まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

さてさて。こんかいはゼルガディスですv

#####################################

 ~スレイヤー・パニック   ~望まぬ再開~

探しだすのはいたって簡単。
そう、彼に関しては。
コトは急を要する。
―― それゆえに、いくつにも実体化して行動に当たっているのだからして。
精神世界面アストラル・サイドより目的の波動を探索する。
―― 見つけましたよ♪
どこか楽しみつつやらないと、彼…ゼロスとしてはやってられない。
この間にもどんどん…なくなっているのが感じとられる。
―― 急がないと…
時間が惜しいゆえに、『彼ら』のところに、同時に赴いている。
ゼフィーリアに向かった分身体は…まあ、あの地だからそれなりに覚悟はしているが……

「―― ふぅ……」
手にした古い書物をかたてにため息一つ。
…やはりそう簡単にはいくはずがない。
とわかっているとはいえやはり落胆はする。
「……またハズレ…か…」
古の書物、古の遺跡。
少し前から再び力をつけはじめた……【魔】。
以前旅をしていた彼らと別れ、
あれからさすがに、あれほどの【伝説級の事件】にはかかわることはない。
噂では、魔王が倒されただの復活しただの、と様々にささやかれていたりはするが。
今の彼らとって重要なのは、【元の体に戻ること】。
そんなことをつぶやきつつも今入っていた洞窟より外にと出るために出口に向かって歩き出す。
…と。
唐突に気配を感じ、思わず身構える。
そして…より一番闇の濃い場所にと向かい、小声で唱えていた呪文を解き放つ。
烈閃槍エルメキアランス!!」
…と。
パッキィィィン……
闇の尚、青白い光が砕け散り、済んだ音のみを響き渡らせてゆく。
そして、闇がまるで…そう、具現化したかのように、
その中よりゆっくりと明るい場所にと出てくる一つの影。
「こんにちわ♡お久しぶりです♡ゼルガディスさん♡ずいぶんとひどい挨拶ですねぇ♡」
その場にそぐわしくないようなのんびりとしたその声に、
あからさまに顔をしかめ、そして警戒を崩さずに。
「…ゼロスか…何のようだ?」
目の前にと現れたゼロスに対し警戒しつつ、問い返す。
といっても、彼が素直に【説明】するとは思えないが…
もし、自分を殺しにきたのだとすると…ゼルガディスが勝てるとは…到底思えない。
見た目胡散臭そうな、人のいい笑みを浮かべた神官に見えても…
…目の前の人物は人ではなく、れっきとした高位魔族であるがゆえに。
そんなゼルガディスの問いかけに。
「いやですねぇ~♡久しぶりに会ったというのに♡何のようもなくくるはずないじゃないですか♡」
いいつつにこやかな笑みを浮かべ。
「実はゼルガディスさんにとあるお願いが……」
「断る!!」
ゼロスがいい終わるよりも先に即座に否定しているゼルガディス。
ゼロスの【お願い】などロクでもないことであることがわかりきっているがゆえに。
「ひ…ひどいですぅ!まだ説明もしてないのに……」
「聞くまでもない」
ぴしゃり。
と言い切るその言葉に。
「そ…そんな…引き受けて下さったら、
  異界黙示録クレアバイブルの数箇所ある出入り口をお教えしてもいい。と許可がでてますのに……」
何やらその場でいじけつつ、
横の壁にとのの時をかきつつ、そんなことをつぶやくそんなゼロスの言葉に。
「どうせロクでもないことだろうが。―…それに、本気でその【出入り口】を教えるとは思えんしな」
油断はできない。
それに完全に鵜呑みにできるはずもない。
「そんなぁ~。ゼルガディスさんが引き受けてくださらないのでしたら…仕方ありませんね……
  とりあえず、今の段階ではアメリアさんは協力してくださるそうですから…
  後はリナさんとガウリイさんの返事次第で……
  アメリアさんお一人で【魔王様】をどうにかしてもらうしか……」
―― おい…
「ちょっとまて!何でそこにアメリアの名前が出てくる!?それに…今何といった!?貴様は!?」
予想外の名前を呼ばれ、思わず叫ぶゼルガディスに。
「いえね。アメリアさんは、『正義のためです!』といって快く承諾してくださったので。
  …とりあえず、今回僕が受けた命令は、リナさんたち…
  …つまり、アメリアさん、ゼルガディスさん、リナさん、ガウリイさん。あなた方に。
 【目覚めた魔王様をどうにかしてもらう】といった内容でして……」
「…ちょっとまて!?何で貴様がその【魔王】をどうにかするために動いてるんだ!?」
本当ならば、絶対に何か裏がある。
いや、本当でなくても絶対に何らかの裏が……
コトもあろうに彼らの上司である【魔王】をどうにかしてもらうためにと動いている…
などととは……
「僕らにも理由がありまして…引き受けてくださるのでしたらお話しますけど?
  悪い話ではないと思うのですが?僕らは動けないんですよ……
  ……一応、あんなのでも魔王様の力…持たれてますしね…
  ならば、実力がしっかりと保障されているあなた方に依頼しようかと♡
  上司様方の会議で決まりまして♡」
…そういうゼロスの顔色が悪いように見えるのは…はたまたゼルガディスの気のせいか。
…いや、上司の会議…って…
かなり突っ込みどころは多々とあるが。
だが…
あんなの呼ばわりされる魔王…かなり気になる……
……が。
断れば間違いなく……
「わかった…ただし。真実を見極めて、どうするかは俺が決める。…それでいいな?」
だからといって言うなりになれば利用されるだけ。
それは間違いがない。
かといって断ってアメリアを見殺しにするようなコトもできない。
「はい♡ありがとうございますぅぅ~!!
  それでは、アメリアさん達と合流しますから♡一気にいきますよ♡」
「―― 何!?」
「うどわっ!!??」

次の瞬間…ゼルガディスの姿はその場から掻き消えてゆく…

ゼルガディス=グレイワーズ。
…彼の弱点が実は、一人の【女性】であることは…あまり一部のものにしか知られていない…

後には…何ごともなかったかのような遺跡の洞窟が…静まりかえるのみ……


                           -終わり(?)-

HOME   TOP    BACK    NEXT

#########################################

あとがきもどき:
ちなみに、ゼロス君。同時にいくつも実体化して同時進行して。
アメリアやゼル、そしてリナ達の勧誘(?)をしていたりします(笑)
さてさて・・・次はリナ達ですねvv

2004年11月29日某日

HOME   TOP    BACK    NEXT