まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。前回の悪党さんたちの会話v
気づいた人は気づいたかな?反転させたら何をわめいているかわかりますv(笑
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~時空の旅人~第8話~
「何!?」
いったい全体何事なのだろう?
もくもくと一室から煙りが立ち上っている。
「あ。リナさんたち。出てきました?ちょうど食事ができたところですよ♡」
何やらかなり重装備らしき服をきているミリィさんがそんなことをいってくる。
何か重装備…かなり重たい鎧を連想させる格好である。
実際鎧みたいだけど。
「……は?」
そんなミリィさんの台詞におもわず間の抜けた声で問いかける。
「お。できたか」
いつのまにか戻ってきていたらしいケインさんがそれをみて動じることなくいってるし。
一方で……
「ああ…また、キッチンがぁ~……」
何やらぺたんと座り込んでぶつぶついっているキャナルさんの姿。
いや…また…って……
そんなあたしの疑問を感じ取ったのか。
「何でか私が食事つくったらいつも爆発するのよね。でも味は保障するわよ?」
いってにっこりと微笑んでくるミリィさん。
ば…爆発する…って……
料理をしてて爆発…どういう作り方してるんだろう(汗
「ま。ろんより証拠。食べてみて」
いって、あたしの口に何やらピザとよんでいた食べ物を運んでくるミリィさん。
ふみゅ。
どうやらパン生地の上に様々な品をおいて焼き上げたものらしい。
チーズの香りがとってもおいしそうである。
おそるおそるぱくりと一口。
「……!?」
思わず絶句。
「何これ!?おいしいっ!」
有名店の料理にもひけない味である。
「どれどれ?お。ほんとだ。でもリナの料理のほうがオレはいいかな~?」
「こらっ!ガウリイ!人がかじってるやつをとるなぁぁ!」
こともあろうにガウリイは、あたしが口に押し込まれ食べていたそれをぱくっと一口。
つまり、一切れを二人で取り合う格好になっていたりする。
「?なら、口のなかのとればよかったか?」
……こ…
「こ…このくらげがぁぁぁぁぁぁぁ~!!!!!!」
すばこぉぉんっ!
うっし。
とりあえずすかさず懐からハリセンを取り出してガウリイをたたいておく。
まったく……
「はいはい。リナさんたち。夫婦漫才はそれくらいにして。さ、ご飯にしましょ」
なっ!?
「だ…誰が夫婦漫才よぉぉ!」
「「あんた(たち)(ら)」」
ミリィさんの台詞に思わず抗議の声をあげるあたしに対し。
なぜかすかさず言い返してきているケインさんとミリィさん。
ぐっ…きっぱりきっちり声をはもらせなくても……
「まあ。リナさんとガウリイさんが私のおなかの中でしている行為のおかげで、
たしかに私の機能などは完全回復してますけど……」
ぽそっと何やらキャナルさんがいってるし…
って…
「だ…だぁあっ!と、とにかく!おなかすいてることだからいただくわっ!」
…どうやらキャナルさんにはあたしとガウリイがその…ナニをしていたか…というのは。
やはりというか丸判りだったらしい……
あうっ……
とりあえず、真っ赤になりながらもそのままできたてのピザという食べ物を口にと運ぶ。
う~ん。
このとろーりとけたチーズとの絶妙なるハーモニーがたまらない。
「で?キャナル?今回の依頼って?」
「そうですね。まず。リナさんたちを元の世界に戻すのを最前提として。
私のこの機体が作り出されたあの場所ならばそういった装置というか。
私の力を増幅させる装置がありますので。太陽系第三惑星の地球。
そこの唯一の衛星である月に向かうのが一番最重要なんですけど。
それにいくまでにいくつかの行きがけのお仕事をぴっくあっぶしてみました」
ぱくぱくとピザを食べながらもキャナルさんに問いかけるミリィさんに淡々と答えているキャナルさん。
しっかし。
「でもさ。キャナルさんは食べなくてもいいわけ?」
「私のこの姿はあくまでも立体映像ですし。
それに私のエネルギーの源は、人が発生させる生の精神エネルギーですから。
そういった食物摂取というエネルギー摂取方法は必要ないんです」
淡々と答えてきているキャナルさん。
しっかし…つき…って、空にぽっかりと夜にうかんでいる、あの月のことなのかな?
