まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

何だか、なかなか気力がのらずにほったらかしに……
今だに、これのエピローグとかを悩み中……
裏設定もやっぱり出すかなぁ……
何はともあれ、いくのですv

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 ~時空の旅人~第15話~

かちゃかちゃ……
「あ。ガウリイさん。それはそこにおいてくださいましね」
「あ。はい」
とりあえずガウリイとともに、あたしの実家でもあるインバース商会にとやってきているあたし達。
とはいえこじんまりとした商店なので裏手に実家があるという兼用なのだけど。
ゼフィール・シティの中心地。
その中心地から少し離れた場所にあるこの場所は結構様々な人たちが利用している。
ある意味、雑貨屋。
といってもいいほどに様々な品物を取り扱っている店ではある。
ちょっとした日用品から、なぜか食べ物にいたるまで。
けっこう需要が高いのがキャベツだったりするのは、姉ちゃんとの手合わせを願い出て、
この【店】で何G以上の買い物をしたらつきあってもいい。
という姉ちゃんの台詞をきいて、無難なキャベツなどを買い求める挑戦者たちが多々といるがゆえ。
まあ、そんなどうでもいいことはほっといて。
あたしはともかく、なぜかガウリイまでいきなり台所に連れていかれて手伝わされているこの現状。
母さんに逆らうなど怖いのでまず口に出して文句はいえないが。
父ちゃんは父ちゃんでお皿の用意とかしてるし……
うちで一番実力…というか、力があるのは母さんだから逆らえない…というのはあるけど……
「リナはそれを並べてね」
「は…はい」
有無を言わさない口調の母さんの言葉に素直にうなづき手渡されたお皿をテーブルにと並べてゆく。
部屋にと充満する懐かしい香りは実家にもどってきたんだ。
と五感で十分に納得できるもの。
とはいえ、さすがに母さんを目の前にすれば緊張してしまうのは今までと同じである。
母さんがガウリイに関してのことで何もいってこない。
というのが逆にこれからの出来事を悪いほうにと想像してしまい気がめいる。
ガウリイと父ちゃんが知り合いだ。
というのは家につく道すがらガウリイや父ちゃん…主に父ちゃんから聞き出した。
何でも以前、ガウリイと父ちゃんは魔族に脅されていた村を助けたことがあるらしく、
二人してその魔族を撃退し、村を救ったとか何とか。
といっても、その村自体が魔族にいわれるままに人殺しなどをしていたにしろ、
殺した相手の金品などを奪ってもうけていたりした。
というのだから問題外である。
それゆえに、父ちゃんはきちんとその旨を近くのきちんとした場所に伝えたらしいのだが。
…まあ、父ちゃんなら純魔族相手にたたかっても多分負けないだろう。
というのはあたしは身に染みてしみじみとわかっている。
何しろあたしや、姉ちゃんの剣の師匠って…父ちゃんだしなぁ……
父ちゃんはなぜか竜破斬ドラグスレイブを剣圧で断ち切ること可能だし……
姉ちゃんの場合は木の枝ででも弾き飛ばしたり、霧散させたりすることは可能だが。
……深くは考えまい。
うん。
うちの両親というか家族は絶対に規格外なんだから……
やがて、母さんに指示されるままに、テーブルにお皿などを並べ終わり、
「さ。これでいいわ」
それらを軽くチェックしてにこやかにパンっと手をたたきながらいってくる母さん。
そして。
「さあさあ。さめないうちにみなさん、席についてくださいましね」
全員を見渡してにこやかにいってくる。
いってくるのはいいんだけど…母さん?
その手にもってる…その、数本の短剣は何ですか?
ねえ……(汗
怖くて聞けないけど……
そ~いえば、こ~いう人だった…母さんって……
あわててとにかく席にとつく。
こういう場合、早く席につかないと、母さんの短剣が飛んでくる。
というのは生まれてこのかた身にしみて理解している。
何でも相手を待たしたりするのは相手に失礼だからその教育の一環とか何とか…
という、母さんなりの教育方針らしいんだけど。
だからって…まだ小さな子供に対して短剣とか投げてくるかなぁ?
普通……
当時としてはそれが当たり前なんだ。
と一時でも思ってしまったあたしがいるけど。
ガウリイも何か感じたらしくてあわてて席にと素直につく。
ガタガタとあたしたちが全員素直に席についたのを確認すると、
にこやかに微笑みながら手にしていた数本の短剣を懐にしまいこみ。
「さ。さめないうちに食べましょ。お話は食事をしながらゆっくりと。ね。リナ?」
うっ……
「は…はひ……」
こ、このにこやかなまでの、しかも笑っていない笑みは……
つまり、きちんと詳しく説明しなさい。
ということである。
これは、嘘とか言葉を濁したりしたらあたしはまず生きてはいられない。
母さんに、笑っていない目でしかも表情としては笑っている状態でにこやかに言われ固まってしまう。
そんなあたしの姿をみて、
「リナ?」
心配そうな声をだしてあたしを呼んでくるガウリイ。
そして、ひとまず向かい合わせに座っている母さんと父ちゃんのほうにと向き直り、
「え、えっと。ひとまず。改めましてご挨拶させていただきます。
  オレ、ガウリイといいます。リナとはここ約数年間、一緒に旅をさせていただいていまして。
  それで、本日はリナと一緒になる許可をいただきたく参上いたしました」
ぺこりと頭を母さんたちにむけて下げながら挨拶しているガウリイ。
こらまて。
ガウリイ。
いきなり本題かいっ!?
「まあまあ。こんな娘でよければ。リナ。よかったわねぇ。で?結婚式はいつにする?」
「まあ、セシルのいうことも最もでもあるな。お腹が目立たないうちにしないとな。
  …天然にへの仕置きはおいおいするとして」
「って、あたしの意見はぁぁ!?というか!?何!?その父ちゃん!その仕置きって!?」
そんなあたしの思いとは裏腹に、のほほんとそんなことをいっている母さんと父ちゃん。
つうか。
父ちゃん!?
仕置きって本当に何するき!?
ねえ!?
「なら、数日中にしましょうか?ちょうどたしか。お城の教会も今暇だろうし」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「……あの~?もしもし?母さん?」
何やらあたしの意見をまったく無視して話…進めてない?
「まあ、すでに赤ん坊がいるんだったら早いほうがいいだろうが……
  リナ?いつでも子連れで出戻りしてきてもいいからな」
「だ・か・らっ!あたしの意見もきいてぇぇ~~!!!」
あたし、そしてガウリイの意見は何のその。
何やら二人して盛り上がる両親に対して思わず叫んでしまうのは仕方ないとおもう。
絶対に。
「まあまあ。リナ。でも許可もらえてよかったな~」
「だからぁぁ!あたしの意見~~~!!!」
そんなあたしに対してぽんぽんと頭をなでてくるガウリイだけど。
つうか!
あたしの意見はぁぁ!?
・・・・・・が、しかし……
どうやらあたしの意見はむなしく無視され……
母さんたちは勝手にどんどん話を進めている様子……
しくしくしく……

