黒曜の宝石    ~全ての始まり~



どぉぉぉぉん!!


周りから響くその爆音と・・・そして、熱気。
それはどうやら北の地から響いてくるような。
そんな感覚。
「まったく、困ったもんだね。」
そういいつつ苦笑しているのはまだ小さな男の子。
「くっ!」
そんな少年の周りにいる数名の大人たち。
いや、そういえるかどうか。
空はすでに光すら大地に届かないほどに荒れ狂い。
本来青いはずのそれは。
今では絶えず稲光などが押し寄せ、時間をおかずに落雷が起こっている。
そんな状況で。
「逃げろ!!!!シル!お前だけは!」
「でも!!!!」
そう叫ぶ男性は黒い髪に碧い瞳をしているかなり見た目には整った顔立ちの青年。
そんな彼にむかって叫んでいるのは
そのストレートの髪を腰の辺りまで伸ばしている女性。
「いくんだ!お前が捕まったら!この世界は!」
「・・・・絶対に生きてよ!!」
「ああ!」
そういいつつ、後ろにいる女性を逃がそうとするそんな彼をみて思わず苦笑する。
「・・・・・無駄なことを。ダイアナ?捕まえといてね。この僕に勝てると思ってるの?」
くす。
そう笑うと同時に・・・・少年の手に小さなちょっとした金色の玉が出現し。
「君は邪魔だからね。」
それだけいって、その手のひらにと出現したそれをかるく握りつぶす。
パキィィィン・・・・・。
静かな音を立ててそれが割れ。
「・・・・・・う・・・・ぐっ!し・・・・」
ドサリ。
そのまま何も少年がしてもいないのに、青年の体は地面にと倒れ付す。
それと同時に大地から吹き出てきたマグマが青年の体を無と化してゆく。
「い・・・いやぁぁ!」
それを逃げる最中、ふと予感がして振り向いたその目に飛び込んできたのは。
最愛な人が・・・・マグマにと飲み込まれてゆく様子。
「さってとv君にはこっちにきてもらおうか?ま、君には用はないんだけどね?君の中にいる、魔王様に用事がねv」
にこやかににっこりと・・・知らない人がみたら天使の微笑み。
そんな笑みを浮かべる黒い髪に少しウェーブの入ったかなりかわいい男の子。
そんな笑みを浮かべて逃げようとしている女性にと話しかけている。
「だれ・・・・が!あなた方魔の思い通りになるものですか!!!!」
そう叫ぶや否や。
腰に挿していた剣を抜き取り。

ドシュ・・・・

そのまま自分の胸にとそれをつきたてる。
「あ!何てことを!」
叫ぶが早いや。
パラリ。
倒れるはずのそこに懐から取り出した常に持っていた魔法陣が書かれている、それを地面にと広げ。
その中にと倒れこむ。
「・・・・くっ!それは!?」
それは六紡星の形をかたどったシンプルな魔法陣。
だが、それの意味しているべきことは・・・・。
近寄れない、その力の象徴たるそれには。
近寄れない少年をみて、口に笑みを浮かべ。
「・・・・私の・・・・最後の力にて・・・この地に・・・この欠片を・・・・」


全てなる母なる存在よ 我が命と引き換えに 我が願いを聞きたもう
我ここに全てをひきかえに 我が内にとある 赤き闇 この地に封じられんことを 



「・・・・な゛!?そんなことは!?」
思わず驚愕の声を上げるが。
そのカオスワーズが最後まで言い終わるよりも早く。
女性の意識は途切れ。
女性は・・・・魔法陣の中にて・・・完全にと事切れてゆく。
そのままその体が、さらり、と風に塵となり霧散してゆく。

「・・・・中途半端に術が・・・発動しちゃってるね。
   ・・・・まさか力とそしてその精神とを分けられるとは・・・ま、いっか。
   しかたない。とりあえず今目覚めている魔王様だけでよしとしよっかv」
伊達に戦いを世の中に満たしたわけではない。
先日七つに分かたれていた彼らの王、そのひとつが目覚めた。
ひとつだけでは・・と、彼と同調する魂を見つけ出し、追い詰めたまではいいものの。
人間というものはどこまでもしぶとい。
あっさりとしているようであがくものはとことんあがく。
それは今自害した女性にも言えることで。
「あ、ダイアナ、砂漠の外にきたうるさいごみ、排除しといてv」
「はい、わかりました、冥王様。」




