まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ♪
CANARUさんのリクエスト♪
今回は、怪談・・いつの間にか、過去の昔話へ!?
誰か突っ込んで!!!!!(まて!)
んでは♪
今回は、アメリアの思い出♪(かなりまて!)です♪

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ミッドナイト・ホーン?    ~アメリア初遠出~

シルフィールが話し終わり、しばし沈黙が落ちる。
ずざぁぁ・・・・。
窓の外は、風に叩きつけられた、雨が激しく当たっている。
「・・・・シルフィールさん・・」
アメリアが何かいいかけて。
ふっ。
シルフィールが微笑む。
「私は、私なりに、罪の償いは、一生するつもりですわ。
  操られ、不可抗力とはいえ、私の手で、数百人の命を奪ったんですから」
何もいえなかった。
誰でも人を殺したことがある。
理不尽でも。
だが。
それが自らの意思でなく、操られて・・というのは。
「まあ、ザルスさんが、魔族と契約してましたから。
  それとなくザルスさんに、ザナッファーのことが耳に入るようにしたんですよねぇ。僕が」
なぬ!?
リナが耳を傾ける。
「いやぁ、とりあえず、そうしたらマークしてた残虐の死神♡てっとりばやく捕まえられるんじゃあないかなぁぁと♡」
ははっと笑って、全然悪びれなく言っているゼロス。
「ぜぇぇろぉぉすぅぅ!!あんたのせいかぁぁぁぁぁ!!!」
「なるほど。つまり、叔父を叩きつけたのは・・貴様か・・ゼロス・・」
リナとガウリイの声が低い。
「信じられません!!ゼロスさん!!!!」
アメリアがゼロスに抗議している。
「アメリア!!」
「はい!!」
すぅ!!
『人生って、すばらしい!!』
リナとアメリアの生の賛歌が始まる。
ガウリイはゼロスの耳元で何やらささやいている。
・・・・・・・・・。
ばしゅう・・・・。
ゼロスの姿が半分消えている。
・・・・ぼん///
リナが、異様にいい耳でそれを捕らえてしまい真っ赤になって、そのまま石化している。
それは、まり。
ベットの中で、ガウリイがいつも、リナにささやいている愛の言葉・・・・
「リナ?」
「リナさん?」
ごとん。
完全に真っ赤になって石化しているリナが転がり、それをガウリイが愛しそうに膝に乗せている。
やくとく♪といった感無量の表情をしていたりするのだが・・・
ゼロスにいたっては、身体が半分綺麗さっぱりその言葉で、したものの。
どうにか漂っている、自然災害における負の感情で実体を保っていたりする。

結局。
リナ達の、ゼロスに対する、説教は、約一時間続いていた。


「次は、私ですね!」
ソファーの上で、なぜか姿が五十センチサイズになっているゼロスを無視して次の順番のアメリアが話し始める。
「アメリアにも、怖い話なんてあるのか?」
ゼルガディスがきいているが。
「父さんが、怒ったとき・・・・とっても怖いですぅ・・」
『なるほど』
みごとに全員が納得してしまった。
「シルフィールさんが、昔話だったので。じゃあ、私も、それで」
すでに趣旨が変わっているような気がするのだが・・・怪談・・ではなかったのだろうか?
だが。
この場には、それを突っ込む存在は一人足りとていなかった。
「これは、私が、まだ、物心ついたときの話なんですが・・」
ゆらり。
ろうそくが揺れた。

「私が、物心ついていたある日。姉さんと、一緒にお出かけしたんです。」
アメリアが話し始める。


「わぁぃ♪ねーさまねといっしょ♪」
二歳なるか、ならないかのアメリアと。
六歳になっている、アメリアの姉のグレイシアとが仲良く、姉妹で城下町に遊びに出ていた。
「ほら、アメリア、そんなにはしゃがないの」
それは、母を恋しがる、アメリアの気を紛らわせるためにアメリアの姉が連れ出した。
というのは。
アメリアは、知る由もそのときはなかったが。
いきなり、動かなくなり眠りについた大好きな母親。
いつか目覚める?と、父と姉や他に聞いても。
ただ全員、涙を浮かべて、ぎゅっとアメリアを抱きしめるのみ。
アメリアは、このとき、母親が死んだ。
というのを理解できていなかったのだ。
そんな妹の、二度と戻ることない母親を、いつか戻ってくるの。
と、信じて、まっている姿は城に勤めている全員の涙を誘っていた。

