黒曜の宝石   ☆プロローグ☆




「・・・・・本っ当、いきなりだったわねぇ~・・・。」
腕をくみつつ、言っているのは。
栗色の髪に紅の瞳の女性。
しみじみいいつつも、その口調には感心の色が見え隠れしている。
いつもの服装でなく。
肩の少し開いた紅いドレスを身にまとい。
なぜか、その開いている部分の肩を隠すように。
ピンクのショールを羽織っているが。
少しアップしているその栗色の髪。
そのうなじがとても白くまばゆく光る。
「そういうリナは?まだなの?」
「・・・・な゛!////あ・・・あたしとガウリイは・・そんなっ!////」
顔を真っ赤にして、しどろもどろになっていっている女性の言葉に。
「リィナv私は誰もガウリイさんと何ていってないけど?」
かぁぁぁ!////
そういって言ってくるのは。
薄いピンクのドレスを着ている女性。
その肩の辺りまでかかるかかからないかの切りそろえられた、黒い髪。
その言葉に顔を真っ赤にし。
「アメリアぁぁぁ!あのねぇぇぇ~!!黄昏よりも暗きもの・・」
顔を真っ赤に染め上げて、いきなり何かつぶやき始める。
そんな彼女に。
「ちょっとまて!リナ!それは、ドラグスレイブだろう!?こんな所でやめろって!」
栗色の髪に紅の瞳をしている女性を。
そういいつつ、後ろから抱きしめて羽交い絞めにしているのは。
ラベンダー色のタキシードをピシッと着こなして。
腰に剣を一振り挿している、
金髪碧眼に長身の男性。
「ちょっ//放してよぉぉ//ガウリイ!///」
じたばたと後ろから抱きしめられてもがく女性―リナ。
くすり。
そんな二人をみつつ。
「ガウリイ様?本当にいい加減にリナさんと、結婚なさらないんですの?」
くすくすとそんな二人をみつつ、真っ白いドレスに、身を包んでいる女性が笑う。
「というか、俺はシルフィールより。リナと旦那が先だと思ったぞ。」
そういいつつ、腕を組みつつ言っているのは。
そのかつての面影を少しばかり残しているものの。
以前の岩の肌ではなく・・紛れもなく、肌色・・つまり、人の肌をしている男性。
「あ、ゼルガディスさん、それは私もです。」
先ほどアメリアとリナに呼ばれていた女性がその言葉に同意を示す。
そんな二人をみつつ。
「・・・・な゛っ!//何でよぉ~!//あたしとこいつとはっ!///」
真っ赤になって抗議の声を上げているリナに。
「ほぉぅvそんなこというんだったら、リナ♡しばらくお仕置きだからな♡」
しっかりと真っ赤になっている、リナを後ろから抱きかかえたまま。
リナの耳元でささやいている、金髪碧眼でガウリイと呼ばれたかなりの美男子。
そういいつつ。
はむり。
「・・・・ちょ//馬鹿ぁ//耳・・・かま・・・あ・・ん♡」
後ろから抱きしめられつつ、耳元でささやかれ。
そして、ささやきつつ、軽く耳タブをかんでくるガウリイに。
思わず甘い声を漏らしているリナ。
「くくくっ。リナは耳、弱いもんなぁ~♡」
そういいつつ、リナの顔をのぞきこむ。
「・・・ば・・・馬鹿っ!人前で・・んんっ!!」
その大な両手で後ろ・・つまりは、ガウリイの方に、顔を向けられて。
そのまま、抗議の声を上げようとするリナの口が、ガウリイの口でふさがれる。
「・・・・んっ・・・・んっんっ!!///」
じたばたとガウリイにキスされて。
もがいているリナを見つつ。
「・・・・・なあ、シルフィール?この二人・・こぉんなに仲がいいのに・・。どうして俺達が先なんだ?」
思わずあきれた声を出す。
真っ白いタキシードに身を包んでいる男性。
彼の名前を、セルシウス。
セルシウス=グリーンフィールド。
といっても、今日からは、彼は違う性を名乗るのであるが。
リナとガウリイの様子をみつつ。
思わずあきれた声を出す。
「おそらく、リナさんが。『結婚は恥ずかしい』とかいって、ガウリイ様をじらしているのかと♡」
そういって、シルフィールと呼ばれた女性がにっこりと微笑むと。
「おvさすがシルフィール、よくわかるな♡」
完全にもはや力が抜け切ったリナを抱きしめているガウリイ。
そのリナの向きを変えて自分の胸に抱きこむようにして、抱きしめているのであるが。
その言葉にガウリイがにっこりと同意の意見を言ってくる。
「・・・・はぁはぁ・・・もぉ・・//ガウリイ・・・の・・ばかぁ・・//」
息を切らせつつ、ことんと、そんなガウリイに完全に身をゆだねているリナ。
「だったら、次はリナとガウリイさんね!ガウリイさん!リナには押しの一手よ!」
たきつけの言葉を言っているアメリアに。
「・・ま・・まあ。その心配は・・ないようだが・・。」
どこかあさっての方向をみつつつぶやくゼルガディス。
「何をいっているんですか!ゼルガディスさん!愛し合う二人が永遠を誓い合う!そして夫婦になることが正義というものです!」
拳を握り締めて力説しているそんなアメリアの言葉に。
「・・・・・正義とは関係ないだろうが・・アメリア・・。」
思わず突っ込みを入れるゼルガディス。
そんな彼等の姿をみつつ。
「シルフィール、本当にいい仲間や友人に恵まれたな。」
そっと肩に手を置いていってくる。
本日のシルフィールと対になるもうひとりの主役。
たった今永遠を誓い合ったばかりの相手―セルシウスの言葉に。
「―ええ。セルシィ。」
真実の愛とは・・・何か。
本当に大切なものとは?
それに気付かせてくれた・・大切な幼馴染でもあり。
そしてまた。
今からは共に生きてゆく愛する夫。
伴侶となった黒い髪に碧い瞳をしている男性のその言葉に。
真っ白いウェディングドレスに身を包んだ、黒く長い髪に黒い瞳。
シルフィールはにっこりとその手をとって微笑み返す。