ま、たいようけいとかよくわかんない単語はともかくとして。
「そ~なんだ。あれ?でもゼロスのやつは食べてたような……」
「あ。それはきっとどこかで食べたのはすててたとおもいますよ?
もしくは空間をいじくって食べたものはどこかに飛ばしていたとか」
「んなにぃぃ!?ちっ。しまった。そうとわかってればあいつのご飯も全部ぶんどればよかった!」
今さらだけどもかなり後悔。
「?キャナル?月にいくって…人類発祥の地にか?
いまだに地球以外の生命体はみつかっていない。というのは認めるが。
月にいったい何があるんだ?」
首をかしげつつもケインさんが問いかけている。
「え。ああ。あそこには私のこの機体。つまりこのソードブレイカーが作り出された技術。
私の眷属でもある神族たちが創造り出した、
私達のような精神生命体の器となる機体を作り出す装置があるんです。
俗にいう
それらの施設を利用すれば、おそらくリナさんたちを送り届けることは可能かと」
つ~か…今、作り出す装置があるとかいわなかった?
このキャナルさん……
これはっ!?
もしかして、もしかしなくてもかなりのお宝がある予感っ!
「というか、月にそんなのがあったの?!」
「俺も初耳だな」
「きかれなかったもので」
「あのな~」
「あのね~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キャナルさんの説明に疲れたような声をだしているケインさんとミリィさん。
「まあ、その月とかいうところにいくのはわかったけど。それで?
そこにいくまでにする行きがけのお仕事って?」
まあ、道すがらお金になるような依頼はうける。
これは旅をしている中ではかなり重要である。
かくいうあたしもそうやって生活しているわけだしさ。
もしくは人道的立場から悪人こらしめて、二度と悪さができないように資金をごっそりと奪い去るとか。
「とりあえず。宇宙海賊たちから船団の護衛とかが主ですね。
最近、太陽系のあたりは宇宙海賊がでているらしいですから」
海賊!?
これまた、もしかしなくてもかなりのお宝をもっているかも!
問題は…それらが手にはいるかどうか。
…である。
何でもこの船の外。
すなわちどうも空気というものがないらしく、窒息死は確実とき~たし。
風の防御結界まとっていれば窒息死などは免れるらしいけど。
問題は『じゅ~りょく』とかいうものがまったくない。
というのもらしい。
その『じゅ~りょく』を経験するのに外とおなじ『むじゅ~りょく』、という状況に一度してもらったけど。
これがまた楽しいのはたのしいけど動きにくいことこのうえなし。
ふよふよと、思うように浮んで動けないどころか食べたり飲んだりするのも困る状況。
星というか大地にはそういった『じゅ~りょく』というものが少なからず存在しているらしく、
あたしたちが普通に生活できるのもその賜物らしい。
世の中、あたしのしらないことがまだまだ多々とあるようだ。
…当たり前だけど。
「ま。詳しいことはおいおいきくとして。なら、目的地は太陽系。それでいいんだな?」
「太陽系か~。人類発祥の地でありながら今では辺境惑星とかまでいわれてるわね~」
??
よくわかんない会話をしながらも、どうやらケインさんとミリィさんは納得したようである。
「そのとおりです。では、ケイン、それでいいですか?」
「いいも何も。よっしゃっ!ソードブレイカー!発進!」
「了解っ!」
ヴッン……
かくして、あたし達は。
そのよくわかんないけど、『たいようけいだいさんわくせいちきゅう』。
とかいう場所にむかって星々の暗い海の中を進んでゆく。
でも……
……ふぇぃずあうととか、ふぇいずどらいぶ…って、いったい何なんだろ?
キャナルさん曰く。
魔族とかがよく使う空間移動とかと似たようなもの。
といってるけど。
……この世界って…人ですらそういったものが使えるなんて…かなり便利だよな~。
「は…くしゅっ!」
?
はて?
精神生命体であり、この船の意識体であるキャナルさんがくしゃみ?
がくがくがく…
「「「って、うわっ!?」」」
いきなり乗っている機体そのものがかなり揺れて思わず叫ぶあたしとケインさんとミリィさん。
「リナ?大丈夫か?」
「あ。うん……」
思わずよろけそうになるあたしを後ろからガウリイが支えるようにして立ってるけど。
「なんでロストシップのお前がくしゃみなんかするんだよ?」
「というか…精神生命体がくしゃみなんてする?」
ケインさんとあたしの素朴な疑問がキャナルさんに投げかけられる。
「やだな~。またライフシステムとめないでよ?食糧がダメになっちゃう」
ライフシステム。
というのは生命維持装置らしい。
つ~か…また…って、今までにそういうことがあったんだ。
食糧をダメにするなんて、なんてもったいないことをっ!
