まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ♪
買いました?んふふふふvスペシャル20巻!
とうとう20巻ですねぇ♡スレイヤーズスペシャル♡
んふふふふvいやぁ、もう!多分、いや絶対に!
カーシャさん夫婦・・ゼフィーリアの出身のよーな気がする予感がひしひしと・・・・・(爆!)
しかし・・・。なかなか文庫にならない・・・ガウリイ外伝・・・・。
『刃の先に見えるもの』
しくしく・・早く、文庫でリナ父に会いたいよぉぉ!(まてこら!)
しくしくしく・・・・。
まあ、何はともあれv
白銀の継承者、続きを行くのですv

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白銀の継承者  第4話   ~イルマート~

「……ねえ?おじいちゃん?」
「気にするな。」
いや……でも……
後ろからずっと付いてきているのが分かるから……
ちらちらと後ろを気にするセリナに。
「……はぁ。ゴキブリ!出て来い!」
虚空を見つめて叫ぶのは。
黒い髪をしているまだ見た目、どうみても、二十代そこそこの男性。
だが。
これでも、すでに二人の子持ちで、隣にいる小さな女の子は、彼の孫娘でもある。
「ひ……ひどいです……」
いじいじいじ……
その言葉と同時に。
虚空から黒い服に身を包んだ神官の男性が突如として出現する。
「まったく、隠れてこそこそついてくるんじゃない!」
そういいつつも、それを足蹴りする。
「ですがぁっ!」
げしげしげし。
足蹴りしつつ、ゼロスを叩くマルス。
「あ、おもしろそ~。おじいちゃん。セリナもやる!」
「ちょっとまってくださいぃぃいっ!」
抗議をあげるゼロスを尻目に。
「ちょっと!?セリナちゃん!?それなんですかぁ!?」
セリナが手にしている黒い短剣を見て叫んでいるゼロス。
「あのね、リナママのけんのあれんじ!」
セリナが持っている剣は、リナがよく使う剣のアレンジ版。
「何か力が強いですよぉ!それはぁ!」
セリナの手に握られている剣をみて、叫んでいるゼロスだが。
「そう?」
自分の手に握られているそれをみて、キョトンとしているセリナ。
「そんなのしらないもん♪だって、ひとでためしたらだめって、るなおねいちゃんがいったし。」
ぶう……
少しふくれるその顔は、まだ幼い子供そのもの。
「いや……そりゃそ~でしょ……(汗)」
まさか、それでなくても。
金色の王を借りた力を人間に使うわけにはいかないだろう。
そんな力の使い道を教えるのも、リナやルナの役目。
「い…いや、いくら僕でも……多少のダメージは…それは……」
セリナが持っている剣で刺されれば、まず無事にはすまない。
「だいじょ~ぶ!かいふくするから!」
「……はひ?」
にこにことそういいつつ、その剣を突き出すセリナ。
「ちょ……まっ!うわぁぁぁぁ!」
「お~い、セリナ、あまり無理をするなよぉ!」
「はぁぃ!」
にこにこと笑いつつ注意しているマルスに、にっこりと答えるセリナ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

うららかな、海筋の街道に。
ゼロスの悲鳴がこだまする。

「あ、ほろびかけてる、えい。」
「…………え゛?(汗)」
セリナが滅びかけてるゼロスに手をかざしただけで。
瞬く間に今うけた、ゼロスのダメージが回復するのはどういうわけか……
思わず、しばらくその場に石化してしまう。
いくら、あのリナとガウリイの娘でも、普通の人間に出来るはずはない。
魔族である自分の回復など。
出来るとすれば、彼を創った上司である獣王か。
彼等の王である赤瞳の魔王のみ。
それか、もしくは、彼よりも力のある実力者のみ。
「ほら、セリナ。ゴキブリ構ってないで、いくぞ!」
「あ、まって!おじ~ちゃん!」