数ヶ月前まで。
この地にはデーモンなどが大量発生していて、それに悩まされていた。
そして今。
ようやく落ち着きをみせたことから。
今日のこの日を迎えたのである。



―ゼフィーリアに里帰りをしていた、かつての仲間。
リナ=インバースと。
かつてはシルフィールも今思えば淡い憧れ。
それが恋なのだと一人で勝手に思っていた。
その相手―ガウリイ=ガブリエフ。
そして報告というか、招待状を出したときに。
たまたまそこに・・ゼフィーリアにと出向いていた。
かつての大切な仲間であり友人たち。
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンと。
ゼルガディス=グレイワーズ。
何でもアメリアとゼルガディスは、
ゼフィーリアにいるという、赤の竜神の騎士(スィーフィードナイト)を、尋ねていたそうなのであるが・・。



ちなみに。
余談ではあるがリナと共にゼフィーリアに向かったガウリイは。
ちゃっかりと、リナの両親や家族に挨拶して、リナとガウリイはそのときから家族認定、公認の婚約者として。
・・・・・リナの知らない間に決定がなされ。


今では・・・まあ、つまり。
二人はそ~いう関係になっているのであるが・・・。



「さて、次はリナさんとガウリイ様の番ですわよ!」
そういいつつ。
ボスンと。
リナの頭の上にとある代物を投げているシルフィール。
「・・・シッ!///」
真っ赤になりつつ抗議の声を上げているリナに。
「そうだよなぁvリナ♡いい加減に結婚しようぜ♡」
そういいつつも。
未だにリナを抱きしめているその手を介抱していないガウリイ。
「・・・・やーよっ!//はずかしいもん!///」
・・・・人前でいちゃつくのは。
恥ずかしくないんかい・・。
思わずそんな二人に、他の参列者達などは心で突っ込みをいれていたりするのだが。
「あれ?でもリナ?結婚しないと。子供はどうするき?」
「・・・・・・・・へ?」
アメリアの言葉に目を点にしているリナ。
「おv何だ、アメリア、気づいたか♡」
そんなアメリアにまったく悪ぶれた様子もなく。
にこにこした笑顔を向けて、未だに。
リナをしっかりと抱きしめているガウリイ。
「・・・あら、そういえば、何か・・。」
確かに気配が二人分。
「いゃぁ~♡あまりにリナが恥ずかしがるからv先に子供をと思ってな♡」
子供が出来れば。
いくらリナでも結婚する気にるであろう。
というガウリイの考え。
・・・普通、女性がやることだとおもうのだが・・・子供を盾に結婚を迫るというのは・・。
「・・・・・・・・な゛っ!!!!!!?////」
その言葉に。
真っ赤になってガウリイに抱きしめられたまま。
固まってしまうリナに。
「・・・・・気付いてなかったんか・・・。リナ・・・貴様は・・・・。」
そんなリナの様子をみて、軽く溜息ついているゼルガディス。
「そういえば確かに、このリナさんから。二人分の気配がしているな。」
まじまじといってくるセルシウスの言葉に。
「ふ・・え・・・・ええぇぇぇぇぇ~!!!!?」
かなりパニックに陥っているリナ。
「ふふふふ!さあ!リナ!お腹が目立ってくる前に!早くガウリイさんと結婚式よ!リナ!」
嬉々として、心底うきうきといっているアメリアに。
「・・・あのな・・・順番が逆なんじゃ・・。」
というか。
普通・・・男がすることじゃないぞ・・。
女を孕まして結婚を迫るなんて・・・。
深く溜息をついているゼルガディス。
そんなゼルガディスの言葉に。
「何をいっているんですか!ゼルガディスさん!リナにはそれくらいのこと・・・『既成事実』の一つや二つ!
  それくらい先に作らないと、永遠に、リナは恥ずかしがって、結婚なんてしないに決まってます!」
きっぱりと、そんなゼルガディスに向かって言い切っているアメリア。
・・・・・・・・・・・・・・・・
 その言葉に。
リナをよく知っている人々はしばし顔を見合わせたのち。
『・・・・確かに。』
その場の全員…少なくとも、リナをよくというか少しでも知っている人達の声が重なり同意してうなづいていたりする。
「あ・・・あんたたちわぁぁぁ!というか!?ガウリイ!!?//」
周りの言葉も気にはなるが。
とりあえず、今は事実の確認が大切である。
あわてて、未だに抱きしめられている状態のまま。
見上げるようにガウリイの顔を見上げるリナ。
「リィナvまさか、もう子供が出来ているのにv『恥ずかしいからいや』なんていわないよなぁ?」
満面の笑みを浮かべてにっこりと笑うガウリイに。
「こ・・・・・このエロクラゲぇぇぇ~!!////」
真っ赤になりつつ、潤んだ瞳で見上げて抗議の声を上げても・・。
逆効果になるだけだと・・。
・・未だにリナは理解してない。