それははるか、伝説にも残っていない、その地の真実。





数十年後。



かつて数年前まで起こっていた魔と神々の戦いは。
いや、魔と生きるものたちの戦い、といってもいいであろう。
それはこの地を収めていた、赤の竜神の分身たる竜王の一人。
水竜王ラグラディア。
竜王がその力をもち、目覚めた魔王を北の地に氷に閉ざし。
この地からは・・・・神聖魔法という神の・・光の力を借りた魔術が使えなくなり。
今まで数千年、バランスが取れていたがゆえに出てこなかった闇に生きる生き物がこの地を徘徊しはじめてはや数年。






「この地がいいんじゃないですか?」
そんなことをいっている数名の人間たち。
「そうですねぇ。確かにここからは何かかなり力を感じますね。あなたたちの目的にはもってこいなんじゃないですか?♡」
にこやかにそんな人間たちにいっている黒い神官服をきている一人の青年。
髪をおかっぱにと切りそろえどこにでもあるような錫杖をもち。
にこにこと絶えずに笑みを浮かべている。
先日彼らがとある町を作るのにどこかいい場所がないかと。
探しているときに偶然に出会ったデーモンの群れ。
それを退治してくれたのがこの『自称怪しい神官・ゼロス』。
数年前まで続いていた戦いで。
ほとんどの村や町は消滅し。
かつがつ残ったのはちょっとした国々などの王都や、それかまたは王都よりかなり離れた位置に存在していた田舎の村が多少。
この地には統一した組織というか機関が必要。
それをひとつの国が表立って率先し。
そして国々が共同支出をし、彼らが今から作ろうとしている組織は。
民間企業として今から発足を向かえるのであるが。
「そうですわね。どうやらこのあたりは地脈のエネルギーが集まっているようですし。
  少なくともこの地よりかなりの力を感じますし。協会本部を作るにはもってこいの場所かもしれませんわね。」
そんなことをいいつつ、周りの魔力を感じとっている一人のエルフ。
数年以上に及ぶ戦いは人、エルフ、竜、全ての生きとしいけるものたちに、多大なる被害を与えた。
この地からは外にでれなくなった生き物たち。
そんな中で、自衛策として魔法を教える機関があってもいいのでは?
という案がでるのは復興の最中、ごく当然のこと。
「一応、こちらとあちらがかなり力が強いようですし?どうでしょぅ?
  それぞれの場所に神殿でもつくって。その力を活性化させるというのは♡」
にこやかに提案しくるそんな神官の言葉に。
「あ、それいいですね。えっと力が強く感じるのは。こちらと・・・そして、あちらですね。」



かくして。
何かしらの力が満ちているそこに。
ひとつの町が建設されてゆく。


後の、サイラーグ、と呼ばれる町の発端であった。





                                      -続くー


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まえがき:

   こんにちわv
   ・・・・えっと・・・前回打ち込んだのは・・・(確認中・・・)
   ・・・・・うぐ・・・・あ・・・・あははは。(五月だ・・)
   あ、藤原さん、多分、いやかなり・・・話は異なると思いますがご勘弁をv
   ちなみに、こちらは見果てぬ夢と同様に、
   藤原さんにプロット考えてもらった小説ですv
   といってもそれでなくてこれは過去話なんですけどねぇ・・・
   過去と現代?を取り混ぜるとかなり長くなるのが何となくだが判明したので。
   わけましたv
   ではではv

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   あとがきもどき:
       薫:ゼロス君、何かと暗躍(笑)
         別にこれを書かなくてもいいんじゃないかな?
         とも思いましたけどとりあえずサイラーグのできた経緯に。
         ゼロスが暗躍してますよ?という付箋を引きたかったのです。はい。
         それでは、次回からようやく過去の話です。
         ほとんどというか完全なるオリジナルですが。
         それでもいいよ?という人のみどうぞなのです。


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