まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
う~と。
第1のミッション。
これをまとめるか否か・・・・。
ま、いっか(気分がむいたら一つにしよう、うん)
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白銀の旅立ち ~ゼロス&ゴルンノヴァ~
「縁談を壊してほしい?」
いきなりのそんなチェルシーの発言。
周りに人がいない…というか少ないからいいものの。
「実は先ほどの男達、城からの刺客と。
それと。この縁談を快くおもってないやからも多々と存在しまして……」
そういって優雅に紅茶を一口のんでいるチェルシー。
「ま…まあ、確かにそうだろうね……」
ミルーナ帝國とそして、ガーデン帝國。
この二つ大国が血縁関係を結ぶことは。
平和的にも意義があるのではあるが。
逆に、力をつけたそんな大国を脅威に感じる国もあるのもまた事実。
それゆえに。
今回の縁談を壊そうと。
二つの国に脅威を感じている国などの刺客が、入り込んでいたりするのもまた事実。
そんなチェルシーの言葉に同意しつつも。
だからって……
何でセリナちゃんにプロポーズと何の関係が……(汗)
などと思っているゴルンノヴァ。
これが正確な感情ではあろうが。
「それで?縁談を壊すって…いったい?」
とりあえず何か面白そうなので、話を聞く気になっているセリナ。
「それでしたらご安心を♡誰かが私の代わりに花嫁になってくだされば♡
そうしてわたくしはその間に運命の相手を探すことに専念しますし♡」
今まで十数人の女性の方を試しましたが。
どれもわたくしの運命の相手ではなかったのですわよね。
相性的に……
などと小さくつぶやいているチェルシーではあるが。
「?」
その言葉をきいて首をかしげているセリナに。
顔色をすっと青ざめているユーリとゴルンノヴァ。
「ああ、どこにいますの?私の運命の恋人は♡
きっとかわいらしい華のような乙女でいることですわ♡」
一人自分の世界に浸り始めているそんなチェルシーに。
「……でも、何の見返りもなく、依頼だけを受けて欲しい。というのは虫がよすぎない?」
すっとセリナとチェルシーの間に席を移したユーリのその台詞に。
「あら。もちろん、ただとはいいませんことよ?そうですわね♡私のへそくり全部でどうでしょうか♡」
にこやかにそういってくるチェルシーのその言葉に。
「一つ聞きますけど、そのへそくりというのはどれくらい?」
少し興味をもって聞いているゴルンノヴァ。
先立つものは少しでもあったほうがいいのはまぎれもない事実。
「そうですわねぇ。あまり使うことがなかったですので。かるく一億はこえているかと……」
そうさらっというその台詞に。
「やろう!それ!ね!ユーリ!ゴルお兄ちゃん!」
目をきらきらさせているセリナ。
この辺り。
母親の性格譲りなのか。
金額に目を輝かせていたりするセリナであるが。
「ま…まあ、確かにお金はあったほうがいいけど……」
そういって言葉を濁すユーリ。
でも依頼を受けるということは…この人からセリナ姉を守らないといけないということだしな。
などと本能的に危険を感じ取っているユーリ。
一方では。
「まあ、確かに、お金はあることに越したことはありませんから。
……でも、私達には花嫁に扮装できるような人は……」
そういいかけたゴルンノヴァを目で指し示すユーリとセリナ。
すっと…ないはずの……血の気がひく。
というのはこんなことなのかもしれない。
そんな錯覚に捉われるゴルンノヴァ。
「あ…あの……もしかして……(汗)」
だらだらと器用にも汗を大量に噴出しつつ。
声を震わせていってくるそんな彼のその言葉に。
「だって、ちょうど年恰好もいいしv」
にっこりと微笑んで。
どこからか化粧セットを取り出しているセリナに。
ちなみに、これは。
何かあったら使いなさいと母であるリナがセリナに持たせているものではあるが。
「確かにそ~だね。ゴルお兄ちゃんなら問題ないしvそれで?その結婚式というのは、いつ?」
「あ、それでしたらあさってですわ♡」
にこやかに勝手に話を進めているセリナとユーリのその二人の会話に。
「じゃ、決まりだね♡」
「そうね♡ユーリ♡じゃ、その結婚式がとり行われる場所に、とりあえず向かうとしましょ♡」
勝手に話をまとめていたりする。
「ちょっとまってよぉ!勝手に話をすすないでぇぇ!?」
ゴルンノヴァの叫びが、むなしく響き渡ってゆくのであった……
「……あの?だからって……どうして僕が……(汗)」
依頼の内容に思わず退く。
まあ、確かに。
ここで断ることもできる。
できるが……
彼女の一族がもっていた写本のありかを全て教えてくれる。
という情報は捨てがたい。
「それは大丈夫!何しろ、王族は滅多に人前にでないから!影武者でも気付かれない!」
きっぱりと言い切るその言葉に。
器用にも、だらだらと汗をながしつつ。
「……だからってっ!!
