まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
何かケインが活躍してないな~。
まあ、いじいじしてたしね。ケイン、あの一件の後。
ちなみに、リナ視点なので、ケインがあのとある破棄されたコンビナートにいく話はないですよv
何はともあれ、六話目、いっきますv
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~時空の旅人~第6話~
「……ぐっ……」
よろり。
ガウリイの剣にそのまま胸を貫かれ、それでも自力でその刃から逃れ後ろにと退くその男。
そして、きっとあたしとガウリイをみつめた後で、キャナルさんにと視線を移し、
「……ヴォルフィード……なぜ…なぜ、ここにあのリナ=インバースとガウリイ=ガブリエフが……」
何やらそんなことをいってるし。
そんな彼の言葉をうけ。
「それを私にきくのですか?私だって知りたいことですけど。
……たぶん、あの御方関係だとはおもうのですけどね……」
どこか遠い目をしながら何やらいっているキャナルさん。
あ~……
あの御方…って……
まあ、もしあれが関わっているのならばこの今あたしとガウリイが置かれている状態も理解できる…かも?
「それよりっ!あんた…まさか本当に、異界の魔王、
とりあえず、確認すべきことは確認せねば。
そんなあたしの問いかけに、何やらふっと笑みを浮べ、そして。
「どうやら…この体はもうもたないらしいな。だが…また会おう。ミレニアム。そして…アリシアの血縁者!」
そう言い放つと同時、何やら両手で印をきるような動作をする。
それと同時。
ぶわっ!
目には見えないが、だがしかし、しいて言うならば黒いもやのようなもの。
それが男の体から立ち上り、そして次の瞬間。
バッ!
男の体はまるで砂細工のようにとその場に崩れ去る。
そして、しばしそれを呆気にみるあたしたちの耳にと、
『どうやら。このたびはひこう。…不可解な要素がはいったことでもあるしな。
シャブラニグドゥを人の身で倒したそのほうたちに会えるとはな。ふふふふ……』
何やら空中というか虚空からそんな声が聞こえてくる。
「ま…まてっ!」
そんなどこから聞こえているとも知れない声にむかってケインさんが何やら叫んでるけど。
やがて、綺麗さっぱりと気配というか威圧感もまったく感じられなくなる。
どうやら精神体だけで逃げていったらしい。
……う~む。
「?なあ?リナ?これ…何だ?」
あたし達がしばし、空を見上げてうなっていると、ガウリイが何やら地面に落ちている棒のようなもの。
それを手にしてあたしにと聞いてくる。
「何?それ?」
「さっき、あの魔族の人がもってた光の剣の柄みたいなんだけど……」
なにっ!?
「ちょっ…ちょっと!ガウリイっ!それみせてっ!」
ばっ!
さらっといったガウリイの台詞に、ガウリイが手にしているそれをもぎ取る。
どうやら何やら見たこともないような棒。
ちなみに、金属か何かでつくられているらしい。
「あ。それ…サイブレード……」
あたしが手にしているそれをみて、ミリィさんが何やらいってくる。
よくよくみてみれば、何やら普通と違う仕組みのようである。
魔力波動とかはこれからは感じられない。
どちらかといえば、魔道装置に近いものがあるようだ。
ふむ……
これはすこしじっくりと研究のしがいがあるかもしんない。
そんなあたしとは対照的に、
「……くっ…くそっ!」
だっん!
何やら地面をたたいているケインさんの姿が。
「…ケイン……」
そんなケインさんをみて何と声をかけていいのか戸惑っているらしきキャナルさんの声が聞こえてくる。
でぇえいっ!
「でええっいっ!男がうじうじするんじゃないっ!」
がすっ!
「ってぇぇぇぇぇぇぇぇ!いきなり何すんだっ!」
「うっさい!目の前で何やらいじけるほうがわるいっ!」
「だからって、いきなり足で蹴ることないだろっ!?足でっ!」
あまりに何やら鬱屈しているようなのでちょこっと足で蹴り飛ばしただけなのに、
なぜか些細なことで文句をいってくるし。
「なら。
「…な゛っ!?」
どごがっんっ!
よっし。
何やらいじけているケインさんの足元の地面が爆発し、そのままケインさんを巻き込んでゆく。
「どう?すこしは正気づいた?」
「……リナさん。やりすぎなのでは……」
「……あ~……ケイン、生きてるかな?」
何やらびくびくとその場に倒れて痙攣しているケインさんをみつつも、
あたしに何やらいってくるキャナルさんに、そしてしみじみといっているミリィさん。
「さってと。とりあえず…何がどうなってるのかわかんないけど。
キャナルさん…それとも、ヴォルフィード、って呼んだほうがいいのかもしんないけど。
今のやつのこととか、何がどうなってるのとか、話してくれる?」
未だに詳しく何がどうなっているのか聞いていない。
一番この場で現状をきちんと説明できるのは……
まちがいなく、キャナル・ヴォルフィードと名乗ったこの子のはずである。
そんなあたしの言葉をうけ、すこしうつむき加減になりながらも。
「…わかり…ました……」
さわっ。
キャナルさんの言葉と同時に、柔らかな風が周囲を吹き抜ける。
とりあえず、あたし達はケインさんが昔住んでいた。
という、この先にとあるとある一軒やにと向かうことに。
ほえ~……
こういった形式の建物は見たのは始めてだわ。
何というか…雰囲気的には…お城?
