まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ。
さてさて、これでとうとう最終回!
といいつつ実はおまけがあったりするのはこれいかに!?まあ何はともあれいってみようv

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前回までのあらすじ:

とりあえず問題の肉食イチゴ?が封印されているというポイント。
魔の山にとたどり着いたリナ達。
そこでリナ達が見たものは。苗として成長している・・・はさみもどきの葉っぱ達。
無事にジョージからもらった魔力増幅アイテムを使ったリナの呪文、
暴爆呪ブラストボムでそれらを撃退したはいいものの。
それに怒ってでできたのは本体イチゴと……メロン??


           汝それはストロベリー   〜後編〜


『うどわぁぁぁぁぁぁ!?』
兵士たちの悲鳴がまき起こる。
「でぇぇぃ!男でしょうが!根性いれんかい!」
しり込みしている男どもに一括いれるあたし。
そういいつつもあたしの額からは冷や汗が流れていたりする。
……ど〜やったのか、どういう趣味をしているのか…という点はまあおいとくとして。
ともかく長丸形の赤い物体のその上…どう見てもそれはイチゴ。
とにかくイチゴの上に、にっこりと笑顔が張り付いたイチゴ魔族がのっかり、
こともあろうにあたしたちの方に歩いてくる緑の物体。
「ほほほほ!生き物はぜぇぇぇんぶ、この私の好きな果物になるのよ。やっておしまいなさい。ベリーちゃん。」
などと…イチゴのその顔からそんな声が聞こえてくるけど。
つ〜か……緊張感……ないんだけど……それは。
何しろ指示を出しているのはまあ確かにちょっとした程度の大きさのあるイチゴ。
ど〜みてもイチゴ。
そのイチゴの上にプリティなまでの点と化している目と口。
……はっきりいってこれが魔族…とわかっていても、緊張感が掻き消えるのは仕方ないと思う。
絶対に。
「で…でぇぇぇぃ!烈閃槍エルメキア・ランス!」
ぱきぃぃぃぃん!
うそ!?
それが届く前にあたしが放った術はいつもあっさりと霧散されてゆく。
「ふっ。人間ごときが勝てるわけないでしょう?さあ私のかわいいベリーちゃん。ご飯の時間よ?」
その言葉と同時にイチゴ魔族から白い…人間の手らしきものが伸び。
下にいるジョージ作、実験ナンバー777をなでていたりする。
「きしゃぁぁぁぁ!」
その言葉とほぼ同時。
そのつたの絡まった体からあたしや兵士たちにと向かって伸びてくる無数のつる!
ざっ!
『うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
あたしは間一髪退いて逃れたが、兵士の二〜三人が捕まって、
それらは蔓にと包まれ、葉っぱの中にと移動させられてゆく。
「いけない!」
あたしがそれに気づいてあわてて叫ぶと。
「大丈夫ですよ。リナさん。
  ここに来るまでに皆さんが食事時に飲まれていた飲み水に、あれが嫌う薬混ぜときましたから。
  味がいやで吐き出すはずです。」
さらっと葉っぱに飲み込まれた兵士たちをみてそんなことをいっているジョージ。
……おいこらまて。
「……ってまてぃ!あんたは人の飲み物に勝手に何をいれたのよぉぉ〜〜!!」
がくがくがく。
ジョージの襟首をつかみがくがくとゆする。
「……ちょっと聞くが……味がいやで吐き出すといったが…服は?」
…ぴたり。
隊長さんのその指摘にあたしの手がとまる。
「それはああなります。」

もぎゅもぎゅ。
ペッ!ペペッ!
もごもご……
ジョージが指し示した指の先で何やら葉っぱ?をもごもごさせていたそれが中身を吐き出す。

…き……
「き・・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

それを目の当たりにし・・あたしの悲鳴がこだまする。

『やっぱり服が……』
などといいつつ、残った男性陣全員の視線があたしに向いていたりするけど。
…だ……だぁぁぁぁ〜!!
こ…今回は【服を溶かす】んかぁぁぁ〜!!!1
あたしが内心絶叫を上げるのも当然。
いつの間にかジョージに飲まされていたらしい怪しい薬もどきのおかげで、
肉食イチゴ?の養分にはならないですむようなのだが。
……あたしたちの目の前にと吐き出された兵士たちはすべて……
……何も身に着けてなかったりする……
……あぅ……

