まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ♪
というわけで(何が?)
以前・・・というか。セレンティアが発売される前・・・。に、概算はつくり。
最終巻の後に形になったとある話です♪
おかげさまで一周年♪というわけで、これを一周年の記念小説に(はあと)

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白銀の瞳    ~プロローグ~

ごぉぉぉぉ……
森が炎に包まれる。
「い……いやぁ!」
駆け寄る栗色の髪に、目立つのは尖った耳。
その視線の先には……
ガララララ……
何かが崩れ落ちる音とともに崩れ落ちる建物の姿。
「……お爺様!」
見た目、二十歳程度の女性が、
その崩れ落ちる建物の中から出てくる、白髪の老人に向かって駆け寄る。
その手には、ぐったりとしている栗色の髪の少女の姿が。
見た目は、まだ五歳か六歳か……
いや、もう少し小さいであろう三歳程度の幼女は。
ぐったりと、すでに身動き一つせずに腕の中で横たわっている。
「……お爺様……」
視線を幼女を抱いている父にと向ける。
が。
首を静かに横に振るのみ。
「い…いやよ!何で……何でっ!!」
「落ち着け!必ず…必ず生き返らせてみせる!儂の曾孫だ!」
ゴォォ……
すでに、悲鳴と泣き声が森を支配している。

単なる、人の間の争い。
そう傍観していたのは自分たち。
だが。
その人の中に、彼等の姿を見出して。
一人の村人がそれに気付いたとたん、いきなりの奇襲。
人は自分たちを見世物にしたり迫害したりと、様々なことをしていたがために。
あまり干渉せずに、この森で静かに暮らしていたというのに……

「……きっと生き返らせてみせる……たとえ、それが理に反することでも…な……」
すでに動かなくなった、たった一人の孫の一人娘を抱き抱えて自分に言い聞かすようにとつぶやく。
この奇襲にて、すでに隠里の彼等 ― エルフ達は、その数を数名にまで減らしている。
「……お爺様……」
「……泣くな!きっと…たとえどんな手段を用いても……だっ!」



数十年後。
タタタタタ!
森を駆けてゆく、一人の女性。
「いたぞ!」
「こっちだ!」
「くっ!」
追いつかれた……
「おぎゃぁぁぁあ!」
その女性が手にしているのは……まだうまれたばかりの赤ん坊……
「見つけたぞ!……魔女め!」
いきり立つ仲間たち。
彼女と仲間…同じ種族であるのは、その尖った耳で判断できる。
「……何が悪いの!?娘を生き返らせるには……生体エネルギーがまだ必要なのよ!」
悲鳴に近いその目には……すでに狂喜の色が宿っている。
「そんなものは、生き返ったことにはならない!」
一人の男性が叫ぶ。
全員武装し、手に剣や槍。
そして弓などをその手にと構え、
「その子の母親のことを考えたことはあるのか!?」
「そんなもの……関係ない!私は…私は娘さえ無事なら!」
ぎゅ。
手に抱いている赤ん坊を抱きしめる。
あと…もう少し。
もう少しで……あの子は…完全に……
「……返して!セレネ!その子を!」
人ごみを掻き分けて、泣きはらした目で出てくる、まだ若い母親。
「この子は、あの子のために……死ぬのよ!」
すでに説得は無理。
「……残念だよ。セレネ……
  偉大なる賢者バルーンの孫であり。仲間内でも期待されていた貴女が……」
そういって前に出てくる、少し年老いた老人。
そして。
すっ。
手を横にと振りかざし。
「……もはや…説得無用!やれ!」

ドスススス!
ドシュ!


「オギャァァァァ!!!!!」
「おっと!」
槍や弓、剣でその体を貫かれ、崩れ落ちてゆく女性の体。
ゆっくりと、その栗色の髪がまるで残像のようにとたなびきつつ。
それと同時に、手に抱いていた赤ん坊もまた地面にと落ちかけ。
それをすかさず救い上げる若い男性の姿。
「……セ…リ…ナ……」
手を空に伸ばしつつ。
……ゴブっ……
その口から血を吐いて。
……ドサリ……
そのまま手を空にと向けて倒れてゆく栗色の髪の女性。

「…………死んだか……」
哀れみの表情をその女性にと向ける。
気持ちは分からないことでもない。
だが……しかし。
彼女は殺しすぎたのだ……
その、祖父と共に……
それも。
彼女の娘を生き返らせる。
そのためだけに……


殺伐とした世の中。
ようやく半年ほど前に、大きな戦いが決着を見た。
それは。
彼等一族……エルフ達にとっても苦い記憶。
そして。
その戦いにおいて――
この地は。
神である竜王の加護が失われた、閉ざされた土地にと変化したのである。


「……誰か!セレネの研究所にいくのを手伝え!全て破棄する!」
先ほど指示をだした年老いた男性…彼ら一族の長老の言葉に。
『おう!』
若い男性たちが声を上げてゆく。

森の奥深くに隠れ、地下の奥深くにと存在していた。
今しがた死んだ女性 ― セレネが生活していた生活観の雰囲気など欠片ももたない。
その書物や様々な器具にと埋もれた場所。
ドガァァァァン!!!
彼らは永遠に、その場を壊滅して消滅させてゆく。

「……長老……肝心の……」
だが……
「ちっ……どこかに隠してたな……やっかいなことだ……」
肝心の要のそれが、何処を捜しても見つからなかったのである。

数年間。
総力を挙げて捜したものの。
誰一人として……『それ』を見つけることは皆無であった。

やがて、時間の流れに埋もれ……
その出来事は……
彼等 ― エルフ達をその森から姿を消させ。
誰の脳裏にももはや忘れられた出来事と相成っていた―。


千年後。
それが再び目覚めるとは。
今、この時点で誰とて想像をしいえなかった…………


                                         -続くー

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あとがきもどき:
薫:さてv
  エル様&菫ちゃんファンの皆様(まて!)
  実はこの話・・。
  最後の最後にしか、エル様・・出てきません!(まてぃ!)
  さあ、何人が、栗色の髪の女性・・・と聞いて。リナ?と騙された(?)でしょうかvv
  ちなみに。これを打ち込んでいる最中。
  まだまだ一周年になってない今日のこの日。
  というわけでその日まで隠しておくのですvv
  さー、何人が気付くかなv
  只今、これを打ち込んでいるのは、一月の三十日!(爆!)
  それではvv


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