まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。このたびは、ようやくある意味、ロストの世界のクライマックスかな?
というか、ひっかきまわすだけまわしたリナ&ガウリイ。
という設定ですけど(苦笑
ともあれ、いっきますvv

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銀河系。
太陽系、第三惑星。地球。
何でも人類発祥の地とか何とか。
そこにある地球の衛星。
月。
いうまでもなく多分夜空に輝く月のことだとおもうんだけど。
その月そのものにとやってきているあたし達。
その月の中にとあるとある施設の建物の中でであったのは…
なぜだかとあるコビーを連想させる思考の持ち主の男性と。
…ちょっとまて!
何でまたまた闇を撒くものダークスターがいるのよ!?

 ~時空の旅人~第13話~

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
思わず無言になってしまう。
いやえっと……何がおこったわけ?
ねえ?
窓の外に見えるのは、確かに。
先ほどまであたし達がいたはずの月からもくもくと煙りらしきものが立ち上っている様子。
空気がないといっていたわりに、何らかに吹き消されたようにと掻き消されているけど。
その煙りは。
「…えっと?何がおこったわけ?」
「おい!キャナル!何がどうなったんだ!?」
どうやらその疑問はミリィさんもケインさんも同じであるらしく、
何やら横にいるキャナルさんに問いかけている。
いつのまに、あたし達はキャナルさんのソードブレイカーの内部に移動したんだろうか?
それすらも疑問点である。
「うかつ…でした。まさかあそこまで心の闇に捕らわれている人間だとは……」
ぶつぶついうキャナルさんであるが。
それとほぼ同時。
何やらはっと何かに気づいたかのように、
「キャナル!サイバリア出力全開!!」
いきなりケインさんが何かを叫ぶ。
ぞくっ。
それと同時にあたしもまた何やら全身に悪寒が走る。
それと同時。
ズッン!!
何やらサイバリアとかいう結界が施されるとほぼ同時。
ソードブレイカー全体が激しくゆれる。
「…ケ、ケインお兄ちゃん……」
とまどったようなアニスちゃんの声が。
そういえば、今まで何とも思わなかったけど、この子もいたんだっけ?
まあたぶん、ケインさんたちの後ろに隠れていたから目立たなかったんだろう。
すっと指をさしているアニスの指差す窓の外にと視線をうつせば、
そこには何やらかわった形の乗り物らしきものが。
えっとぉ……
「……あれ…何?」
戸惑いの声をあげるミリィさんに。
「どうやら…私達と同型機のようですけど…でもあれは、ただのロストシップですね」
さらりとそんなことをいってくるキャナルさん。
つ~か。
いったい全体、その【ロストシップ】と呼ばれている乗り物もどきはいくつあるんだろうか?
それがこの世界では魔族にしろ、神族にしろの器になっているらし~し。
あたしがそんなことを思っていると。
『改めましてこんにちわ。こちらアンドリュ。
  どうやらあの一瞬にソードブレイカー内部に避難したようだね。さすがというか……』
何やら画面にいきなり例のかなり危ない男性の姿が映し出される。
「ああ!さっきの例の危ないやつ!」
思わずあたしが叫ぶと。
『おや。君たちは……。まあいいや』
いや。
よくないです。
むちゃくちゃに。
そんなあたしの思いを知ってか知らずか。
『とりあえず。まあ理解できないだろうから。一応説明しておくね。
  まず、こちらは君の…キャナルちゃんの改良型のシステム制御装置。アントリュ。
  あの施設の中で君の設計図を発見してね。それをトレースして創造り出したんだ。
  映像は、闇を撒くものダークスターのほうから提供された資料を基にして、
  その姿をトレースさせてもらったけどね。僕はこのアントリュのマスター。
  フォウニ=ネス。だ。以後お見知りおきを』
そういう彼の背後には、何やらキャナルさんを大きくしたような大人の女性が一人。
えっとぉ……
何やらかなり違和感ありまくりなんですけど?
その後ろの人の服装って…何かドレスっぽい?
肩についているふわふわ、ふりふりの羽のようなものは…何?
かなりつっこみどころ満載の姿ではある。
「それで?あなたは闇を撒くものダークスターと共謀して?
  いったい何が望みなんですか?人の身でありながら?」
そういってくるフォウニと名乗っている男性にと警戒しつつ問いかけているキャナルさん。
……聞かないほ~がいいとおもう。
というか、下手にきいて相手が意地になったら…それこそ、サイラーグの二の舞になりかねない。