結局のところ…あたしの意見はまったく無視され。
母さん曰く、
「こういうのは早いほうがいいでしょうしね。遅くなったらリナのことだから逃げるから」
という意見によって……あたしとガウリイの結婚式は…三日後…と決まったのであった……
あ…あたしの意見……
というか!
何でこうなるわけぇぇぇ!?


三日後……

「………に…逃げられなかった……」
がくっ。
目の前にはなぜか神父さん。
何やら数日前。
というかあたし達が戻ってきたその日から国中があわただしく。
あたしの結婚…という一応はたぶん一大イベントだというのにあまり騒がれていない。
というのか不幸中の幸いなのかもしれないが。
主に姉ちゃんと女王様がバタバタと忙しくしてるようなきがするのはあたしの気のせいだろうか?
今、この場にいる姉ちゃんも心なしかどこかそわそわしているようだけど。
はて?
そんなあたしの気持ちを知っているのかいないのか、
「オレとしては、嬉しいけどな。リナはいやなのか?」
「いや。そういう問題じゃなくて…心の準備というか……」
そうなのだ。
一番の問題はあたしの意見はあっさりと無視されて、さくさくと話が進められ。
今日という日。
なぜかいきなり結婚式を迎えてしまった。
というこの現実が一番の問題点。
母さんの鶴の一声もあって、断るなんて怖い真似があたしにできるはずもなく……
いつのまに作っていたのか、あたしのウェディングドレスを手渡され。
ガウリイのタキシードもまた然り。
何でも以前の冥王の一件以後…作り始めたとか何とか……
あたし、何もきいてないんですけど?
ねえ?
ゼフィーリア王都の中心にとあるゼフィーリア城。
その中にとある神殿とは別の小さな教会。
一応きちんと大神殿とかは別棟としてあるものの。
信仰心が旺盛なゆえか。
はたまた、女王様ことヴィーナス姉ちゃんの指導ゆえか。
城の中にも数箇所ほど小さな教会のようなものがある。
今あたし達がいるのは城の本殿にと入った右側にとある小さな教会。
その小さな教会がある一室を借り切っての関係者というか内輪だけでの小さな式。
そんなあたしの台詞は何のその。
「それでは。指輪の交換を」
神父さんがあたし達にといってくる。
そ~いえば、ガウリイのやつ指輪きちんと用意してるんだろうか?
そんなあたしの不安を知ってか知らずか、
「ほら。リナ」
・・・・・・・・・・
「って、あほかぁぁ!」
すばぁぁんっ!
念の為に隠しておいたドレスの下からスリッパを取り出しガウリイをひとまずはたく。
「あたしに全部渡してどうすんのよっ!あんたはっ!しかも何で四個もあるのよっ!」
あたしがガウリイをたたいたのには訳がある。
こともあろうにガウリイのやつは指輪を用意しているにはしているが、
…なぜかあたしに全部手渡してきたのである。
というか、なぜに四個?
「え?婚約ユビワと結婚指輪って別物ってきいたし。リナにまともな婚約指輪わたしてないし……」
おひ。
「あ、あのねぇ!順番がちがうでしょうがっ!」
そもそも、婚約指輪と結婚指輪を同時に…なんて話は聞いたことがない。
いや、あるもかもしれないけど……
「あのぉ?指輪の交換を……」
そんなあたし達にと神父さんが申し訳なさそうにいってくる。
はっ!?
そういえば、今は結婚式の真っ只中。
…姉ちゃんの視線が怖い……
「とりあえず、二個でいいから……」
とりあえず二つを懐にしまいこみ、残りの二つのうち一つをガウリイに手渡す。
「あんたが、これをあたしにはめて、あたしがこれをあんたに。わかった?」
説明しないと理解してないような気がひしひしするのでガウリイに小声で説明する。
どうやら理解したらしく、こくり、とガウリイはうなづき、あたしから指輪を受け取り、
そのままあたしの差し出した手をそっと握り締め、左手の薬指にとはめてくる。
…これで別の中指とかにきたらどうしようかとおもったけど。
どうやら小声で神父さんが薬指、と指示を出してくれたためか間違えずにはめてくる。
ガウリイがあたしの指にはめるのと、あたしがガウリイの指にはめるのとほぼ交互。
『わ~~!!』
それと同時に歓声が沸き起こる。