「あのとき、私は、母さんはいつかぜったいに戻ってくる。そう思ってたんです。死んだ・・ということが理解できずに」
ふっ。
寂しくアメリアは笑う。
アメリアとグレイシアの母親が死亡したのは、アメリアが二歳、グレイシアが六歳のとき・・
まことしやかに、暗殺・・とか、毒殺・・とか噂がとびかったが。
実際は、本当の病死であった。
というか、彼女は実は大人まで生きられたのが不思議な心臓に致命的な欠陥を生まれたときから持っていたのだ。
それは、この世界の技術では分からないから外見上では分からなかっただけで・・
それで二人も子供を産んだのは奇跡としか言いようもないが。
安らかに眠るように。
いや実際に。
いつものように、眠って・・二度と目を覚まさなかった母親。
その数日前から体調がおかしい。
といってベットで横にはなっていたが。
・・あっけなすぎるほどの死であったがゆえに、幼いアメリアには理解ができなかったのだ。

かぁ・・・・かぁ・・・・・
「ね~さま?ここどこ?」
「・・・・・ふっ。細かいこと、気にしちゃ駄目よ?アメリア?(汗)」
妹の問いかけにアメリアは気づいてないが、ちゃっかりと額に汗流している姉の姿。
・・・困ったわね・・・・・・・・・道に迷ったみたい・・。
かぁ・・かぁ・・・・
そこは、いつの間にか、家も何もない単なる森の中。
母が好きだった花をつみにいこう。
といって、町外れまでいけたはいいが。
グレイシアは何しろ城の中でもよく時々迷うほどの天性の方向音痴。
カラスが無情にも鳴いている。
アメリアと同じく、つややかな黒い長い髪を腰まで伸ばし。
黒い瞳もアメリアと同じ。
この姉妹は母親似なのである。
「ま、まあ、歩いてたら、どこかにつくわよ」
「?ね~さまがいうんなら、ぜったいだね!!」
「ふっ。お~ほっほっほっ!当然でしょう!アメリア!!」
無意味に笑っているグレイシアの姿が人気のいない森の中静かに響き渡っていた。

「・・・・・・・・なんか、誰かをほーふつさせるわ・・」
「・・・とゆ~か、普通、城下町のはずれに出ただけで・・迷うか!?」
リナはとある知り合いを思い出し、ゼルガディスがあきれている。
「姉さんなら、やりますよ。何しろ、城下町に買い物にいってそのまま道に迷って、
  よく、ディルス王国まで迷い込んでたりもしましたし」
当然のようにいうアメリア。
「・・・・と~ゆ~か、よくそんな人物・・・・一人旅・・・・・・・・フィルさん・・・・許したわね・・・」
アメリアの姉の、グレイシアが修行の旅にでたまま、行方不明。
というのは、リナは知っていた。
・・・・・実は、リナのよぉぉぉく知っている人物だったりするのだが。
「人間、何ごとも、世界を見なければ、国を治めることはおろか。自らを高めることもできないし。
   だから自らを高めるためにも、一人旅はどんどんやれ!というのが、父さんの意見です」
『・・・・・なるほど(汗)』
何しろ、お忍びでちょろちょろしているフィル。
娘たちにもそういう教育指導だったのか・・・
内心、本気でセイルーンの将来が心配になるリナ。
ゼルガディスも、同じ思いで汗を流していたりする。

ほぅ・・・ほぅ・・・・。
やがて辺りがすっかり暗くなる。
「ね~さま?」
「アメリア、今日は、キャンプよ♡」
言い訳しているグレイシア。
「え!ね~さまとキャンプ!?わぁぁぃ♡」
家族で泊りなど自分が一歳の誕生日以来である。
まあ、今は、母も父もいないが。
それでも。 
初めての姉とのお泊り。
というのでアメリアは喜んだ。