『別に。ただ簡単なことだよ。そうだね。
  僕は不法に遺伝子操作されて生み出された人間だ。そこのアニスちゃんと同じようにね。
  使い物にならなければ処分されてしまう運命にある道具に過ぎない。
  そんな中で人類のために薬と兵器を延々と作り出さなければならない矛盾が面白くなくって。
  それをしってか知らずかのうのうと生きている人間達を一人残らず救ってやろうとおもった。
  そんなとき、闇を撒くものダークスターとであったんだけどね。
  というわけで、このアントリュにもし君がまけたら人類は滅亡するよ?どうする?』
何やらそんなことをさらっと表情変えずに画面のむこうのフォウニとなのった男はいってくる。
……性質がわるいにもほどがある。
そして、その視線をアニスのほうにと向け、
『君だってそうだよ。アニスちゃん。君もまた創造られた存在だ。
  使い物にならなければ即座に廃棄処分になる道具だったろう?
  君も人類なんていなければいい。そうおもわないかい?』
こともあろうに子供のアニスにまでそんなことをいってくる。
そんな彼の言葉をききながら、ぎゅっとケインさんのマントのすそを握り締め、
「ア…アニスはちがうもんっ!アニスはケインお兄ちゃんたちのことがすきだもんっ!
  アニスは…アニスはずっとここにいたいっ!」
なきそうな表情でそちらにむかって叫んでいるアニスの姿。
『どうやら。ずいぶんと手なづけたようだね。
  それもそちらの元マスター。アリシアの遺伝子のたまものかな?
  まあ、いいけどね。どうでも。どちらにしろ…君たちには僕達は倒せない。
  さあ。ショータイムだ。君たちを倒したら人類発祥の地である地球を破壊するとしよう』
何だかあのコピーレゾよりかなり性質悪いぞ……やっぱこの男……
「ちっ……」
そんな会話をききながら、ケインさんが小さく何やら舌うちし、
「つまり。どうあっても戦わないといけない。ということか。
  しゃあねえ!やるぞ!キャナル!」
そんなことをケインさんはいってくる。
まあ、たしかに。
戦わなければいけないようではあるにしろ…だけど。
「えっと。質問。あれ、魔法きく?」
さらりというあたしの問いかけに、
「相手の精神力の強さによるでしょうけど……ですけど、リナさん?
  あの御方の術。だ・け・は!ぜったいにしないでくださいね?
ものすっごく念をおしていってくるキャナルさん。
いあ…そう、念をむちゃくちゃにおしてこなくても……
「あ。あはは…さすがに、それはしないわよ。
  そういえば、あたしが放った術を威力を増して相手にぶつけることとか可能?」
もしできるんならば、あの中にいるであろう男性に精神ダメージでも追わせれば、
全てはカタがつくとおもうんたけど……
「それは。可能ですけど…リナさん?いったい?」
「いや。烈閃槍エルメキアランスとかあいつにぶちこめば気絶するじゃない?
  そこをふんじばったりすれば無意味な戦いしなくてすむし……」
至極最もなあたしの意見に、しばし考え込み、
「…なるほど。たしかにそれも手かもしれませんね。やってみましょうか?」
「こらこら!キャナル!リナ!おまえら!俺たちにもわかるように説明しろっ!」
そんな会話をするあたしたちにと何やらケインさんがどなってくる。
だけど、下手に説明している時間がはっきりいってもったいない。
おそらく、ああいう手のタイプはいきなり仕掛けてくる。
というのは今までの経験からあたしはわかっている。
そのために…あのとき、サイラーグも……
「では、空間の調整などはこちらがしますね」
「お願い」
たぶん、相手の内部に術を移動させて発動させることができれば。
あとはどうとにでもなるはずである。
ひとまず、ケインさんたちには説明してもわかんないだろうから。
そのまま、あたしは呪文を唱え始め発動に備える。
感覚的にはこの船の外にだすイメージでいいのかともおもうけど。
だがしかし、
「この中に普通に発動させるイメージでおねがいしますね」
キャナルさんがそういってくるので普通に発動させるイメージで呪文を唱える。
そして。
烈閃槍エルメキアランスっ!!」
あたしが術を唱えると同時。
あたしが突き出した手の先の空間が一瞬歪んだかとおもうと。
カッ!!
「リナっ!!?」
何やら手の先から青白い光が瞬く間にあたしを包み込むように広がってゆく。
ガウリイがそんなあたしをあわてて横から抱きしめる。
それとともに、
「リナさん!?」
「お…おいっ!?」
「え!?ち…ちょっと!?」
何やら光の中にキャナルさんや、ケインさん、そしてミリィさんの姿が霞んだかとおもうと。
次の瞬間。
そのまま、青白いような光は瞬く間に、あたしと…そしてガウリイを包み込んでゆく。
って…いったい、何だったいうわけ!?
ねえ!!??



