まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

・・・・・ええと今回はノーコメント。・・・・よくありますよねぇ?
聖戦とかいっての戦争・・・・。似たようなものです・・・・。
というか戦争に正義も何もあるか!というのが私の持論・・・・。
・・・でもやっちゃうのが人間の愚かさなんですよねぇ・・・。
・・・・・くやしいけど・・・・。
なので今回は特に!ダークが苦手な人は読まないでください!
何はともあれ・・・・・いくのです。

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白銀の旅立ち    ~竜神と魔王~

まだこのように自然と協和しつつすごしている村もまだ少なくとも存在する。
だがこれはほんの一部。
こんな場所はすぐに見つかり……これまでも正義の名の元に滅ぼされてきた。
この村がまだ無事なのは周りにある森がこの村を隠しているからに他ならない。
「ここって何か心が休まるよね。」
周りをみても自然と人が共存しているのが一目瞭然。
こんな世の中なのにここではまだ共存、という形が残り、
自然とそして人は互いに協力しあいつつ生活している。
確かに深い森に囲まれこの村は見つかりにくい。
そしてまた、その森すらもうっそうと茂っているのでめったにこの村は見つかることはない。
セリナ達がこの村にたどり着いたのは偶然なのか必然なのか。
ともかくこの森やそして村は入ってくる生き物を選ぶ。
ちなみにゴルンノヴァは一応魔族ではあるものの敵意がないとみなされ、
許可されて一緒にこの村にと入ってきているのであるが。
周りをみてもやはり自然がたくさんでどこか心が落ち着く。
うっそうとした森の中。
確かに空はまだ暗雲が立ち込めているが。
それでも自然の光……すなわち精霊たちなどが放つほのかの光が。
村をおぼろげながら浮き上がらせとてもそれは幻想的な風景と化している。
「こんな村、僕たちの時代でもみたことないしね。」
人と妖精とそして精霊。
自然界に生きる生き物と人間とが共存している村。
それはそれで素敵なことなのであるが、だがそれは。
少なくともセリナ達のいた世界ではそんな村は見たことがない。
そういいつつまるで陽炎のようにほのかに光る光の球をみつつ、
そんな会話をしているセリナとユーリ。
「まあここも多分・・・・」
おそらくは時代の流れというかこれからの濁流に巻き込まれ、
姿を消してしまうのは……明白であろう。
そういいかける言葉を少し区切る。

ザワザワザワザワ。
……大気が……異様に震えている。
チチチ!!!
ザザザ!
パサパサバサ!
森から鳥たちが一斉にと飛び立つ。
「何事!?」
いきなりの変事。
確かに……一瞬にして空気が変わった。
おそらく時刻はすでに遅い。
夜の帳が下りた闇の中。
そんな中で、何が起こっているのかわからないというのは、人は不安になるものである。
セリナ達がこの村で休息をとることにして親切な一件の家にと入り、
そして夕飯なども済んだひと時。
それはいきなり起こりゆく。


ゴォォォォォ……
何かうなるような音と。
そして……悲鳴。
いや、人の悲鳴ではない……木が…自然が悲鳴を上げている。
「……火をかけられたぞ!逃げろ!ついにここも!」
などと村人が何やら叫んで村を回っていたりする。
一体全体何が起こっているのかセリナ達には当然わからない。
それもそのはず。
実はセリナ達が滞在しているこの村……
自然と共存している村は、もはやこのあたりではここのみとなっている。
それもそのはず。
……数多とあった村々は、人々の焼き討ちによって…その姿を消しているのだ。
それも新たな鎧を作るのに、
自然と協和することのできる魂や存在が貴重で、魔にも有効な効力を発する。
と、どこかの馬鹿がそんなことがあるはずもないのに言い始め。
それを信じた人間達が平和のために……という名目で村狩りをしているからに他ならない。
そして……今。
セリナ達が泊まっているまさにこの日。
とうとうこの村の存在が……ある人間たちにと知られ。
そして…そんな人間たちがこの村を保護している森にと火を放ったのである。

闇夜に……森の焼ける炎が赤く空を染め上げてゆく。

いったい全体何が起こったのか。
あっという間に火の手は広がり。
あたりに立ち込める熱気とそして……立ち昇る煙。
何が起こったのか理解するより早く、はっとわれに戻ったセリナたちが。
消化活動をしようと動き始めたその直後。