「ほほほほ!人間たちよ!すべてこの果物の栄養になりなさいな!
  この世の中すべてを果物で埋めつくすのよ!ほほほほ!」
……何やらイチゴ顔の横からにょきっと白い手がでて、
口と思われる橙色に、とにかく笑っている形で張り付いている口元に手をあてて、
多分……口…とおもう。
ともかくそこに手をあてて笑っているイチゴ魔族……
しっかしんなのが相手なんて洒落になんないって。
いやまじで。
……と。
― もしかして?うん?まてよ?
そういえばこいつ……さっきからやけに『果物』というのを強調してないか?
「ちょっと!確かあんたはプリティーナとかいったわね!
  どうして『すべてを果物に』とかいっている割にイチゴもどきの姿になんてなってるのよ?」
もしかすると……いけるかも?
ふとした考えが頭に浮かびとりあえず叫ぶあたし。
「ふっ。やっぱり人間は愚かね。
  野菜よりは果物。だっておいしいし。人間たちを果物にしたら面白いじゃない。
  それにこの子は人間養分にすることもできるから私のお気に入りvねぇ?ベリーちゃん。」
などといいつつ……何か…頬擦り……なのだろう……多分。
緑の葉っぱや蔓の絡まったその体もどきの上ですりすりしているイチゴもどき。
「ふっ。じゃあ聞くけど?野菜はだめなわけ?」
……何となくだけど…もしかするとこいつ……
「ふっ。当然でしょう?野菜はそのうちにすべて滅ぼすの。そして残るのは私の好きな果物だけにv」
などといいつつ腕をもう一本生やして自分・・・というかイチゴの顔を包み込んでいるそれ。
ちなみにあたしの横では、わらわらと蔦につかまっては身包み溶かされそうになっている兵士たち。
ジョージを脅して残っているらしい怪しい液体を彼らの頭とかから降り注いでいるがために、
どうにか完全には服などは溶かされなくなっているが。
そうしてなかったら……どうなっているのかは……押して知るべし。
高々と言い切るイチゴ魔族を指差し。
あたしは、びしっと。
「ふっ。じゃあ何で――【イチゴの姿】をしているわけ?いっておくけど…イチゴって…野菜よ?」

―ぴしり。

一瞬イチゴ魔族が凍りつく。
「な……何を馬鹿な……」
声が何か動揺してるし。
おし!動揺しとる、しとる!
「あら?知らないの?確かにイチゴは嗜好品のひとつ。
  でも分類的には野菜の分野に入るのよ?つまりは基本はイチゴは野菜。
  ――で?野菜なんかといっていた魔族さんがどうして野菜の姿をしているのかしらねぇ〜?」
ぴしぴしぴしぴし。
どこかその姿が陽炎のようにゆらゆらしつつ、赤い体が完全にと石と化していってるイチゴ魔族さん。
「そういえばそうですね。」
あたしの言葉に横でうなづいているジョージ。
「でもリナさんよく知ってましたね。」
「ふっ。常識よ。」
と威張ってきっぱりと言い切るあたし。
が、何のことはない。
かつて幼いころの姉ちゃんのスパルタ特訓でいろいろと知識もっているだけだしあたしは。

「ひ……ひどい!ベリーちゃん!この私をだましたのねぇぇ!馬鹿ぁぁぁぁ〜!!」
……何やら姿が歪み…そしてそこにいるのは小さな小さな人間の女の子。
『うどわっ!?』
それに驚いているあたし以外のメンバー。
「……いやまぁ…たしかに魔族には実体…ないけど……さ……」
あたしのつぶやくもしごく当然。
ぽかぽかと今まで自分が上にと乗っていたそれを叩き……
「うぇぇぇぇぇん!だまされたぁぁぁあ〜!」
……何やら泣きつつ消えてゆく……魔族ブリティーナ。

『・・・・・・・・・・・・』

シィィィィン・・・・・

しばらく静寂がこの場を支配する。
「……つ〜か……魔族には精神攻撃が有効…そう思ったからいったんだけど……でも……」
思わず頭を抱えるあたし。
――そう。
あの魔族ブリティーナと名乗ったイチゴ魔族は、
実はイチゴが野菜に属するという事実を聞いて……泣きながら退散したのである。
つ〜か……人間の姿になれる魔族…って……かなりの大物というか、実力の持ち主だったんじゃ……
泣きながらに立ち去ったその魔族の容姿をいうならば。
年のころならば七、八歳くらい。
ピンクの髪をかわいらしくお団子に二つまとめており、
……さらにはフリルのついたピンクの服を着た……女の子。
「……ふっ。さすがに純魔族だけあって……精神攻撃には弱かったようね。」
意味の違う汗を流しつついうあたしに。
『……そうか(ですか)??』
当然のことごとくに入る突っ込み。
……いやあたしもまさか成功するとは……
「……ま……まあとりあえず一番厄介な魔族はいなくなったんだし。あとは……」
そこに残されているのは問題の実験ナンバー777。
ど〜みてもこれ……イチゴじゃあない。
絶対に。
つ〜かこの大きさだと、人間の大人も簡単に葉っぱに包まれるくらいまで成長してるし。
あたしたちの目の前にと残っているのは緑の体に無数の赤い物体……しかも歯つき。
そんな物体もどきたち。
そんなそれをしばし見つめるあたし達。
と…ともあれ、後はともかくこいつを叩くのみ!
……とりあえずプリティーナのことは頭から追いやって。
思考を切り替えそれと向かい合い間合いをとりつつ呪文を唱え始めるあたし。