「……いったい。今のは?」
………ん?
あまりのまぶしさに目を閉じていると、何やらものすっごく聞き覚えのある声が。
いや…えっと…?
ゆっくりと瞳を開くあたしの目にまず飛び込んできたのは。
どこまでもつづく青い空と…そして……
「箱をあけたら、いきなりだったわね。…って、あら?リナちゃん?」
……たらり……
いや。
まさか…いやでも……そんな……って……
「あれ?リナ?オレたちさっきまで何かソード何とかって中にいなかったか?」
どうにか混乱する頭をフル回転させて今の状況を把握しようとするあたしの耳に、
背後から抱きしめるようにしていたガウリイが何やらとどめの一言をいってくる。
「って…あああ!?元にもどってる!?」
思わず状況を把握して叫んでしまう。
そう。
……何と、あの光に包まれた。
とおもったら…あたしとガウリイは…次に目をひらいたら……
どうやら元の世界にもどってきているらしい。
しかも、目の前には姉ちゃんと…ゼフィーリア女王様の姿があるし……
……もしかして…もしかしなくても…あたし達どうやら……元の世界にもどってきたらしい……
今までの…もしかして…白昼夢?
ねえ???


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(このたびはおまけ♪)

「…って、リナさん!?」
いったい何事なのだろう?
空間を少し自分の内部ともいえる機内とあちらの空間をつなげるようにしただけだ。
というのに。
ありえるはずのない光の暴走。
それとともに、二人の姿が掻き消えてゆく。
それと同時。
プ……
『ヴォルフィード。今の光は……』
いきなりの強制通信がはいったらしく、ゴルンノヴァの声が船内にと響き渡る。
「ゴルンノヴァ?…それが…リナさんたちが……」
どう説明していいのかわからない。
ひとまず、精神世界面を通してリナ達の気配をたどるものの。
二人の気配はまったくもってこの世界のどこにも感じ取られない。
それ即ち……
「…まさか。あちらの世界にもどった?」
いきなりといえばいきなりのこと。
思わず呆然とつぶやくキャナルに対し、
「…いったい、何がおこったんだ?というか、あいつら…きえてるし……」
「そ~いえば。レイル警部もあの二人…いきなり出現したとかいってたけど。
  出現してきたときとおなじく、いきなりきえたわけ?」
呆然とつぶやくケインとミリィの姿が。
しばしその場において見受けられてゆく。
そんな彼等のつぶやきが聞こえたのか、
『……戻ったのだ…ろうな。そういえば…サイブレードをいくつもってもどったのだ?』
そういえば。
何やらそんなことをきいたような気もしなくもない。
たしか、精神力を刃とする機械仕掛けの剣をこちらの世界からあちらにともってもどり。
それで赤眼の魔王ルビーアイ達が何やら文句をいっていたような……
当時は自分達も文句をいわれても、意味がわからなかったが……
今ならば、理解できる。
「……もしかして。もしかしなくても……
  あれをもってもどるだけにこっちに移動させられてきてたわけ?……あの二人って……」
そんなキャナルのつぶやきに。
『……ま。まあ。いなくなったのならよしとしよう……ヴォルフィードよ。またな……』
それだけいって、ぷつっと強制通信が掻き消える。
それとほぼ同時。
「…あ。アンドリュから通信がはいってる……」
いまだ呆然としつつつぶやくミリィ。

彼等は知る由もない。
いったい全体何がおこったのか…というのは。
それは…今、キャナルが空間を歪ませたことにより。
その力と未だにゆがみを伴っていた過去への異世界の扉が再び開かれた。
ということは……

戸惑いながらも、だがそれでも。
彼等は目の前の現実に…ひとまず立ち向かってゆくことになるのであった……


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あとがきもどき:
薫:さてさて。残されたキャナルたちの会話をちょぴっとオマケで追加しました(笑
  リナ視点ではどうしても。キャナルたちのほうがわかりませんしね(苦笑
  ま、キャナルさんたちはひっかきまわされまくった。というわけで(爆
  さてさて。次回、リナちゃんたち、元の世界にもどってますv
  さて、これからどうなる?
  というわけで(何が?)それではまた、次回にてv

2007年4月3日(火)某日

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