「いや、アメリア、普通、そこで、迷ってるとか・・思わなかったわけ?」
「というか、城の人達・・何やってたんでしょうか?(汗)」
リナが突っ込み。
シルフィールが、幼い王女二人がいなくなっている、というのに大騒ぎしてないらしいセイルーン王宮を指摘している。
「捜してはいたらしいですよ。でも、子供には旅をさせろ。というのが、父さんの信念でもありましたし。
  ですから、様子を見よう。ということで、あんまり大騒ぎはしなかったようです」
いや。
普通、いくらなんでも王女か二人、行方不明になったら・・・大騒ぎするのが普通なのでは・・・・・??
当然の最もな疑問が、リナ、ゼルガディス、シルフィールの中に巻き起こっていた。
そういえばそんな依頼もあったときがあったな・・・
ガウリイが、家を出て一年目に耳にした依頼内容。
身分は明かせないが、行方不明の女の子の二人の捜索。
結構、あれは報酬がよかったが。
ガウリイがふと思い出す。
・・・・一体、セイルーンって・・・・(汗)
リナと、シルフィール、ゼルガディスが内心、冷や汗を流していたりする。
別の意味で。
・・・まあ、気持ちは…わからなくもない。

「ぎゃははははは!!!!」
「あら?」 
道行く道を進む、二人の耳に人の話し声が聞こえてきた。
ぴん。
「アメリア、今晩の寝床と食事。確保できたわよ」
すたすたすた。
迷わずに進んでゆくグレイシア。
「あ、ね~さま、まって!!」
とてててて。
二人が、たどり着いたのは。
ちょうど、胡散臭いやからが。
酒を交わして、どんちゃん騒ぎしているそんな場所。
「お!!おかしら!あんなところに、子供が二人!いますぜ!」
「お!!これはいい!親から身代金!たっぷりととれるぞ!」
アメリアとグレイシアの服は、結構さっぱりとしているが、布は高級品。
見る人がみれば、お嬢様。
というのは、すぐ分かる。
森を抜けたその一角に、高々と山がそびえたたち。
その崖の下に、盗賊達が、奪い取った宝を囲んで打ち上げパーティをしていたのである。
「ふ。アメリア、い~い。悪をのさばらしておいては、世の中にならないのよ?」
「と~さんがいつもいってますね!!」 

・・・いや、フィルさん・・子供に一体どーいう教育を・・(汗)
思いっきり同時に同じことを心の中で突っ込むリナ達。

「それじゃあ、悪を懲らしめて、そして、今晩の寝床をゲットよ!」
「わぁい!!ね~さま!!げ~むですね!」
勘違いしているアメリアに。
「そうよ。アメリア」
そういうことにしてしまうグレイシア。
「へっへっへっ」
そんなむちゃくちゃな会話をしているとは知らずに。
複数の盗賊が、アメリアとグレイシアを捕まえるために近づいてくる。
「そ~いえば、ね~さま、このまえ、みせてくれた、あれ。あめりあ・・も~いっかいみたい♡」
アメリアのおねだりモード。
「ええ?あれ?」
そんなアメリアの言葉に。
う~ん。
ま。
いっか。
しばし考え、そしてやおら呪文を唱え虚空に魔法陣を描き出す。
ちょっぴり額から汗が流れてはいるが。
やがて。
グレイシアが一言。
「・・・・魔竜吼グ・ル・ドゥーガ!!」
その言葉に応じて、闇が集まり凝縮してゆく。
そして、それは一つの、巨大な黒い竜の形を取っている。
「さすが、ね~さま。」
ぱちぱちぱち。
アメリアが手を叩いて姉をほめている。
「ふっ。お~ほっほっほっ。この私の手にかかれば、こんなことは造作もないのよ。アメリア、貴女も精進するのよ!」
笑っているグレイシア。
「はい!ね~さま!」
「いくのよ!!」
グレイシアの命令に。
「・・・・きしゃぁぁぁぁ!!」
「あら?どうやら、また暴走・・したみたいね。まっ、こんなこともあるわよね♡」
アメリアとグレイシアの目の前では。 
今、召喚された魔王竜ディモス・ドラゴンが制御ができずに暴走して辺りかまわずにブレスを吐きまくっていた・・・・
しゃぁぁぁぁぁ・・・
ドンドンドンドン・・・・・・
やがて、そのまま、歩いて、どこかに言ってしまう・・・・竜。
「さ。アメリア、食事でもして寝ましょう」
「はい。ね~さま」
いや、というか、暴走しているディモスドラゴンをほっといていいのだろうか?
しかし、アメリアも、グレイシアも、そんなことは、一切気にしてなどはいなかった。
辺りは、完全にクレーターと化しているものの。
洞窟の中のベットなどは、そのままで。
アメリアとグレイシアは。
その日は、そのままその洞窟に泊まることとあいなった。