そ・・・そういや・・。
あの日・・・・三ヶ月くらい・・き・・きてなぁぁぃ!
いや・・だって・・ガウリイがその・・毎日・・激しすぎるからっ!//
などと思いめぐらせつつ。
真っ赤になって、ガウリイにしっかりと抱きしめられた格好のまま。
その場に硬直して立ち竦むリナ。
ああ・・・・。
ね・・・・姉ちゃんに・・ころされるぅぅ~!!
順番が違うってぇ~!!(涙)

リナの心の叫びは何処へやら・・

くすくすくす。
「ガウリイ様・・・やりますわね♡」
そういいつつ、ひそかに・・いや、かなり本気でガウリイに声援を送っているシルフィール。
 
今のこの平和な一時があるのはリナとガウリイ、二人のおかげ。
そして―『今』自分がここにいるのは。
『彼』のおかげ。
「ん?どうかしたのか?シルフィール?」
愛しそうに見つめてくる夫・・セルシウスの言葉に。
「・・・・愛してるわ。セルシィ。」
「俺もだよ♡シルフィール♡」
そういいつつ。
互いに口付けを交わす、先ほど夫婦になったばかりの。
若い男女。
 
「さて、お二人の邪魔をしちゃ、何ですし。ゼルガディスさん、私達は三次会にいきましょ!」
そんな二人の邪魔をしないように。
さりげなく席を外そうとしているアメリアに。
「あ、俺、リナ連れて先に宿屋に戻るな♡」
未だに真っ赤になって固まったままのリナを。
ひょいと横抱きに抱きかかえて、にっこりと笑いつつ、アメリアとゼルガディスに言っているガウリイ。
「・・・・ほどほどにな・・。」
にっこりと笑うガウリイのその言葉の裏に隠された意味を悟り。
一応念を押しておくゼルガディス。
まあ、言っても無駄だとは分かってはいるが・・。
そうおもいつつ、溜息をつかずにはいられないゼルガディスであった。
 

―今日は。
ようやく復興の兆しをみせ始めている、ここ、サイラーグ。
そのサイラーグの中で。
その新たな指導者たちの・・結婚式・・・。


                  -第一話へー


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まえがき:

こんにちは。
かぁなり基本を考えてもらって、プロット考えてもらって(藤原さんより)から、かなりの月日がたっておりますが・・(おいこら!)
ようやくの、とりあえずのプロローグの打ち込みなのです・・・。
んではではv


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あとがきもどき:
    薫:・・・・ガウリイ・・暴走してますなぁ(笑)
      とりあえず。
      一応主人公はシルフィールです。
      リナガウ・・・・たまぁに出てきますけどね(まて!)
      というか、プロローグとエピローグが・・。
      このオチです(ばらすな!)
      藤原さんvまたまたプロット作成ありがとうなのですv
      (でも実は貰ったの・・・半年以上前なのに・・あう・・)
   エル:・・・・・あたしは?
    薫:・・・・・・・・・ええと。
      ・・・・・・・・・・・・・・
      ・・・・・・
   エル:んっふふふ。まさか・・出さないとかいうんじゃ♡
    薫:・・・・あああ!
      シルフィールの母親のところでだしますぅ!
   エル:つまりは、それ以外はあたしは出ない・・と♡
    薫:・・・・ぎくっ!(滝汗)
   エル:んっふっふ。
      いい根性してるじゃないのよぉ!
    薫:い・・ぎゃぁぁぁぁ!!!!!

    (何かが切り刻まれる音がしばし・・・・)

  エル:えー。何か急用が出来てどこかにいった薫はおいといて。
     次回からはシルフィールの過去話vですv
     それではvv

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