呆然と、その場に固まっているゼロスをそのままに。
とてとてと走ってマルスを追いかけてゆく。

カァカァカァ……
日が暮れ。
ザザァン……
打ち寄せる波の音だけがむなしく響く。
ふと、ゼロスが気が付くと。
いつのまにか、すっかり、日は暮れていた。



「まあ、かわいいお子さんですねぇ。」
宿にチェックインするときに。
隣にいるセリナをみて、言ってくる店の主人。
「うん?孫だぞ?な、セリナ?」
「うん!あのね、セリナのママのパパがマルスおじーちゃん!」
賛同を求められて、にっこり微笑む。
「……え……ええええええええええええ!?」
ガタタタタタン!!!!
ドンガラガッシャァァン!!!
宿の主人や、一階で食事を取っていたほかの客たち。
その全てがその台詞に盛大に床にと倒れ付す。
どうみても、この泊まりにきた男性は。
二十歳そこそこ。
……孫がいる年齢ではない。
「まあ、若くみられるのは、いつものことだがな。」
そういって、にかっと笑う。
すでに彼は、五十を軽く過ぎているにも関らずに。
外見は、二十代前半に見えるのだから。
もしくは、よく見ても、三十代前半。
孫がいる年齢には到底見えない。
「ほら、宿帳に記載するぞ。」
「ああ!セリナもかくぅ!」
ひょいと。
自分の名前を書きたがる、セリナを抱きかかえ。
宿帳にと記載させる。

セリナ=ガブリエフ。
マルス=ラファエル=インバース。

二人の名前を宿帳に書き込み。
宿を一部屋とり、ゆつくりと休む二人の姿が。
ゼフィーリアを出発して。
目指すは、沿岸諸国に位置する、今回の商売の相手の元に。
進んでゆく二人の姿。
泊まる宿のことごとく。
二人が親子でないと知った人々の驚愕の叫びが響き渡っていた。


「…………ふぅん。」
イルマート王国。
そこは、避暑地としてもかなり有名。
マルスが商談をしている間。
その有名な海にと来ているセリナ。
―有名な死の入り江がある。
それを聞いて、セリナは、その入り江に足を運んでいるのだが。
「なんか、ゆめのなかにでてきた、きんぱつのおねいちゃんのちからのけはいだよね。
  それとか、リナママがよくつかうあのちからのけはい♡」
何もない、虚無の空間の入り江をみて。
ちょこんと座り、そんなことを言っている。

イルマート王国。
その入り江は、かつて、リナが腹いせ紛れに。
重斬破ギガスレイブを放った場所。
今でも、魚一匹よりつかない死の入り江として。
ちょっとした観光名所と成り果てている。
まあ、面白半分、興味半分で来た人々は。
この気配に圧倒されて、まず気絶するか、もしくは気絶するのが通常なのだが。
マルスの商談の相手は、ここ、イルマート王国のとある商人。
今度、ここイルマートにも、インバース商会は支店を出すために。
その打ち合わせ。


「お、こんなところにおじょうちゃん。一人で何をしているのかなぁ?」
有名な観光地には、よくあること。
どこにでもいる、ごろつき風のいかにも柄の悪い男達が。
ちょこんと入り江の入り口に座って、海を眺めているセリナをみつめ話しかけてくる。
いくら、観光の名所とはいえ。
やはり、こういった場所は。
こういう輩の格好とした獲物をあさる位置と化しているわけで。
大概、こんな所にくる金持ちの人間は。
まず子供を攫って、少しばかりの金を出したら。
開放してやるという言葉をすんなり受けて。
ほいほいと身代金を払うのだから……
そんな馬鹿たちは彼らにとっては、おいしいことには代わりない。
それが、年相応の女だと直一層に彼等にとってはおいしいらしいのだが。
それはそれ。
彼等の目の前にいるのは、まだ三歳になるかならないかといった幼女。
その身なりからして、ちょっとは金持ちの子供のようである。
言葉巧みに。
セリナをつれてゆこうとするその男達に。
にっこりと微笑みかけて。
「……もしかして、おに~さんたち、あくにん?」
「ひどいなぁ。人が親切でいってるのに。」
そういいつつも、セリナにと手を伸ばしてくる。
どうやら、無理やりに抱きかかえてつれてゆく雰囲気が、ひしひしと伝わってくる。
「あくにんだったら、えんりょいらないね!」
……?
男達には、その意味が分からない。
「ボムディウィン!」
いきなり、アレンジした風の術をそんな男達にと向けるセリナ。
『うわ!?』
アレンジされているので、逆にセリナの方向側……
その先に、その力によって飛ばされてゆく。
ふと、下を向けば、そこは、死の入り江。
まずここに足をついて、無事だった、というためしなど。
今までの経験からもありえないというのを彼等は知っている。
自分達がそんな死の入り江の上に飛ばされたことに、顔色を真っ青にしていると。
「あくにんにじんけんないって、ママもいってるし!というわけで、どらぐずいぶぅ!」
『マ……っ!』
未だに空中に浮かんだまま。
ドッガァァァン!
セリナの放った術は。
まともに、ごろつきたちにと直撃していた。
ヒュルル……
ポテ……
何か黒こげになった物体が多少入り江に落ちてゆくが。
「お~い、セリナ、何処だぁ!?」
遠くから聞こえるマルスの声に。
「あ、おじ~ちゃんがよんでる!」
ぱたぱたと。
何ごともなかったかのように。
セリナは、声のしたほうにとかけてゆく。