『き・・・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

間違えようのない悲鳴が……村の入り口付近から聞こえてくる。
気配は無数。
そして。

「この村のものはすべて神の名の元に神聖なる力として、正義のために使われるのだ!
  みなのもの!すべて逃がすな!」
『はっ!』
……聞きなれない大人たちの声がする。
そして、その先では……
逃げ惑う女、子供を容赦なく、剣や槍で貫いてゆく兵士たちの姿が。
子供を助けようとしてかばい…子供ごと貫かれ……そしてその体は。
刺された剣にまるで吸い込まれるかのごとくに…肉体は消滅してゆく。
生機鎧ウェポンアーマー
それを作るための犠牲にされていると……気づくのに少し時間を要した。
目の前で……否、村のあちこちで巻き上がる…悲鳴。
「この村のものはすべてにおいて力となる!一人残さず逃がすな!」
隊長らしき人物の声が……悲鳴にあふれる村の中に響き渡る。
周りは火の海。
ばたばたばた。
「セリナちゃんたち…お逃げ!あんたたちはこの村のにんげ……」
そういいつつ走ってくる年若い女性が一人。
どこか雰囲気的にセリナ達の母親であるリナににた面影の。
走ってくるその女性の背後から。
ドシュ……
赤い何かが……あたりに吹き飛ぶ。
「……ニゲ…………」
逃げて。
そういおうとした、だが。
背後から飛んできた弓に貫かれ…女性の体は大地にと倒れてゆく。
そのまま。
近づいてきた兵士の一人に…その体を剣で貫かれ……
肉体が掻き消えるように剣に組み込まれた特殊物質にと吸い込まれてゆく。
それが生機鎧ウェポンアーマーを構成する核となるもの。
それに幾多の命を吸収させることにより鎧は完成し。
戦いにおいて力を発揮する。
あたりの悲鳴がだんだんと少なくなってくる。
火の勢いはやがて村の中にまで入り込んでくる。
一体全体何が起こったのか。
状況を判断するよりも早く…
それはほんの一瞬にも満たない……ほんの一時間足らずの出来事。

「まだ子供がいるぞ!」
呆然としているセリナ達に気づき、近づいてくる兵士たち。
しかも……返り血をあびつつも笑っている。
これが正義なのだと本気で信じ、悪いことはしていない。
そう思い込み平和を守るために。
という名目で罪もない人々を惨殺している兵士たち。
「いやぁぁぁあ!」
まるで白昼夢のように目の前で……
槍で貫かれて掻き消えてゆく、小さな子供の姿が目に焼きつく。
「あ…あ……ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
笑いながら……死体の首を持っている大人もいれば。
中には殺したもののもっていた品物を物色している大人もいる。
ただわかるのは……誰一人として罪の意識をもっていない。
ということのみ。
セリナの血の吐くような悲鳴が……響き渡る。

それはほんの一瞬の出来事。
何しろさっきなどを含み襲撃してきたのなら、まだ打つ手があったかもしれないが。
まるでちょっとした材料を手に入れるがごとくに罪の意識のかけらも持たず。
村にと押し入ってきた兵士たち。

「……やばい!ユーリ君!こっちに!」
「……げっ!?セリナお姉ちゃん!?」
ふと傍らにいるセリナをみれば…セリナの姿が…白銀色にと揺らめいている。
怒りによってセリナの力は……もう誰にも抑えきれるものではない。
「次元応用して結界を!」
ゴルンノヴァのあせりのその声とともに。
カッ!!!!!
ドォォォォン!!!!

セリナを中心に・・・・銀色の衝撃波が広がってゆく。

ごぉぉ……
吹き荒れる爆風。
何が起こったのかわからない村を襲撃した兵士たちがその目に見たものは。
爆風の中で佇む、白銀の髪をたなびかせ怒りをあらわにした白銀の瞳をしている少女の姿。

白銀の髪が風にとたなびき。
「……罪あるものたちにはそれなりの罰を……」
セリナの口から感情のないそれでいて怒りを表している低いまでの声が、するりと漏れ出す。
と同時に。
セリナが上空にと手を掲げると。
空から無数にこの場所をめがけて降ってくる何か。
それがいったい何なのか理解するよりも早く。
カッ!!!!!
あたりを……ただ光と……そして爆音と衝撃が……覆い尽くしてゆく。


チチチチ……
どのくらい時間がたったであろうか。
セリナが呼び寄せた……無数の隕石は。
空を覆っていた雲を取り除くには十分過ぎるほど。
そしてまた。
大地より巻き起こった爆風は……暗雲とした雲をも取り去った。
どこかで鳥の鳴き声がする。
みれば久しぶりの青空と太陽の光につられて飛んできている鳥の姿。

「……あ~あ……派手にやったね……」
「……とゆ~か、セリナお姉ちゃんを本気で怒らすなんて……馬鹿な大人……」
ふいと安全を確認してとりあえず別次元を利用して結界を張り、
避難していたユーリとゴルンノヴァが姿を現す。
いくらセリナとてこのような無体を黙っているほどお人よしではない。
鋭い閃光と爆音。
襲撃者たちが最後に見たものは―白銀一色に染まった……闇。
太陽の光が降り注ぐ。
そこにあるのは…ただただ何もない大地のみ。
セリナを中心としてそこからまるで波紋が広がるがごとくに削がれた大地が続いている。
まるでそれはすり鉢状のごとくに。