「指輪の交換が終わりました。それでは近いの口付けを……」
なぬ!?
しまった!?
それは失念してた!
と、とりあえず…
「す…幻霧招散スァイトフラング!!」
ザアッ……
あたしの力ある言葉をうけてあたしの周囲に霧が発生する。
主に逃げるときなどに煙幕がわりに重宝される術ではあるが、視界をさえぎるのには十分すぎるほど。
まあ、ここに招待されている人たちにどれほどの効果があるかは不明だが。
下手をするとまったくもって効果のほどはないかもしんない。
霧が発生したのをうけて、ぐいっとガウリイの襟首をひっぱり軽く口にと触れる。
「え…ええと。ここに新たなる夫婦が誕生したことを赤の竜神の名の下に認めます。
  あらたな新しい夫婦に皆さん、祝福を!!」
霧の動きと、何となく見えるであろう影から近いの口付けが澄んだことを判断してか、
神父さんがそんなことをいってくる。
まあ、この神父も人外の能力をもっている…とも限らない。
何しろゼフィーリア王宮の神父さんだし……
そのあたりは深く追求したら怖いのであえてしないでおく。
何はともあれ、あまり目立った混乱もなく無事に結婚式は終了のようである。
一番心配してた混乱もなかったし。
一安心。
未だに何か女王様とか姉ちゃんはあたしの結婚より何か急用があるらしく、
バタバタとしながらの結婚式であったことも幸いしたようだけど。
何はともあれ、一通りの儀式もおわり、なしくずしてきにガウリイと夫婦になったあたし達。
いいのかなぁ???

「さてと。結婚式も無事におわったことですし。リナ。しばらくは家にいるわよね?」
いや、母さん…目が笑ってないです……
つまりは、しばらくは実家の手伝いをしろ、ということらしい。
姉ちゃんは何かまだ王宮に用事があるのか戻ってきていない。
「しかし、セシル?この天然に店まかしたらつぶすぞ?」
さすが父ちゃん。
鋭いところをついてくる。
たしかに、ガウリイに店の経営は絶対に無理。
まあ、ガウリイの容姿に釣られて女性客くらいは増えるかもしれないけど。
それはあえて、ガウリイが黙っていた場合に限る。
ゼフィーリアの人々は外見にだまされるほど甘くはない。
剣の腕だけで勝負するならばガウリイは結構いい線いくとはおもうけど……
「あら。ガウリイさんには力仕事専門にお願いしますわ。あと剣とかの実技販売とか♡」
なるほど。
それならばガウリイでもどうにかなる。
さすが母さん、人の使い方をよくわかってる。
とりあえず、しばらくは実家の手伝いをしながら今後のことを考えますか。
しかし…あの世界に何で紛れ込んだんだろう?
それは永遠の謎である……


                                    ――エピローグへ

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あとがきもどき:
薫:リナ母最強v(笑)というわけで(何が?
  リナちゃんは、母親の意見に逆らえず…いつのまにか強制的に結婚です(爆
  ま、たぶん。リナの母親からしたら、娘の性格からして照れて逃げ出す。
  というのを考慮してのことでしょう(母親だしなぁ
  さてさて。
  あまりルナ姉ちゃん達が活躍してないのは、リナが持ってきた品物のこともありますし。
  はたまた、
  あの御方の力が加わったことによってパニック状態になって会議を開いてたりするからですv
  まあ、下手に神族にしろ、魔族にしろエル様が関わった!
  となればほうっておけませんしね(苦笑
  何はともあれ、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございましたv
  次回のエピローグさんにてケイン達&リナ達のその後をおおくりしますv
  番外編ではケイン達をメインにいく予定v
  何はともあれ、それではまた、エピローグにてv
  ではでは~♪

2007年4月20日(金)某日

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