜も更けているというのにもかかわらずに人間の好奇心はとどまることを知らないから。
そのまま崩れたアバートの周りにはあっという間に人だかり。
ざわざわざわ。
ガララ。
いまだにクマさんバジャマとそしてなぜか犬さんバジャマを着ている誘拐犯のこの二人。
そのまま瓦礫に埋もれつつそれでもとっさに風の防壁を張ってダメージを少なくしているのは、まあまあ少しはやるようだけど。
「けほげほげほっ!」
などとむせこむ誘拐犯その一に。
「あ、あにきぃぃ~…」
どうにか瓦礫の中から這い出して、彼らが目にしたものは。
すでに瓦礫の山と貸したアパートを取り囲む人だかり。
そして。
「う゛わ゛わ゛ぁぁぁん!」
などと泣き叫んでいる声がひとつ。
みれば。
ナーガの放ったディル・ブランドの直撃をうけ。
その衝撃派で吹き飛ばされ、隣の建物の屋根の上にと椅子の足一本でぶら下がっているクレイの姿が。
ちなみにあたしはそのちょうど屋根の上にいたりするけど。
「あら、運がよかったわねぇ。崩壊に巻き込まれないで。」
にっこりと見下ろしいまだに、ぐらぐらしているクレイをみつつ話しかけるあたしに。
「おねーちゃん、たすげてぇぇぇ!」
根性のないことに泣き喚いているクレイだし。
「あら、伝説に残るような魔道士になりたいんだったら。自力でそれどうにかするくらいできないとv」
にっこりと微笑みかけるあたしに。
「う゛わ゛わ゛ぁぁん!もうなれなくてもいいからぁぁ!たずげでぇぇ!!」
夜空に根性のないクレイの泣き声が響き渡ってゆく。


とりあえず面白いので少しばかり時間を置いて。
椅子の足が限界を迎えてぽきん。
と折れ、大地に向かって一直線。
というときにそのままふわりと彼を地面にと降ろしておく。

「あれ!?この子、婿養子ジェイガンさんとこのクレイ君じゃないか!?」
「何でこんな椅子に縛り付けられて。」
などとざわついている人々の姿。
一方では。
「すーすーすーすー。」
「…おーい。ここにもう一人椅子に括り付けられままで寝てるやつがいるぞー。」
ほかにも崩壊に巻き込まれた人がいないか善意で調べていた男性の声が響く。
みれば。
すーすーすー。
完全にアパートは崩壊したというのにイスにくくりつけられたまま、完全に寝息を立てているナーガの姿が。
ナーガのその格好に少しひきつつ。
だけどもおそらくはあの二人に何かされてこんな格好を、などと何ともまあご都合主義にと解釈し。
「あんたらか!?こんな女性をこんな格好でくくりつけたのは!?」
「まだこんなに幼い子供をイスにくくりつけるなんて!?何を考えてるの!?」
などといった町の人々の怒鳴り声が辺りと響きゆき、
いまだに寝巻きのままの二人をぐるりと数十名以上が取り囲んでいたりするし。
そして。
イスの束縛から逃れたクレイが一言。
「そのお兄ちゃんたちに僕誘拐されてたの。」
ざわっ。
その一言に人々の殺気が膨れ上がり。
「ま、まっ!」
「ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
その場に集まった人々による制裁が二人に加えられてゆく。