どうして僕があなたの代わりに結婚式をおこなわないといけないんですかぁぁぁ!?」
こちらはこちらで。
ゼロスの絶叫が響き渡っているのであった。
リィン……ゴォン……
教会の鐘の音が鳴り響く。
「……うう……」
セリナたちにおどされ…もとい説得され。
ついでだからというのでしっかりと。
形態のそれから女性にと変化させられて。
真っ白いウェディングドレスに白いヴェールを頭のティアラから顔にかけているゴルンノヴァ。
結局のところ。
三日後にあるというその教会に、セリナたちはひこずるようにゴルンノヴァをつれていって。
そこで。
チェルシー王女です。
と顔を知らない教会の人々に合わせていたりするセリナたち。
まあ子供が案内してきたことを不審がる大人たちには。
ユーリが気をきかせて。
子供が一緒の方が今回の結婚式の邪魔をする輩をごまかせるから。
というもっともらしいことをいって、納得させたのであるが。
抵抗など…もとい抗議の声などまったく聞かずに。
逆に楽しんでいるセリナを前にどうしてこうして、彼に何ができようか。
何しろセリナの実力は。
ゴルンノヴァははっきりとではないが知っている。
自分よりも遥かにその力は格段に高い。
それになにより……【あの御方】の勅命でもある。
下手なことなどできるはずもない。
泣く泣くウェディングドレスに身をつつみ。
「……うう……どうして僕がこんな格好を……」
いじけているゴルンノヴァの姿が、教会の一室で見受けられている丁度そのころ。
「う~ん。しかし……結婚式…ですか……あははは……(汗)」
こんな姿……ゼラス様には見せられませんね……(汗)
などといいつつ、白いタキシードに身をつつみ。
とりあえず、皇子のその端整なる顔立ちは、
城下町やほかの国でも、かなり綺麗と有名でもあったことから。
一応、世間一般でいうところの間をとった顔立ちにと姿を変えているゼロス。
写本の処理をしている人物がいることは。
どうやら皇太子……メフィスは、母親の一族に伝わる話でそのことは知っていたらしく。
そして……しかも。
あろうことにゼロスが魔族だと知っていて、それでもあえての依頼である。
さすがに。
初対面であろうメフィスに。
『写本のありかを教えるから、身代わりに花婿になって結婚式に出てください♡
魔族であるあなたなら姿をかえることなどたやすいのでしょう?』
にこやかにそうきっぱりといきなり言われたときにはかなり驚いたが……
「と……とりあえず、この結婚式を無事に終らせて。
そして、結婚式を挙げたのが実は後から別人だった。ということでよかったんですよね♡」
まあ、彼……ゼロスとしても面白いことは結構好きである。
というか面白いことになりそうなのにそれに惜しむ労力はない。
とりあえず。
タキシードを着込み。
結婚式に出る準備をしている獣神官ゼロスの姿が。
教会の一室にて見受けられてゆくのであった。
「ふう♡」
とりあえず。
替え玉はよしとして。
まず自分のことを知っているのは王室関係者くらいなもの。
そんな彼らに気付かれるのは時間の問題。
おそらくは誓いの儀式が執り行われるそのころには。
バレて大騒動になっていることであろう。
「何しろ、冗談ではありませんわ。であったこともない人と。結婚なんて……」