「そういえば、城に戻ったとき。
  後から知ったんですが、原因不明で消滅した村が二つあるとか、報告があったらしいですけどね」
アメリアがふと、思い出したようにいう。
それは、暴走してた、竜がブレスを吐いて、クレーター化としたのが事実なのだが。
そしてそのまま。
召喚の効力が切れて、野良となったのはアメリアは知る由もない・・・・
まあ、リナが五歳のころ、知らずにそれと出会い竜破斬ドラグスレイブ一発で消し飛ばした。
という事実もまた、誰も知らないこと・・

「ね~さまぁ!!これなに!?」
「あら、アメリア、隠し扉じゃない?」
盗賊も気づいてなかったらしい。 
隠し通路を見つけているアメリア。
面白そうね♡
グレイシアは、短剣の先に明かりライティングを灯し。
その通路に続いている道を奥に奥にと進んでゆくことにした。
アメリアと一緒に。

「まったく。キリがないわね。
グレイシアがつぶやく。
進んでいく最中、後から後から、オーガやコブリン。
まあ、この辺りなら雑魚なのでいいとしても。
レッサーデーモン(少し小振り)や、ゴースト。
デモン・ビーストなどが、わらわらと洞窟の行く手をふさいでいるのである。
デモンビーストとは、目が一つの亜魔族。
しかも目から光線を吐く。
「父様がいたら、話し合えば分かる。とかいうのでしょうけど。
  この私の行く手をさえぎるものは、容赦しないのよ!!お~ほっほっほっ!!」
いうなり。
青魔烈弾波ブラム・プレイザー!!!」
いきなり呪文を唱えるグレイシア。
「さ、アメリア、貴女も、魔法の実習訓練よ!」
「はい!!ね~さま!!」
「すべてのこころのみなもとよ・・・」
アメリアが、最近、思いついた、オリジナルの呪文を唱え始める。
「でぃすふぁらんく!」
どがっ!!
「と~さんじきでん!!へいわしゅぎしゃくらぁぁぁしゅ!!」
どごめごばぎゃ。
素手でどんどん倒してゆく、二歳のアメリア。
父親と姉と一緒によく『正義を広めるた』めとかいって出かけている効果であろう。

「・・・・・フィルさんのやっぱり影響か・・・」
「フィルさん・・・幼い子供・・に、何を教えてるんだか・・」
リナとゼルガディスが突っ込んでいる。

やがて。
どれだけ進んだのか、やがて広い空間にふたりは出る。
「何?ここ?」
「ふっ。どうやら、何かを祭っているところのようね」
二人が目にしたのは。
なぜか、周りの壁に、ルーン文字が仰々しくいたるところに刻んであり。
その奥に何かが保管されていると思われる扉。
「こういうところには、罠があるものなのよねぇ。でも、そんなことは、関係ないわね!!お~ほっほっほっ!!」
そう言い放ち、周りの扉を調べ
「ここね」
かたん。
模様に隠れた突起を押す。
と。
ごごごごご・・・・・・・・
扉が音をたてて開く。
ぽう。
何もない部屋の中心に魔法の光が固定してあり。
その中央に一つの台座。
「ね~さん?あれ、本のようですよね?」
「そうね。あら、周りに、聖なる結界が張ってあるじゃない」
なんでもないようにいって、あっさりとそれを解除する。
「何?これ?」 
「・・・・どうやら、何かしらの、魔力を感じるけど・・・」
ぱら。
その本を開くと。
「ちょっ!?これって!!」 
グレイシアが目を見開く。
「なに?ね~さま?」  
「あ・・アメリア!!これ、写本よ!」
「・・・?しゃほん?」