後には。
死の入り江と呼ばれているその場所に。
数名の、もはや命はあるものの。
身元が分からないくらいにこげている人間が転がっていた。

やがて、そこに転がったままでいると。
闇が体を蝕んでくるのに気付いて。
半狂乱になり、狂った男達が。
いつものごとくに、その辺りで叫んでいた。
この場所に足を踏み入れると、大概はその気が触れる。
まあ、当然であろうが。
何しろ、この空間に満ちている力は、虚無の力。
普通の精神が正常に保たれるわけがない。
ましてや、普通、瘴気などにも弱い人間ならなおさらに。
毎年、ここに入り込んで、気が触れる人間は少なくない。
いつものことなので。
すでに、町の人達は、もう気にしなくなっているのだが。

「おじ~ちゃん?おわったの?おしごと?」
見上げるセリナの頭をクシャリとなでて。
「ああ。どうだ?どうせ、ここまで来たんだ?どこかによってくか?」
「あ!なら、セリナ、おんせんはいりたい!」
いつも、家では入っているが。
普通の温泉には入ったことのないセリナ。
「……そっか。そ~だな。よし!ミプロス島にでもいくか!」
「わぁぁぃv」
マルスの言葉に飛び上がってセリナは喜ぶ。

ミプロス島。
そこは、温泉の名所で有名。
一説には、とある場所では、過去や未来の姿が。
フェアリーソウルが飛び始める時期に、見受けられるとか何とか。
観光地としてもかなり有名な場所である。

ここ、イルマートに支店を出す話は、滞りなく進み。
商談を終えた、二人は。
とりあえず、エルメキアにと渡り。
そこから、船で、ミプロス島にと渡ることに。
その日の内にと決定していた。