ぶつぶついいつつ。
結婚式が執り行われる教会がある町にある、名物ともなっている大広間にある公園を。
その手にアイスキャンデーをもち歩いていっているチェルシー。
そんな彼の前からは。
「とりあえず、これでしばらくは時間がかせげる……
大臣達にはわるいけど…このまま姿をくらませて……」
何しろ、彼だけでは…ない。
彼の母親が死亡したときに。
周りの進めもあって、無理やりに側室などを持たされた父。
だがしかし。
彼の…いや、メフィスの父親たるガーデン国王は、メフィス以外の子供をもたなかった。
だがしかし、国王の弟や直系にあたる血筋は他にも多々といるわけで。
別に自分がいなくなっても王位継承に困ることではない。
そんなことをおもいつつ。
だがそれでも。
病気の床に伏している父に悪いことをしているという実感は、メフィスの心には当然あり。
自然と視界が下を向いてしまう。
と。
ドン!
『きゃ!!!!!?』
階段から降りてきたチェルシーと階段を上ろうとしていたメフィスが、ものの見事にぶつかり。
ごろごろごろ!
すてぇぇぇぇん!
ものの見事に重なるようにして、階段の下にと転がり落ちてゆく二人の姿。
「あたた……」
一体全体なんですの……
などとおもいつつ、
そして、自分がのしかかるような格好になっている人物に目を配るチェルシー。
どうやら階段を上がってこようとした人物に。
ぶつかって階段を転げ落ちたようではあるが。
ふと、その人物に目をとめて、思わず息をのむ。
肩の辺りまで伸びているのかいないのか。
だがそれい以上にまるで細い糸のようなその細かい髪質に。
そしてまた。
目を見張るような金色の髪。
そして……
驚きに目を見開くその瞳は、透き通るまでの青い瞳。
なんて…何て綺麗な人なんでしょう♡
それがまず始めに感じたチェルシーの感想。
そしてまた。
「あ…す……すいません!」
逃げ出してきているからには。
いつものような男装ではなく。
その身にまとっている服も女性のもの。
薄く青いワンピース。
いつも城を抜け出したときだけ、メフィスは今のように。
本来の姿……すなわち、女性の姿のままで城下をよく徘徊していたメフィス。
目の前…つまり、自分がぶつかったせいでのしかかるようになっているのは。
紫の瞳にそして同じように紫の髪をしている、一人の人物。
だが…しかし、気のせいであろうか。
こう密着しているのに目の前の女性の…あるべきものがまったく感じられない。
ということは。
そんなことをふと思うメフィスの心情とは関係なく。
「あなた、お名前なんていいますの?」
そのまま、上からのくことなく、質問してくるその言葉。
「え?私?私は……メフィス。」
そう答えて思わずはっと口を押さえる。
本名を名乗ってどうするのよ…私は。
かなり戸惑うが。
そんなメフィスのその言葉に。
「メフィスさんですか……なんてかわいらしいかた!」
ぎゅ。
「……は…はい!?」
いきなり抱きつかれ、目を白黒させるメフィスであった。
それより…どいて欲しいんだけど……
こんなふうに抱きつかれるのは初めてのことで。
顔を真っ赤にしているそんなメフィスをみつつ。
まあ!みつけましたわ!私の運命の恋人を!