「くしゅっ!くしゅっん!」
何やら連続してくしゃみしてるし……
神族とかも風邪ってひくのか?
ううむ……
姉ちゃんならそのあたりのこと知ってるかも……
キャナルさんがくしゃみをするたびに足元がおぼつかないほどにあたしたちが乗っているこの機体が、
激しく左右前後に揺れ動く。
「というか…無事に運航できるの?」
あたしの素朴な疑問に、
「通常運航なら可能ですから大丈夫かと……」
そんなことをいってくるキャナルさんだけど。
「ち、ちょっとちょっと!キャナル!太陽系まで通常運航でいってたら何世紀もかかっちゃうわよ。
そろそろ
何世紀…って……何か聞くのこわいからどれくらいかかるのか聞くのはやめとこう……
そんなミリィさんの問いかけに、
「何かこの寒気、メモリにあるみたいなので調べて抗体うってみます。
だけど、今
調べがつくまでまっていてくらはいね」
あ。
何か口調まで風邪っぽくなってきてる。
ずざっ。
キャナルさんの『何がおこるかわからない』という言葉に反応したのか、
顔を真っ青にしているケインさんとミリィさん。
い…いったい何がおこるというのだろうか(汗
様々な可能性は激しく聞きたくないから聞かないけど……
「ちょ…ちょっとぉ?」
思わず戸惑いの声をだすあたしとは裏腹に、
「船内異物調査マップをアップします」
キャナルさんの声と同時に、ぱぱぱっと目の前に浮かび上がってくる画像さん。
何でもこれは立体パネルというらしい。
結構便利。
違うのは、あの
パパ…パパパパ……
??
何か立体映像の中にどんどんと紅い点滅が増えていってるんですけど?
どうやらこの乗り物の全体画像が映像として映されているようだけど。
あの紅い点滅って…何?
「?キャナル?あの紅く光る点滅、どんどん区画増殖してるけど、あれって何?」
あ、ミリィさんもあたしと同じ疑問を抱いたらしい。
ふっ。
「…あ゛」
「え?!ちょっ…ちょっと、キャナル!?」
ヴッン……
あたしがキャナルさんに質問しようと視線をむけると同時、キャナルさんの姿が掻き消える。
それと同時にそれに気づいてミリィさんが驚愕の声をあげると同時。
「うきゃっ!?いきなりまっくら!?」
なぜかいきなり部屋全体が真っ暗になる。
「
驚愕の声をあげているケインさんだし。
えっとぉ…もしかして…これってもしかしなくてもピンチってやつなのかな?
「よ、よくわかんないけど。とにかく!あたしたちで何とかしないと!」
「だな。いくぞ!俺たちで何とかするんだ!ミリィ、いくぞ!」
「あ、まってよ!ケインも、それにリナさんたちもっ!」
ひとまず原因はわかんないけど。
たぶんあの紅い点滅が何か関係あるような気がするし。
それゆえに、紅い点滅が増えていってた場所にとコックピットから移動してゆくあたし達。
パシュ……
わらっ。
「「き…キノコ?」」
「ああ!これってむちゃくちゃにおいしかった部屋に隠しといたあたしのキノコっ!」
「ああ!?これってケインのお祖母ちゃんの星にしか生息していない、
超最高高級品種のキノコじゃんっ!」
ガウリイとケインさんの声が重なり。
あたしとミリィさんの叫びが同時に重なる。
「って、このキノコ、そんなに高級品なわけ!?」
「いっこでかるく万はこえるわっ!」
「おお!それはナイスっ!」
「これだけあれば一財産稼げるわよっ!」
二人して手に手をあわせてぴょんびょんと飛び上がる。
と。
「キ…キャナルさぁんっ!
早くライフシステムとかいうの復活させてっ!でないとキノコが全滅しちゃうよぉ~!」
そういや、さっきそのシステムが起動しなくなったら食糧もだめになるとかいってたし。
そんなあたしの至極当たり前の叫びに、
「…お、おまえなぁ。キノコと宇宙での自分の命とどっちが大事なんだ?」
なぜかあきれたようにあたしにいってくるケインさん。
「ま、リナらしいよなぁ。そこがまたかわいいんだけど♡」
ガウリイはガウリイで何やらそんなこといってるし。
「というか、もしかしてこのキノコがキャナルに悪影響あたえてるわけ!?