がたっ!!
「な゛!?それで!?それはどうしたんだ!?」
ゼルガディスが、そこで椅子から立ち上がる。
「・・・・燃やされちゃいました♡」
「・・・・・ええ!?すると、あの時の子供がアメリアさん達だったんですかぁ!?」
アメリアの言葉に、ゼロスがとある出来事を思い出している。

「ふっ。出てきたらどう?隠れてないで?」
ふと。
グレイシアが、壁の方に向かって何かいう。
「おや、僕の気配が分かりましたか?」
壁の中から出てきたのは。
どこにでもある神官服をまとって、どこにでもあるような錫杖をもち無意味ににこにこと笑っている男性。

「・・・あれ、やっぱりゼロスさんだったんですね」
実は、アメリアとグレイシアは子供のころに一度ゼロスに会っていたりする。

「で?どうして、こんな所に、私達以外の人がいるのかしら?」
グレイシアが言い放つと。
「いやぁ、それ、渡してもらえませんか?それの回収(処分)が僕のお仕事なもので♡」
にこにこと無意味に笑っている男性。
「ふっ。人に物を頼むのには、それなりの礼儀が必要なのよ」
さらり。
髪を掻き分けているグレイシア。
「いやあ、そういわれましても。僕も、お仕事ですし」
にこにこにこ。
るぉぉぉ・・・
刹那。
辺りの空気が一変する。
「ね~さま!ぶらすで~もんです!!」
「ふっ。そのよ~ね!!いくわよ!!あめりあ!!」
「・・いや、あの・・無視しないでほしいんですが・・・」
つぶやく黒い神官を無視して、いきなり二人は戦闘を開始する。
「か~さん直伝!!!生の賛歌!!いきます!!!」

「・・・・・・ってまてぃ!!アメリア!あんた、あれ!!母親から習ったの!?」
「というか、子守唄がわりに、聞かされてました!!」 
『・・・アメリア(さん)のお母さんって・・・・・・。(汗)』
それに突っ込んでいる、リナ、ゼルガディス、シルフィール。

「あら?どうかしたの?」
「ね~さま、この人、苦しんでますよ?」
ふとみると、顔色悪くして、先ほどの神官がうずくまっている。
「うう・・・・。これは・・ききます・・・・」
「食あたりでもしたのかしら?」
ある意味正解を言っているグレイシア。
「うう・・・・」
「だいじょうぶ?」
てとてと。
アメリアが近づいてゆく。
「アメリア、知らない人には気安く近づいては駄目よ?」
珍しくいうことはまともなグレイシア。
無防備にもっている写本。
そんなアメリアに話しかけているグレイシアがもっている写本は無防備。
ふっ。 
いきなり神官の姿が掻き消える。
「え!?」
次の瞬間には、グレイシアがもっていた写本は神官の手に握られていたりする。
「ちょっとぉぉぉ!?人のものをとるのは泥棒なのよ!!」
「ええ!!ね~さん、あのひと、あくですか!?」
抗議しているグレイシア。
「あくにんならほっとけません!」 
いうなり、アメリアが呪文の詠唱を始める。
「あら、アメリア、やるわね!なら、私も!!」
というか。
こんな狭い空間で呪文を放ったらどうなるか。
「ふむ」
どうやら本物のようですネェ。
そういって。
ぼしゅ。
あっけなく手の中の本を燃やす神官。
その直後。
アメリアとグレイシアの呪文が完成し。
「ファイアーボール!!」
「ブラム・ガッシュ!!」

さて。
密閉された空間に炎と風が混ざったら?
当然・・・・・。
どっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんんん!!!!
大爆発が巻き起こる。
「うわぁ!?」
どで。
壁の上の方に腰掛けていた神官が、落っこちてくる。
がらがらがら・・・・・
四方の壁が崩れてゆく・・・・・

「ああ、死にましたかね?」
のんびりといっているが。
「お~ほっほっほっほっ!!この私を瓦礫で始末しようだなんて!!語るに落ちたわね!!お~ほっほっほっ!!」
「ぷはっ!ね~さま!!やっぱり、このひと、あくですね!」