「……あ…あの?(汗)」
ゼロスの報告をうけて、しばし腕を組む。
「引き続き、勧誘しろ。」
「まだですかぁ!?」
泣き言をいうゼロスをギロリと睨む。
「……は…はい(涙)」
まさか、上司の命令には逆らえるはずもなく。
涙をだくだくながして了解する。
「少なくとも、まあ、あの二人の子供なんだ。それに、その、ガウリイ殿がいうには、
  あの、聖魔兵器セリファナの転生体なんだろう?あのセリナ殿は?」
淡々と、金色の髪を短くまとめている目つきの鋭い女性の言葉に。
「はぁ……らしいです……」
いつも側にいるので、その辺りのことは知っている。
しかも、そのかつての聖魔兵器セリファナを消滅させたのは。
他ならぬゼロス自身なのだからして。
「転生しても、力が使えるのかもしれん。
  神と魔の属性を持っていた、あの聖魔兵器セリファナならば。
  ゼロス、お前の力を回復することも可能だろう。」
「……はぁ。つまりは、その辺りのことも確認しろ…と。」
上司の言いたいことを悟り。
汗をぬぐう。
よくまあ芸の細かいことである。
「そういうことだ。……まあ、あのセリナ殿に何かないように。まずは身の安全だな。
  ……間違いなく、セリナ殿にもし何かあったら……
  ……本気でリナ殿は、カタートにあれを叩き込みかねないからな……」
そういっている目が遠い。
「……リナさんならやりかねませんね……」
リナの性格は、腐れ縁とはいいながら付き合いもそこそこあるので把握している。
まず、腹立ち紛れに、カタートに呪文を叩き込まないとも限らない。
事実。
カタート山脈の端の方では。
リナが放った攻撃により、変形している山も多数存在している。
ゼフィーリアに近づくにつれ、いびつな形の山々が増えているのは。
それは、ゼフィーリアに住んでいる人々が。
何らかの形で山の形を変形させたからに他ならない。
どこか遠くをみつめ、つぶやきながら。
「……これ以上、リナ=インバース。いや、今はガブリエフか。
  あのものに魔王様の欠片を滅ぼさせるわけには、いかないからな……」
「……ですね。」
別にすでに滅んでしまった魔王はどうでもいい。
人に敗れた魔王の欠片など。
だが、問題は。
今、彼等は、かなり不景気なのである。
リナに関り、滅んだのは、魔王だけではない。
魔王腹心の中で最も実力のあった、冥王ヘルマスターフィブリゾ。
彼は、死を操るものとしての実力を持っていたにもかかわらず。
策士、策におぼれるとはよくいったもので。
いらないチョッカイをリナに乗り移ったとある『御方』にかけて、怒りをかって滅んでしまった。
かつての約千年と少し前の戦争において。
人の心が混ざるという封印を施されていた、魔竜王カオスドラゴンガーヴは。
すでにフィブリゾが滅ぼしている。
さらには、数年前。
リナとガウリイと、その他。
エルフと黄金竜、そして、後に魔王の器となった人間と、もう一人の人間。
それらの手によって、彼等の同僚たる覇王ダイナストグラウシェラーは。
その精神体の一部をもぎ取られ、かなり力を弱体化させられている。
しかもリナは、七つに分けられた欠片のうち、二つを滅ぼしている実績の持ち主。
……今また、存在している北の魔王まで滅ぼされては……
彼等魔力にとって、それは困る。
娘を仲間に引き込めば、これ以上。
魔族の弱体化は取り除けられるであろう。
まあ、絶対に仲間にはならないことは分かっているが。
分かっていつつも、ゼロスに命令を出しているゼロスの上司。
獣王グレータービーストゼラス=メタリオム。
つまりは、リナをあまり刺激しないための、
俗にいう生贄にゼロスを差し出しているといっても過言でない。
とりあえず、ゼロスにそういう命令を出しておけば。
命令を遂行するために。
ゼロスは間違いなく、セリナの命を助ける。
それが分かっているから。
かなりの策士である。
うなづくゼロスをみつつ。
「では、そういうことだ。すぐに飛んでくれ。……二人はミプロスに向かった。」
「…………え?(汗)」
その言葉に少し固まる。
「まあ、我としても、グラウのやつの作戦というか。
  まあ、協力してやりたいのはやまやまだが。
  これ以上、魔王様を弱体化させるわけにはいかないからな。
  あちらには、私から話しをつけよう。」
「……えっと。つまりは、僕は、僕でお仕事優先でいいんですよね?」
一応、確認を取るゼロス。
「ああ。構わない。」
上司の言葉を受けて。
「分かりましたvそれではv」
一礼して、そのまま、ゆらりと姿をかき消してゆく。

「……まあ、あいつも、怒りに任せて契約してるからな……」
人間に手ひどい目にあわされ・・というか、リナに手ひどい目にあわされた覇王は。
とある人間にと力を与え……復讐のチャンスを狙っているのだ。
「まあ、災いの目は取り除いておかないとな……本気でやるぞ…あの人間は……」
いくらなんでも。
カタートに、重破斬ギガスレイブを叩き込まれては……
あの、フィブリゾですら。
ぎりぎりのところでその不完全版を耐えたのだ。
……自分達で、出来るか否か……
「……はぁ。」
溜息一つ。
「……頼むから、やっかいなことになってくれるなよ・。」
そう、溜息をついている女性の姿が。
とある島…一般には、群狼島と呼ばれているが。
その島の中心にある宮殿にて見受けられていた。

「さて、セリナちゃんと、マルスさんを追いかけますかv」
にこにこと。
いつものように、二人を追ってゆくゼロス。

ミプロス島。
かつて、リナが過去にと渡り、歴史を塗り替えた島。
そして……

「……グルゥさん、黙っててを引いてくれればいいですけどねぇ・。」
そういいつつも。
精神世界を移動しているゼロスの姿がそこにはあった。



「うわぁぁぁぁぃ!ふねだぁぁぁぁ!」
「セリナ、乗り出したら落ちるぞ?」
豪華客船にのって、はしゃぐセリナをなだめているマルス。
今、セリナとマルスは。
ミプロス島にと向かう、客船にと乗り込んでいた。

二人が目指すのは……ミプロス島。


                          -続くー

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あとがきもどき:
薫:・・・・よーやく、イベント・・開始・・かな?
  ちなみに、ガウリイの家族が出てきますv
  オリキャラです・・・はひ(汗)
  んではではv
  え?聖魔兵器(セリファナ)の説明?
  それはvしばらくのちに判明しますv(まて!)

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