みたいな……
あたし達がよく見知っている建物とは根本的にと異なっている。
そしてまた、家の中の家具なども。
どうやら、話をきけば、この地には魔法というものは一般的には存在しておらず、
ほとんどが【でんき】などといった【かがくりょく】…とかいうもので人々の生活はまかなわれているらしい。
結構便利かも。
何やらスイッチらしきもの一つで明かりがついたり、または映像が流れてくる、というのは。
しかも、乗り物も星の外にまでいける技術がすでに確立しているらしい。
つまり、あたしたちが先ほどまでのっていたのはその星の外。
すなわち、夜空の星星があるはずの空間を移動する乗り物だったらしい。
ふかふかのベットにお布団。
さらには椅子など。
……これ、けっこういいな~。
「ちょっときくけど。何かいろいろと技術発展してるみたいだけど。
物を小さくして運べる何かとかないわけ?」
もしあったらどこぞに必ずいるはずの盗賊さん、もしくはごろつきさん。
それらを倒してそれを手にいれて、これらをこっそりと持ち帰る!
という手がつかえるし。
そんなあたしの至極最もな問いかけに、
「あ~。そんなものはまだ開発されていませんね~」
何やらのほほんとそんなことをいってくるレイルさん。
レイルさんはどうやら、この家であたし達がくるのをまっていたようだが……
何かいろいろと報告するのにここのほうが便利だとか何とか。
そのあたりのことはよくわかんないけど。
そもそも…でんきって…何?
ねえ?
でんきが通っているから通信が楽とか何とかいってるし……
そのあたりはどうも、魔法というか魔力を駆使して連絡する方法。
もしくは、典型的な鳩便などとはどうなら違っているらしい。
とりあえず、なぜか気を失っていたケインさんはガウリイがおぶってここまでつれてきたけど。
何やらかなり未だに落ち込んでいるらしい。
そのまま別の元、ケインさんの部屋だというベットにキャナルさんの指示で横にしてるけど。
しかし…ちっ。
ないのか。
こっそりと持ち帰る…という計画はどうやら断念するしかないらしい。
そもそも、あたしたち…戻れるのだろ~か?
いやまあ、戻れるだろう。
きっと。
……多分。
「そ…そ~なんだ。それで?さっきのあの金髪のやつって…何?
本当に、あのあたしたちの世界でいうところの。
しかも、この魔血玉に力を与えてる四界の魔王の一人。
「ルークと何となく感覚はにてたぞ?リナ?ただ、人の気配がしないだけだったし」
「ガウリイ。話ややこしくなるから、だまっといて」
さらっと何やらいってくるガウリイをひとまず押し黙らせる。
そんなあたしたちの会話に、
「?ルーク…?ああ。あのたしか。ルークとかいう人間と融合した、リナさん達が二度目に戦った
確か、リナさん達がおられていた時代の世界では、
そして人の心の中に封印され、輪廻転生を重ねることによりその力を減少させる。
という手を、スィーフィードはつかっていたようですけど」
何やら飲み物をテーブルにもってきながらもいってくるキャナル・ヴォルフィードさん。
何やらとてもいい香りがしてるけど。
どうやら、これ、ハーブティーらしい。
あたしたちの世界にも似たようなのはあるし。
う~ん。
おちつく。
そんなキャナルさんの説明をきき、なぜか驚愕したような表情をうかべ。
「…あんたたち、どんな生活おくってたわけ?魔王とたたかってるって…しかも二度……」
「普通。いきてるのが不思議ですね~。
伝説にのこる魔王とたたかってしかも生きて無事。というのは」
うぐっ。
なぜかあきれたような、それでいて驚愕したような視線をあたし達にむけてくるミリィさんとレイルさん。
そんな思わず言葉に詰まるあたしにとどめをさすかのように、
「まあ。リナさんたちは、リナさん達の世界の魔王の五人の腹心であるうちの二人。
さらには、
ぷぴっ。
あ、キャナルさんのしみじみとした説明に、何かミリィさんが口に含んだハーブティー、噴出してる…
しかし。
ちょいまていっ!
「ちょっと!その意見は少しちがうわよっ!