って!ああ!私のお金さんが枯れてゆくぅぅぅ!」
「いやぁぁぁぁぁ!あたしのお宝キノコさんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
なぜかため息をつきあきれ具合のケインさんを無視し。
あたしとミリィさんの響きが船内にと響き渡ってゆく……
くたっ……
しくしくしく……
目の前には元お宝であったキノコが枯れ果てた姿……
しくくししく……
「そういえば。ケインのお婆様のアリシアがこれを持ち込んだときにも大騒ぎになりましたよ。
どうりでメモリにあるはずです」
キャナルさんがにこやかにといってくる。
ああ…あたしの…あたしのキノコぉぉ~……
「というか…何で精神生命体であるヴォルフィードがこんなのに影響うけるのよ……」
しくしく血の涙を流しつつも疑問におもったことを問いかける。
「たぶん。このキノコが特殊な養分を糧にするからだと。
どうもこのキノコって特殊な力が栄養分として繁殖にむいているらしいですし……」
「それって、神族とか魔族。すなわち精神生命体にとってはけっこうダメージあるってこと?」
「おそらく。何しろ力が吸い取られるような感覚ですし。これって……
リナさんとガウリイさんの生の感情の精神エネルギーがあるからこそ、
私もこんなに早くに回復してますけど」
ほむ。
これもって戻ることができたら少なくとも魔族に対する切り札になるかもしんない。
…カタート山脈にでもばらまいたら面白いことになりそ~だ。
「と。とにかく。これ以上エネルギーを吸い取られるわけにはいきませんし。
このキノコの残骸。片付けてくださいね。多分リナさんの氷の術と、
あと真空パックでも使えばどうにかなるとおもいますし……」
しんくうぱっく…?
って…何?
「なるほど。即席に凍結乾燥キノコにするわけか。ああ…しかしもったいない……
生だとかるく一つでいいやつなら数万はくだらないのに……」
「凍結乾燥。というので納得したけど。…あたしのお宝ぁぁ~~!!」
「臨時ボーナスの可能性があったのにぃぃ!」
ミリィさんとあたしの血の叫びともいえるその言葉に。
「私だって…私に影響がなければこれは大歓迎ですよ。
何しろいっつもミリィが台所を壊しまくってお金はいくらあっても…くすん」
キャナルさんまで何やらしくしく泣きながらもいってくる。
「…乾燥させてもいくらかにはなるかなぁ?」
「乾燥してるものはかなり値打ちさがりますよ……」
「くすん……」
「と、とにかく!早くそれ片付けてくださいっ!胞子がまた復活でもしたらやっかいですしっ!」
そんな会話をあたしとミリィさんがしているとキャナルさんが叫ぶようにいってくる。
…復活する可能性があるんだ。
…なら、乾燥させたやつでもどうにか再生できるかも…かな?
新たに栽培すればいいだけだし。
ともあれ、キャナルさんは手出しができないので。
あたしとガウリイ。
そしてミリィさんとケインさんとで悲しいことに全て枯れ果てた元お宝キノコさんを片付けてゆく……
結局。
もったいないので乾燥させたものでも多少の資金にはなるかも。
というのでどこかで売りさばく。
というので合意し。
キャナルさんは何やらぶつくさいってたけど。
だけど資金を得る。
というのにはどうも抗えない魅力があるらしく、しぶしぶながら了解してくれ。
しくんうぱっくとかいうやつに即席で凍らせたキノコをことごとく詰めて、
何やら倉庫らしき場所の棚にとつみあげておくことに……
「さっ。それでは。いきます。
「よっしゃ!いくぜっ!」
「
ヴッン……
キャナルさんとケインさんが何やら言うのと同時。
何かひっぱられるような感覚とともに…窓から見える景色が一変してゆく。
さってと…これから先どうなるのかな?
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あとがきもどき:
薫:あうあう…ゴルンノヴァ登場までやったら、これだけ異様に長くなる…
というわけで(何が?)彼の登場は次回にくりこしですv
さって。このキノコのネタはわかります?
にやっvはい。義仲先生の漫画版のあのネタですvv
ともあれ。海賊VS宇宙軍!?
ですね~。でもリナにとってはどちらも海賊(笑
何はともあれ、それではまた次回にてv
ではではv
2007年3月26日(月)某日
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