― と。

呪文を唱え始めるあたしの視線の先で、ぽこぽこと土が盛り上がり……そして……

わらわらわらわら……

そこから出てくる無数の緑の葉っぱ達!
……しかも歩いてるし……って……まてぃ!!!!
『ひ……ひぇぇぇぇぇ!!!!?』
思わず叫ぶあたしや隊長さんたち以下メンバー。
ぽん。
それをみて何やら思いついたように軽く手を叩き。
「あ、そういえばこの666の特性。つまりはスィートポテトの特性も付け足してるんでした。
  どうやらこの地面の下に根と蔓を張り巡らせているようですねぇ。はっはっはっ。」
なごやかに笑いながらうんうんうなづきつついっているジョージ……

・・・・・・・・・・・・・

『んなの早くいぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜!!!!!!!』

あたしたちの悲鳴が・・・山にとこだまするのであった……



「……で?リナ?こうなったわけ?」
キュリアン・タウン。
たまたま近くに立ち寄ったついでにこの町の名物、【死の山跡】をみつつナーガがあたしに言ってくる。
「だってドラスレじゃどこから再生するかわかんなかったしね……」
数ヶ月前のその話をたまたままたまた一緒になったナーガに話していたあたし。
当然ジョージの店で閉店クローズが出るまでケーキをただで食べつくし。
もうあれから半年以上が経過している。
当時【魔の山】として恐れられていたその場所はすでになく。
そこにあるのは草ひとつ生えない死のクレーター。
そうあたしはあのとき隊長さんやジョージたちを風の結界で包んで吹き飛ば…もとい。
呪文で避難させておいて。
ジョージからもらった魔力増幅器を利用し上空から山に向けてとある術を解き放ったのだ。
――重破斬ギガスレイブ
あたしが以前これを使った入り江はいまだに魚一匹寄り付かない空間となっているらしいけど。
ここも同じく。
足を一歩踏み入れるだけで恐怖感とも何ともいえない想像を絶する恐怖が味わえる。
というのである意味ここは観光スポットと今はなっている。
そんな死の空間を見つつナーガがあたしに聞いてきていたのだが。
結局あたしの術で山がひとつ消えた。
という事実だけを残しナンバー777は永久に姿をしたのである。
「下手な術だと、かえってあれを増幅させかねなかったしねぇ。」
欠片ひとつ、根っこがひとつでも残っていればそこから再生する。
そんなのは当然さけたい。
それには完全に【無】にしてしまうのが一番である。
……いろんな意味で。
あたしの言葉に。
「その魔族、ブリティーナとかいう魔族はどうしたのよ?」
「知らないわよ。そんなこと。」


あのときあれをやったのは(死の空間にしたこと)封印がとかれた魔族の仕業ということで口裏を合わせ。
あたしには当然のことながら一切お咎めなし。
当然ジョージが作り出した肉食植物のことにも一切触れず。
簡単な事情聴取が済んでから町を後にしたあたし。
そういえばジョージの所でケーキを堪能していたら、何か魔道士姿の結構力があると思われる……
まあ勘だけど。
ともあれ、そんな男性が来ていたりもしたけどまああたしには関係ないし。

何はともあれ、ちょっと前の話をナーガにしつつ観光を一通りし。
またまた旅にと出てゆくあたし達。
…そういえば本当にあの魔族…どうなったんだろ?
ま、いっか。
そんなことを思いつつあたしは思い出深いキュリアンタウンを後にしてゆくのであった。


追伸。
ジョージはあれから、肉食系の植物などは……小型のものしか作らなくなったらしい……
……まだつくってるんかい……こりないやつ……


                    −終わりv−


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あとがきもどき:
薫:ふふふふ。後偏ぴっちりノートに4ページ分!
   さあ清書したらいったい何KBになるのか!?(笑)
   何はともあれ、【汝それはストロベリー】をお送りしました。
   え?本当にイチゴ=野菜。なのかって?確かそうですよ?
   ・・・・まあ関係ないけどブリティーナのメロン形態と、イチゴ形態・・・。
   イメージあります、あるんですけどねぇ。画力がないのでかけません(こらこらこら)
   だれか・・・書いて(かなりまて)
   え?Sとエル様?それは・・・ふふふ?
   まあもう少し関係ないけど付き合ってやろう。
   というご奇特な人は・・・おまけをどうぞなのですv
   ではでは、こんな駄文にお付き合いいただきましてどうもなのですv
   あ、あと押し付けたみーさん、すいませんです(こらこら)
   それではvv


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