一人勝手に決め込んでいるチェルシーであった……
「……あれ?」
「あ、面白そう。記録v記録v」
一応目くらましの護衛ということで。
偽者ではあるが、チェルシー王女の付き人ということで式に参加しているセリナとユーリ。
絨毯の上を進んでくるその人物の気配に。
思わず笑いそうになったのは仕方のないことなのであろう。
シルクロードとも呼ばれるバージンロード。
そこを進んでくる…いや、否。
その先でまっている一人の人物に目をとめて。
面白おかしくくすくすと笑いをこらえつつ。
その映像を記録に残すべく。
隠れてそっとその様子を記憶球にと記録しているセリナ達。
姿がかわってはいるが、見てすぐわかる。
「ねえねえ?ユーリ?ゼロスお兄さん、なにやってるんだろ?」
ここ、十年。
何度もおじいちゃんと呼んで。
泣きつかれその呼び方はやめてください!
と数年にわたり懇願され。
しぶしぶながらその呼び方に変えているセリナ。
セリナの母であるリナやガウリイにいたっては。
パシリ魔族でいいとか生塵でいいとかといってはいるが。
「……どうやらあっちも身代わりみたいだよ?セリナお姉ちゃん。」
どうやら、この結婚式。
面白くなりそうだよね♡
くすくすと。
今、そのことを知らずに。
今、手をひかれて。
祭壇の前にと進んでいるゴルンノヴァをみつつ、しのび笑いをしているユーリ。
「面白いからこのまま二人けっこんさせちゃおっかv」
さらりと面白いことをいっているセリナに。
「あ、それいいかもね♡」
などと完全に面白がっていたりするユーリではあるが。
そんな二人の心情を誰もしることなどなく。
やがて。
手をひかれたチェルシー王女……
……実はゴルンノヴァであるのであるが、祭壇にとたどりつく。
こほん。
整備された祭壇の前で。
数名の神父などが見守る中で。
教会に設けられた祭壇の前。
ミルーナ帝國第一王女。
チェルシー=ラナ=ルーン=ミルーナ。
ガーデン帝國第一皇子。
メフィス=ドナ=レーン=ガーデン。
この二人の・・・・国際的にも重要たる。
巨大帝国同士の血縁関係を結ぶ挙式が、今から執り行われるのである。
祭壇の前にきた二人をみてかるく咳払い。
「では、これより、神のみなによりて結婚式を執り行う。」
その言葉と同時に。
うう……
どうして僕が……
そんなことをおもいつつ、ふと横をようやく見る。
そして。
「……あれ!?ゴルンノヴァさん!?」
「って…えええ!?ゼロスさぁん!?」
ふと互いにようやくちらりと横にいる相手をみて。
思わず叫んでいたりするこの二人。
「というかどうしてゴルンノヴァさんがこんなところに!?」
思わず周りに人間が多々といるのに叫んでいるゼロスに。
「そういうゼロスさんこそ!?」
目を見開いていたりするゴルンノヴァ。
……さらりと。
……金の髪であるはずなのに。
驚きのあまりにその顔と頭を覆っていたヴェールが外れる。
その下から現われたのは。
漆黒の……黒い髪。
ざわっ!
会場がいっきにざわめきだしてゆく。
そんな中。
「この婚姻は認めるわけにはいかん!」
ばたん!
タイミングよく、今回の結婚を危惧というか認めていないある国の刺客達が会場にとなだれ込み。
きちんと警備の者達もいたはずであるのに。
あっさりと会場に入り込まれ動揺する人々。
だが…それよりも。
『真実の王女と皇子はどこだぁぁぁあ!?』
今更ながらに。
二人が身代わりであったことに気付いた互いの国の絶叫が、
教会内部にと響き渡ってゆくのであった……
-続く・・(のか?)-
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あとがきもどき:
薫:・・・・・気が向いたらスペシャルと同じように一つにまとめたりして。
(気まぐれやさん)
うう・・・・眠いせーか、打ち込みがのりません・・はい(涙)
なので・・おやすみなさいです・・・・。
2003年6月16日某日
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