「ナーガ、ナーガってば。」
すでに夜明け。
夜明け近くまでたこ殴りにされ。
すでに原型をとどめていない誘拐犯二人。
ちなみに気の毒に、と思った完全に勘違いしている人物が、
ナーガの束縛を解いてナーガの上にジャケットを羽織っていたりする。
もともとナーガはこの格好なんだけど。
どうならあいつらにこんな格好にさせられた、と完全無欠に人々は勘違いしてるのよね。
面白いからあたしもその間違い訂正していない。
数人がクレイの家にと報告にいき、あわてて彼の母親がクレイを迎えに来て連れて戻ったのは数時間前。
いまだにナーガはすやすやと眠っていたりするけども。
夜明けとともに人々に引き立てられて役所に突き出されている誘拐犯の二人はともかくとして。
とりあえず回りの建物も老朽化が目立つというのと、瓦礫と化したアパートのあたりは危険だ。
というので立ち入り禁止となっていたりする。
それと同時に。
この場所にと隠されていた人骨までもが数個発見され、町は面白いことにただいまおお騒動のまっさい中。
町の人たちに運ばれた宿屋の一室で、いまだにすやすやと寝息を立てていたりするナーガ。
「あ、金貨みっけv」
がばっ!
あたしのその言葉に。
「金貨!?どこどこ!?」
あれだけの騒ぎがあってもまったく起きなかったナーガだけど。
その一言で飛び起きてあたりをきょろきょろと見渡し。
「ちょっと!リナ!?金貨はどこ!?…って、あら?何で私ベットなんかで寝てるの?」
きょとんとした声で自分とそしてベットをみて首をかしげているナーガだし。
「もうあれは終わったわよ。あの二人は町の人たちが役所に突き出したし。
  ついでにいえばただいまこの町、あのアバートにジェイガンが隠してた人骨発見されて。
  今ちょっと面白いまでに騒ぎになっているけどね。」
あの場所にあった人骨は、以前ジェイガンの手のものが手にかけた人物たちの骨。
中には自殺した女性の骨とかもあるけど、ま、自殺の理由はジェイガンにあることを無理やりされたから。
という理由があったりするけど、それを隠すために彼あそこに隠してたのよね。
あそこにはめったというか誰も近づかなかったから。
「はっ!私の宿代は!?」
叫ぶナーガに。
「あら、そんなものあるはずもないじゃないv」
にこやかにいうあたしのその言葉に。
「そんなぁぁぁあ!」
ナーガの涙交じりの叫び声が部屋にと響き渡る。


まあ、何はともあれ。
そんなこんなで。
クレイの父親であるジェイガンは後日。
領主の命をうけた衛兵たちにと引き立てられクレイの両親は離婚し、クレイは母親が引き取る。
ということでこのたびの一件は決着をみていたりするけど。
ちなみにクレイは母親の指導のもと、本人は嫌がっているのにスパルタ式に魔道士となるべく特訓を受けていたりする。
ま、クレイの母親、かなり有名な魔剣士だからね。
それでいきなりレッサーデーモン相手に数分以内で退治するように。
などといった何ともほほえましい特訓が日夜繰り返されているのが今の現状。
ま、しっかりと鍛えて少しは根性ある人間に育ってほしいわよね。

さってと。
まだまだ旅は始まったばかり。
次はどこにいきましょうかねv
そんなことをおもいつつ。
いまだにざわめくその町をあたしとナーガは後にしてゆく。
今回はあまり遊べなかったわねぇ・・・ま、いっか



                              -ザ・チャイルド編終了―

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   あとがきもどき:
    薫:…十分に遊んでいるような気がするのは私の気のせい?
    姫:ちなみに、クレイの母親。見た目はものすごくのんびりしてるけど。
      人間の中ではかなりの腕の持ち主よv
    薫:…そーいや、どこぞのカーシャさんと親戚でしたっけ(汗)
      ま、まあ何はともあれ。あまりエル様が活躍しておられない。
 ―どごっ!
   (何かがぶつかり…そのまま地面の奥深く、マントルの内部にまで沈んでゆく薫の姿…)
    L:そうよ!このあたしがこれ、活躍してないじゃない!どういうことよ!
    姫:あら、エル、文句いうまえにつぶしたら返事できないわよv
    L:あら、今のたったの重力百倍の五トンハンマーの直撃くらいで。つぶれたの?こいつ?
    姫:みたいよ?根性ないわね。
    L:そーね。
      ま、いいわ。それより次回は今度こそ!
      この金髪美少女エルが主人公。並み居る使えない部下たちにお仕置きしつつ旅する壮大なストーリー!
    姫:…エル、絶対にこの薫さん、やらないわよ…
      何しろエルの幼少編やこの私の誕生編、いまだに手がけてない人だし…
    L:そうなのよね。ユニット!これは徹底的に薫の根性たたきなおすわよ!
    姫:賛成!
    L:ま、というわけで。それでは、皆様、またおあいしましょうv
    姫:それではv
  L&姫:まったねv

   (二人、マントルの中で完全に溶けた薫を再生し…そのまま彼女たちいわくの、
    根性入れ替えの儀式が行われてゆく…)


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