・・・・・・・。
思わず目が点になる。
それはそうであろう。
はっきりいって完全に壊滅し、半壊・・というか、全壊した洞窟の中から二人とも無傷で起き上がっているのだから。
「あ・・彼方たちぃ!?本当に人間ですかぁぁ!?」
神官の叫びもどこへやら。
「ふっ。覚悟するのね!!」
「ね~さま!!いきましょう!!」
「・・ちっ。」 
手加減するものの。
「・・・ぜぃ・・ぜぃ・・。ほ・・本当に人間なんですか!?」
神官の放った攻撃が直撃しているにも関らず、高笑いしつつ無傷で復活するグレイシア。
そして、ちょっぴりこげたりはしているものの・・・やはり、無傷のアメリア。
「でぇぇぇぇぃ!!僕は遊んでいる場合ではないんですぅ!!」
といいつつも、しっかりと遊んでいるのはお約束。
この人間・・面白いですね♡
と、内心、思いつつ。
今、彼は、精霊魔法のみで戦っているのである。
「ふっこれならどう!?ダイナスト・ブレス!!」
「おや、覇王様の呪文ですか・・」
ぱっきぃぃぃぃん。
「あら、やるわね。きいてないし」
というか、無効化させている。
というので人でないと気づくであろうが。
「じゃあ、」
いって、次に呼び出したのは。
るぎぁゃぁぁぁぁ・・・・
「おや、やりますね。ディモス・ドラゴンの召喚ですか」
感心している神官。
と。
くるり。
「ね~さま!?こっちにむかってくる!」
「あ・・あら、お~ほっほっほっ!!気にしないのよ!アメリア!
  また暴走して、こっちに攻撃しかけてくるみたいなだけだから!!」
え!?
二人同時に顔を見合わせて。
『うきゃぁぁぁぁ!?』
るぉぉぉぉ!!
どんどんどん。
だだだだだ!
やがて、竜と二人の鬼ごっこが始まってゆく。
けたけたけた。
その様子を笑ってみている神官。
「いやあ、面白いですね♡これは♡」
というか、仕事・・サボって何してる。
この神官は。
「ふぅむ。どうやら、暴走している。というか、遊んでますね。あのディモス・ドラゴンは」
傍観主義の黒い神官。
やがて、鬼ごっこは・・・・。
あっという間に、二日が経過する。

術の効力が切れたのか、はたまたあきたのかディモス・ドラゴンは戻ってゆくが。
その、二日の追いかけごっこで三つの山がブレスで無に戻り、その辺りの景色は完全に荒野と化していた。
そんな中で、無傷のアメリアとグレイシアなのだが・・。

「姫様ぁぁぁ!!」
やがて、遠くの方から、人間の声がする。
「おや、誰かがきますね」
しゅん。
「楽しませてもらいましたよ♡」
虚空から声が響くが。
「ねえ?アメリア?私達?何やってたんだっけ?」
「さあ?なんだったんでしょう?」 
すっかりと逃げ回ることに夢中になってて、神官のことなど忘れ去っている二人であった。

「確か、あのときの、暴走で、村が、四つ壊滅し。
   山々も完全に姿が変わったんですよね、これがまた。はっはっはっ」
いや、笑っていうことなのだろうか?
「・・・・・・・・・・・なぁぁんか、暴走やら・・・何やら・・・・」
言わないでおこう。
リナの脳裏には、一人の人物が思い当たっているのだが。
まさか、あれが、アメリアの姉のわけはない。
断じて。
名前も違うし。
もしそーなら、セイルーンはおしまいである。
リナはそれで片付けた。

「アメリア!!グレイシア!!」
ひしっ。
と、二人を抱きしめつつ。
「いいか?呪文を暴走させてもいいが、怪我だけはするなよ?」
フィルが、グレイシアにむかってそういっていたりする。
「・・・殿下・・・・」
そういう問題じゃあ・・・・。
思わずそんな彼の言葉に兵士たちが心で思いつつ突っ込みを入れたのは・・・当然、といえるであろう。
城に戻ったアメリア達はそのときはきかされなかったが。
どうやら、暴走した、竜、そして呪文などによる被害は。
国の数年の国家予算に並ぶものであった・・・