そもそも、
ついでにいえば、
あれに気づかないで攻撃しかけたあいつの自業自得だしっ!」
うんそう。
あたしは絶対に悪くない。
うん。
「きゃぁっ!リナさんっ!ですから!あの御方のことをそんな呼び方しないでくださいっ!」
そんなあたしの声に何やらまたまた悲鳴に近い声をあげてくるキャナルさんだし。
「そもそも。リナさんがいってた、ロード…?ナイ…とか何なわけ?
ナイトメアの組織とはまた違うようだけど……」
「それは私も知りたいですね。いったい何なんですか?」
何やら額に汗を浮かべながらも二人してあたしにきいてくるミリィさんとレイルさん。
ふむ。
「ん~。正確にいっちゃえば。この世界そのものを抱擁してる…つ~か。
世界そのものを創造り出した張本人?当人は何か、純粋な意志にして純粋な力。
とかいってたけど……虚無であり、有であり…そして、混沌…かなぁ?
全ての存在はそれから誕生し、そしてまたそれの元に還りゆく…みたいな。
ものすごい力を擁してるから、その力の一部を使う術を使う場合は。
下手したら、自分達が住んでる場所というか全部が無に還ちゃう。という副作用つきなんだけど」
あ、あたしの説明になんでかキャナルさんの姿がまたまた消えた。
ま。いっか。
このまま説明をつづけよう。
うん。
「あたしが以前、とある知識に触れたときに頭に視せられた映像は。
その力が暴走した場合、何かまるっこい暗い空間に浮んでいる球体のようなものが掻き消えて。
ついでにもって、何やら光の渦がかたまってるような何かまでもが闇にのみこまれてって、
後には何ものこらない…強いていえば、星空の暗闇部分に成り果てる。
というのがあったけど。その意味よくあたしも未だにわかんないんだけど……」
がたぁあっんっ!
…あり?
何か、ミリィさんと、レイルさんが座ってたそふぁ~とかいうのから床にころげおちてる。
はて?
そして、なぜか二人して同時に、
「「それってかなり大事じゃないですかっ!というかそんな技つかえるんですかっ!?」」
何やら二人して顔を真っ青にしながらき~てくる。
「あ。だいじょ~ぶよ。あれの正体を知った今。完全版を使おうとはおもわないから。
まあ、あれの力の一部を呼び込み全てを無と化すその術は。かなり危険だからね~。
何しろ以前、始めてあの術の不完全版。ためしで使ったときなんて、
使った入り江が虚無の空間と成り果てて、それ以後数年以上たっても、
魚一匹も存在しない、死の入り江になりはててちゃってるし……」
「「・・・・・・・・・・・・・」」
あ、二人してなんだかだまりこんだ。
そして、
「…あの?今、不完全版とか、完全版とかいいましたけど…
……完全版…つかったこと…もしかしてあるんですか?」
何やらですます口調であたしにきいてくるミリィさん。
「というか。そんな術…つかってよく無事ですね…あなたたち……」
しきりに何やら汗をハンカチで拭きながらもそんなことをいってきているレイルさん。
「ま。それはそれとして。まあ力を刃の形に変えて使うのにはあまり問題ないし。
あ、さっきのやつに斬りつけたのがそれね。かなりの魔力消費するけど。
はっきりいって、あれで斬れないものは何もないし。何しろ空間すら切り裂くしね~」
「「…それはそれでかなり問題なのでは……」」
何やらそんなことをさらにいってくるけど。
…まあ、あれの完全版を唱えて、金色の王に体を乗っ取られた。
というのは別に説明するようなことではない…とおもう。
うん。
そ~いや、あのとき。
あたしの体って、ヘルマスターのやつに霧散させられたけど、あれが再生させてくれてたっけ?
たぶん、相手を驚愕させる目的もあったんだろうけど。
おかげで、まあ今あたしはこうして今も生きていられているわけだけど。
…あれから、別に体にかわったことはないし。
強いていえば、何やら勘がよくなってる。
ということくらいかな?
ふみゅ。
とりあえず、話題をかえよう。
「まあ、それはそれとして。それで?ケインさんやミリィさんがいってた。
その、金髪大魔王によく呼び方が何となく似てる『ナイトメア』…って、何なわけ?」
そんなあたしの質問に、しばし二人は顔を見合わせ。
そして。
「いいでしょう。私から説明しますよ」
レイルさんが疲れた口調でそういってくる。
よっし。
どうやらさっきの話題からはそれたようだ。
しかし…ほんっと、ここで今何がおこってるんだろ~か??
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あとがきもどき:
薫:もしも~し?リナさぁぁん……
つうか、どこにいこうと、リナはリナ?
ちゃっかりとここの便利ぐっず。持ち帰り計画をすでに立てているリナさんです(汗
次回、レイルの口から簡単なナイトメアに関する説明ですね。
そ~して、あのコンビナートの話に続きますね。
しかし、打ち込みしてたら、レインとケインがよく間違う(笑
ともあれ、次回に続きますvんではではv
次回のラストでようやくゴルンノヴァ登場…かな?
それではv
2007年3月15日(木)某日
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