「ずいぶんと派手にやりましたわね。……あなた……何者です?」
ふと上空から声がかけられる。
振り仰げばそこにたたずむ男女の姿。
男性の方はみたことはないがその整いすぎた顔立ちが印象深い。
「……あ、やっぱりさすがに気づかれたか。お久しぶりです。スィーフィード様。シャブラニグドゥ様。」
そこに浮かんでいる二つの人影に向かって話しかけているゴルンノヴァ。
その声にそこにゴルンノヴァがいるのに気づき。
「?あら?ゴルンノヴァさん?どうして異界のあなたがここに?
  それにオーラの特質がこの時間のものでは……」
感じる気はこの時間のそれではなく明らかに未来の気。
そういって浮かんでいる女性がゴルンノヴァにと話しかけてくる。
どこかりりしい軍服に見えるような、
それでいて異なる服を着ている紫がかった青い髪のまだうら若い女性。
対して。
「……というかその人間の子供ふたり……
  【気】がこの時間のものではないな?どういうものだ?ゴルンノヴァ殿?」
長い黒髪の青年がゴルンノヴァにと問いかける。
「あはは。気にしないでください。
  僕がここにいるのは・・・・まあ。【あの御方】関連みたいなものです。
  えっと実はこの子達をあるべき時間の時代に戻そうとして、
  失敗して時間をさかのぼっちゃったんですよ。これがまた。
  あ、ちょうどいいです。会いにいく手間が省けました。
  この子達を元の時間に戻すのを手伝ってくれませんか?スィーフィード様、シャブラニグドゥ様。」
とりあえず間違ってはないが正確なところはうまくごまかしそんなことを言っているゴルンノヴァ。
まあ確かに嘘ではない。
あの御方関連というのも……そしてまた元の時間に戻す・・というのも。
ただセリナが白銀の王たる資格を持っている……というのを黙っているだけで。
資質というか実際に将来には王になるのがすでにかの御方によって決定済みなのであるが。
そんなことをいっても混乱するだけだとゴンルノヴァ理解している。
それに過去においてセリナの正体を知られることは……あまり望ましくないような気がする。
このあたり……どことなく勘で危険を回避している彼なのであるが。
そんな彼のその言葉に。
――ピシリ。
何かが凍りついたような音が響く。
「そ……そぉぉぉぉ……あの御方がらみ……」
「と……とっととけりをつけろ……ということかも…な……ははは……」
どこか引きつり乾いた声で何やらいっているスィーフィードとシャブラニグドゥ。
「・・・・あれ?ルナお姉さん?」
「あ、本当だ。ルナおばさ……ととルナお姉さんだ。」
逆光にてよく見えなかったスィーフィードの顔が垣間見える。
その顔をみてそんなことをいっているセリナとユーリ。
そこにいるのは間違いなく彼らの母の姉であるルナ=インバース。
そのものの姿。
「??」
そこにいるスィーフィードには何のことだかわからない。
わからないが。
「未来のことを知るのは一応タブーと定めているから、あえて聞かないけど。
  未来からきた子供たちよ。時の守護神を紹介します。
  彼女の力によって元の世界に戻りなさい。」
首を傾げつつそれでも凛とした声でゆっくりと大地に降り立ちつつ言っているスィーフィード。
「この地にとどまることはそれすなわちこれから始まる浄化の儀式に巻き込みかねぬ。
  もう時は動き始めているからな。」
もしこの子供二人に何かあれば……まず無事にはすまないだろう。
そんなことを脳裏に二人とも同時に思い浮かべつつもそれは表には出さずに。
竜神と魔王としての威厳をもちつつそんなことをいっているこの二人。
赤の竜神スィーフィードと赤瞳の魔王シャブラニグドゥ。
確かにその姿はルナ=インバースそのものだがどことなく雰囲気が少し異なる。
それは未来でセリナが知っているルナは人としてのルナであるからに他ならないのだが。

そんな会話をしつつ、やがて空に浮かんでいた二人はゆっくりとセリナたちの横にと降り立ちゆく。

「……あ。あれ?」
ふと雲の途切れている間から見える彗星が、
格段に大きくなっているのに気づき、ふとしたつぶやきをこぼしているユーリ。

過去において竜神と魔王と出会っているセリナ達。

これより後……伝説に向けてこの時代は動き始めてゆくことを。
まだセリナ達は知らない。


                        -続く-

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あとがきもどき:
薫:しくしくしくしく・・・・・・。土曜日だからうきうきしつつ戻ったのに・・・・もどったのにぃぃ!
  肝心要の書き殴りさんにつながらない・・・・しくしくしく・・・・。
  何でぇぇぇ?昨日もつながらなかったのよぉ・・・・。
  今年最後の百物語なのに・・・・・あうあうあう・・・・。心のオアシスがぁぁぁあ!(絶叫!)
  しくしくしくしく・・・・・。
  ・・・・とりあえず時間をおいて何回も接続に挑戦してみるのです・・・。
  ・・・・・百物語・・・・・・・・・。くすん・・・・。
  ・・・・・十一時になっても接続というかページが見つかりません・・・とでる・・・。
  何でぇぇぇ!?(滝涙)しくしくしく・・・・。
  などとなきつつ打ち込みしている2003年8月30日の夜の出来事・・・・。

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