「結局、ね~さんが旅にでるまで。と~さんと、私と、ね~さんとで。諸国漫遊の旅してて。
  ね~さんが度々、呪文を暴走させまくって。面白かったですよ♡」
その後。
城に戻ったグレイシアが。
精神の修行と世の中の修行。
といって一人旅に出て行ったのだが・・・・。
「ね~さんが、壊滅させた、村の数・・百は越えましたし・・・・ま、不慮の事故ですし」
きっぱり言い切っているアメリア。
『・・・・・。』
それでいいのか!?
セイルーン!?
当然。
全員の思いが、一致していた。

セイルーン、被害状況。
死者:六十数名・・(ディモス・ドラゴン暴走)
行方不明物:百数十名・・(半壊&全壊した村などで)
これが、二人の、遠出の、被害状況であった・・・・。

「う~ん。はっ!!怖い話というのに、思い出話になってしまいました!
  じゃあ、これなんかどうでしょう?ねーさんが、以前戻ってきたとき、教えてくれた話なんですが。
  何でも、女性が気が狂いながら、消滅してゆく。という事件がチョクチョク以前起っていたそうですよ。
  まるで、闇に蝕まれていったり。異形と化していったり・・・」
アメリアがようやく本題に気づく。
「・・・・異形?」
シルフィールがつぶやく。
「ええ。それがわからないんですよ」
・・・・ああ、あれか。
ガウリイには、実は心当たりがあったりする。
まあ、俺のせいじゃないし。
考えのない女たちが悪いんだし。
実はそれ全てガウリイと関係をもち。
直に、瘴気を中にだされた女たちである・・・・・・
昔。
ガウリイは、人殺しなども平気でやっていた。
当然、自らの中にいる闇に力を与えることになる。
それは。
身体から湧き出そうになる、瘴気の解決策と、夜の暇つぶしのためだけに女を抱いていたガウリイ。
つまり。
女に瘴気を押し付けていたのである。
とうぜん、避妊をしていれば、あまり害はないのだが・・・
といっても、数日、よくて一ヶ月、行動不能に陥っていたが。
そういう女たちは。
中には、容姿がきにいってガウリイを自分の元に止めておこうとし。
こっそりと、避妊具に穴を開けていたりしているものも。
そういう女性たちが、魔王の瘴気に耐えられるはずもなく。
結果として、そのまま、闇に捉えられるように、死亡していっていたのである。
大概、ガウリイは、関係は一度しか持たなかった。
というか、彼にとって女はそういうものだったのだから。
自分の容姿しかみないそんな連中には、まったくといっていいほどに興味などはなかったから。
リナに関しては、まったく違うが。
「何でも、数年前から、ぴたり。とそれはやんだ。と報告がありましたけど」
アメリアは気づいてないが。
それは、リナとガウリイが出会ったからである。
というその事実に。
「そういえば、聞いたことがあるな。確か、全員の共通点は、かなり遊んでいた女たち・・だということだな」
本当の共通点はガウリイなのだが。
「・・・・あんまり、怖くなかったですね」
といって。
アメリアが次ぎを促す。
「じゃ、次は、ゼルガディスさんですよ!!」

「はぁ・・・・」
結局。
自分も何か話すことになるのか・・・・。
ゼルガディスは、覚悟を決めてゆく。


                         (ーアメリア思い出話、終了―)

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あとがき:
薫:次回は、ゼルガディス♪
   そして、リナにガウリイ♪最後にゼロス♪
   そして、シルフィール、アメリア、ゼロス、ゼルガディスの座談会(まて!)
   ではでは♪
   ガウリイの・・傭兵時代・・・・。
   彼にとって、単なる夜の暇つぶしでしかなかった女たち・・・(汗)
   まあ、刺客などをよく送られてたガウリイだからなぁ・・(まて!)
   快楽の後に、殺す。その表情を冷酷に見ていたガウリイ・・・・。
   ある意味・・・・魔そのもの・・・・(滝汗)

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